不安障害のある方におすすめしたい、向いている仕事の探し方

不安障害のある方におすすめしたい、向いている仕事の探し方

不安障害は、ある状況に対し過度な不安を感じ、体も心も緊張してしまう心の病です。不安障害の原因が仕事にある方や、症状があらわれることにさらなる不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、

「急に仕事に行けなくなったらどうしよう」
「自分の状況を職場の方々は理解してくれるだろうか」
「この状態で働き続けることができるだろうか」
といった悩みはありませんか?

このコラムでは、不安障害のある方が、症状とうまく付き合いながら働くためのポイントや仕事の選び方をまとめました。

実際に不安障害と付き合いながら働いている方から寄せられた口コミをもとに、アドバイスを紹介していきます。仕事との向き合い方のヒントにしてください。

*この記事はジョジョさんに監修していただきました
ジョジョさん

産業カウンセラー、社会福祉士(ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、プロコーチの資格を持ち、就労継続A、B型にて支援員として、身体障害、精神障害、知的障害のある方への支援を行う。 自身も悩みを抱えギャンブル依存症になった経験から、「悩みから夢まで話せる友達が見つかる東京の居場所”ココトモハウス“と出会い、現在はその管理人として多くの方から信頼を寄せている。生きづらさを抱える人達を社会と繋げて、豊かな社会を作ることがミッション。



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目次

1.不安障害とは

2.不安障害になりやすい職場

3.不安障害による仕事での悩み

4.不安障害のある方にとって働きやすい職場

5.不安障害をオープンにするかクローズにするか

6.面接のポイント

7.不安障害のある方におすすめする企業

8.理想の仕事を探すために

9.入社後に心がけたこと

10.まとめ

11.最後に

1.不安障害とは

不安障害とは
    元々正常な反応であるはずの不安が、日常生活にも支障を来たすほど強く長く続いたり頻繁に起こるようになり、それと共に動悸や呼吸困難、めまい、不眠、イライラなどの不安発作(パニック発作)が起こることをいいます。

    不安障害には、社会性不安障害、全般性不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)など、いろいろな症状が含まれます。また障害が起こる周期や時間、強さも様々です。

    原因として、ストレスに対する反応が不適切な場合や、遺伝・体の異常や薬の使用などが考えられています。

    症状は個人差が大きく、また精神的な障害との区別も必要なので、治療は個々の患者の症状を基にして実施されます。治療法も、薬物療法や認知療法・行動療法などそれぞれ異なるため、専門医の診断が必要です。
参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」

入社した直後は、慣れない環境から誰でも緊張するものです。しかし、業務内容や職場の雰囲気により、いつまでも過度に緊張してしまうことや、そのことで出社しづらくなったときは、仕事に対して何らかのストレスを感じている可能性があります。

二次的な病気を予防し、また不安障害の症状を緩和していくためには、ストレス要因を知ることが大切です。

2.不安障害になりやすい職場

不安障害になりやすい職場
不安障害のある方は、何が原因で不安障害を発症したのでしょうか? もちろん、原因は仕事に限ったわけではありませんが、特に、働き始めてから不安障害を生じた方は、仕事に要因がある方もいらっしゃいます。

その要因は、大きく以下の4つに分けられました。

  1. 仕事量が多い、激務
  2. 人間関係への不満
  3. 給料への不満
  4. 企業体質への不満
口コミをもとに、それぞれ具体的な様子をみてみましょう。

①仕事量が多い、激務

「体調を壊しても休むことも許されず、家族が激怒していたほどです。私の前に数人が仕事を辞めて、業務はさらに過酷になりました。」

「給料に見合わないほど忙しく、求められるスキルが高い。休みが取りにくい。」

休めないと、体の疲れが増す一方です。そして体の疲れは精神面にも影響をおよぼします。仕事量が多く激務が続くことで、心身ともにストレスがかかってしまいます。

②人間関係への不満

「いじめが酷くて大変でした。周りの人も聞いてくれる人が全くいませんでした。友達もいないし聞いてくれる人もいないため、ストレスがたまっていきました。」

「直属の上司からのパワハラがひどく、その対応で、スタッフ同士がぎくしゃくしていた。 パワハラに直接あった一人になってしまった。」

人間関係の悪化は、自分1人では解決できません。仕事の進捗にも影響します。仕事へのやりがいの有無に関係なく生じる問題であるがゆえに、余計なストレスが生じやすく、精神的にも大きな負担がかかります。

