肢体障害があっても働ける!仕事探しに成功するポイントとアドバイス

肢体障害があっても働ける!仕事探しに成功するポイントとアドバイス

肢体に障害のある方が仕事探しをすることになった場合、様々な不安を持つことと思います。たとえば、「満員電車に乗れるだろうか」「通院と仕事は両立できるのだろうか」「今の会社を辞めたら、復職はできるだろうか」というような悩みを抱えていませんか?

そんなときは、同じ境遇の方々の体験を知ることで、不安を少しずつ取り除けるかもしれません。

このコラムでは、仕事探しや職場の体験談を交えながら、「理解のある職場を見つける方法」「転職活動のコツ」「障害のある方が仕事を続けていくための工夫」など、役立つ情報をまとめました。

肢体に障害のある方が働きやすいと感じた企業も紹介します。
障害者雇用の専門家 中村旬さん(社会福祉士)にもアドバイスをいただいています。

障害があっても今の職場で長く働くために、また、復職や転職活動をうまく進めるために、ご覧ください。

*この記事は中村旬さんに監修していただきました
中村旬さん

社会福祉士(ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、介護支援専門員。製薬会社にて勤務したのち社会福祉士の資格を取得、専門学校教職員を経て、協同組合にて通所介護事業所の管理者・生活相談員や福祉用具貸与事業所福祉用具専門相談員、生活困窮者支援員を経験。精神障害のある方を対象にした介護職員初任者研修を運営し、講師も務めた。現在はコミュニティ施設運営、放課後等デイサービス運営、介護職員初任者研修講師等。「月刊デイ」への寄稿や社会福祉士全国大会での発表経験あり。


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目次

1.肢体の障害とは

2.肢体に障害のある方が語る「辛さや悩み」

3.肢体に障害のある方が働きやすい職場環境とは

4.肢体に障害のある方が働きやすい企業

5.肢体に障害のある方が働きやすい企業の探し方

6.知っておきたい面接のコツ

7.入社後に心がけたこと

8.専門家からのアドバイス

9.最後に

1.肢体の障害とは

    肢体の障害といっても、その障害の生じている身体の場所や程度により、認定基準が異なります。

    ■上肢の障害:上肢の障害は、機能障害、欠損障害及び変形障害に区分する。
    ■下肢の障害:下肢の障害は、機能障害、欠損障害、変形障害及び短縮障害に区分する。
    ■体幹・脊柱の機能障害:体幹の機能障害は、高度体幹麻痺を後遺した脊髄性小児麻痺、脳性麻痺等によって生じるものである。
    ■肢体の機能障害:肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる障害(脳血管障害、脊髄損傷等の脊髄の器質障害、進行性筋ジストロフィー等)の場合には、「上肢の障害」、「下肢の障害」及び「体幹・脊柱の機能障害」に示したそれぞれの認定基準と認定要領によらず、「肢体の機能障害」として認定する。
これら認定基準は、お住まいの都道府県が定めていますので、ホームページなどでご確認されると良いでしょう。参考までに東京都の認定基準は以下のようになっています。

参考:東京都福祉保健局「身体障害者と身体障害認定基準について」

肢体障害であることが認定されると、障害年金や身体障害者手帳などを受けることができ、働き方の選択も広がります。

では、まず肢体に障害のある方が働く上で感じる辛さや悩みを見ていきましょう。同じような経験をしている方はいませんか?

2.肢体に障害のある方が語る「辛さや悩み」

2-1.肢体障害がもたらす仕事の辛さは「痛みと歩行困難」

肢体障害のある方が仕事するときに、その症状とうまく付き合いながらはたらけるかどうかを考えるのではないでしょうか。多くの方が慢性的な痛みやしびれと戦っています。こうした症状は目には見えづらいため、同僚の理解が得られず、怠けていると誤解されてしまうこともあります。

「常に痛みがあり、さらに発作的に激痛が走る。関節が拘縮していて、うまく歩けない。 杖歩行しているが、片手で荷物を持つにも限界があり、手助けなしでは仕事ができない。」

「頚椎後縦靭帯骨化症で、左手がしびれています。重いものを持つ時に若干の不自由さがあります。」

「四肢に強い疼痛が出ているため、症状がひどいときは起きて活動することさえ難しい。痛みがひどいときは何もできずただ寝ているだけの状態で何もできない。自覚症状のみで他人に分かりやすい症状がないので詐病とみられがちであった。」

「頚椎損傷し一日中体が重く、常に逆立ちをして歩いているような重さがある。それに加え、手足の痺れ、腕の神経の痛みがある。この神経の痛みは鎮痛剤がきかない。症状が悪化すると、座っているのも辛くなる。」

歩行困難により、通勤や職場内の移動に時間がかかり辛い思いをする方や危ない体験をした方も多くいます。

「大腿骨を骨折し人口骨頭をいれましたが、2年たった今でも痛みがあり歩くのも辛いです。職場は広く結構歩かなければいけないけど、長い距離を歩くのが辛く大変な思いをしています。」

