自律神経失調症と診断されたら仕事は? それでも働ける仕事探しのコツ

自律神経失調症と診断されたら仕事は? それでも働ける仕事探しのコツ

「自律神経失調症」は症状や原因が様々で、診断が難しいとされる病気です。診断までに、多くの病院を渡り歩いて疲れてしてしまったという方も多いことでしょう。

さらに職場では、理解されず辛い思いをしたり、退職を余儀なくされたりした方もいらっしゃるのでないでしょうか。

休職中の方は、また働きたいと思うものの、「コントロールできない体調不良でも続けられるだろうか」「上司や同僚が理解してくれるようなよい職場があるだろうか」など、以前の状況を思い出し、ためらってしまうことはありませんか?

また自律神経失調症の原因が仕事だということあるかもしれません。 そういった場合、今の仕事に復職するか、新しい仕事に転職するか、迷っていませんか?

でも、自律神経失調症に悩みつつも、病気の特徴を理解し自分に向いてる職場に復職・転職できた方は、たくさんいらっしゃいます。
今回は、そのような方のアンケートの回答を交えながら、仕事探しに役立つポイントをご紹介していきます。

具体的で、力がわいてくるたくさんの体験談が集まっています。ぜひ、今の仕事を続けるかどうか迷った方は参考にしてください。

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目次

1.自律神経失調症とは

2.自律神経失調症が仕事におよぼす影響と悩み

3.仕事への悩みを解決するためには復職?それとも転職?

4.自律神経失調症でもできる仕事とは

5.自律神経失調症でもできる仕事で働くために必要なこと

6.転職を考えている方へ

7.新しい企業や職場で長く働くために大切なこと

8.最後に

1.自律神経失調症とは

    自律神経失調症は、自律神経がストレスによって正常に機能しないことによって起こるさまざまな症状の総称です。

    その原因として、不規則な生活によって自律神経が興奮し続けたり、ストレスによる刺激、更年期におけるホルモンの乱れ(更年期障害)、先天的要因などが挙げられます。

    全身的症状としてだるい、眠れない、疲れがとれないなど、器官的症状として頭痛、動機や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷えなど多岐にわたります。精神的症状として、情緒不安定、イライラや不安感、うつなどの症状が現れることもあります。
参照:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」

自律神経失調症を改善するためには、その原因を知り、ストレスのコントロールをすることが大切です。ストレスを生じる要因は、生活の中に数多く存在しますが、仕事もその1つ。 仕事にストレスを感じ、悩んでいることはありませんか?

2.自律神経失調症が仕事におよぼす影響と悩み

アンケートには、自律神経失調症と診断された方の仕事に対する悩みが多く寄せられています。大きくわけると以下の4つです。

1、季節や天候の影響を受けやすい
2、生活リズムが乱れると症状が悪化する
3、職場の方に理解してもらえない
4、今後の生活が不安になる


このコラムを読んでいるあなたも、同じ経験はありませんか?
では、寄せられたリアルなコメントとともに、悩みを具体的に見てみましょう。

2-1季節や天候の影響を受けやすい

自律神経失調症の大きな特徴のひとつは、気候などの外的な環境に身体が適応できなくなること。つまり、暑ければ汗をかき体温を下げ、寒ければ震えて体温を上げるというコントロールができなくなることで、体のあちらこちらに不調が出てきます。

「特に夏に弱く、休みがちになる。パニック発作の不安感も出やすいので職場まで辿り着かない。血管迷走反射で失神。」

「疲れや暑さで体調不良になりやすく、急激に緊張感が高まると、手の指が痺れて固まってしまう。また、酷い時は吐き気もありました。このようなことから、夏場の暑い時期の仕事や、トラブルが発生した時は、精神的にもダメージが大きかったと思います。」

「自律神経失調症により、特に気圧、気温の変化によって急激な頭痛、目眩が起こり仕事にかなり支障が発生している。」

その日の天候に体調が左右されてしまうこと。例えば 昨日までは調子が良かったのに、朝起きたら急に調子が悪くて仕事に行けないということはありませんか?

