【統合失調症 転職】向いている職種や業界とは? 333人の実体験調査から解説

統合失調症 転職 向いている職種や業界とは? 333人の実体験調査から解説

統合失調症の方が転職を考えるとき、どのような仕事が自分に向いているのか、適職は何かと迷われることもあるのではないでしょうか。

仕事で苦労している方がいらっしゃる一方で、自分にあった仕事を見つけることで楽しく仕事が続けられているという話も耳にします。

今回は、働いている統合失調症の方333人の体験談やアンケートから、統合失調症の方が考える働きやすい職場、業界、職種を調査・分析いたしました。

統合失調症の方に人気の仕事や満足度の高い職場、おすすめの業界や職種など、実際の分析データとともにご紹介していきます。

同じ統合失調症といっても生活状況や働き方などにより悩みはそれぞれだと思います。ご自身の特徴などと見比べながら転職のヒントにしてみてください。

【この記事でご紹介するデータ】
調査期間:2018年2月~2020年4月
調査方法:弊社サイトUMBREから対象となる体験談を抽出
調査対象:統合失調症をお持ちの方で働いた経験のある方の体験談333件
データ集計日:2020年7月9日
※体験談として記載された内容を分類し集計したデータを使用しています。


目次

1. 統合失調症の方にとって満足度が高い職場

2. 統合失調症の方におすすめの業界

3. 統合失調症の方におすすめの職種

4. 統合失調症の方の転職活動の進め方

5. まとめ

1. 統合失調症の方にとって満足度が高い職場

まずは満足度の高い職場について、その傾向をみてみましょう。
統合失調症仕事満足度グラフ
※アンケート「あなたはその会社の就労環境に満足していますか?」を集計して割合を抽出



このグラフは、今回アンケートに回答してくださった方の職場に対する満足度の割合を表したものです。「とても満足している」が18%、「満足している」30%、「満足していない」、「全く満足していない」がそれぞれ16%、12%を占めていました。約半数の方が「満足している」という回答結果になりました。

①満足度が高い職場の特徴

では、半数を占めた「満足度が高い職場」にはどんな特徴があるのでしょうか?

統合失調症 満足度高い職場理由グラフ上位


統合失調症 満足度高い職場理由グラフ下位

※アンケート「あなたが答えた満足度について理由を教えてください」を分類しプラス評価している内容を集計して割合を抽出。5名未満の少数回答は除く。


■満足度が高いと感じる1番の理由は「特性にあった仕事ができる」「病気や障害に対して理解がある」



1つ目の「特性があった仕事ができる」とは具体的にどういうことでしょうか?まずはアンケートに寄せられたコメントから見てみましょう。

「私はぱっとみて障害とはわからないですが、薬をのんでいることを従業員は把握していたので、特に睡眠薬の影響による遅刻についてかなり寛容に許してもらいました。15分30分の遅刻ですが、毎週1回は遅刻するので、そちらを許してもらえるのはとても助かりました。」
(女性/チェーンストア・スーパー・コンビニ、接客)

「基本的には午後からの仕事なので、ある程度は体調を整えてから仕事に行ける。」
(女性、教育)

「仕事の空き時間は自宅に戻れるのと事務所に行くのも月1回でいいので自分のペースで仕事ができます。」
(IT・通信・インターネット系、介護)

「一人で出来る仕事は誰かの足を引っ張ってしまう心配がありませんし、こまめに小休憩が入るからです。」
(メーカー・製造系、軽作業)

「自分のペースで仕事が行える事、営業アシスタントの勤務に慣れていて仕事がやりやすい。」
(人材、営業補佐)

「1人で黙々と仕事ができる。電話に出なくていい。普段は家で仕事で、週1回の出社日だけで、通勤のストレスが少ない。出社した時は、同じ課の3人の女性と昼食を取れる。」
(メーカー・製造系、事務)



これらのコメントをみると、特性にあった仕事は以下の2つにわけられます
    ①自分の体調の特性にあわせた就業時間や出勤日
    ②自分の特性にあった仕事内容やペース


服薬をしながら仕事をする方もいらっしゃるでしょう。その作用により朝が苦手ということもあるかもしれません。また、定期的な診察や体調が思わしくない時にそなえて出勤する日を調整したいということもあるでしょう。このような日頃の症状や障害特性に合わせて就業時間への配慮や融通がきく職場は満足度が高い傾向にあります。

