潰瘍性大腸炎の方の体験から知る、理想の職場を探すためのポイント

「潰瘍性大腸炎」を患うと、突然の腹痛や食事制限に気を使う必要も出てきます。病気が原因で、仕事でミスや失敗をするなど、日常生活で辛い支障が出ることも多々あるのではないでしょうか。

潰瘍性大腸炎の方から集まったアンケート結果にも「ひたすら腹痛があって、仕事に集中できない時がある」「下痢による脱水や、漏らすのではという不安が常にある」「トイレの回数が人より多く、鮮血が出ることも」などの様々な悩みが寄せられています。

この記事を読んでいる方の中にも、潰瘍性大腸炎を抱えながら求職活動をしている方や、会社での働き方、仕事復帰などに不安を抱えている方も少なくないでしょう。同じような悩みを抱えていませんか?

そこで、アンケートに届いた潰瘍性大腸炎の方の声を交えながら「転職活動を成功させるためのポイント」や「どのような職場が向いているのか」といった点についてまとめました。

具体的な企業名や、潰瘍性大腸炎の方にオススメなサービスなども紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

目次

1、潰瘍性大腸炎を患う方が経験している、仕事への影響や辛いこと



1-1 仕事の中でぶつかる悩みは「体調不良時の対応」

実際に潰瘍性大腸炎を患いながら仕事をする際、どのような場面で不安を感じることや困り事が発生するのでしょうか。アンケートに寄せられた体験談をいくつか見てみましょう。

「体調管理は自分の責任なので十分気を付けていたつもりだが、入院することもあり、周囲に迷惑をかけた。」

「体調が悪くなりしばらく休職していたが、復帰は休職前と同じように仕事ができるという、現状復帰だったので、体調が快復しても、復帰まで生活リズム戻すことや、外に出て、勤務時間分の頭脳労働賀できるとこが条件だったので、なかなか復帰できなかった。 また、復帰後は、就労の制限はかかったが、ストレス要因についての配慮はあまりなかった。」

「体調を崩し入院費すると社員待遇を解除された 体調にあまり配慮してくれなかった」

このように、突然の体調不良への対応が十分とは言えない会社もあり、仕事の満足度に大きな差が出ていました。

しかし、体験者から寄せられたアンケートの中には、上手く病気と付き合いながら転職活動を成功させ方や、理想の働き方を実現している方の声も多く集まっています。

ここからは、潰瘍性大腸炎の方に知っておいてほしい、仕事選びの大切なポイントについて紹介していきます。

2、潰瘍性大腸炎の方でも安心して働ける、オススメの職場環境とは



2-1 満足度の高い職場環境は「突然の休みに対応してくれる」こと


まずは、どんな職場環境であれば潰瘍性大腸炎の方でも安心して働けるのか、実際に寄せられた声を見てみましょう。

「治療のため休む際も周囲は快く了承してくれた。上司は休養期間を出来るだけ取れるように手配してくれた。復帰時は嫌な顔をされることもなく戻りやすかった。」

「身体的な労働の負担が少ない職種につけているので満足している。」

「病院での休みや、急に体調が悪くなった場合でも 休みが取りやすかった。」

このように、「突然の体調不良にも柔軟に対応してくれるかどうか」という点で、職場環境に対する満足度は大きく変わるという意見が目立ちました。

また、そもそも「身体的な負担やストレスが少ない職場環境」であることが重要だという声も上がっています。

2-2 あると嬉しい周囲のサポートは「休みを受け入れフォローしてくれる」こと


次に、職場環境の中でも特に重要な「人間関係」について見ていきましょう。

潰瘍性大腸炎は「指定難病」の一つですが、実際に病気の内容について詳しく理解している人はあまり多くないでしょう。しかし、周囲の人に自分の病気についてしっかりと説明し、「もしもの時」の対応方法について正しく理解してもらうことは、会社組織の中で働いていく上では非常に重要なポイントです。

「体調を崩して入院した際、今後の働き方やどのような仕事配分にしたら良いか上司がわざわざ訪ねてきて親身になって相談してくれたこと。復帰直後に再び体調を崩したことがあったが、周囲は嫌な顔せず労ってくれて休みやすかった。」