2-2 生活リズムが乱れると症状が悪化する

夜勤やシフト制の勤務など、生活リズムが乱れやすい勤務体制は、自律神経失調症の症状を悪化させる可能性があります。

「うつ病と自律神経失調症によって生活リズムの不順が生まれ、うまく時間通りに動けない」 「勤務内容によっては人よりも疲れやすい状態であり、特にシフト制の勤務になると睡眠リズムが狂って不眠障害にまでなってしまい、体調を崩すもととなってしまいます。」 「体調不良があると訴えていたが、人手が足りないという理由で通常よりも多く夜勤の勤務を入れられたり残業をしたりと、勤務時間をかえって増やしているような気がしました。」

残業が多い、休日がとれないなど忙しすぎる職場は、身体の疲れだけでなくストレスがたまりやすくなります。つまり、より精神的に追い詰められやすい状況を作り出してしまいます。症状を改善するには難しい環境だと言えそうです。

2-3 同じ職場の方に理解してもらえない

「障害者枠で工場に知的障害の従業員を積極的に雇っていたが、私は虚弱体質だけどその他は健常者と同じ職務なので、メンタル面のケアがおろそかだった。」

「病気のことは直属の上司へ打ち明けたものの、あまり理解をしてもらえず治療に専念することが出来ないまま、体調に細心の注意を払いながら退職まで勤務を続けました。」

自律神経失調症の方にとって、 もっとも辛いのは「周りに理解されない」こと ではないでしょうか?

「疲れやすい」「やる気がでない」「頭痛」などは、多くの人が経験しがちな症状であるがゆえに、深刻さを理解してもらうのは難しいようです。ちょっとした疲れだから、そのうち治る程度の解釈になりがちです。

それだけでなく、 周りから批判的な目で見られたり「怠けているだけ」などと勘違いされることもあるかもしれません。

仕事がしたいのにできないもどかしさに加え、周りから受ける勘違い。その環境で仕事を続けるのは、辛さが増すばかりか2次的な病気へ発展しかねません。

2-4 今後の生活が不安になる

自律神経失調症は、調子のよい時と悪い時の差が激しい病気です。先にも述べたように、天候にも大きく左右されます。

「身体に異変が起き、通勤できなくなってしまった時は、今後の生活への不安で頭が真っ白になりました。」

「体調の良い日のみバイトに行っています。将来の不安が大きいです。」

体調が朝にならないとわからないこともあり、当日いきなり仕事を休む日々が続くと、人としての信頼に関わってきます。それが原因で、 仕事に行きにづらくなることや、続けられなくなる負のスパイラルに発展すると、将来への不安がどんどん膨らんでしまいます。

自律神経失調症にとってストレスは大敵。
だから、このような、悩みを持つ職場で仕事を続けていては、症状の改善を期待することはできないかもしれません。

症状がつらく、なかなか改善がみられない場合は、医師に相談しましょう。そして仕事が症状に悪影響をおよぼしているようなら、企業に相談しましょう。

大切なのは、症状の改善です。そのためにも体と心を休めましょう。今読んでいる方の中には、すでに休職している方もいらっしゃるかもしれませんね。

3.仕事への悩みを解決するためには復職?それとも転職?

自律神経失調症による職場での悩みを解決するためには、まず、症状を改善することが大切です。そのためにも、思い当たる要因があれば、取り除かなくてはいけません。

その1つが仕事であるならば、一度今の仕事や職場を見直してみましょう。可能なら休職してみるのも良いですね。

「自律神経失調症を発病したときは3ヶ月ほど休職を与えれました。会社からは「焦らずに治すように」と優しい言葉をかけてもらい、復帰後もなるべく身体への負担が少なく済む内勤に移動させてもらうなど、配慮して頂きました。」

この方のように、休職をして症状が改善されれば、復職を目指すのも良いでしょう。ただし、復職後は部署を移動するなどして、仕事内容や職場環境を見直すことで、今までの企業で働くことが可能になっているという点は注目すべきところですね。