③給料への不満

「大変なことが多く拘束時間が長いため、割に合わないと思いました。」

「ボーナスのウエイトが高く、年収が安定しない。」

不十分な給料は、仕事へのやりがいや評価への不満につながります。不満は発散できなければ、少しずつストレスとして蓄積され、心身への影響をおよぼします。

④企業体質への不満

「社員を教育する体制が全く整っていないし、上司によるパワハラがひどかった。」

「新人が来ても仕事を教えず、できなければ恫喝や無視などが起こる。自分がそうならないように、他のスタッフは見て見ぬふりをしていた。一種のいじめです。」

仕事を教える体制が職場に整っていなければ、何をすればよいのかがわかりません。何もすることがない、または何をすればよいかわからない職場に、毎日何時間もいるのは苦痛ですし、仕事にやりがいを感じることはできません。

何のために仕事をしているのか、そんな疑問がストレスにつながってしまいます。

不満を解決することは、ストレスの解消につながりますが、状況が変わらなければ、ストレスは溜まる一方です。体や心に悪影響を及ぼすばかりです。

3.不安障害による仕事での悩み

不安障害による仕事での悩み
次に、不安障害のある方はどのような場面で不安や緊張を感じたのでしょうか?口コミをみていきましょう。

「人に対して極度に緊張感、恐怖感、不安感を抱くので、職場の人とうまくコミュニケーションが取れない。そのため、仕事に関する相談をしづらい。職場の人と目が合っただけで緊張してしまうため、本来の仕事に集中できない。」

「精神障害を持っています。社会全般不安症です。会社で働きたくてもそこまでの道のりが不安になります 現在は在宅勤務をしています。また、ストレスが溜まると耳鳴りやイライラが募り、脱力感が出ます。」

不安障害のある方は、コミュニケーションに不安を感じることや、通勤にストレスを感じるなど、不安のトリガー(原因となっているもの)や不安を感じる対象が異なります。

不安障害を抱えながら働くことで、不安を抱えている方も多くいらっしゃいますが、満足度の高い職場で働いているという口コミも多く届いています。

そのような嬉しい声は、これから仕事を探そうとする方にとっての希望であり、自分に向いている仕事や職場の選び方の参考になります。また、職場が不安障害のある方の感じ方を知るということは、今後の対処法のヒントになりますね。

4.不安障害のある方にとって働きやすい職場

不安障害のある方にとって働きやすい職場
不安障害とうまく付き合いながら働くために、最も注意したいことは「職場環境」です。そこで不安障害のある方が「働きやすいと感じた職場環境」を口コミからみていきしょう。

4-1.満足度の高い職場には「円滑なコミュニケーション」がある

「自分の体調や通院に合った勤務スタイルを会社が公認してくれたり、通院に同行して一緒に状態を確認してくれたり、何よりコミュニケーションを大事にしてくれた。」

「辛い時、上司や同僚に相談できました。みんないい人です。和気あいあいとしています。」

「月に一回、健康管理室の保健師と面談を設定してもらえる。周りも病気を理解していて、適度に放っておいてもらえる。仕事量が少なく、残業がほとんどない。」

不安障害のある方が働きやすいと感じる職場は、自分の状態を理解し、接してくれる環境ができていることがわかります。その環境は、最初からすべて整えられているのではなく、日頃のコミュニケーションが活かされて作られているのだということも推察できます。

4-2.嬉しいことは「周囲の理解とその人に合わせた業務」があること

さらに働く上で注目したいのは、不安障害のある方のそれぞれの症状に合わせた業務が任されているかどうかです。

不安障害のある方が不安を感じる要因は人によって異なります。そのため、その人が不安を感じる要素のない業務であることが必要です。

「勤務時間・出勤日数を特に配慮してくれた。医師の「過労を止めるように」のアドバイスから業務量を減らしてくれたり、お客様と対話する時間を調整してくれたりして、効率の良い場所で勤務ができたと思う。」