「月一での病院の為の遅刻や、急な健診で1日お休みをするなど、すぐに対応してくれた。」

「上司や同僚には病気のことは説明し理解を求めた。通院などにも配慮してもらった。」

このように、体調不良や通院などの際に休みをもらった時に、その分をフォローしてくれる人が同じ職場にいるかどうかという点が、仕事に対する満足度に大きく影響しています。

※他にも潰瘍性大腸炎の方の仕事に関する体験談がたくさん届いています。
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3、潰瘍性大腸炎の方に向いている、企業・業界・業種



それでは、実際に潰瘍性大腸炎と付き合いながらでも働きやすい、オススメの企業や業界選びについての意見を紹介していきます。

3-1 潰瘍性大腸炎の方にオススメの企業


済生会茨木病院
「入院治療や定期的に診察を受けなくてはいけなかったため、その際は急な場合でも代理をたて休ませてもらえた。復帰しても勤務中にトイレに頻回に行くことがあったが、周りの理解もあり行きやすかった。」
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日本アトマイズ加工株式会社
「会社全体が、病気に対してのサポートが良く、毎日体調を気にしてくれて、体調が優れない時は仕事より体調管理優先と言う。配慮が素晴らしい。」
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株式会社富山村田製作所
「何かあったばあいに上司に相談すると、すぐに解決しようとするために話し合ってくれた」
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三菱化学株式会社
「フレックスタイム制だったので、通院したりするのは自由に時間が使えて良かった」
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3-2 潰瘍性大腸炎の方にオススメの業界・業種


身体的な負担の少ない業種
突然の体調不良が起こることや腹痛予防の観点から、なるべく身体的な負担が少ない業種が向いているという声が上がっています。
また、食事制限を行なっている患者さんも多数いますので、その場合は「食事量が少ないため活動量をあまり増やすことができない」という理由で負担の少ない職場を選ぶ方が多いようです。

病気に対する理解のある、医療系の職場
「医療系の職場だからか、周りの理解は他の業種よりあると思う。」

潰瘍性大腸炎は身近な病気ではないため、理解されづらい点も多々ありますが、医療系の職場であれば難病に対する理解も深く、配慮されやすいという声が寄せられています。

障害者雇用を行なっている大企業や、その関連会社
「在職中の最後の方には、法律で障がい者の雇用を何パーセント以上にしないといけないと決まったので、関連会社を設立して障がい者を雇用していると聞いた。その関連会社なら、障がいに合わせた働き方ができるのではないかと思う。」

障害者雇用を行なっている会社であれば、病気に対する配慮もされやすく、働き方も融通が利きやすい点が魅力です。薬の服用時間も含めて規則正しい生活が重要な潰瘍性大腸炎の方にとって、残業が少ないことも会社選びの大切な指標の一つです。

4、潰瘍性大腸炎の方へ、失敗しないための面接のポイント



4-1 面接に参加する上での心構えは「きちんと病気の特徴を伝える」こと


実際に転職活動や求職活動を始める前の「心構え」について、体験者の方から様々なアドバイスが寄せられています。

「今の職場に面接に伺った際、持病がありもしかしたらご迷惑をお掛けすることがあるかもしれないという話はさせてもらいました。上司は病名だけではハッキリどんな症状かその時は分からなかったとの事ですが、今では体調を考慮して下さっています。どんな病気で会社にはどの程度影響が出てしまうかは言える範囲で言っておくと面接される方も考慮しやすいかなとは思います。病気、あるいは障害も個性と思うので変に隠さず話せる範囲で話しておく事は後々スムーズかなと私は思います。」

「自分の病気のことは全て伝える。こんな病院を患っているので、最低でもこうこうこうなり、最悪の場合はこうなります。と大げさくらいに伝える。それでもokと言ってくれる社長や上司の会社なら良いと思います。」

「自分の病気のことを事前に知らせておいた方が、会社の対応が分かっていいと思う。実際に一緒に仕事をする上司や同僚の理解を得られるかは不明が部分も多く、自分都合の「甘え」ととられないように工夫しながら、避けたい状況を伝える必要はあると思う。」