また、しばらく休職をしていると、「復職すると再発するのでは?」「職場にもどるのに勇気がいる」「会社はこの状況を理解してくれるのか」とさらに不安が募ってしまうこともあるようです。

「休職して治療に専念したことがあるが、一旦回復しても安定した状態が長続きしにくいため、なかなか復職できなかったこともある。一度に3~4つぐらいやらないといけない業務が重なると、優先順位を付けてテキパキと判断及び処理することができなくなることもあり、業務が滞ってしまう。」

そうなると、復職することがストレスになり、悪循環に陥ってしまいます。
復職を悩むのであれば、自分の今の状況を受け入れてくれる企業を新しく見つけてみるのもよいかもしれません。

まずは、自分の状況を確認してみましょう!
自律神経失調症になった原因の1つは今の仕事にありますか?
または、自律神経失調症が原因で仕事への悩みが募り、さらなるストレスを作っていませんか?


自律神経失調症悩みチャート


例えば、復職して別の部署で違う仕事を担当する、転職して環境をリセットした場合、今よりストレスを軽減が望め、自律神経失調症と付き合いながらでも仕事を続けられる保証はありますか?

単に担当や部署を変えてもらっても、根本的な解決にはなりません。また、転職して環境や仕事内容を変えたとしても、また同じことを繰り返すかもしれません。

大切なのは、自律神経失調症でもできる仕事、職場で働くことです。


では、自律神経失調症でもできる仕事とはどこでしょうか?
また、どうやって見つければ良いのでしょうか?

どうやって確認すれば良いのでしょうか?

アンケートには、自律神経失調症でも満足いく職場で働いている方の嬉しいコメントが多く届いています。

アンケートをもとに、自律神経失調症の方が続けられる仕事や職場の特徴を見ていきましょう。復職や転職を考えている方は、参考にしてみてください。

4.自律神経失調症でもできる仕事とは

4-1 大切なのは自律神経失調症の方にふさわしい「職場環境」

仕事を続ける上で、精神的に大きな影響を与えるのが「職場環境」です。働きやすい職場の様子や企業の体制について述べられた、リアルな声を確認してみましょう。

「自宅療養期間として3ヶ月与えられましたまたその間も、会社独自の休職手当を支給して頂きました。復帰後は、内勤への配置転換、残業なし、体調が悪くなったら早退してよいなどの配慮をして頂きました。また、他の社員の方も、私のこのような特別扱いに嫌な顔一つせず、サポートして頂けました。」

「作業内容の調整、スケジュール管理の見直しによって、残業時間を極力減らしてもらった」

「マイペースで働く事が出来るので休み早退遅刻ができます。」

「夏場だけ、近くの何軒かの宅配を、別の人が担当してくれることになり、多少、楽になりました。」

「精神疾患にかかったときは、一年半の傷病休暇を補償してもらえた。 それまでつかったことのない有給休暇を固めて取らせてもらえ、実質2年間休職できた。」

「退職しなければいけないかと覚悟しましたが、親身になって復帰を後押ししてくれたので、とても有り難かったです。社員への配慮もできる温かい会社で満足しています。」

職場環境に求めたいことは「自律神経失調症への理解があること」です。そのような企業は、上司や周囲からの配慮やサポートを受けられる体制が整っています。

具体的には
・勤務時間や残業時間を調整してくれる
・他の担当の方が業務をサポートしてくれる
・休職することができ、その期間は休職手当などを支給してくれる

といった配慮やサポートが嬉しいようですね。

アンケートでも、満足度の高い職場と周囲の配慮やサポートの関係を集計してみると、その必要性を強く感じる結果となりました。

自律神経失調症 満足度と配慮のグラフ


企業を探すときには、「自律神経失調症への理解があるか」「どのようなサポートがあるか」をポイントにしてみると良いですね。

では、そのような企業や職場で働くために必要なことは何でしょうか?