「四肢麻痺と視覚障害があり、車椅子での通勤をすすめられたが、ラッシュ時の電車やバスで車椅子を使用することは難しく、無理をして杖歩行で通勤していた。」

「歩いたり移動したりすることが難しいため通勤することができず、仮に出勤しても、誰かに呼ばれた場合その人のところに行くことができません。」

「右下肢機能障害で歩行困難。通勤時の駅の階段、電車では立っているのが辛い。仕事では外回りが多く、足首にサポータをして歩行しているが痛みを感じ、時々つまずき転倒しそうになる。」

「お仕事をする上で苦手なのは、杖を使って歩くのでスムーズに動けないことです。段差があるとつまずきやすいです。」

2-2.肢体の障害がもたらす仕事の悩みは「周囲に引け目を感じる」こと

肢体に障害のある方は、同僚と一緒に働くことに引け目を感じることも少なからずあるようです。多少のミスや失敗はだれでもあるものですが、「自分の障害のせいで皆に迷惑をかけている」と過度に落ち込んでしまいがちです。 そのため、職場が決まってもなかなか続かない、すぐに辞めてしまうというケースもみられます。

「病気で一人前に働けないことを申し訳ないと常に思っていたため、早めに辞職した」

「神経麻痺で行動が遅く制約がある。障害があることで差別を受けることがある。」

「手首手関節全廃のため手首を曲げて作業ができない。曲がらない手首を人に見られるのが嫌だ。」

同僚になかなか理解されない辛い状況が口コミからよくわかります。でも口コミに書かれたのは、辛い経験だけではありません。満足できる仕事や職場に出会い、生き生きと働いている方もいます。


3.肢体に障害のある方が働きやすい職場環境とは

肢体に障害があっても転職や復職に成功している方は沢山います。その方たちがおすすめする働きやすい職場環境とはどのようなものなのでしょうか?口コミを交えながらご紹介します。

3-1.通勤に関する配慮があることは重要

「身体に障害がある人は満員電車が辛いので、希望があればラッシュ時の通勤を避けられるように、働く時間を調整してくれました。仕事中だけではなく、通勤面でも配慮してもらえているとありがたい気持ちでいっぱいでした。」

「自分自身でスケジュールを組める自由さがあったのは、よかった。二度にわたる比較的長期の入院を、条件をつけずに認めてくれた。通勤に、通常は認められていないバス利用を認めてくれた。」

「時差通勤等が可能であれば、重度の障害があっても就労できるのではないかと思う。」

「作業内容が体況的に辛くなって相談した時に、すぐに対応してくれた。本来は公共機関利用の通勤しか認められないが、バス停まで遠いということで、ドアTO ドアで移動ができるバイク通勤を認めてくれた。」

肢体に障害がある方にとり、満員電車での移動は大変な労力を必要とします。職場に着くころには疲れ切ってしまうことも。そのため時差通勤や、車通勤、フレックスタイムなどを導入し、肢体に障害のある方が通勤しやすい環境を整えている企業も多く存在します。嬉しい配慮ですよね。

「通勤が免除されているのはとても大きい。仕事の配慮もあり働きやすく感じます。在宅とはいえ、職場の同僚はメンバーの一員として扱ってくれていること。配慮に欠けている点はありません。」

「足が悪く、通勤が難しいので、現在の会社では在宅就労で勤務しています。無理のないように仕事配分を配慮してもらっています。」

症状によっては、通勤が難しいという方もいます。そういう場合はインターネット上でのやりとりや電話で完結する仕事であれば、在宅での就労が可能な企業もあります。
最近は、「テレワーク」という時間や場所にとらわれない柔軟な働き方も徐々に広まっていますから、そういった制度が充実している企業を探すという方法もありますね。

3-2.助け合える雰囲気のある職場

「助け合いがある。医療に関係があるだけに身体の症状に対する理解と思いやりがある。」

「自分の所属する部署は少人数のためかお互いに助け合い、チームワークがとてもよいと思う。また、病院に勤務しているので、具合が悪いとき等は勤務中でも受診が可能。」

「人間関係も良くて、大きな問題はない。業績も好調で雰囲気も良い。いわゆるホワイト企業と言える。労働環境への配慮などが手厚い。ある程度の「ゆるさ」もあり余裕を持って仕事できる。悪天候時の通勤への配慮もあり安心できる。」

「給与の保証などはしっかりしているため、まじめに勤務している限りは、クビになることはない。病状などについても、話をすれば、制度の範囲内で対応してもらえるので、無理な残業などを求められることはない。現状は、定時勤務で理解が得られており、同僚の理解も得られている。」

やはりなんといっても、人間関係が良いと職場に対する満足度も高くなります。給与は高くてもギスギスした雰囲気の会社であれば、その場にいることも辛くなり、できないことがあっても周囲に助けを頼みづらいでしょう。長く続けられるという点から見ても、人間関係は大切なポイントです。

肢体の障害ゆえに失敗やミスをしてしまったときに、「辞めたほうが良い」と感じてしまうか、「あきらめないで頑張ろう」と思えるかは、職場の人間関係に大いに依存します。身体上の限界を理解し、快くフォローしてくれる同僚たちに囲まれているなら、長く仕事を続けられることでしょう。