アンケート結果からは、病気の特徴や自分自身のできる仕事の限界を理解した上で、それを隠さずに面接時に伝えることの重要性が挙げられていました。

入社してから、お互いく食い違いが生まれてしまうのは非常に残念なことです。入社前の段階で、自分の状況や職場に期待することについては正直に伝えておきましょう。

4-2 面接で聞いておくべきポイントは「福利厚生や実際の業務量」


また、面接の際は自分のことを話すだけで満足してはいけません。疑問点があれば質問をして、自分が安心して働ける会社かどうかを判断していきましょう。

なかなか就職先が決まらない時期は焦ってしまう方も多く、つい面接中も相手の顔色ばかりを伺ってしまいがちですが、不安な点が解消しきれないまま入社することはおすすめできません

焦らずしっかりと会社を見極めていくことが、長い目で見たときの成功の秘訣です。

「誰も自分の体は守ってくれません。福利厚生の良い、年休が多く、簡単に休みを取りやすい大企業が良いと思います。何故なら、代わりはいくらでもいるから休みやすいので、オススメします。公務員もなかなかいいですよ。」

「勤務地。福利厚生。ボーナス。交通費や退職金、ボーナスなど入社してから減額されたりすることがあるので、確認はした方がいい。教育係、仕事をきちんと教えてくれる人はいるか。離職率の確認。長く勤めている人は、若い人でいるのか。」

「仕事量が部署によって異なるが、長時間労働せざるを得ないことがあるので、求人に記載されていることばかりでなく、実際にどのくらい残業が発生するのか、休日出勤があるのか、事前に確認するほうがよい。 業務内容も、部署によって異なるので、難易度が高い部署と簡単な部署の差がある。 部署の人数も業務量の目安になるので、聞いておくとよい。」

「自分の体は自分で守る」ためにも、福利厚生や休日数などは必ず確認し、自分が志望する部署の状況まで正確に把握しておく方が良いという声がたくさん寄せられていました。

特に大企業であれば長期休暇も取りやすい場合が多く、オススメしている方が多いようです。 面接では自分の状況について伝えることも重要ですが、「自分が安心して働ける環境かどうか」を見極めるために、事前に質問を準備してから臨むと良いでしょう。

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5、入社後に心がけるべきは「トイレを恥ずかしがらない」こと



実際に入社が決まった後、仕事がしやすい環境にするために、何を意識すべきなのでしょうか? 体験者の声をもとに確認してみましょう。

「こまめな水分補給と常にトイレに行く。出ようが出まいがをこころがけています。」

「トイレが一番心配なので、トイレの場所の確認と食べ過ぎないようにすることを気を付けている。」

「1日に1度必ず座薬を入れなくてはいけないが、朝は絶対に入れないこと。恥ずかしがらずに何度もトイレに駆け込むこと。」

トイレの位置をまず初めに確認しておき、トイレに行きたくなった時には、恥ずかしがらずにすぐに席を立つことをオススメする声がたくさん寄せられています。

この点でも、周りの人に事前に病気について伝えておくことで、よりスムーズに対応しやすくなるようです。

※他にも潰瘍性大腸炎の方の仕事に関する体験談がたくさん届いています。
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6、これから企業を探す方へ、就職を成功させるために何をすべきか



6-1 リアルな職場環境を知るために「事前の見学」は必須


実際に企業を探すときには、まずは職場見学を行うことをオススメします。なぜなら、ホームページ上の情報や面接で聞ける部分だけでは、「自分が本当に働きやすい職場かどうか」を見極めることは非常に困難だからです。

実際の体験者の方からも、事前に職場見学をオススメする声が数多く届いています。

「実際にどんな仕事なのか見学できる会社を選択されたほうがいいと思います。どのような作業をするのか実際に見てにないとわからないこたがあります。三交代は体力的にきついものがあります。身体に自身のあるかたが望ましいと思います。」

