特例子会社とは?仕事内容や職場の様子、求人の見つけ方を紹介

特例子会社とは?仕事内容や職場の様子、求人の見つけ方を紹介

特例子会社ってよく聞くけれど、
「一般企業や障害者雇用と何が違うの?」
「どんな仕事をするの?」
「どうすれば就職できるの?」
など疑問に思ったことありませんか?

このコラムでは、そんな特例子会社について寄せられる質問や、特例子会社で働くメリットデメリットをご紹介してきます。
また、障害者雇用の専門家 水谷愛さん(精神保健福祉士、公認心理師)にもアドバイスをいただいています。

障害や病気のある方で転職や就職を考えている方は、ぜひ、仕事探しの参考になさってください。

*この記事は水谷愛さんに監修していただきました
水谷愛さん

精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、公認心理師、臨床心理士、産業カウンセラーの資格を取得。精神障害者デイケアにて5年、スクールカウンセラーとして10年、発達障害者就労支援センターにて4年の経験を積み、現在は障害者就労移行支援事業所にてサービス管理責任者として勤務しています。著書『「がんばり屋さん」のこころのトリセツ』も好評。


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目次

1. 特例子会社とは

2. 特例子会社の様子

3. 特例子会社と障害者雇用枠の違い

4. 特例子会社の求人情報の見つけ方

5. 専門家からのアドバイス

6. まとめ

1. 特例子会社とは

    「特例子会社」とは、「障害者の雇用の促進及び安定を図るため、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社」で、厚生労働大臣から認定を受けた会社を指します。

    特例子会社を設立すると、そこで雇用する全従業員は事業主である親会社の雇用であるとみなされ、雇用率を算定する際には親会社と同一の事業所として取り扱われます。

    引用:静岡県ホームページ「特例子会社をつくろう」

特例子会社は、障害者が働くために設立した会社で、施設面、仕事内容、就業規則などへの配慮が講じられています。そのため一般企業に比べても、障害者の働きやすい環境が整っています。

また「特例子会社」で働く従業員は、親会社の法定雇用率を算定する際に加えることができます。

では、障害のある方が多く働く特例子会社は、一般企業と何が違うのでしょうか?
昇進昇格などキャリアアップはできるのでしょうか?
給料はどれぐらいもらえるのでしょうか?

特例子会社の取り組みとともに、その様子をみてみましょう。

2. 特例子会社の様子

ここからは、特例子会社の取り組みを具体的に取り上げながら、職場の様子をお伝えします。 現在、全国には544社の特例子会社(2020年6月現在)があります。所在地や親会社などが掲載された一覧は以下をご覧ください。

参照:厚生労働省「特例子会社一覧(令和2年6月1日現在)」

2-1.精神障害者の職場定着を促進している特例子会社

2018年4月1日から障害者雇用義務の対象が、身体障害者、知的障害者に精神障害者が加わりました。それに伴い、企業は精神障害者の雇用を積極的に行うようになりました。

精神障害は、身体障害や知的障害とは特徴が異なるため、新たなサポート体制が必要になりますが、精神障害者に向けたサポート体制の構築を積極的に行っている特例子会社がありますのでご紹介します。

NTTクラルティ株式会社

東京都武蔵野市にあるNTTクラルティ株式会社は、情報サービス業を行う従業員数404人の特例子会社です。うち304人の従業員は障害のある方です。

障害種別の内訳は以下の通りです。

    ・身体障害者 177人
    ・知的障害者 53人
    ・精神障害者 74人

精神障害のある方が増加するにつれ、社員のフォローや採用後の定着支援を充実させるために、様々な取り組みをしてきました。

    ① 2018年4月「定着支援担当」を作り、人事担当が兼任していた定着支援業務を移管しました。
    ② 社員の小さな悩みや課題を解決につなげる「つなぐ相談室」を設置しました。
では、それぞれの取り組みを詳しくみてみましょう。

①定着支援担当の設置

社内の定着支援担当には「総務担当兼務の担当課長」「主査」「シニアアドバイザー」を、社外の定着支援担当には精神保健福祉士2人と臨床心理士1人を配置し、社内外の支援体制を構築しました。

定着支援担当を設置することで、上司による日々の業務マネジメントや体調管理を充実させました。また、定期的に定着支援面談を実施することで、精神障害者のメンタル不調等の問題を早期に把握し、支援機関の協力を得ながら迅速に対応できるようになりました。