▼他にも肢体の機能障害がある方の仕事に関する口コミがたくさん届いています。
→肢体の機能障害がある方の口コミはこちらへ

4.肢体に障害のある方が働きやすい企業

職場環境に「満足している」というポジティブな口コミをくださった方がお勤めする企業や業界・業種の特徴を具体的なコメントとともに紹介いたします。

4-1.障害者雇用の実績がある企業

障害者雇用を積極的に受け入れている企業はおすすめです。障害者雇用をメインとした特例子会社業も、肢体の機能障害のある方に向いている職場といえるでしょう。

ソニー・太陽株式会社
「ソニー・グループで、障害のある方が主に働いている会社なので、サポートがしっかりしており働きやすかったです。私の障害特性とやりたい作業を考慮してくれました。また病状でしんどいことや、薬の影響で眠気やふらつきがあることを訴えるとすぐに考慮してくれました。休み時間を増やしてくれたり、出勤日数を週4回に減らしてもらったりと他にも配慮してもらいました。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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株式会社リクルートホールディングス
「障害のある方向け在宅雇用なので無理せず休む事ができる。在宅なので外出しなくて済む。日々パソコンでのスカイプやチャットで本人の体調等確認ができ、産業医との面談や相談もできるので健康面では不安なく仕事ができる。上司とも気軽に相談できるのでメンタル的にも落ち着く事ができておすすめです。」
満足度:★★★
配慮 :★★★
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ローランド株式会社
「制服が前ボタン仕様でしたが、私の制服だけ前ファスナーに特注してもらいました。話しやすい人が多く、自分のことをはっきり伝えれば、受け入れてくれました。困ったことがあっても、親身になって相談にのってくれ、働きやすい職場でした。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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トランス・コスモス株式会社
「健常者はもちろん、障害のある方も多く働いている現場だったので、リーダー含め同僚のみなさんが障害のある方への意識が高い点が特徴的でした。それぞれの障害を気にかけ、不自由なく働けるように配慮してくれました。電話はヘッドホンで受ける仕様になっていて、手を使わずに対応できる状態にして頂けました。」
満足度:★★★
配慮 :★★★★
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障害のある方を雇っている経験があると、できない仕事内容を理解してもらいやすいものです。障害者雇用の実績や経験が豊富な企業であれば、当然、障害に対する同僚の理解も進みますので、全体的に居心地も良いのではないでしょうか。

4-2.福利厚生が整っている企業

上場している大企業や、名の知られている大手の会社の場合は、福利厚生が整っていることが多いようです。社員の人数が多いので、障害のある方にできないことがあっても、社内の体制に影響を及ぼさず、フォローすることが可能です。

鹿島共同施設株式会社
「筆頭株主が大企業であり、そこの給与体系に準じているので、賃金も有給休暇待遇も一般的な中小企業より良いと思う。また、完全な土日休暇も魅力の一つ。残業もほとんどなく、ワークライフバランスもとりやすい。有給休暇も結構みんな取得しており、とりにくい環境ではない。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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4-3.通勤や歩行、体調に対する配慮がある企業

肢体に障害のある方にとって、通勤や移動に対する配慮は気になるところだと思います。「時間通りに仕事に行けない」というのは辛いものです。フレックスタイム制度や、同僚たちとは異なる時間帯での出勤など、特別な配慮がある企業がおすすめです。

また歩行が困難な場合は、社内での移動も大変ですが、内勤で働けるような配慮をしてくれる企業、体調不良に嫌な顔をせず対応してくれる企業もおすすめですね。

社会福祉法人あしーど
「入社時はトイレが和式で困ったが、のちに洋式に変更してもらえた。駐車場を事務所の近くに確保してもらえた。」
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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株式会社アセック
「個々の障害にあった設備の改善や、障害者用トイレの増設をしていただいた。」
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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国立大学法人東京大学
「通勤が困難なので在宅で勤務できるよう新たにルールを作った。通勤時にも車いすでの出入りがやりやすくなるようにスロープを新たに作った。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★★
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ヤマト運輸株式会社
「車椅子を使っている私のためにバリアフリーにしていただきました。通勤にも気を配っていただきました。」
満足度:★★★
配慮 :★★★
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4-4.やりがいがある企業

自分がポジティブな気持ちで仕事をできる職場はいいものですよね。憧れの企業、社風の評判の良い企業について調べ、思い切ってアタックすることも転職活動では大切です。

株式会社オリエンタルランド
「とても楽しく仕事をすることができました。私の職場では、私の身体障害に対して、無理な仕事をさせないように、上司が気遣いをしてくださっていましたので、大変嬉しかったです。私は、床に座ることができなかったので、椅子に座って作業ができる業務を選んでくれました。」
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★
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4-5.肢体に機能障害のある方におすすめの働き方

業務内容にもよりますが、在宅勤務(テレワーク)を導入している業界・業種はおすすめです。肢体に障害がある場合は通勤が辛いですし、せっかく在宅勤務が普及しつつある昨今ですから探してみる価値はあると思います。

「在宅勤務で、仕事の依頼や連絡が全てメールでのやりとりになるため、文字でのコミュニケーション能力が問われます。自分ができることをきちんと伝えられないと難しいかもしれないです。」