また、どのような仕事をどのような環境やペースで行うのかという点も、職場への満足度に関わっています。もくもくと自分のペースで行う仕事が良いのか、みんなで協力して行う仕事が良いのかによっても、向き不向きが分かれるでしょう。

そして、ストレスを考慮するとスケジュールや締め切りに追われる仕事は避けたいものです。仕事を行うペースを配慮してもらえるかどうかは仕事選びの大切なポイントになりそうですね。

次に2つ目の理由として挙げられた「病気や障害に対して理解がある」について見てみましょう。

ひと言で理解があるといっても、理解の仕方はさまざまです。どのようなに理解されているとより働きやすく満足度が高い職場といえるのでしょうか?コメントをみてみましょう。

「今まで一般企業に勤めていたのですが、障害についてなかなか理解が得られず、変人扱いされてきました。今の施設では私の障害についてきちんと理解、対応してくれるので大変満足です。」
(女性、医療・福祉・介護)

「障害で仕事が遅くても文句を言われない。3カ月に1度面談してくれる。」
(男性、医療・医薬、医療事務)

「自分の病状を受け止めてくれて、ありのままの自分を受け入れてくれているから。」
(男性、団体・連合会・官公庁)

「病気を理解してくれていた点と、妄想が聞こえてきた際の休憩室があった点。」
(男性、食品・化粧品、清掃)

「障害に対して理解のある職場なのでありがたい 働きやすい 職場での障害に対する講演会等があるので会社全体が障害に対して理解している。」
(男性、その他、企画・立案)

「障害者を雇う事が初めての会社だったので、最初はギクシャクしましたが、私の障害を理解しようと勉強してくださり、私も働きやすかったです。」
(女性、旅行・ホテル)



このように、障害に対する理解の仕方やそれに対する応じ方は、企業や周囲の人々によって異なります。

    ・仕事が思い通りに進まなくて、温かく見守ってくれる
    ・症状について理解し、症状が現れたときも優しく支えてくれる
    ・症状に合わせて利用できる休憩施設がある
    ・企業全体が障害への理解を深めようと行動を起こしてくれる


このような企業や周囲の方の応じ方や働きかけがあると、働きやすさにつながっているようです。特に企業全体が障害への理解を深める取り組みがあることが、職場への雰囲気や一人ひとりの考えに影響を与えるのではないでしょうか。

最近は、障害に対する取り組みを積極的に取り入れている企業が増えています。UMBREでも、それぞれの企業の取り組みをわかる範囲で紹介していますので、参考にしてみてください。

統合失調症 障害者雇用への企業の取り組み

※企業ページを下の方にスクロールしていただくと出てきます。


満足度が高い理由には、「その他」や「給料が良い」といった回答をしている方も多くみられました。

誰でも働くからには、より多くの給料が欲しいと思うものです。また、統合失調症の方は、症状によっては長期的な休職が必要になる可能性もありますので、働けるときになるべく収入を得られることが安心につながります。そのため「給料が良い」職場は、満足度も高いのではないでしょうか。

「給料の遅配がなく、きちんともらえている。無理やり長時間の労働を強制されたりすることがない。」
(メーカー・製造系、軽作業)

「会長が社員を大切にして下さり、儲けは分配して下さり、パートやアルバイトさんにも多少でもボーナスや残業手当を支給して下さいました。」
(女性、医療・医薬、軽作業)

「外出できる時間に制限があるが住居費は学校負担。勤務中の行動は自由度が高い。お金がたりなければ副業させてもらえる。」
(女性、食品・化粧品、清掃)



また満足度の高い理由が「その他」だった方の回答には以下のようなコメントがありました。

「決して賃金が高い職場とは言えないが、5年間無職でいた自分を雇ってもらえただけでもありがたい。」
(男性、マスコミ・広告、運搬)

「とても私の都合に振り回してしまいました。とてもご迷惑をおかけする形になってしまいました。仕事内容を変えていただきました。店長さんがとてもいい人です。具体的にこんなところが役立っていると教えてくれました。」
(女性、専門店)



障害への理解がある、特性にあった仕事ができる職場は満足度が高いことがわかりましたが、そのような状況で働いていることに対する企業や周囲の方への感謝の気持ちもアンケートには書かれていました。