②つなぐ相談室の設置

小さな悩みや課題は、他者に知られたくないという思いから抱え込む傾向があり、メンタルの不調を生じていました。

そこで、プライバシーに配慮した相談窓口の必要性を感じ、定着支援担当者が窓口となってつなぐ相談室をスタートさせました。

「つなぐ相談室」のキャッチフレーズは「どなたでも、どんな相談でもお受けします」。勤務時間内に電話やメールで相談ができ、相談者が開示先を限定することも可能です。

受けた相談は、2018年6月に開設してから半年で100件を超えました。開設当初は、気軽なメールによる相談が多くなると予想していました。しかし、約半数は直接来訪による相談だったことに驚いたといいます。

相談内容は、「体調に関すること40%」「職場での人間関係14%」「就労支援事業所に関すること7%」という内訳でした。

2019年1月までに106件あった相談のうち60%はすでに解決し、その他の案件も早期解決に向けてフォローし続けています。これからも「つなぐ相談室」をさらに相談しやすい窓口にしていくことを目指しています。

参照:平成30年度障害者活躍企業 事例集 (厚生労働省委託事業 公益社団法人 全国重度障害者雇用事業所協会)

このような特例子会社の取り組みを知ると、精神障害者に必要なサポートや、長く続けられる職場環境を知るきっかけになるのではないでしょうか?

メンタルのちょっとした変化にも気づいてもらえる上司や担当者がいれば、安心して働けそうですね。そして、我慢やストレスをためない環境は、長く働き続けるためにも大切です。

2-2.昇進や昇格、キャリアアップを目指せる特例子会社

特例子会社は、他の一般企業と同じような昇進や昇格といったキャリアアップを目指すことはできるのでしょうか?

目標があると仕事へのモチベーションは向上します。また責任ある立場になることで、やりがいを感じることもあります。モチベーションや仕事へのやりがいは、ここで仕事を続けたいと思える1つの理由になります。

次は、キャリアアップを目指せる制度を導入したことで、自分たちが中心となって会社を動かしていく原動力となり、障害のある社員のモチベーション向上につながった特例子会社を紹介します。

SMBCグリーンサービス株式会社

千葉県にあるSMBCグリーンサービス株式会社は、銀行事務受託を行う特例子会社で、従業員684人のうち442人は障害のある方です。

障害種別の内訳は以下の通りです。

    ・身体障害者 262人
    ・知的障害者 73人
    ・精神障害者 107人

①キャリアアップ制度の導入

SMBCグリーンサービス株式会社は、2016年より障害者社員のキャリアアップ制度を導入。業務スキルに優れ、実力のある社員を積極的に登用しています。これにより「社員が主体となって日常業務を運営する会社」を目指してきました。

導入当初は限定的に運用していましたが、その後対象者を拡大し、役職者が社員と連携しながら業務運営の中核として活躍しています。
2018年7月現在、課長3人、ジョブリーダー13人、サブリーダー50人が登用され、その割合は障害者社員の15%に相当します。

②評価基準の設置

また、リーダー職を目指す社員への明確な説明をするために、以下のような推薦基準を制定しました。

    ①仕事力(業務能力・対応能力)
    ②コミュニケーションスキル(対人理解力・対人影響力・役 職者との連携)
    ③健康管理(勤務意欲・メンタルヘルス)
    ④周囲への影響力(人望・信 頼性・誠実性)

リーダー等になるには、単に業務遂行能力が高いだけでなく、心身共に健康を維持できていることが必要です。そのため特に②③を重視しています。

2018年度には、初めて精神障害のある社員2名がサブリーダーに登用され、処遇面での対応もあわせて社員のモチベーション向上につながりました。

今後も、更なる社員のモチベーション向上を目指して、評価の公平性・透明性を重視しながら、障害者社員が活躍できるステージの拡大を検討しています。

アンブレにも、SMBCグリーンサービス株式会社で働いた方から口コミが届いています。

月に1回は上司と面談し、困っていることや障害状態、配慮することがあるかどうかを聞かれます。内容によっては配慮してもらえます。
(男性、肢体の機能障害、デスクワーク)

特例子会社は、従業員の多くが障害のある方なので、配慮やサポートは重要視されています。働きやすさに加えて、ステップアップを望んでいる場合は、キャリアアップ、昇進、昇格といった制度の有無について確認してみるのも必要ですね。