「足が悪く通勤が難しいので、現在の会社では在宅就労で勤務しています。無理のないように仕事配分を配慮してもらっています。」

「パソコンの操作は可能なので、主にその作業を担当していました。長時間腕を使うと負担になるので、休憩しながら作業していました。」

フリーランスという形態なので雇用としては不安定になりますが、WEBデザイン・イラスト・プログラミングなどのスキルがある方なら、クラウドソーシングサービスを利用して完全在宅で仕事を完結させることも可能です。なかなか仕事が見つからない場合、期間限定で体験してみるのも一つの方法ではないでしょうか。

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5.肢体に障害のある方が働きやすい企業の探し方

ここでは、実際に企業を探す際に、注目すべきポイントを見ていきましょう。

5-1.実際に就業体験をする

企業の募集内容をホームページや紙の情報だけで判断するのは難しいものです。入社が決まってから後悔することのないように、実際の雰囲気や場所、施設などの情報はできるだけ早く得たほうが良いでしょう。それらは職場見学で知ることができますので、担当者に相談してみるのも一つの方法です。
また、募集されている仕事が自分にできるのか判断できないこともあります。就業体験制度を設けている企業は少ないとは思いますが、可能であれば数日間実際に働いてみてご自身で判断ができるといいですね。

「障害があっても、インターンのように仮に働いて判断できる会社がいいと感じます。会社見学だけではやはりよくわかりません。実際にサポートしてくれる同僚との面談もあるといいようにも感じます。通勤する場合、毎日自分がどれくらい労力をかけられるかもよく考えて就職先を見ていく必要があると思います。」

5-2.福利厚生や制度が充実した企業を選ぶ

福利厚生や制度は、概して大企業のほうが手厚いといえます。休みの取り方にも影響を与えますので、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

「やはりなるべく大きい企業が、体力面の負担が小さく福利厚生もしっかりしているのでおすすめできると思います。たとえ自分の仕事の範囲が狭く感じられても、最終的にはグローバルな経済にかかわっているのだと実感できることも、仕事のモチベーションを維持する上では有用だと思います。」

もちろん小規模な会社であっても、福利厚生や制度が充実している所もあります。また障害のためにできない仕事があるということを上司が理解した上で、できる仕事を割り振ってくれたり、個性を尊重してくれたりするということもあります。面接などの機会に会社の制度について詳しく尋ねると良いでしょう。

5-3.無理をしないことも大切

肢体に障害があり働いている方の中には、シビアな意見もあります。

「おそらく障害者枠で入った人へ会社として大きな成果を求めるようなことはないと思います。それより、確実性や丁寧さを求められていると思います。だから決して無理をするようなことはしてはいけないと思います。また軽々しくできるといわないほうがいいと思います。」

「隣の芝生は青く見えるではないけれど、どんな会社もいい面と悪い面があり、いい面だけで選んでしまうと後悔する結果になりやすい。悪い面を探し、自分の許容範囲かどうかを見極めることが一番重要ではないかと思います。後から感じることで、いい面はものすごく感動するけれど、悪い面は落胆が激しいです。いずれにせよ100%自分に合った会社はないのだから、どこまで共存できるかを考えて会社を選んでほしい。」

「頻繁に求人が出ていないか確かめる。頻繁に求人が出るのには、何か続けにくい理由がある。」

「自分の障害や病状を相互に十分理解、考慮したうえで、遂行可能な仕事なのか判断する必要があります。頭脳労働は可能でも体力的、精神的に可能かどうかをよく考えることが大切です。」

身体や精神に負担をかけてしまい体調を悪化させては元も子もありません。無理をせずに働けることを優先したいものですね。

5-4.自分なりのアピールポイントを作る

他の人に負けないアピールポイントがあるということは、やる気や自信につながり、仕事を長く続けていくためのモチベーションになるはずです。資格を取得するのもおすすめですし、常に自分の得意分野を磨いてスキルアップしていくならば、やがて企業にとっても欠かせない人材となっていくことでしょう。

「会社の雰囲気を掴んで、自分がどのように実力を発揮できるか、自分の力を見つめていきましょう。 また、資格など自分の実力を見せるエビデンスや、過去の実績などを上手く説明できるように努力しましょう。」

「自分には誰にも負けないくらいの専門性があるかどうか。それをどうアピールしていくか。ただ仕事ができるだけでは駄目だと思ったほうがいい。そのためには、コミュニケーション能力を身につけることも大事である。誰からも必要とされるようになれば安泰です。」

やる気と必要な人材であることを感じてもらうためには、面接でアピールポイントを示すことが必要不可欠です。就職や転職活動を始めるときは、自己分析を行って長所を見つけましょう。

5-5.就労移行支援施設やハローワーク、専門の人材紹介会社を活用する

一人で「障害に理解のある職場」を探していくのは大変です。なかなか仕事が決まらずに辛い気持ちを味わうことも多いでしょう。
今まで紹介したように、障害者雇用を応援してくれる企業は少なからずあります。でも一人でその情報にたどり着くのは、難しいと感じることもあるかもしれません。

