双極性障害(躁うつ病)の方が仕事を続けるために 358人から学ぶ働き方の工夫

双極性障害(躁うつ病の方が仕事を続けるために 358人から学ぶ働き方の工夫

双極性障害(躁うつ病)を抱えながら仕事している方の中には、双極性障害とうまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、感情の起伏が激しくてコントロールできない、感情の起伏によって仕事に集中できない、薬の副作用で疲れやすいなど、双極性障害による悩みを感じることはありませんか?

そんなときは、同じように双極性障害を抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみませんか?今回のコラムでは、358人の双極性障害の方の口コミをもとに

・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・仕事の探し方のポイント

といった内容をご紹介していきます。
また、障害者雇用の専門家 水谷愛さん(精神保健福祉士、公認心理師)にもアドバイスをいただいています。

仕事との向き合い方や職場について悩みや不安がある方は、解決するためのヒントに役立ていただけますと幸いです。

*この記事は水谷愛さんに監修していただきました
水谷愛さん

精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、公認心理師、臨床心理士、産業カウンセラーの資格を取得。精神障害者デイケアにて5年、スクールカウンセラーとして10年、発達障害者就労支援センターにて4年の経験を積み、現在は障害者就労移行支援事業所にてサービス管理責任者として勤務しています。著書『「がんばり屋さん」のこころのトリセツ』も好評。


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目次

1.双極性障害とは

2.双極性障害の特徴による仕事の悩みと対策

3.双極性障害の方が職場で抱える悩みとその対策

4.双極性障害の方が周囲に知っていてほしいこと、伝えていること

5.双極性障害をオープンにするかクローズにするか

6.双極性障害の方におすすめの仕事

7.求人の見つけ方

8.企業情報の集め方

9.専門家からのアドバイス

10.最後に

1.双極性障害とは

双極性障害とはどのような病気なのでしょうか?

双極性障害は、精神疾患の中でも気分障害と分類されている疾患のひとつです。うつ状態だけが起こる病気を「うつ病」といいますが、双極性障害はうつ状態とは対極の躁状態も現れ、これらをくりかえす慢性の病気です。

昔は「躁うつ病」と呼ばれていましたが、現在では両極端な病状が起こるという意味の「双極性障害」とよんでいます。なお、躁状態だけの場合もないわけではありません。しかし経過の中でうつ状態が出てくる場合も多く、躁状態とうつ状態の両方がある場合とはとくに区別せず、やはり双極性障害とよびます。

双極性障害は次のように分類されます。

・躁状態
気分が著しく高揚し、ほとんど眠らず動き回り、多弁になる。誇大妄想をもつケースもある。家庭や仕事に重大な支障をきたし、人生に大きな傷跡を残してしまいかねないため、入院が必要になるほどの激しい状態

・軽躁状態
はたから見ても明らかに気分が高揚していて、眠らなくても平気になる。ふだんより調子がよいが、本人も周囲の人もそれほどは困らない程度の躁状態

・双極I型障害
うつ状態に加え、激しい躁状態が起こる双極性障害

・双極II型障害
うつ状態に加え、軽躁状態が起こる双極性障害

参考:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」

双極性障害にはストレスが大きく関わってきますが、その原因の1つが仕事であるならば、今後の仕事について考えることも必要になってきますね。

2.双極性障害の特徴による仕事の悩みと対策

双極性障害の方は、仕事をする際にどのような悩みを抱えているのでしょうか? 双極性障害といっても、Ⅰ型、Ⅱ型などの分類があり、症状は人それぞれです。

症状も違えば、悩みも異なることと思いますが、アンブレに寄せられた多くの口コミから悩みの傾向をみてみましょう。

    【双極性障害による仕事の悩み、その傾向】
  • 感情の起伏が激しくコントロールできない悩み
  • 感情の起伏が原因で派生する様々な悩み
  • 薬の副作用による悩み