参照:平成30年度障害者活躍企業 事例集 (厚生労働省委託事業 公益社団法人 全国重度障害者雇用事業所協会)

2-3.直接話しをうかがった、注目の特例子会社

アンブレ編集部は、今注目の特例子会社3社を訪問しました。担当者にお話しをうかがうと、他の特例子会社がお手本とする会社や高い定着率を誇る会社など、注目される理由がよくわかりました。

次のコラムでは、それぞれの会社の魅力を詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

株式会社湘南ゼミナールオーシャン

神奈川県内初となる、学習塾の特例子会社です。各地で公演を開くなど特例子会社として注目を集めていますが、その理由の1つは、3年定着率84.6%という高い定着率です。
※続きはこちらをご覧ください。

株式会社ぐるなびサポートアソシエ

ぐるなびのコンテンツチェックやデータ入力、情報調査などぐるなび本社に関連する仕事を担っています。自社オリジナルの仕組化により、様々な障害のある方が働きやすい環境を整えています。
※続きはこちらご覧ください。

富士ソフト企画株式会社

ホームページや名刺やパンフレットのデザインなど、本社や外部からの仕事を行っている特例子会社です。障害者雇用のノウハウを学びたい企業が年間200回も訪問するなど、その実績が注目されています。
※続きはこちらをご覧ください。

3. 特例子会社と障害者雇用枠の違い

病気や障害のある方は、働き方を以下から選択することができます。

    ・一般企業の一般採用枠
    ・一般企業の障害者雇用枠
    ・特例子会社

今回は一般企業の障害者雇用枠、特例子会社を比較してみてみましょう。
どちらも障害があることを告げた上で採用され、働くことに変わりはありませんが、働き方に違いはあるのでしょうか?


※一般採用枠と障害者雇用枠の比較は、障害や病気別のコラムで紹介しています。こちらを参考にしてください。


3-1.アンケートからみる、特例子会社と障害者雇用枠の違い

まず「特例子会社と一般企業の障害者雇用枠の違い」を知るために、アンケートを実施しました。結果は以下の通りになりました。

hogehoge


約半分の方が「特例子会社と障害者雇用の違い」として回答したことは、配慮やサポート体制でした。その次が仕事内容でした。

特例子会社の配慮やサポートについては、以下の意見もありました。

・生活指導員が配置されていて、障害や配慮、現状について話し合える
・管理職や指導者以外はほとんどが障害者なので働きやすく仲間意識も強い。
・障害者にふれる機会や経験が豊富。配慮や理解が深い。

配慮やサポートが手厚いことが特例子会社の特徴でもありますが、配慮の程度については「仕事だけでなく日常生活まで管理されたので、向き不向きがある」といった意見もありました。

障害の特徴や感じ方はそれぞれです。入社前に見学や体験などを通して、特例子会社の雰囲気や様子を知っておくのも良いですね。

3-2.特例子会社とその親会社の障害者雇用枠の違い

次は、一般企業の障害者雇用枠と特例子会社の働き方や待遇における違いを、アンブレに届いた口コミを比較しながらみてみましょう。

①配慮やサポート内容、職場環境を比較

■「株式会社リクルートホールディングス」と「株式会社リクルートオフィスサポート」

親会社である株式会社リクルートホールディングスは、人材紹介やメディア&ソリューションなどを行う大企業です。従業員数も多く、全国に事業所を構えています。

特例子会社である株式会社リクルートオフィスサポートは、リクルートグループ各社の総務、経理、人事など幅広い分野のサポートを行っています。

株式会社リクルートホールディングス(親会社)の障害者雇用で働いている方のコメントをみてみましょう。

なかなか理解しがたい病気や障害ですが、体調優先で勤務をしていい、と話してくださる。
(女性、1型糖尿病・適応障害)

かつての上司は、精神障害を配慮して対応してくれていたが、変わった上司は、配慮がなかった。
働いた分の給与は、もらえてなかった気がする。時間の拘束がきつく、精神的にきつかった。
(女性、その他の精神障害)

家事や育児などプライベートが忙しい方も、体調に不安がある方も自宅で無理なく働けます! どんな田舎に住んでいても、パソコンさえあればお家で仕事ができます。また個人への気遣いが素晴らしく、その日その日のスケジュールや体調に合わせて担当する仕事量を調節できます。
(女性、脊髄小脳変性症)