そんなときは、障害や病気のある方専門の就職サポートサービスを活用してみましょう。知識を持ったアドバイザーが親身になって相談にのってくれます。

「障害のある人を受け入れる会社が増えてきたといっても、まだまだ安心して働けるとはいいがたいのも事実です。いくら社長が積極的でも、職場の同僚が理解を示していないと肩身が狭い思いをしなくてはなりません。就職先を探すきっかけとしては、自分の場合は、障害のある人を受け入れてくれる会社を専門に扱っているサイトを通じて行いました。セミナー等に参加してみるのもよいかと思います。」

「ほとんどがハローワークの提供するサービスで、求人案件の紹介や職業訓練をうけました。どこも同じかも知れませんが、できるだけ本人の希望が叶うように動いてもらえた。スタッフの人たちは人当たりが良くて、周りの人も十分すぎるほどに気を遣ってくれたので働きやすい環境だった。」

「障害のある方向け求人のサイトクローバーナビとwebサーナを併用しました。どちらも企業面談会があり企業と直接お話ができるので、凄く活用させてもらっています。」

「ハローワークの障害者窓口で、就職の相談に乗ってもらいました。私の障害特性と希望職種を考えて、一緒になって職業探しをしてくれました。」

「ハローワークの支援がありました。また、身体障害者施設による就労支援などの手助けもあり、厚くサポートしてもらえました。職場にも見学に来ていただきました。就労してからのアフターサービスもしていただきました。」

「ハローワークで求人を探しました。障害のために、これまでのように仕事を選ぶことができないととても不安になり、障害のある人にも対応してくれそうなハローワークにて求人を紹介してもらいました。
障害のある方を受け入れた実績のある会社をピックアップしてもらい、その中から自分が望む仕事内容の会社を選びました。」

「個人的に就職は不可能でしたので、就労移行支援事業所に通所して、パソコンや軽作業などの訓練を自主的に行っていました。このサービスを利用した際、そこのスタッフの方も私の身体に対して、通所しやすいように配慮してくれました。毎週面談があり、そこに通っている方全員の状態を把握されていたので、通所して良かったです。障害があって転職をする時には、自分一人で行動をしても決まることは少ないので、必ず、第三者が入るハローワークや就労移行支援事業所などサポートをしてくれる所を活用することです。障害のある方の転職に関して、いろいろな情報を入手できますので、就活に大いに役立ちます。」

これらの声を聞くと、障害のある方の転職活動を応援する専用のハローワーク窓口や就労移行支援施設、障害や病気のある方専門の人材紹介会社(エージェント)は非常に心強いようですね。
このようなサービスを活用すれば、どんなことを配慮してほしいのか、どんな仕事ならできるのかを事前に採用担当者に伝え理解してもらった状態で、企業の面接を受けることができます。

また、就労移行支援施設や専門の人材紹介会社のスタッフは、面接の練習や履歴書の書き方など有用なアドバイスをしてくれたり、親身に相談にのってくれたりしますので、活用してみるのも良いでしょう。

参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

6.知っておきたい面接のコツ

ここからは、実践編です。面接を受けるときの心構えとコツについて、口コミに記載されたアドバイスをもとに紹介していきます。

6-1.面接の前に「自分のできること、できないこと」を把握する

肢体に障害のある方にとって大切なことは、がむしゃらに面接を受け続けることではなく、確実に転職活動が成功するように準備することです。まずは面接の前に、自己分析をしっかり行いましょう。

「自分のできること、できないことを把握し、配慮して欲しいことなど譲れないポイントを明確にして、それを隠さずに伝えられるようにしておく。障害名だけでなく、きちんと今の自分の状態を伝え、できないことはできないと伝えるのが大切。同時に、できる範囲、できるようにするためにしている工夫などを伝える。」

「譲れない点・妥協できる点(条件面・仕事内容等)をしっかり整理して活動することが大切です。また応募の際、技術的にできる事・できない事を人事の方に伝えて、お互い安心して仕事に取り組めたほうが良いと思います。」

「自分にどのような障害があるか、その程度や、できること、できないこと、職場に配慮してもらいたいことなどを分かりやすく箇条書きし、職場の同僚によく理解してもらう必要があります。」

「入社してからこんなはずじゃなかったというようなことがないように、最初にいろんなことを確認すべきだ。今の自分にどこまでできるか、与えられた業務をきちんとこなせるかよく考えて決定しないといけない。」

せっかく仕事が決まったとしても、お互いに誤解がある状況のまま働き始めると、後々辛い思いをしたり、すぐに辞める結果になってしまったりすることもあるかもしれません。それを防ぐためには、自分でできること、できないことについてしっかり把握しておく必要があります。

そして、一人ではできなくてもサポートがあればできることはありませんか?そのときは、それを正直に伝えましょう。「できない」と伝えるよりも、「一人では難しいが、サポートがあればできる」と伝えたほうが、この会社で働きたいという熱意ややる気が感じられ、ポジティブなイメージにつながります。

6-2.働く上での自分自身の優先順位をはっきりさせる

転職活動や仕事復帰がなかなか進まないと、つい焦ってしまい、仕事選びに妥協してしまいがちです。そうなると働き始めてから後悔したり、人間関係などで辛い思いをしたりすることになりかねません。

「自分に何ができ、自分が何を許容できて何が我慢できないのか、そういった部分をきちんと整理して転職先を選ぶ事が大事なのだろうと思います。」

「何を犠牲にできるのか?自分の時間なのか?家族と一緒にいる時間なのか?また、休暇や有給休暇のとりやすさ、昇進したいのか?そうでないのか?したいなら、何処までいける可能性があるのか?人間関係は入ってみないと分からないかも知れないが、面接時にそこまで意識したほうが良いと思う。」

まずは、自分が仕事に何を求めるのか、自分の人生における優先順位は何かを充分に吟味しておく必要があります。

6-3.面接の際に気をつけたいこと

面接は緊張するものですが、準備がしっかりできていれば、気持ちに余裕ができ落ち着けるはずです。そして、伝えたいことをしっかり伝え、仕事内容や環境など知りたいことを確認することが大切なのではないでしょうか?