同じ職場で働く仲間同士が気持ちよく仕事できる、楽しく仕事ができるそんな理想の職場に出会える方が増えるためにも、さまざまな方の体験談を多くの方に届けたいと思います。

次は逆に「満足度が低い職場の理由」について見てみましょう。

②満足度が低い職場の特徴

28%を占めた「満足度が低い職場」にはどのような特徴があるのでしょうか?
満足度が低いと回答した方の理由を分類して、集計をとってみました。

統合失調症 満足度低い職場理由グラフ上位


統合失調症 満足度低い職場理由グラフ下位


※アンケート「あなたが答えた満足度について理由を教えてください」を分類しマイナス評価している内容を集計して割合を抽出。4名未満の少数回答は除く。


■満足度が低いと感じる1番の理由は「その他」



満足度が低い職場の理由として一番多くあげられたのは「その他」でした。その他という結果には、他のどの理由にも当てはまらない各々の少数意見が多かったということになります。詳しくみてみましょう。

「1ヶ月更新なのですが、『翌月のお仕事更新になりました』と1周間前に言ってくるのでもっと早く言ってほしいと思った。」
(男性、コンサルティング・専門サービス系、テレコミュニケーター)

「4年で契約満了にさせられた。長く継続して働くことができない。」
(女性、ソフトウェア・ハードウェア開発、ITサポート)

「長い期間、欲を言えばもっと継続して働きたかった。」
(男性、チェーンストア・スーパー・コンビニ)

「やはり自分の障害を中々オープンにする勇気が出来ず、うちに抱えてしまう傾向があるからです。」
(女性、医療・福祉・介護)

「1人でのオープン就労だったので、自分から発信することが難しかったことがあったためです。」
(男性、専門店、清掃)



少数意見の中でも傾向を見てみると、安定して長く働ける保障が欲しいといった意見や、障害をオープンにするかクローズにするかといった点について散見されました。

将来への不安は、解決するまでつきまとうため、不安定な気持ちのまま仕事をし続けることはストレスや仕事に対する意欲の低下にもつながります。

また、就職や転職を考えるときに多くの方が悩む「オープン就労」「クローズ就労」かという雇用形態も、仕事への満足度に直結するようです。

障害をオープンにするか、クローズにするか迷っている場合は、その違いによってどのような職場環境が望めるのかを考えると良いでしょう。

▼障害をオープンにするか?クローズにするか?そのヒントはこちらへ。
コラム「統合失調症の方に聞く、続けられる仕事を見つけるポイントとは」



■満足度が低いと感じる2番目の理由1つ目は「ハラスメントや叱責を受けた」



ハラスメントや叱責を受けた」状況で仕事を続けることは、精神面への負担が大きく高リスクな環境に身を置くことになります。もちろんこのようなストレスに耐えながら働く職場であれば、満足度も低くなるでしょう。

「持病がある事を伝えて入社したのに、コーディネーターに「嘘ばかりこきやがって」 とののしられて終わりました。最悪な一件でした。」
(女性、メーカー・製造系)

「店舗リーダーによるパワハラ・セクハラが横行している。ノルマ達成のために手段を選ばない為毎日気が休まらない。契約社員に女性が多い職場で熾烈ないじめがどの営業所でも蔓延していた。」
(女性、人材、管理業務・折衝業務)

「1番上の上司の恫喝がひどく、他の上司や他の社員がよく怒られていて自分も怒られている気分になりました。」
(男性、生命保険・損害保険、営業)



統合失調症の症状を悪化させる要因にもなりかねない状況で働いている方が多くいらっしゃることに驚きました。また「ハラスメントや叱責を受けた」環境が、統合失調症を発症する原因の1つになってしまったのかもしれません。

■満足度が低いと感じる2番目の理由2つ目は「給料が安い」



給料が安い」という理由は、満足度の高い理由「給料が高い」と逆の意見です。このことからも給料や待遇の良さは、満足度の基準に大きく影響していることが良くわかります。

「介護職員の給料を上げて欲しい、正社員にして欲しい、ボーナスが欲しい。」
(医療・福祉・介護)

「時給はいい方だと思うが以前に比べて早く上がるようになったため、給料が減った。」
(医療・福祉・介護、デイサービス)