5.自律神経失調症でもできる仕事で働くために必要なこと

5-1 自律神経失調症であることを企業に伝える

先ほど述べた満足できる職場環境に必要なことは、「自律神経失調症への理解があること」「周囲のサポートや配慮があること」でした。

そのためには、自分が自律神経失調症であることを正しく伝えることが大切です。それは復職する場合でも、新たな企業に転職する場合でも同じです。

それを企業が理解し、サポートや配慮する体制を整られた職場こそが、満足できる職場に繋がるからです。


でもどうやって、何を伝えれば良いのでしょうか?

この答えは、
①まず自分の症状と特徴を知ること

②病名だけではなく、症状と特徴を交えながら自分の状況を説明する

ことです。

自律神経失調症の症状が現れると、できなくなることも多くあります。できることとできないことを正確に伝えることが大切です。そして、症状が現れやすい環境や具体的な症状について、自分の特徴を伝えるようにしましょう。

また、無理せず働くことができれば再発を防げることや、自分でもできる仕事のペースなどを伝えることは、企業側にとってもどのような環境や仕事がふさわしいのか、検討しやすくなります。

理解のある職場ならサポート体制を整えるなどの対応を考えてくれますし、そのような職場は働きやすい職場といえるでしょう。
そのためにも、まず自分の特徴を良く知ることが大切ですね。

次は、新たな職場環境を見つけるために、転職を考えている方へのアドバイスをまとめました。あなたと同じ自律神経失調症を抱えながらも、転職を行い、続けられる職場で働いている方はたくさんいます。

転職に成功するためのコツを、体験談からうかがってみましょう。

6.転職を考えている方へ

アンケートには、具体的に働いている企業のリアルな体験談が届いています。
みなさんどのような企業で働いているのでしょうか?
転職を考えているあなたの近くにある企業や知っている企業もあるかもしれませんね。
中でも満足度が高いという回答のあった企業名をご紹介します。

6-1 自律神経失調症の方にオススメの企業や業界

①自律神経失調症の方にオススメの企業

株式会社じぶん銀行
「季節の変わり目、環境の変化、何気ない顧客対応、ありとあらゆる物事が引き金になり、様々な体調不良を引き起こすのが特徴の病気ですが、理解を示して下さり、無理な時は長めに休憩を下さったり、こまめに声をかけて下さったり、身体的にも精神的にも甘える事が許されています。『頑張って』でも『頑張らなくてもいい』でもなく、『いつも頑張ってくれてありがとう』と言ってくださいます。こんな職場は初めてです。」
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
→この企業に関する口コミはこちらへ

株式会社日立製作所
「前述の通り、休みを躊躇わず取れるように上司が折に触れ体調を気遣ってくれたり、休んだ場合も周囲が嫌な顔をせずサポートしてくれるなど、配慮してくれた。 職種柄、在宅勤務などにはできなかったが、仕事内容によってはそれも認めてくれる会社だった。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★★
→この企業に関する口コミはこちらへ

明治安田生命保険相互会社
「自律神経失調症を発病したときは3ヶ月ほど休職を与えられました。会社からは「焦らずに治すように」と優しい言葉をかけてもらい、復帰後もなるべく身体への負担が少なく済む内勤に移動させてもらうなど、配慮して頂きました。会社も退職しなければいけないかと覚悟しましたが、親身になって復帰を後押ししてくれたので、とても有り難かったです。自宅療養期間として3ヶ月与えられました。またその間も、会社独自の休職手当を支給して頂きました。復帰後は、内勤への配置転換、残業なし、体調が悪くなったら早退してよいなどの配慮をして頂きました。他の社員の方も、私のこのような特別扱いに嫌な顔一つせず、サポートして頂けました」
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
→この企業に関する口コミはこちらへ

② 自律神経失調症の方にオススメの業界や企業の特性

・福利厚生のしっかりした大手企業
満足度の高い企業に関するコメントからわかるように、どのオススメ企業も「福利厚生がしっかりしている」ということにお気づきになったのではないでしょうか。

自律神経失調症の方は、遅刻や早退、急な休みをお願いすることもあるでしょう。そのような時でも、有休を使えるかどうかも重要です。また、傷病手当の対象になると休暇があり、休職中のサポートもあります。このようなサポート体制は、大きな企業ほど整っている傾向にあるようです。