①基本的なマナーを守る

面接は印象を左右する大切な場です。人として、社会人としてのマナーが身についているかどうか判断されますので、基本的なマナーはきちんと守りましょう。

「会社側からすると、障害の有無に関係なく能力や人間性を見て判断し雇用すると思います。エントリーシートや履歴書は2回以上読み返し、誤字脱字、文章のおかしい所を完全になくすようにするのが必須です。面接官はドアを開けて入ってくるところから面接を始めているので、どのような入り方をするかでほとんど第一印象が決まると思います。なので、事前に面接時のマナーを勉強することをおすすめします。」

「私が仕事をしている所では、やる気を大変重要視されていますので、面接時にやる気を全面に押し出すことができれば、評価も高くなってきます。」

いざ、仕事復帰すると、身体上の障害が無関係な職種は多くあります。デスクワークや電話、インターネット上でのやりとりなどの場合、大切なことは「一人の社会人としての常識を持つこと」であり、会社としてもそこを評価するのではないでしょうか。

②障害について正直に伝えることが大切

肢体に障害があっても自分らしく働いている方が共通してアドバイスとして挙げているのは、自分の持っている障害について隠さずに採用担当者に伝えておくことです。

「とにかく人事の方とよく話し合うことが大事だと思います。できること、できないことをはっきり伝えて、それでも必要とされているか、ということを見極めなければいけません。 たとえ不採用になったとしても、それは差別ではなくて区別です。」

「面接の時に、自分の障害特性をしっかりと伝えておく必要があります。それでも一般企業では障害に対する認識が薄いのが現実ですので、相談しやすい雰囲気かをある程度は見極める努力をしたほうが良いです。入社後は同僚たちのペースに流されることなく、自分のできる仕事範囲をしっかりと自覚することが必要です。」

「時給や仕事内容は自分に合ったものを企業に伝えること。できることとできないこと、配慮が必要なことを隠さず伝えること。その上でアピールすべき。そうすれば、勤務し始めても、相談しやすく、目標設定しやすくなる。」

「どの程度の障害があり、どの作業ができないか伝えたほうが良いです。例えば日常生活が介護なしでおくれるか、支障がないかなどです。自分の場合は手足の状態が元の状態に回復してなく、走るのがあまりできないことと重い荷物を持って階段の昇降がしづらいことを伝えます。」

「できることとできないことを明確に伝えることが大切です。 自分の障害名を伝えましょう。会社見学、会社での実習を経て、自分がどの程度ならできるか考え、コミュニケーションをとろうと行動することで、上司となる人も、認めてくれて、いろいろ頼んでくれるようになるかもしれません。」

「ダメ元で自分の身体の状態を正直に話します。どういう作業ならできそうか、どんな作業ができないのかをはっきり言っておかないと、無理な事を押し付けられることがあるので注意したほうが良いと思います。自分の場合、身体の状態をはっきり言い勤務時間や休日の希望を示すと、ほとんどの希望を受け入れて貰えました」

「障害のある方が就職活動するときは、面接や書類の中で自分ができること、できないことをしっかり伝えることが大切だと思います。仕事の内容ばかり目が行きがちですが、通勤面で配慮をしてもらえるかも確認しておくといいと思います。」

「自分の障害についてきちんと伝え、理解してもらうことが必要である。しかし、専門性が求められる職場なので、自分に障害があるといってそれに甘えず、知識習得の意欲があることを伝えることが必要である。」

仕事は個人の努力だけではできないことがたくさんあります。チームとして自分の役割を得られれば、肢体に障害があってもできる仕事はたくさんあります。

肝心なのは、自分の障害について採用担当者にしっかりと伝えて、共に理解し合って働ける場所なのかどうか判断してもらうことではないでしょうか。長く働く職場に巡り合うためには、障害の程度や詳細について正直に伝えることが大切でしょう。

③福利厚生や就労条件を確かめる

実際には入社してみないとわからないことも数多くあります。しかし、面接は担当者に直接話が聞けるチャンスです。福利厚生や就労条件など気になることは、しっかり確認し合うようにしましょう。

「見学だけではわかるわけがありません。入ってみないとわからないことがほとんどです。最低限、障害や身体の病気というものに理解がある職場かどうかだけは、しっかり念を押して確認しておくのがいいと思います。」

「体が不自由になって、何をするにも時間がかかって大変なので、勤務地に気を配ることと、マイカー通勤が可能なのかも、意外と重要だと思う。社内に医務室があり、保健師さんが常駐していれば、なおよいと思う。」