「仕事の量や納期が間に合わず息詰まったときは、職場のメンバーはとても優しく接してくれた。病気に対する差別もなく、居心地がよかった。同じ部署の人も「辛くなったら早めに相談してね。」と言ってくれ、そのおかげで他の人と同じように、週5日フルタイムで安心して勤務できました。」

「みんな理解してくれて、協力してくれた。電話を取らないようにしてくれた。」

口コミにもあるように、初めて話す人と会話することに不安を覚える方は、電話対応をしなくてよいという配慮が必要です。このような配慮は、職場が不安障害の原因を理解しているからこそできることなのです。

ではどうすれば、そのような職場で働くことができるのでしょうか?

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5.不安障害をオープンにするかクローズにするか

不安障害をオープンにするかクローズにするか
働きやすい環境で仕事を続けていくために、不安障害のある方は以下の2点を伝えるようにしましょう。

  1. 不安障害について伝えること
  2. 必要な配慮(サポート)を明確に伝えること
わかりやすく伝えるためには、この2点をまとめたチェックシートを作成しておくと良いですね。

しかし中には、不安障害のことをオープンにすることでデメリットが生じるのではないか、と心配する人もいるでしょう。

先述したように、不安障害の原因と症状を職場に伝えることで、不安を感じない業務や環境を知ってもらうことができます。それは、働きやすい環境を得ることにもなりますし、長く続けるためには欠かせません。

不安障害であることを打ち明けることに、勇気がいる人もいます。しかし、自分自身の状況を伝えなかったばかりに、症状が悪化してしまうことや働きやすい環境を得るチャンスを失うのはもったいないことです。

口コミに寄せられたアドバイスも参考になります。

「面接の際に持病があることを事前に伝えておいた方が、その後何かあったときに会社への負担が少なく、自分もあまり気負わなくて済みます。反対に持病のことを言った際に渋るような会社は、もし入社したとしても、良い方向には進まないことが多いので、面接の対応でこの会社は病気や障害を持つ人にも配慮してくれるかどうかを見極めてください。」

「オープン就労の場合は、病気の症状を詳しく伝えるのがよいと思います。」

「病気のことを話すのは勇気がいると思いますが、理解を得るのは難しくても、きちんと最初から話をして、自分がこうしていきたいという気持ちは伝えた方がいいと思います。」

自分の不安障害について伝えることで、解消される不安もあります。結果的に面接に落ちることや、企業側と信頼関係を築けなかったとしてもそれを失敗と捉えることなく、より自分に合った職場と出会うための過程に過ぎないと割り切る気持ちを持ちましょう。

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6.面接のポイント

面接のポイント
次は、面接について考えてみましょう。口コミから得られたアドバイスをもとに、面接をうけるときのポイントを紹介します。

6-1.面接のポイント

①自己分析をしてから伝える

「自分はどんな人か、何をしたいか、何を優先させたいか、を事前にしっかり確認して、その上で各企業の条件を加味して決めた方がよい。特に病気を持ってる人などは、自分のハンデを把握して仕事を選ばないと苦しくなる。」

「自分の障害に向きあいしっかり理解することです。どんな症状が出るのか、それが出たら仕事にどんな影響が出て、周りにどんな影響を及ぼすのか、自分でできる対策はあるのか、などです。自分が理解した上で、障害のことを会社に伝え、協力体制を交渉することです。」

「面接などで自分の特性を伝えることと同時に、それが企業の望むことと合致するのかを受ける側も見極める必要があると思う。」

「会社の採用担当者に障害の特徴を聞かれたときに、説明をうまく話せるように、あらかじめ紙などに書いてまとめておくと、面接のときなどに困らない。面倒がらずに準備をきちんとするといいと思います。」

「自分の状態をしっかりとモニタリングして、できることとできないことをしっかりと仕分けしておくことが必要だと思います。そして、その点をしっかりと職場担当者に伝えることが必要だと思います。まだまだ理解が少ないので、具体的に何ができて何ができないのか、伝えなければならないと思います。」