「インターネット上ではうわべのことしか書いていないので、自分の目で職場を見る機会があれば しっかり見ることが大切です。 とにかく一番問題になるのは、そこでの人間関係なので、大事にすること、 コミュニケーションをしっかりとり、目上の人や苦手な人は自分から話した方が後々良いです。」

「仕事内容を聞くだけでは何もわからない。実際に働いてみなければ分からないことは多い。可能ならば、実際にその職場に行って実際に働いている人を見たほうがいい。サービス業や接客業ならば、お客としてその職場に行ってみるべき。働くスタッフをみてわかることもある。」

このように「自分にとって身体的負担が重すぎないか」という点や「病気に対する配慮がありそうか」という点を見極めるために、職場環境や社員同士の人間関係の雰囲気について、職場見学で体感してみてください。

その職場の「お客さん」として出向いてみることも、職場の様子を知るオススメの方法です。

6-2 相談員の有無など、特別なサポートがあるかを確認


産業医による定期的な面談があり、体調不良の際にはすぐに対応してもらえる体制が整っている職場であれば、安心して働くことができるでしょう。

「福利厚生は充実しているので、傷病休職したりできる。 産業医面談は定期的にうけるよう、手配はしてもらえる。」

「私の勤めている部署には保健師がたくさんいる部署なので、一般人には理解出来ないであろう病気への理解があり、気遣ってもらえることがある。 」

近くに、体調について相談できる専門の方がいることは、心強いものです。

6-3 「障害者雇用枠」があるかどうかを確認する


会社の出す求人には「一般枠」と「障害者雇用枠」があり、障害者手帳を所持している方の場合、一般枠・障害者雇用枠のどちらにも応募することができます。

「一般枠」は、障害であることを伝えず(クローズ)仕事をすることになります。障害のない方と同じように働くことため、広い職種から選べ、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、病気や障害への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

「障害者雇用枠」は、障害であることを伝えて(オープン)仕事をにすることになります。そのため、職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながることも考えられます。

潰瘍性大腸炎は難病で突然の対象不良も起こり得る病気なので、周囲の配慮を望むのであれば「障害者雇用枠」での入社も検討すると良いでしょう。

6-4 病気に対する知識を持つ、心強いアドバイザー


ここまで、潰瘍性大腸炎を患う方にオススメの企業や就職先を探すポイントについて紹介してきましたが、全てを自分一人で行うのは大変です。そこで、専門の知識を持つアドバイザーに相談するのも1つの方法です。

①ハローワーク
障害のある方専門の窓口があるため、相談やアドバイスを受けることができます。求人数や障害のある方への求人情報も多く扱っています。

参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

②人材紹介会社
病気に対する専門知識を持ちながら、企業選びや面接対策などをサポートしてくれる、専門の人材紹介会社を利用することもオススメの方法です。

ハローワークなどでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます

実際に人材紹介会社のサービスを利用した方から、次のような体験談が寄せられています。

「自分の希望や能力について伝えた上でいくつか当てはまる職場を紹介された。」

「面接の練習と面接の同行をしてもらいました。入社のタイミングの調整や私の障害に関する配慮事項をかわりに伝えて下さいました。」

「自分に合った求人の紹介と面接の同行をしてくれました。」

就職活動について、全てを自分一人で進めようとするのはとても大変なことです。そして何より、「これで大丈夫なのだろうか…」という大きな不安も感じてしまいますよね。

頼れる専門家が身近にいれば安心して就職先を探していけますので、ぜひ自分に合う人材紹介会社を探してみてください。

※他にも潰瘍性大腸炎の方の仕事に関する体験談がたくさん届いています。
→潰瘍性大腸炎の方の体験談はこちらへ

7、最後に



未だ正確な原因が判明しておらず、再発する可能性もある「潰瘍性大腸炎」を患う方は、病気と付き合いながら仕事をすることの大変さや、復職の困難さを身にしみて経験している方も多いのではないでしょうか。

でも、安心してください。
自分の病気と向き合い、自分のペースで安心して働ける職場を選ぶことで、満足のいく働き方を実現させている方がたくさんいらっしゃいます。

志望先企業へ自分の病気について伝えることを恐れずに、ゆっくりご自身のペースで理想の職場を探してみてくださいね。

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