「若い方は健康に気を遣うことに不慣れかもしれませんが、会社は移り変わることができても身体は交換するわけにはいきません。会社として社員に長く働いてもらうために積極的に検診を実施しているとか、不調の時に会社で保険に入っているのだから早く医者に掛かれと言われるような雰囲気がある会社をおすすめします。」

「大きな企業は障害のある方を雇用する義務があるが、企業によっては十分な福利厚生やサポートがないところもあると思う。障害者枠での雇用を希望する場合は、事前にしっかり条件やサポート体制を調査する必要があると思う。」

④建物・環境を確認する

肢体に障害がある場合、トイレの設備やエレベーターの有無、バリアフリー化されている建物かどうかを確認することも大切です。面接の際に採用担当者としっかり確認し合いましょう。

「会社が入っている建物は完全なバリアフリーではないので、車椅子では通行ができないフロアがあります。バリアフリーになっているフロアだけで仕事が完結する職種もあると思うので、担当者と話し合うといいと思います。」

面接時にスムーズに確認できるように、事前に自分でチェックポイントをメモに控えておくと良いでしょう。

⑤人間関係は重要

職場の人間関係が良いかどうかは重要な要素です。必要なときに助け合えるような良い人間関係を築いていける雰囲気なのか、コミュニケーションがとりやすいかどうかを面接時に見極めるのは難しいかもしれません。

可能であれば、採用担当者だけではなく、すでに働いている人と話して職場環境を確かめることができるとより良いですね。

「給料面よりも働く環境をしっかりと面接時から見極めていきたい。長く続けられる環境がないと障害のある人は働いていけない。ただでさえ障害があるとストレスを感じるので、病気が再発しないか不安だ。職場の同僚たちの人柄で選んでいきたい。」

「人事や採用担当者ではなく、就業先部署の上司が障害に対しての理解がきちんとあるかどうか。下肢身体障害がある場合は、オフィス内通路の広さや床の状況。杖歩行であっても、通路が狭かったり段差があったりすると移動に注意が必要。聞くべき質問は・通院の際、休めるかどうか(業務優先ではなく休ませてもらえるのか)・障害の特性、程度によっては指導員の配置数・休憩時間(1時間に10分、等)」

「求人票に書かれていることも凄く大切ですが、やはり先輩の意見が重要かと思います。 色々な方々から、細かいことや人間関係、職場の雰囲気を聞いておくのが、一番だと思います。毎日生活するので、人間関係が凄く影響を与えます。」

いつも募集が出ている企業には、それなりの理由があるはずです。なぜ退職する人が多いのかを把握したいものです。

▼他にも肢体の機能障害がある方の仕事に関する口コミがたくさん届いています。
→肢体の機能障害がある方の口コミはこちらへ

7.入社後に心がけたこと

見事採用されて、就職、転職、復職に成功しても、入社後の生活は気になるものです。
せっかく決まった仕事が長く続かない・・・そのようなことがないよう、口コミから入社後に行える工夫を具体的に見てみましょう。

7-1.素直に助けを求める

まずは、自分ができないことについては何度でも伝え、その都度助けを求めることです。無理をして同僚と同じように振る舞おうとしても痛みや症状が再発して、ひどくなってしまうかもしれません。

「連続で歩けないため、必ず少し休むようにする。持てないものは持てないと周りに助けを求める。」

「誰にでも声をかける。できないことを伝える。お願いをしています。」

「迷惑かけないように 自分なりに 努力して仕事をし できないところは はっきり 言う」

「作業内容によって上司に相談することで、別の人員を割り振ってくれる」

最初は「しつこいと思われないか?」と不安になるかもしれませんが、繰り返し自分の状況を伝えることで、やがて周囲の理解を得られるようになります。特に、自分の作業状況や体調について、上司にこまめに報告や相談をすることは大切です。自分に向いている作業を割り当ててもらうためにも、コミュニケーションを大切にしましょう。

7-2.自分のペースで行動する

「急がば回れ」という言葉があります。障害の有無にかかわらず焦れば焦るほど、ミスや失敗をしてしまうものです。自分のペースを保って平常心で働くことを、実際に働いている方たちも心がけています。

「足にも少し影響が出ているみたいで、小走りでもつまずいて転んでしまうことがあるので、走らない・急がない・慌てないことを心がけています。」

「普段の生活の中では、重いものを持たない、走らない、股関節の開きに気を付けるようにしている。」

「緊張してあせったら深呼吸をして仕事にかかる。パニックになったら作業を中断して優先順位を決めて再開する。」

「走ったり急いで動いたりしないようにして、体のバランスが保てる様に気をつけている」

「周りの歩行スピードには左右されず、マイペースで歩行する様にしている。電車では始発を利用しできるだけ座るようにしている。」

「周りのペースに惑わされることなく、意識して自分の無理にならないペースを守る努力をしていました。」

ただ、仕事上で大幅に時間がかかりそうな場合は、その理由を上司に話しておくのもおすすめです。全体の仕事に大きな影響が出そうならば、上司もその都度考えて指示を出すことでしょう。あとから人間関係で辛い思いをしないためにも、「報告・連絡・相談」を行うことは、どんな方でも仕事を行う上で大切なことです。