その企業で働くことになった際に満足できる職場環境を得るためには、不安障害について伝えることが必要だというアドバイスは多くみられます。

そこで大切なのは「伝え方」です。ただ不安障害であることを伝えるのではなく、以下の点に注意しながら、伝えたいことをまとめてみましょう。

  • 不安を覚える要因や傾向
  • 不安障害でもできること
  • できないことや苦手なこと
  • サポートがあればできること
大切なのは、前向きな気持ちで伝えることです。
例えば、できないことはできないことだけを伝えるのではなく、サポートがあればできるのであれば、その点をお願いしながら相談する姿勢を見せましょう。

②面接で聞いておくべきこと

「仕事内容はちゃんと調べておかないと、思っていた仕事と違うということで苦しむのは自分です。入社する前に、会社側が障害への配慮をどこまでしてくれるかをきちんと確認しておくことが重要です。」

「仕事内容を簡単に記入した求人票もあるので、必ず職種と仕事内容を確認した方がよいです。大丈夫と自分で勝手に判断してしまうと、入ってから困ることになります。」

「勤務先への交通手段、福利厚生が整ってるかどうか。人員が足りてるかどうか。有給が本当に取れるのかどうかを確認しましょう。自分の体は自分で守るしかないのです。」

面接は、働く前に企業と自分のお互いの意見を交わすことができる貴重な場所です。お互いを理解しないままでいると、就職後に自分のイメージとのギャップに悩むことにもなります。知りたいこと、不安なことは確認しましょう。

    ■確認するとよい項目の一例

  • 仕事内容
  • 職場体制、雰囲気
  • サポート内容
  • 休暇制度や勤務体制
  • 交通手段
  • 待遇面、福利厚生
疑問点をクリアできるほど、働く前に抱く会社のイメージとのギャップを防ぐことになります。

もし、面接で直接聞きづらいと思ったときは、ハローワークや人材紹介会社のアドバイザーなどの第三者を通して確認する方法もあります。後ほどご紹介しますので参考にしてください。

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7.不安障害のある方におすすめする企業

不安障害のある方におすすめする企業
ここからは、不安障害のある方の口コミから、おすすめの企業や業界を紹介していきます。企業の様子がうかがえますので、参考にしてみてください。

7-1.不安障害のある方が働きやすいと感じた企業

・日総工産株式会社 「会社の人間関係がとてもいいです。みんな仲が良くて、仲間意識がとても高いところが気に入っています。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★
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・相鉄ローゼン株式会社 「慌ただしかったり、やることが終わらなかったりすることもなく、周りの気遣いが沢山あり、思いやりがあったので楽に仕事をすることができた。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★★
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・株式会社クスリのアオキ 「仕事自体は大変でしたが、体調面で心配なことは上司に相談すると、時間を短くする提案をしていただけた。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・キャノン株式会社 「大手企業なので非常に施設が充実していて、福利厚生も正社員に準ずる形で提供されること。 服装がある程度自由で、個人的に徒歩数分の通勤が可能なのが非常に助かった。」
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★
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7-2.不安障害のある方におすすめの業界や働き方

・医療・福祉関係
障害のある方のサポートを担っている「医療・福祉関係」の業界は、障害に対する知識や理解度が他の業界に比べると高くなります。また、景気や流行に左右されることのない業界なので、将来性もありいつの時代も人気があります。

・フレックスタイム制が導入されている企業
自分で働く時間を決めることができるのが、フレックスタイム制です。不安障害のある方の悩みの中でも多いのが、通勤時や出社前に起きる緊張や不安感。自分の体調や精神状態を加味して働けるフレックスタイム制は、不安障害のある方にとって安心材料になります。この制度を導入している企業は、年々増加傾向にあります。

・在宅でできる仕事(テレワーク)
IT化が進んだ現代では、職場に通うことなくできる仕事も多くあります。特にコミュニケーションに不安を感じる方は、自宅でできる仕事から始めてみるのもいいかもしれません。対人関係のストレスが少なく、自分のペースで働くことができます。
ただし、在宅でできる仕事の内容は多岐に渡っているので、選び方ひとつで自分の許容範囲以上の仕事を引き受け、締め切りに追われるリスクも発生するので、注意が必要です。

不安障害のある方におすすめの働き方は、安心感を持って自分のペースで働くことができることです。職場でスキルアップができることが望ましいですが、まずは焦らずに自分に合った環境を見出すことが大切です。