様々な障害や病気のある方々が、様々な部署で働いています。部署が異なれば当然上司や同僚も異なり、その対応も異なります。つまり、会社としての考え方や取り組みに加え、自分の所属する上司や同僚の考え、病気や障害に対する理解度が、そのまま職場環境に影響します。

そして、在宅勤務している方の口コミもありましたが、最近はテレワークといった働き方も増えています。働き方の選択肢が多ければ、自分の理想とする働き方が得られる可能性も高くなります。

次に、株式会社リクルートオフィスサポート(特例子会社)で働いている方の口コミをみてみましょう。

階段や廊下に手すりがあったのは有難く、調子が悪くなったら掴むことが出来ましたし、休憩室もあったので何も不安に感じることはありませんでした。周りの人達も私の病気に理解を示してくれた人が多かったので気分良く働くことができました。

仕事が忙しい時には体調が悪くなってもなかなか言い出せる雰囲気ではなかったので、その点は残念に思っています。

(男性、尿・腎臓・膀胱に関する疾患)

特例子会社ということもあり、さまざまな障害を持った人が働いているため、自分の障害で引け目を感じることが少なく、体調管理もしやすいと感じます。またさまざまな職歴の人がいるため、初めて携わる仕事だとしても、最初は丁寧に教えてもらえるので、働きやすいと感じています。

障害に対する配慮はあるものの、1人の社会人、労働者として働けることが大前提にあるため、体調が安定しない状態だと、働き続けることが難しいとおもいます。 また自分できちんと体調管理し、不調な時に早め早めで相談するなどできないタイプの人も難しいと思います。

(男性、うつ病)

特例子会社は、障害者が働くことを前提としてできた会社であるために、施設面や仕事の仕方への配慮やサポートは手厚いようです。
ただ、1人の従業員として長く働くためには、会社の状況に任せるだけでなく、体調の自己管理や考えの自己申告ができることは必要かもしれません。

いかかでしたでしょうか?
もちろん、親会社と特例子会社では会社の規模が違いますし、ここに挙げた口コミが全てではありません。

しかし、特例子会社の方が、バリアフリーや休憩室などといった施設面や仕事のしやすさ、周りのサポート力を、期待できるのかもしれませんね。

また特例子会社は、上司の異動が一般企業に比べて少ないようです。そのため、「前の上司は理解してくれたのに、次の上司は態度が違う」というような上司の異動が、職場環境に影響を及ぼすということは少ないように思います。職場環境は安定していたほうが、落ち着いて働けますよね。

②給料などの待遇面の比較

続いては、先述の2社の給料を比較してみましょう。

    【株式会社リクルートホールディングス(親会社)の給料一例】
    時給985円
    (身体障害2級:免疫障害、一般事務、30代、2018年入社、在宅勤務)
    →詳しい口コミはこちら

    【株式会社リクルートオフィスサポート(子会社)の給料一例】
    時給1,000円
    (精神障害3級:広汎性発達障害、事務、30代、2019年入社、在宅勤務)
    →詳しい口コミはこちら

    参照:アンブレに寄せられた口コミより

障害や症状が異なるので、一概に比較することはできませんが、在宅勤務という働き方や事務職、入社年齢、年代などは似ている方々のお給料です。お給料に大きな差は、みられないようです。

もちろん、待遇はお給料だけではなく、福利厚生や昇進や昇格など様々要件が含まれます。そして、会社により待遇はそれぞれ異なります。入社する前に、職場環境だけでなく待遇面などの働く条件も確認しておきたいですね。

※会社についての口コミや会社情報、求人情報は以下をご覧ください。

■株式会社リクルートオフィスサポート(子会社)

■株式会社リクルートホールディングス(親会社)

3-3.同じ業界でみる特例子会社と障害者雇用の違い

次は、業界という切り口で特例子会社と一般企業の障害者雇用を比較してみましょう。

業界にこだわり仕事探しをする方もいらっしゃると思います。
今回は「アパレル業界」に注目してみました。

アパレル業界の障害者雇用枠と特例子会社の違い

アパレル業界の会社で、バックヤード業務を行っている方の口コミを紹介します。

まずは、アパレル企業の障害者雇用枠で働く精神障害のある方の口コミです。

【株式会社ユニクロの障害者雇用、パニック障害、強迫性障害、男性】

店長や直属の上司に自分の症状を打ち明け、シフトの調節や売場以外の後方業務や倉庫での作業にしてもらいました。売場を歩く際はできるだけ人の目につかない所を選んで歩くなど、必要最低限の行動だけを心掛けました。