7-3.休憩の時間を確保する

「同僚たちに迷惑をかけたくない」という気持ちのあまり、無理をするのはよくありません。障害のある方は動かない部位をかばうため、使える部位への負担が大きくなりがちです。疲労がたまる前にケアすることが必要です。

「できる限り休養する。 職場で水分補給をし、休憩をとる。休みは一切何もせず休養する。上司に詳しく障害を伝える。」

「長時間立っていることで疲労がたまるので、歩行の際には、座って休憩を入れるようにしている。」

「短時間就労。手を使いすぎないように適度に休憩を入れる。できないことは他の方に頼む」

意識して身体を休めることも仕事の一部と割り切り、休憩をこまめにとることが仕事を長続きさせる秘訣です。

7-4.自分なりの工夫をする

肢体に障害があり働いている方たちは、疲労を軽減させたり、ミスを減らしたりするために、自分なりの工夫をしています。
たとえば職場での動線、資料の収納の工夫、自分の中でルールを作るなど、人によってさまざまですが、働いていく日々の中でその都度、改善を繰り返しながら生まれた工夫なのでしょう。

「必要な書類等を片手で整理整頓、すぐに出し入れできるようデスク引き出しを区分けしている。」

「とにかく動く(歩く)のが億劫であったため、コピーもなるべくまとめてするようにし、コピー機の所まで歩く回数を減らす工夫をしていた。」

「用事をまとめてするようにし、歩く回数をできるだけ減らすようにしています。」

「効率よく順序だてて、計画的に仕事をしてロスをなくしていく。時折気分転換も必要です。」

「何回も立って歩くのは面倒なので、物事を考えて効率よく動けるようにしています。」

PDCAという言葉をご存知でしょうか?「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の繰り返しによって業務の効率化を図る方法です。
自分の障害の特徴を考えて、PDCAを繰り返すことにより、長く働ける職場を自ら開拓することができるのではないでしょうか。

▼他にも肢体の機能障害がある方の仕事に関する口コミがたくさん届いています。
→肢体の機能障害がある方の口コミはこちらへ

8.専門家からのアドバイス

仕事探しを考えている肢体障害のある方へ、障害者雇用の専門家 中村旬さんからのアドバイスを紹介します。

■働くことを迷っている肢体障害のある方へ

肢体障害があっても働いている方はたくさんいらっしゃいます。

自身の障害を受け入れられないのではないか、就職しても継続就労できるだろうか、迷われている方も多いでしょう。

最近の企業は、障害のある方の受け入れを積極的に行い、環境整備や社員教育に取り組んでいるところも増えてきました。また、就労相談や斡旋に取り組む相談所も多くなってきております。

ご自身の障害をしっかりと伝えて理解を求め、また自分自身どのようなスキルがあるか、何が難しいのかを自己分析し、人事担当者に伝えてください。就労が成功しますように、心より応援いたします。

■これから働く肢体障害のある方へ

まずはご自身の希望職種やスキル、何ができて何が難しいのかをしっかりと自己分析し、面接に臨まれることをお勧めいたします。

近年は障害者雇用の取り組みや環境整備を図る企業も増えてきました。また、企業側に障害者雇用の実績があることも就労希望選定で重要です。

就職後のミスマッチを防ぐためにも、ご自身の状況を明らかにし企業や面接担当者に伝えることが、就労後の定着にも繋がります。就労後でないとなかなか社内の雰囲気が掴めませんが、事前見学お願いしてみるのもよいでしょう。上手くご自身の希望職種や企業にマッチングできるように心より応援いたします。

9.最後に

肢体に障害があると、自分のしたい仕事を見つけることはできないとあきらめてしまいがちです。
しかし、障害があっても、自分のやりたいと思える仕事を見つけて働いている方はたくさんいます。
まずは自己分析を行い、自分でできること、できないことを把握しましょう。そして企業に自分のことを正しく伝え、お互いが理解し合えるように努めましょう。

事前に職場の見学をして、建物の構造や雰囲気を確認することも大切です。もし、見学のお願いがしづらいと思ったときは、公的なサービスや専門の人材紹介会社のスタッフに相談するのも一つの方法です。

障害があっても、会社への貢献、社会貢献の意識は必要です。企業側に環境の整備などを求めることと共に、自分でできることやスキルを企業側にしっかりと伝え、社員の一員としての自覚を持つことも大切です。

決して無理をせず、ご自分のペースで進めてください。
私たちも、あなたが満足感を持って生き生きと働ける仕事に出会えるように、心から応援しております。


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監修者

製薬会社にて勤務したのち社会福祉士、介護支援専門員の資格を取得。専門学校教職員を経て、協同組合にて通所介護事業所の管理者・生活相談員や福祉用具貸与事業所福祉用具専門相談員、生活困窮者支援員を経験。精神障害のある方を対象にした介護職員初任者研修を運営し、講師も務めた。現在はコミュニティ施設運営、放課後等デイサービス運営、介護職員初任者研修講師等を行っている。「月刊デイ」への寄稿や社会福祉士全国大会での発表経験もあり。

保有資格

著者

障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。

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