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8.理想の仕事を探すために

理想の仕事を探すために
この記事をご覧の方の中には、これから仕事を探し始めるという方もいることと思います。口コミから、企業選びで参考になるポイントをまとめました。経験者からのアドバイスをチェックしてみてください。

8-1.事前に確認しておくこと

満足度の高い職場の条件の一つに、人間関係が良好なことが挙げられています。どのような雰囲気の職場なのか、どのような人が働いているのかを職場見学で事前に確認しておくことをおすすめします。

「できることなら、職場をしっかり見学できて、自分ができる仕事かを確認できたら素晴らしいです。~中略~自分が続けられそうな仕事内容をしっかりチェックすることが何より大事だと思います。」

「職場の雰囲気はしっかり見ておいたほうがいいと思う。福利厚生がしっかりしているかも調べておくと良い。休日がしっかり確保されていることが大事ですね。休みがないと、やはり病んでしまう。」

「理想は、自分の仕事を具体的に事前に教えてもらうだけでなく、見学や職場体験で自分の仕事を体験し、上司や環境を確認しておけると良い。そして、何かあったら、相談できる環境が保証されているのかも確認しておけるとよいと思います。」

「職場の環境が一番大事だと思うので、事前にどんなところか下見に行けたら行った方がよいと思う。 また、仕事の内容も掲示しているものとは少し異なることがあるので、注意が必要。 勤務以外の勉強会などが夜遅くにある会社もあるので、そのあたりも確認したほうがよい。」

求人情報はインターネットや紙面で見ることができても、職場の雰囲気や人間関係などは簡単に知ることができないのが現状です。可能であれば、職場見学を依頼して自分の目で確認することも必要でしょう。

8-2.専門の求人サービスを活用する

今回の口コミに多く挙げられたのは、不安障害があることをオープンにして働くことの重要性でした。オープンにするかどうかは、自身の症状と理想とする働き方を考慮しながら考えてみましょう。

「職場の人の迷惑にならない、細く長く働ける職場がいいと思う。クローズでも働きやすいところがあればクローズでもいいし、自信がなければオープン就労がいいと思う。どちらにもメリット、デメリットがあると思うので、熟考して働いたほうがいいと思う。できれば、ダメだったらしょうがないくらいの気負わない気持ちでいたほうが楽だと思う。」

雇用形態には、一般枠障害者雇用枠があります。

一般枠(クローズ就労)は、障害であることを伝えずに働くことです。
職種の選択肢が広く、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、不安障害への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

「障害者雇用枠(オープン就労)」は、障害であることを伝えて働くことです。
職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながる場合もあります。

8-3.障害者専用のサービス機関を活用する

① ハローワーク

ハローワークには、障害のある方専用の窓口があります。専門の職員や相談員が職業紹介や就業指導、就職後のケアにあたっています。求人票の障害者雇用枠(オープン就労)を活用することで、企業とのマッチングがスムーズにいく可能性が高まります。

「ハローワークの能力開発機構による、設計のための勉強を半年間受けた。 それにより得た知識が就職の際に大変役に立った。」

「年に数回、経営コンサルタントの方が面接をしてくれていた。不安な点や、改善点、生活の悩み、仕事の悩みをよく聞いてくれた。」

参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

② 障害者専用の人材紹介会社(エージェント)

障害や病気のある方専用の人材紹介会社を活用すると、専門アドバイザーへの相談ができたり、履歴書の書き方や面接の対策を受けられたりします。さらに、事前見学や面接のスケジュール調整、会社との条件交渉などといったさまざまなサポートを受けることができます。また、職場見学の申し入れや、面接では聞きにくいことの確認もしてくれるところがあります。