・社員数の多い企業
企業体力に余裕があり、人員がたくさんいる会社がオススメです。自律神経失調症の方が、仕事をできないときでも、代わりに助けてくれる人がいれば、なんとか仕事はこなせるかもしれません。

・医療関係の職場
自律神経失調症は、なかなか診断されづらく理解を得られない傾向にあります。医療関係の職種の場合は、自律神経失調症がもたらす影響を理解してくれる人が多いため、サポートを得やすいでしょう。

それでは、続けられる企業、満足できる職場は、どのように見つければ良いのでしょうか? まずは、企業の求人票やホームページで調べるかもしれません。でもそれだけで良いのでしょうか?

次は、企業選びのためのアドバイスを元に、情報の集め方を紹介します。

※自律神経失調症の方が働いている企業が一覧で確認できます。
満足度の高い企業をチェックしてみましょう。

詳しくはこちら


6-2 転職を成功させるために、大切な情報を得よう

① 見学に行く

応募する前に、気になる会社の情報はできるだけ多く知りたいものです。そのためのアドバイスもたくさん届いています。

「実際に職場の近くへ行ってみて雰囲気を感じてみるなど、面接では感じ取ることが難しい部分についても把握する努力は必要かと思います。」

「人事だけの言う事を鵜呑みにせず、働いている全年齢層の人が生き生き働けている職場かどうか確認した方が良いと思います。 」

「施設内の見学をさせてくれる。具体的な仕事を説明してくれること。しかし、人間関係は実際に働いて見ないと、細かいところはわかりません。雰囲気で察するのがせいぜいです。」

見学することで、紙やネットからの情報とは違う「実際の雰囲気」を感じることができるようです。
他にも、見学だけではなく、働いている方から話を聞くというアドバイスする方もいます。

「他の従業員の話を聞いたり勤務をされてた方の話も聞いた方が良いですね。中小企業でしたらじっくり探す事。急がない。大手の場合は早めにネットなどで情報を得るべきと思います。」

応募する前に、得られる企業情報は知っておいて損はありません。体調に無理のない程度に、できることは取り組んでみましょう。

② 口コミを見る

今ご覧いただいているサイトにも、多くの体験談が届いています。全国の企業、様々な業種・業態についての実体験が確認できますので、ぜひ参考にしてみてくださ。気になる企業についての口コミもあるかもしれませんね。

③ 専門のサポートを活用する

・ハローワーク

障害や病気のある方専門の窓口があるため、相談やアドバイスを受けることができます。求人数や障害のある方への求人情報も多く扱っています。

参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

・人材紹介会社

自立神経失調症の方など精神的な障害を抱えることで、働くことに不安を覚えている方の就職活動を応援してくれる専用の人材紹介会社をご存知ですか?

具体的には、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など、全面的なサポートなどを行ってくれます。

ハローワークなどでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

しかし、人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

先に述べたような気になる企業の見学も、いきなり「見学させてください」「お話聞かせてください」いうのはハードルが高いと思う方もいるでしょう。
そういうときは、「ハローワーク」や「専用の人材紹介会社」のアドバイザーが、会社とあなたの間に入り、仲介役を担ってくれることもあります。

ぜひ、専門家のネットワークを活用して、自分にあった企業を探してみましょう。


6-3 自分にあった応募方法とは

求人には「一般枠」と「障害者雇用枠」があり、障害者手帳を所持している方は、「一般枠」・「障害者雇用枠」のどちらにも応募することができます。

①一般枠

「一般枠」は、障害であることを伝えず(クローズ)仕事をすることになります。障害のない方と同じように働くことため、広い職種から選べ、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、自律神経失調症への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

②障害者枠

「障害者雇用枠」は、障害であることを伝えて(オープン)仕事をにすることになります。選べる職種は、一般枠に比べる少なくなることもあります。しかし、職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながることも考えられます。実際にも「障害者枠」の求人を活用したというアドバイスもあります。

6-4 面接を成功させるポイント

誰もが緊張する面接ですが、少しでも緊張を抑えるためにも、予め話すことをまとめておくことをオススメします。

でも、何を話せば良いと思いますか?
その答えを、転職活動に成功した方の声をヒントに見つけてみましょう。

①面接では自律神経失調症であることを伝える

面接で一番迷うことは「自律神経失調症であることを企業に伝えるべきかどうか」ということではないでしょうか。

「伝えたら採用されないのでは?」と不安になりませんか?