売場やレジ・休憩室など、スタッフやお客様が行き交う場所は落ち着かないと思います。働く人数が多く建物が広かった為、安心できる場所が少ないところは悩みでした。

口コミの詳細はこちらから

次に、アパレルを取り扱う特例子会社で働く方の口コミです。

【株式会社アダストリア・ゼネラルサポート、双極性障害、男性】

「長く働き続けるには」を常に考えてもらえる職場で、可能な限り働きづらい環境をなくそう、なくせなくても小さくしようとしてもらえる。体調を維持する対策を提案して、できる事であれば採用してもらえもらえる。
毎日必ず朝礼と終礼を行い、睡眠状況、心身の体調、疲労度を確認してもらえる。

入荷商品の検品、商品やバックヤードの整理、入荷した商品からお客様注文商品の取り出し及び確保、品出し、数量確認、梱包を担当。

重いものを持つことはないが、立ち作業であることや脚立を使う作業など体力が必要。疲れが残ったり足が痛くなったりして体のケアをしないといけない時がある。年齢が高くなると体力的に働き続けられるか不安がある。アパレルブランドの仕事のため、セール等の繁忙期で入荷量の増加があり業務量が増える時期がある。店長によって職場の雰囲気や業務内容や業務量が異なる傾向がある。また店長経験歴の長さによっても業務内容や業務量が変わる。

口コミの詳細はこちらから

一般企業の障害者雇用は、自分の状況を詳しく伝えることで、上司に理解を得ることができ、できる範囲の仕事を任されている様子がわかります。
しかし、一般採用の方と一緒に同じ職場で働くため、行動範囲や休憩の取り方などへの工夫が必要な場合もあります。その工夫が、自分の負担を減らすことに繋がっています。

特例子会社も、周囲の配慮やサポートを得られる環境が整っています。そして特徴的なのは、会社が「長く働き続けるにはどうしたらよいか」という点を大切にしていることです。働いている人が働き続けたいと思えるよう、精神面やモチベーションにも気を配っていることがわかります。

今回の比較は、アパレル業界であるという共通点だけで、企業も働いている方の症状も異なります。しかし、一般企業の障害者雇用枠と特例子会社の違いには、以下の点があげられます。

  • 一般企業の障害者雇用枠は、周りが健常者であることが多く、健常者がやっている仕事と同じような仕事を任されることもあります。また、アパレル業界には体力勝負の企業もあります。ただし、できない仕事は、上司や同僚に相談することで、健常者が肩代わりしてくれる可能性もあります。
  • 特例子会社は、管理者や指導者以外がほとんど障害者という環境の中で働きます。障害者同士がチームで働くことや、親会社から切り出された仕事を行うことが多いです。重労働は多くない可能性がありますが、障害者の間で助け合ってやっていかなくてはならない部分もあります。

4. 特例子会社の求人情報の見つけ方

特例子会社の様子や、一般企業の障害者雇用との違いをみてきました。
では、一般企業に比べて数が少ない特例子会社ですが、求人情報はどうやって見つければよいのでしょうか?

4-1. 特例子会社のホームページをチェック

一番手軽に確認できる方法は、特例子会社のホームページです。障害者の募集要項を、自社のホームページに載せている特例子会社もあります。
同時に、会社概要や理念などの基本情報も知ることができますね。

障害者の求人情報が掲載されている企業のホームページは、アンブレの企業口コミページの下部にもリンクをはっています。 アンブレで口コミと採用ページが見える特例子会社は以下の通りです。

4-2. ハローワークの障害者専門窓口

ハローワークには障害がある方を専門的に支援してくれる「専門援助部門」があり、専門の職員・相談員を配置しています。必要な場合は、職業紹介や就業指導なども行ってくれます。

ハローワークを利用して、特例子会社に入社した方のコメントも届いています。

障害者専門の求人を探してくれて、たまたま特例子会社の求人があり応募し、採用された。
(男性、うつ病)

ハローワークで職業訓練校を受験して入校し就職に関する指導助言や職業紹介を受けた。
(男性、肢体の機能)