「今のままの給料では、到底普通の生活が送れるだけの額ではない。」
(金融・保険系・事務)

「自分の体調のせいもあって、なかなか長い時間はたらけないため、お給料が少ないです。病気を隠しながら仕事するのはとても辛く精神的にまいってしまいます。」
(専門店、軽作業)

「毎日半日しか働いていないので給料が安い。」
(女性 サービス・外食・レジャー、清掃)

「査定でボーナスや給料の額が決められ、どんどん減額されるようになった。」
(男性、通信、事務)



統合失調症の症状と付き合いながら働くとなると、体調に合わせた勤務時間や出勤日になるため、働いた時間に対する給与払いではトータルの収入が少なくなることも悩みの1つになっています。

ただ、無理をして症状を悪化させることは本末転倒ですね。ではどうすれば良いのでしょうか。ヒントとなる意見もありました。

「一応何とか生活していけるだけのお金はもらえているし 福利厚生もしっかりしているから。」
(男性、郵便、軽作業)

「休暇が非常に取りやすかった。仕事量や業務内容についても、上司だけでなくまわりの同僚みんなが気をつかってくれていた。病状により休職制度も休職からの復帰制度もしっかりしていた。」
(団体・連合会・官公庁、窓口業務)

「自宅作業を許可してもらったり、出社時には時短勤務も認めてもらっていた。」
(ソフトウェア・ハードウェア開発、システムエンジニア)



1つは、福利厚生や休職制度などが整っている企業は、休みに対する補償を受けることもできます。例えば休職中も給与を保証してくれる会社独自の休職制度を設けている会社もあります。

また体調によっては、出勤するのは難しいけれど自宅でなら仕事ができるという場合もあります。リモートワークOKな会社であれば、本来なら休みとなった時間も就業時間にできるので、減収の心配も少し解消されるのではないでしょうか。



▼休職に関する情報はこちらへ
「精神障害で休職しよう思ったら、知っておきたい制度と手続き」
「精神障害で休職、でも心配なのはお金のこと。収入はどうなるの?」



ここで、満足度が低い職場をまとめると
    ・安定した雇用が見込めない
    ・オープン就労、クローズ就労など働き方について悩みながら働いている
    ・ハラスメントや叱責を受けるなど、職場環境や人間関係が良くない
    ・給与が低い、または仕事できる時間が短くなり収入に結びつかない


ということがわかりました。

また「病気や障害に対して理解が無い」、「自分の特性に合わない仕事」も満足度が低い職場の原因として多く挙げられましたが、これは先ほど「満足度の低い職場」としてまとめた内容に通ずるものがあります。

病気や障害に対して理解がなければハラスメントを受ける可能性も増えるでしょう。特性に合わない仕事は続けることが難しく、将来に対する不安を抱えることにもつながります。

これらの意見を振り返ると、満足度が高い職場の理由として「病気や障害に対して理解がある」が1番に挙げられたのも納得な気がします。

2. 統合失調症の方におすすめの業界

次に、統合失調症の方が働いている業界の傾向を見てみましょう。様々な業界で多くの方が活躍されています。

統合失調症 業界の割合

※アンケート「働いているまたは働いていた企業を教えてください」で回答のあった企業を業界別に分類し集計して割合を抽出


業界の特徴としては、「サービス・外食・レジャー系」が約32%、「メーカー・製造系」が約18%、「小売・流通・商社系」が約17%を占めています。

では、それらの業界の満足度は高いのでしょうか?
業界別にそれぞれの満足度を比べてみましょう。

統合失調症 業界別満足度グラフ


※アンケート「働いているまたは働いていた企業を教えてください」と「あなたが答えた満足度について理由を教えてください」をクロス集計して割合を抽出。ただし、答えた人数が10人未満の業界は比較対象外とした。


満足度の高い業界は「マスコミ・デザイン・ゲーム系」、「コンサルティング・専門サービス系」業界でした。自分の専門性を追求できる業界の満足度が高い傾向にあります。

必ずしも、統合失調症の方の多くの方が働いている人気の業界の満足度が高いわけではなさそうです。
では、満足度が高かった理由は何でしょうか?

