ADHDを含めた発達障害のある人は、できることとできないことの差が極端なこともあり、職場で誤解されることも少なくありません。ADHDの特徴について周囲の理解が得られなければ、仕事上の人間関係にも影響します。
「上司や同僚からの理解が得られず辛い」
「転職を繰り返し、どこの職場でも長く続かない」
「面接でADHDの特徴をうまく伝えられず採用されない…」
などの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
そんなときは、同じADHDの方の口コミに耳を傾けてみましょう。
この記事では、働きながらADHDと向き合っている方から寄せられた口コミ、そして筆者の経験をもとに、「仕事選びのポイント」や「おすすめの企業」をご紹介します。
また、発達障害の専門家 松好伸一先生(石巻専修大学人間学部人間教育学科 特命教授)にもアドバイスをいただいています。
これから就職や転職を考えている方のお役に少しでも立てれば幸いです。
「仕事をする中で自分でも気づかない部分でミスをしてしまうのでダブルチェックしてもらえるのはかなり有効でした。
嫌な顔せずに、親切にしていただいているので働いていてもっと役に立とうという気持ちにもなれたし、自信にも繋がっていたから。」
「今の職場でのおすすめポイントは業務内容よりも人間関係です。他の支店はわかりませんが、私が勤めている店舗ではたまたま優しい人が多く助かっています。」
「障害の特徴にあった業務を任せていただけるため、集中してやり甲斐をもって業務に取り組むことができるから。」
「慌ただしくやる事が終わらないこともなく周りの気遣いが沢山あり思いやりがあったので楽に仕事をすることができた。」
「上司が業務量をコントロールしてくれるので、ある程度パニックになるのは防がれている。」
「何か仕事中に困った事があったら、その都度気軽に相談して。と言ってもらえたので気持ちが凄く楽になりました。」
「体験入社を一週間続けた方がいいです。事務所と現場の温度差がわかる人にいろいろ聞いた方がよいと思います。面接時には、現場に行かせてもらえるよう頼んでください。」
「これから勤務していく上で大切なのは、仕事内容よりも人間関係だと思います。働く前に体験ができる職場であれば必ず試してみて職場環境、人間関係を見ておいた方がいいと思います。」
「自分の人生なのだから、安易に給与が高いからといった目先のことにとらわれてしまうのはよくないと思う。仕事とプライベートの比率を自分なりによく考えて納得することが、大切であろう。仕事でいっぱいになると、ストレスがたまり、次第に精神がやられてしまうので気をつけたほうがいい。」
「同じ障害名がついていても、その人によって苦手な作業の種類は違ってきます。それを理解して、障害者というよりも個人として見てくれて、苦手をサポートしてくれる人がいる職場を探せたらいいのではないかと思います。」
「一般枠で入社する場合は障害をクローズにしないといけないので、できること、できないことを自分で把握していないといけません。そして、できないことはどうやって克服していくのか考えないといけません。自分が苦手なこともやらざるを得ず、そこでストレスを感じて休んでしまうかもしれません。その場合は無理せず休み次の日にきちんと挨拶をすれば大丈夫です。」
「就労移行支援施設を利用しました。職場や施設を訪問し、相談をしてもらうこともあった。」
「ハローワークで探しました。職業訓練にてヘルパー2級を取得しました。」
「就労移行支援施設を利用した。利用するきっかけは、集団プログラムに参加するか否かは個人の自由(自分ひとりで何か学習したりしてOK)、Adobeのイラストレーターやフォトショップが利用できるPCがあるの2点。」
「自分がうまくできない事について、相手も理解ができるようになる説明文を考えておくと良いです。理由がわかる場合とわからない場合でサポート手段も変わってきます。」
「自分の特性、得意なことと苦手なこと、フォローが必要なことなどを整理し、就職する相手に伝えられるようにすることが大切です。障害があるのであれば、できれば障害名や医師の見解を伝え、あわせて上記の点を伝えることをおすすめします。伝えることで相手がどのように答えるかを、あらかじめ確認できるからですし、相手も理解して関わっていくことができるからです。」
「自分は本当に何ができるのかを徹底して見つけて、アピールすることはもちろん大切です。」
「それなりの資格があれば有利です。 あと、自分の障害をきちんと説明できる必要はありますので意識してください。」
「面接官に職場での配慮が必要なことをしっかり伝え、入社前にサポート手段を話し合っておいた方が業務に入りやすいと思います。」
「障害者枠の有無をきちんと調べるのは勿論のこと、どんな配慮がされているかを、細かく尋ねたほうが良い。 その時点で、(1)返事に具体性が無い、(2)対応がなおざりになる等、ちょっとでもひっかかる点があったら、そこの企業は選ばないほうが良いと思う。」
「障害特性の理解者がいるか、仕事内容が配慮されているか、年収、福利厚生がしっかりしているか、などのポイントが大きいですね。これがある企業だと、とても良い企業だと思います。」
「1番大切だと感じたことは周囲の人柄ですね。面接前にどうにかして職場の方に見つからないように話す機会を作っておくことがいいと思います。自分の障害を知ってもらえるかどうかなどを確認しておいた方がいいです。」
「口答指示は必ず復唱し、メモをとるようにしています。また、わからないことがあれば放置せずに他人に聞くようにしています。」
「大事なことは、携帯電話のアラームで知らせるようにしています。できるだけシンプルに物事を考え、行動しています。失敗を良い経験と考えるように心がけています。わからないことは周囲に相談するようにしています。」
「できるだけ慌てずに作業するようにしています。 先を急がず、時間がかかっても丁寧な作業をするようにしています。 うまく伝えられないことは、他の方に伝えていただくようにしています。 仕事で困ったときはすぐに福祉の専門職の上司に相談して、安心して仕事ができるように支援してもらっています。」
「こまめな休憩を取ることを許可してもらえたので、 少し早めの休憩を心がけています。」
「なるべくマイペースを守って仕事をしている。残業せずに争いなく帰るようにしています。」
「今は比較的他人との関わりが少ない画家をしている。販売は、画廊を借りて個展、グループ展、またインターネットを通じて行っている。」
保育士や幼稚園教諭、障害児支援に長年従事。またサービス管理責任者として障害者支援の経験を持つ。発達障害や保育に関する教科書など著書も多数で、2022年3月29日「幼児教育方法論」(共著・一藝社)を刊行。
障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。