障害者就業支援センターに相談し紹介して頂いた。
(男性、肢体の機能)

ハローワークは求人情報の提供だけでなく、相談や職業訓練校の紹介なども行っています。また国のサービスなので、安心して利用できるのも魅力ですね。
最寄りのハローワークに相談に行くのも良いですし。その前にホームページでチェックしてみても良いでしょう。

参照:ハローワーク インターネットサービス

また障害者の雇用促進のために、厚生労働省や都道府県が委託している事業「障害者就業・生活支援センター(通称:ナカポツ)」は、ハローワークや就労移行支援などと連携しながら雇用支援を行っています。自分にあったサービスを活用してみましょう。

参照:厚生労働局 東京労働局「障害者就業・生活支援センターとは」

4-3. 障害者専門の人材紹介会社

障害者専用の人材紹介会社があるのはご存知でしょうか?
障害者の転職相談を専門とするアドバイザーが、直接本人と面談。希望の条件や障害の程度を確認した上で、本人と企業にニーズに合った求人を紹介しています。

人材紹介会社で採用面接等様々なサポートを受けました。
(男性、尿・腎臓・膀胱に関する疾患)

企業との面接日程の調整や面接への同行、入社後の状況確認や相談が可能な人材紹介会社もあります。

また、精神障害、身体障害、発達障害、知的障害など障害の種別ごとに担当者がおり、障害の知識や就職相談の経験を活かしてサポートする人材紹介会社もあります。

人材紹介会社によって扱っている企業は異なります。自分が希望する業界に強い人材紹介会社かどうかを確認すると良いですね。



▼障害者雇用枠の求人を見つける方法はこちらでもご紹介しています。
ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介


5. 専門家からのアドバイス

障害者雇用で仕事探しを考えている精神障害のある方へ、専門家 水谷愛さんからのアドバイスを紹介します。

■働くことを迷っている病気や障害のある方へ

特例子会社は、配慮やサポートが行き届いています。配慮を受けながら無理せず長く働いていくためには良いところです。
また、障害者が多いところで働くことになりますので、自分の病気や障害に対して気兼ねせずに働けるのではないかと思います。

特例子会社は、すぐに相談できる体制が整っていますので、心身の調子をみながら働けるという意味ではとても良い環境です。
ぜひ一度見学や体験に行ってみてください。

■これから働く病気や障害のある方へ

働く場所は、一般雇用枠、障害者雇用枠、特例子会社と、多岐にわたります。
職場見学や体験の機会がありましたら、ぜひ行ってみて、自分に合っている職場かどうか確かめてみましょう。

ご自身が障害者の多いところで働きたいのか、健常者と一緒に働きたいのか、というところもぜひ整理してみると良いと思います。
そうすることで、おのずと働きたい職場が決まってくることでしょう。相談できる場所があるなら、相談しながら職場を探せると良いですね。

6. まとめ

500社以上ある特例子会社は、業界も規模も様々です。まずは、どんな仕事をしているのかを確認することからはじめると良いでしょう。

特例子会社の数は増加しています。また、企業は東京や大阪といった大都市に集まりがちですが、親会社が東京にあっても、特例子会社は地方に設立する会社も多くあります。さらに、最近ではパソコンが利用できる環境であれば、在宅ワークを可能にした特例子会社も数多くあります。通えない場所への就職や通勤が難しい方の就職も可能になりつつあります。

特例子会社は、模索しながら会社を運営しています。そのため、障害のある方がより長く働ける環境作りに積極的に取り組んでいる会社が多いのも事実です。

様々な情報を活用しながら、やりたい仕事、働く場所、採用方法、雇用形態など検討して、自分の希望する会社を見つけてください。

障害者雇用で転職をお考えの方、無料で転職相談しませんか?
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すぐに転職するかわからない、障害者雇用で働くか迷っている方のご相談も承っていますご相談はこちらから

監修者

精神障害者デイケアにて5年、スクールカウンセラーとして10年、発達障害者就労支援センターにて4年の経験を積み、現在は障害者就労移行支援事業所にてサービス管理責任者として勤務しています。著書『「がんばり屋さん」のこころのトリセツ』『【HSPの会社員】が自分らしく楽に働くトリセツ』『発達障害の人が「うまく」働いて幸せに生きるトリセツ』も好評。

保有資格

著者

障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。

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