「私の病気に理解があり、同僚、先輩方が優しかったので、良かったです。」
(女性、マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンターテイメント系)

「仕事で困ったことがあったり、自分にとって難しい仕事で、ひとりでできないときは、同僚のみなさんがたすけてくれました。上司もよく仕事は楽しいかとか困ったことはないかと色々話しかけてくれました。」
(女性、コンサルティング・専門サービス系 軽作業)

「無理しすぎないように働きたいという意向を快く受け入れてもらえ、出社や退社の時間の希望も考慮してくれた。ストレスが病気によくないことを伝えると、仕事の量や納期も調整してもらえた。」
(女性、コンサルティング・専門サービス系、図面管理)



専門性の高い業界というと個人の力を発揮し1人で仕事をすることが多いため、仕事がやりやすく満足度が高いのではと予想しました。しかしコメントを見ると、個人のペースという利点よりも、周囲のサポートの手厚さが評価を上げているようです。

仕事を抱えられなくなった時や体調が悪い時など、配慮が必要になった場合に職場としてサポートが出来ることができていることが満足度の高い業界に多くなっています。

個人の能力を発揮できる場でありながら、チームワークもできている。「マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンターテイメント系」業界、そして「コンサルティング・専門サービス系」業界も、抱えている仕事内容にもよりますが、チームの規模が小規模でお互いのコミュニケーションがとりやすいのかもしれませんね。

▼他にも「マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンタテインメント系」それぞれの業界でお仕事されている方の体験談がたくさん届いています。
ぜひこちらから業界を選び参考になさってください。

3. 統合失調症の方におすすめの職種

次は統合失調症の方の職種について見てみましょう。

統合失調症 職種の割合

最も多い職種は「販売・接客・サービス」でした。先ほどご紹介した業界で多くの方が働いていた業界が「サービス・外食・レジャー系」でしたので、お客様と直接関わる仕事に関わる方が多いことが分かります。

2番目以降に多い職種は「軽作業」「事務」と続きました。
対人コミュニケーションや人間関係が限られたなかで、自分の仕事に集中することができることが多い職種です。
人と接する仕事なのか、そうでないのかだけでも働く職種が分かれるのではないでしょうか。

職種を選ぶときは、人気や給料、就労条件といった項目だけではなく、自身の統合失調症の症状と付き合いながらできる業務内容や職場環境なのかといった考慮をすることも大切です。

では、それらの多くの方が就いている職種の満足度は高いのでしょうか?
職種別にそれぞれの満足度を比べてみましょう。

統合失調症 職種別満足度グラフ


※アンケート「どのような仕事をされましたか?」と「あなたが答えた満足度について理由を教えてください」をクロス集計して割合を抽出。ただし、答えた人数が10人未満の職種は比較対象外とした。


満足度が高い職種は「販売・接客・サービス」「清掃」「軽作業」などが挙げられました。「とても満足している」「満足している」と回答している方が半数以上います。

では、各職種に満足している理由を具体的にみてみましょう。

■販売・接客・サービス

「上司がとにかく優しいです。通院についても、一日のお休みを頂けたり、仕事が無い時は、早くに上がらせて頂いています。」
(女性、人材・接客)

「自分の症状を知っているのが専務だったので、あらゆる角度からサポートしてくれましたし、従業員の皆些細な事でもわかってくれました。」
(専門店)

「困ったときにはアルバイトの中で主任にあたる人が相談すると解決策を提示してくれた」
(専門店)

「すべての社員は私の病気の事を知っていまして私が統合失調症の発作が起きた時は、人の目に着かないようにと色々対策してくれました。休憩室でしばらく休ませてくれる仲間もいたので、助かりました。」
(男性、百貨店・量販店)



販売・接客・サービスの職種で見られた傾向は、上司や周囲の同僚の障害に対する理解があると、とても働きやすい職場であること。

接客業は、お客様などとのコミュニケーションで緊張する場面も多い仕事なので、精神的な負担が大きいように思われますが、それ以上に障害への理解がありサポート体制が整っていると、とても働きやすい環境になるようです。

■軽作業

「辛い時上司や同僚に相談できてみんないい人だからです。あと、みんな和気あいあいしてくれます」
(総合電機、軽作業)

「早朝の郵便局の仕事はとても忙しくて私一人ではスピード的にも能力的にも終わりそうにない仕事があると、必ず同僚や上司が助けてくださいました。」
(女性、郵便)