でも、長く続けられる企業、満足できる職場環境に必要なことは、何でしたか?

    「自律神経失調症への理解があること」
    「周囲のサポートや配慮があること」
でしたね。

先の章でも述べたので繰り返しになりますが、企業にこの2つがあるかどうかを確認するためには、自分が自律神経失調症であることを伝えなくては、知ることはできません。

ただし、「自律神経失調症」という名前だけでは、採用担当者に自分の特徴を理解してもらうことは難しいでしょう。

自律神経失調症の症状が現れると、できなくなることも多くあります。できることとできないことを正確に伝えることが大切です。そして、症状が現れやすい環境や具体的な症状について、自分の特徴を伝えるようにしましょう。

また、無理せず働くことができれば再発を防げることや、自分でもできる仕事のペースなどを伝えることは、企業側にとっても採用後の状況を想像しやすくなります。理解のある職場ならサポート体制を整えるなどの対応を考えてくれますし、そのような職場は働きやすい職場といえるでしょう。
そのためにも、まず自分の特徴を良く知ることが大切ですね。

アンケートにも、アドバイスが届いています。

「面接はすべての家庭環境を伝え理解してもらえるところは少ないですが、隠さず絶対言うべき。0.1%の確率で見つかると思いますが早めに動くことです」

「体の具合が悪い、障害がある、特別こだわりがつよい性格(精神疾患含む)などの事実は、入社の際はっきり包み隠さず話して、それらに理解のある職場で働くべきです。 健康を取り繕って働いても、辛い思いをするだけで、結局、持ちません。」

「応募先に問い合わせをする時点で、何かしらの障害や疾患があるのなら伝えておくべきです。それであちらが難色を示したら黙って就職しても勤務を続けていくのは不可能ですし、逆に障害や疾患があっても配慮するということを言われたら働きやすい職場であると考えられるので、そのまま応募すべきだと思います。」

もちろん、すぐに理想的な仕事が見つからず、面接を何件受けても、なかなか決まらないかもしれません。

しかし、焦って続かない企業に勤めてしまうよりは、すぐに決まらないほうが良いのだとわりきって、じっくり転職活動を行ってみてはいかがでしょうか。

②面接で、これだけは企業に確認しましょう

面接は自分のことを伝えるだけではなく、企業のことを知るチャンスの場です。
予め聞きたい内容はまとめておきましょう。まとめる内容は、以下の声を参考にしてみてください。

「福利厚生がどのようになっているかについても確認しておくと安心かと思います。」

「産業医がいたり、病気への理解が高い企業かどうかと同じくらい、働いている人の数にも注意してみてください」

「勤続年数をチェックしたほうがいいと思います。」

「勤務形態だけにとどまらず、具体的な業務内容をあらかじめ知る必要があるかと思います。」

「同じ立場の方がどのように勤務しているのか、与えられる職務内容と出来ない時のフォロー体制を知っておいた方が良いでしょう。」

でも、希望する企業の担当者を前に、面と向かって質問するのは気が引けると思っていませんか?
そのような場合は、以下の方のような方法もあります。

「休職時などのサポート制度が整っているかどうかの事前リサーチが有効だと思います。 面接の時に面と向かって聞くのは難しいかもしれないので、転職支援サービスを利用して、その担当者に確認するとよいです。」

ぜひ一人で活動しようとせず、ハローワークや専門の人材紹介会社のアドバイザーの力を借りて、必要な情報を得ることも検討してみましょう。

次は、面接に合格し、希望の企業で働くことが決まったときについて考えてみましょう。

7.新しい企業や職場で長く働くために大切なこと

7-1体験談から学ぶ「仕事に対する心がけ」

希望する企業で働けることはとても嬉しいものです。しかしその反面、久しぶりの職場や初めての職場ということに、心配ごとや悩みもあるのではないでしょうか?