「面接時のアドバイスやフォローをしてもらいました。」

就職活動は不安になることやわからないこともありますが、知識や経験のあるサポーターがいると心強いものです。

9.入社後に心がけたこと

見事に採用され入社が決まった方は、これから働く職場に期待する半面、不安障害への不安も感じることと思います。

今の職場に満足している不安障害の方の中には、同じような不安を抱えながらも、自分なりの工夫や努力をすることで、働きやすさを手にしている方もいます。

9-1.周囲を気にしないようにする

「人の顔色が気になるのだけれど、仕事を覚えることが大事と言い聞かせて仕事している。」

「なるべくイヤホンで音楽を聴いて、周りを見ないようにしたりしています。」

多く寄せられた工夫は、自分の気持ちをコントロールして、周囲の目を気にしないようにすることでした。


9-2.リフレッシュする時間を取り入れる

「根詰めて仕事をしてしまうので、適度な時間をとって、愛犬と散歩に行ったり、飲料を飲んだり、ストレッチをして気分転換を図るようにしています。」

「短時間就労にして、適度に休憩を入れる。できないことは他の方にお願いする。」

無理をせず、自分のペースを大切にするという工夫も多く寄せられました。具体的には、適度に休憩を入れることや適度な気分転換を図ることで、自分を追い詰めないようにしています。


9-3.一人で抱え込まないようにする

「仕事は無理だと思ったら上司や夫に相談している。休暇をもらい、ゆっくり休む。」

「なるべく周りに障害のことを話し、協力してもらっている。」

迷惑をかけたくないからといって、自分一人で抱え込むのではなく、周りのサポートをありがたく活用する、困ったときは遠慮なく申し出て協力してもらう姿勢を持つことも大切です。働く上で周囲の協力は必要不可欠です。

また、このような意見もありました。

「手帳に『できたこと』を記入していく。 自信につながり、症状の緩和にもつながる。」

働きやすい環境を得る工夫も大切ですが、仕事に対するモチベーションも不安障害の症状を緩和する手段の一つになり得ます。仕事にやりがいを感じることは、精神的にもプラスに働くでしょう。

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10.まとめ

ここまでの内容を振り返りましょう。

不安障害とうまく付き合いながら、理想の職場で働いている方に共通していることは?

「周囲の方々の理解があること」と「自分に合った業務が行えること」でした。そのためには、不安障害であることを伝えることが必要です。
まずは、自分のことをよく理解しましょう。不安を感じる原因や症状だけでなく、できることとできないことも書き出しましょう。さらに、できないことの中に、サポートがあればできることがあれば、協力を相談しながら語れることが望ましいでしょう。

不安障害のある方はどのように向いている仕事を探せば良いでしょうか?

気になる企業の情報収集は念入りに行いましょう。時には職場見学などを活用して、職場の雰囲気を知ることも必要です。
また、仕事探しは、ハローワークや障害者専門の人材紹介会社などを活用し、アドバイスを受けながら進めることも一つの方法です。
面接を受ける前に「自己分析の内容」と「企業に確認したいこと」を書き出すことで、気持ちに余裕が持てます。

不安障害のある方が長く働き続けるために必要なことは?

入社した後は、自分のペースを保ちながら働きましょう。そして、自分なりの工夫や心がけをすることは、長く働き続けられる環境を得ることに繋がります。

11.最後に

不安障害を抱えながら理想の仕事を探している方は、今までの経験から仕事への悩みや不安がよぎることもあるでしょう。また、思い通りにいかなくて、ついネガティブな気持ちになることがあるかもしれません。

しかし、今回の口コミからもわかるように、自分の不安障害について要因と症状を理解し、企業にわかりやすく伝えることで、配慮やサポートをうけながら、自分らしく働ける環境に出会えた方がたくさんいます。

そして仕事の見つけ方や向いている仕事に悩んでいる方は、支援サービスにも目を向けてみましょう。仕事探しや採用面接から就職後まで、専門知識と経験を活かしながらアドバイスしてくれます。

自分らしく働ける仕事を、自分のペースで探してみましょう。不安障害を理解してくれる企業に出会うことができたなら、企業との意思疎通を密にすることでより自分が働きやすい環境になっていくはずです。


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障害者枠(オープン就労)か一般枠(クローズ就労)か?良かった点と悩みを解説


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監修者

就労継続A、B型にて支援員として、身体障害、精神障害、知的障害のある方への支援を行う。ソーシャルワーカー。 自身も悩みを抱えギャンブル依存症になった経験から、「悩みから夢まで話せる友達が見つかる東京の居場所”ココトモハウス“と出会い、現在はその管理人として多くの方から信頼を寄せている。生きづらさを抱える人達を社会と繋げて、豊かな社会を作ることがミッション。

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著者

障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。

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