「いきなりレベルの高い仕事につかせたりせず、簡単な仕事から初めて徐々にレベルを上げてもらえた。その間も面接等のケアがあった。」
(メーカー・製造系)

「時短で働かせてもらえる。仕事内容についても内容を丁寧にわかりやすく説明してもらえる。変化に弱いので、環境を変えずに同じ仕事をさせてもらえる。体調が悪くなると休憩をしたり場合によっては早退することができる。」
(女性、チェーンストア・スーパー・コンビニ)

「普通のアルバイト店員ならレジ打ちという作業があるが、私の場合は免除された。あまり記憶力が良くなかったので、指示は一度きりに全ての内容を伝えられるのではなく、小出しに指示された。」
(男性、チェーンストア・スーパー・コンビニ)



軽作業はマニュアル化しやすく、決まった業務内容を次々に行っていくお仕事です。ルーティン化しやすいので、環境を変えずに仕事を行いたい方に向いているかもしれません。

このコメントから見られたのは、自分にあった業務内容で仕事ができるということ。慣れるまで段階を踏みながら進めていったり、サポートを受けながら徐々に覚えていくなど、無理のないペースで仕事が行える環境に、軽作業という職種の働きやすさの秘訣がありそうです。

■清掃

「人とあんまり関わらず自分でもくもくとやる仕事だしある程度自分のペースでできて満足しております。」
(IT・通信・インターネット系)

「職場でのストレスが少なく、距離感が息苦しくない。仕事内容も自分のペースで進められるのでプレッシャーを感じることも少ない。」
(不動産)

「民間の企業のように作業のスピードを求められないため精神的な負担が小さい。」
(医療・福祉・介護)



これらのコメントからみられる清掃という職種の特徴は、自分のぺースで行えるという点。人との接し方もほどよく、仕事に集中できる環境が望め、人とのコミュニケーションが苦手と思う方には向いているようです。

4. 統合失調症の方の転職活動の進め方

転職活動や就職活動の進め方にはいろいろあります。最近はインターネットなど情報元も多く、選択肢も増えています。

皆さんはどのように転職先や就職先を見つけているのでしょうか?
次のグラフは、統合失調症の方がどのようなサービスを利用して転職活動や就職活動を行ったのかを表したグラフです。

統合失調症 求人サービス割合

※アンケート「どのようにその職場を見つけましたか。就職までに利用したサービスがあれば教えてください。(複数回答可)」の有効回答233名による310件を集計して合計人数を算出


一番多かった回答は「ハローワーク」でした。
ハローワークで自身の統合失調症の症状に合わせた転職活動や就職活動を行っていることが分かります。

「ハローワークの窓口の人と話して、精神の障害枠で申し込んだ。病院の診断書から週20時間の仕事がよく、パート先に打診してみるようにアドバイスを受けた。」
(女性、コンサルティング・専門サービス系、図面管理)

「ハローワークの障害者雇用促進フェアにて、職務経歴を見てくれた社長に面接いただき採用となった。」
(男性、金属・鉄鋼、デザイナー)

「長く働くにはパソコンの技術の習得が不可欠だと思います。絶対にパソコンを諦めてはいけません。それにはまず、ハローワークのパソコンの職業訓練に通うことです。」
(男性、医療・福祉・介護 )



その他にも、利用できるサービスを活用していくことで、転職のチャンスをつかんでいる方がたくさんいます。

最近は、障害のある方専用の転職、就職サービスも多くあります。障害の特性を理解しながら相談にのってくれるなど、専門窓口ならではの手厚いサービスを受けられるほか、障害者雇用枠などの求人情報も多く扱っています。

以下は先ほどのグラフで9.9%の方が利用した「行政サービス」の内訳をグラフで表したものです。

統合失調症 求人用行政サービス割合

※アンケート「どのようにその職場を見つけましたか。就職までに利用したサービスがあれば教えてください(複数回答可)」の有効回答の中で行政サービスを利用した方の内訳を算出