自律神経失調症でも満足いく職場で働いている方は、悩みに対してどんな工夫をしているのでしょうか。無理をして再発させずに、復職・仕事復帰に成功するポイントはこの2つです。

    ・仕事中もこまめに休憩する
    ・休日は体も心も休ませる
では、実際のコメントとともに、詳しくみてみましょう。

① 仕事中も小まめに休憩する

「1時間おきに15分程度の休息をとるようにしている。体を倒し、本当に横になっている。」

「できるだけこまめに休憩をとるようにする。病院で処方された薬を飲む。」

「神経科にて処方された処方箋は必ず使い、食事も天ぷら、唐揚げの類いは食べない、お酒もほとんど飲まないようにしている」

「無理だと思ったら、休憩をしたり、ちょっと動いてみたりすることをしている」

「その日に済ませなければならない仕事は極力その日のうちに済ませ、翌日以降万が一欠勤しても迷惑をかけないようにしています。」

「適度に休憩を入れ、飲み物やストレッチをすることで、リフレッシュするようにしています。昼食時に人が多い食堂に行かず、コンビニ等の食事で済ませ、オフィスで静かに過ごしています。」

一番良くないことは、無理をし過ぎて再発してしまうことです。仕事量が自分の限界を超えないように、定期的に休みをとることが助けになると感じている人が多いことがわかります。できれば「辛い」と感じる前に、予防的に休むとよいでしょう。

② 休日は体も心も休ませる

「休日はできる限り外出せず、体を休めて次の出勤日に備えようとしていました。疲労が蓄積すると症状が余計に悪化してしまうことから、人より無理はしないでおこうと思いました。」

「なるべく、休日は仕事以外のことを考えるようにし、仕事中ももう少し適当なスタンスを心がけています。」

仕事日以外は自分の時間をしっかりとるようにします。常に仕事に追われているとリズムを崩し、自律神経失調症は悪化することになります。「辛い」と感じる前に仕事をとめる習慣を持つようにします。

そのためにも、自分のペースを守れる職場であることが重要です。体調が整っていれば、結果としてミスや失敗を減らせますし、何度も再発して倒れてしまうこともないでしょう。

8.最後に

自律神経失調症と診断されると、「ようやく病名が分かった」とホッとする気持ちと「この病気で復職・仕事復帰が可能なのだろうか」という不安の混じった複雑な感情を経験するものです。

しかし、今回の記事でご紹介したように、自律神経失調症でもできる仕事はたくさんあり、実際に就職・転職活動を成功させている方は大勢いらっしゃいます。

まずは、自分の症状や特徴、できること、できないことをまとめてみましょう。

そして、どんな仕事が良いのか情報を得ましょう。求人情報やインターネットの情報だけでは職場の雰囲気を感じ取ることは難しいかもしれません。場合によっては、見学などでリアルな職場の様子を確認することも大切です

もし、自分だけで情報を得るのが難しいと思ったら、ハローワークや人材紹介会社などの専門アドバイザーの力を借りてみましょう。自分を客観的に見てもらいアドバイスを受けることや、企業と自分との仲介役をお願いすることも可能です。

また、病気への理解がありサポート体制が整っている職場に出会うためにも、自分の病気や症状のことを正しく伝えられるようにしておきましょう

あわせて、企業に確認したいことやお願いごとがあれば、予めポイントをまとめておくと、面接で焦ることも少なくなるでしょう。

特に自律神経失調症の方は、とてもまじめな方が多いといわれています。まずは「できないことはできない」と割り切るのも大切なことですね。

自律神経失調症でもできる仕事、自分の体調に向いてる仕事を選ぶためには、時間がかかるかもしれません。すぐに決まらないとしても焦らないでください。条件にあう仕事が見つかるものです。


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著者

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