障害者雇用に関連した行政サービスには、ハローワークの他にもさまざまなサービスがあります。それらを利用した声をみてみましょう。

「現在の会社、障害者職業センターに通った後に、就職しました。障害者職業センターは、厚生労働省の管轄なので、面接の際、障害者職業センターの担当者とハローワークの障害者担当者が、同席していただいたので、企業の人事担当者の障害者対する印象がいいように感じられました。」
(障害者職業センター利用、男性、運輸・交通)

「障害者就業・生活支援センターの訪問サポートを受けました。困ったことがないか詳しく聞いてくれました。」
(障害者就業・生活支援センター利用、男性、食品・化粧品、清掃)

「自分で職場を探すより、しっかりモニタリングしてくれる機関へ相談した方がいい。」
(地域障害者職業センター・障害者就業、生活支援センター利用、女性、団体・連合会・官公庁)

「私のような病気を持っている人は、ただやみくもに就職活動しても体調を崩すだけだと思います。やはり専門知識を持った障害者就業・生活支援センターに間に入ってもらい、アセスメントを受けた上で活動した方が、ストレスがかからないです。」
(障害者就業、生活支援センター利用、男性、外食・フード)

「必ず障害者就業・生活支援センターのサービスを受けた方がいいです。その理由はきちんとしたマッチングをしてもらえるからです。急いで就職するのではなく、こちらのスタッフと職場を吟味して、見学の際にはどのような配慮をすべきなのか確認する必要があります。」
(障害者就業、生活支援センター利用、男性、食品・化粧品、)



専門のサービスを利用されている方からは、相談することでより効率よく自分にあった仕事を探し、ストレスなく就職活動、転職活動を進めることができたという意見が見られました。

・自己分析をしたいけど、自分のことってよくわからない。
・気になる会社を見学してみたい。
・自分のことを面接で上手く話すのって難しい。

そんな悩みや不安はありませんか?

障害について、そして転職や就職を熟知した専門スタッフであれば、適確なアドバイスにより、新しい視野が広がるかもしれません。
自分と相性の良い転職・就職サービスを活用してみましょう。

参考:障害者就業、生活支援センター(厚生労働省)
参考:平成30年度 障害者就業、生活支援センター全国一覧 334センター(厚生労働省)
参考:地域障害者職業センター(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)
参考:障害者職業能力開発校(厚生労働省)

5. まとめ

統合失調症の方が考える満足度が高い仕事には、以下のような傾向がありました。

■満足度の高い職場に必要なのは「特性にあった仕事」ができること「病気や障害に対しての理解」があることでした。

さらに「特性にあった仕事」とは具体的に、自分の体調の特性にあわせて就業時間や出勤日を考慮してくれることと、自分の特性にあった仕事内容やペースで行える仕事のことが挙げられました。

また「病気や障害に対しての理解」がある職場とは具体的に、仕事が思い通りに進まなくて、温かく見守ってくれること、症状について理解し症状が現れたときも優しく支えてくれること、症状に合わせて利用できる休憩施設があること、企業全体が障害への理解を深めようと行動を起こしてくれることが挙げられました。

■満足度の低い職場の理由に挙げられた「給料が安い」については、体調により休みや時短などが多く思った以上び収入が得られない方も多いため、福利厚生や休暇制度などが整っている企業かどうかを確認するのも、1つの解決策につながるかもしれません。

■満足度の高い業界は「マスコミ・デザイン・ゲーム系」、「コンサルティング・専門サービス系」でした。専門性の高い仕事で一見個で行うスタイルのようにみえますが、チームとして仕事をする場面も多く、そのメンバーの障害に対する理解度やサポート体制が満足度を左右していました。

■満足度の高い職種は「販売・接客・サービス」「軽作業」「清掃」でした。それぞれ業務内容や進め方、職場環境に特徴があります。自分のペースでもくもくと行う仕事か、コミュニケーションをとる仕事か、なるべく変わらない環境を好むのか、などご自身の望む環境について考えをまとめると良いでしょう。

■転職活動や就職活動は、ハローワークを活用する人が一番多かったのですが、障害者就業・生活支援センターなどの行政サービスをうまく活用しながら、効率よく仕事を探している方もいらっしゃいました。

これらを見ると、自分に向いている仕事へ転職するためには、求人票や会社情報からだけではわからない情報も重要ということがわかります。
専門サービスへの相談やUMBREのような職場口コミサービスもぜひ活用してみてください。

理想の仕事に出会えることを応援しています。



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