では、これらの悩みに対して、皆さんはどのような工夫や対策をしているのでしょうか?口コミとともに紹介していきます。

2-1. 感情の起伏による悩みとその対策

双極性障害の方が一番悩んでいることは「感情の起伏」です。躁状態とうつ状態では仕事に対する意欲が全く異なります。また、その感情を自分でコントロールすることが難しいことが大きな悩みとなっています。

【悩み】

気分障害の1つで躁と鬱を交互に繰り返し、躁の状態ではハイテンションになり、鬱の状態では気分の落ち込みや身体や精神が重たくなってしまう。また、仕事に対する意欲がなくなり『休みたい』『辞めたい』という気持ちが表れてしまう。
女性、人材

職場環境や人の話声、騒音、天候などにより気分の変調が出やすい。また、薬の副作用で眠気が出る。
女性、サービス・外食・レジャー系

浮き沈みが激しく、薬によってはいきなりハイテンションになることもある。気持ちをコントロールすることが困難。
女性、物流

朝起きたときにその日の体調がわかるので、当日に電話で『お休みします』と連絡を入れなければならないことがしょっちゅうです。また気分の浮き沈みも激しいので、周囲を困惑させることが多々あります。後々の罪悪感でまた体調が悪くなったりするので悪循環ですね。
女性、団体・連合会・官公庁



自らコントロールすることは難しいことですが、中には自分の傾向を理解しながら少しでも悩みを緩和できるように工夫している方もいらっしゃいます。

【対策や工夫】

出来る限り、自分の今の状態を客観的に把握することに努め、しんどい時には同僚や上司に『〇〇がしんどいです』と具体的に伝えている。
女性、人材

この病気で大切なことは、生活リズムを整えることなので、早寝早起きを心掛けている。昼夜逆転すると深夜に一人になることが多くなり、考えすぎてしまうから。
女性、物流・倉庫

仕事が始まる4時間前には起きるようにしています。4時間あればその日の体調がわかるので。
女性、団体・連合会・官公庁

就職したばかりの時は、自分の状態を理解していませんでしたので、感情のままでした。現在は、苦労も多かったので、主治医にアドバイスをもらうようにしています。
団体・連合会・官公庁

苦しくなりそうな予感があったら、その場からはなれる様にしています。
医療・医薬



うつ状態になるタイミングなどを把握するのは難しいかもしれません。しかし
  • 生活リズムを整えること
  • 少しの変化を察知できるように自分の症状をよく観察すること
以上をふまえて事前に対策をとることは、症状の緩和や安定につながることもあるようです。ご自分の傾向を理解することも大切ですね。

2-2. 感情の起伏から派生する仕事の悩みとその対策


感情の起伏は、他の悩みへも派生しているようです。

①体調を崩しやすい悩みとその対策

では感情の起伏が、体調にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?皆さんも同じような経験はありますか?

【悩み】

躁のときは元気だが、うつ状態のときは仕事が進まない。 無理をすると体調を崩す。
女性、医療・医薬

うつの時の気分の落ち込みが激しく仕事のミスにも神経質になるのでつらく、体調をくずしやすくなる。
男性、専門店

仕事をする上でも、また、対人関係の面でも不安や緊張を強く抱きやすく、外部の環境の変化に過敏で、少しのストレスですぐに体力を消耗してしまい、疲れて怠くなってしまったり、頭痛がおきたり、逃避行動を起こしてしまいます(次の日仕事を休むなど)。
女性、教育

躁状態とうつ状態の時で集中力に差があり同一作業を繰り返すのが困難で体調不良になる場合もある。
ソフトウェア・ハードウェア開発



特に、うつ状態になると仕事が進まない、ミスしやすくなることがストレスになり、さらに無理をすると、体調を崩しやくなってしまうようです。

ではそんなとき、どのような対策や工夫をすると悩みが軽減されるのでしょうか?

【対策や工夫】

躁のときは仕事量が多くなりすぎないように心がけ、鬱のときは無理せず休む。
女性、医療・医薬

自分が出来る範囲の仕事以外しないことです。任せられることを多くしないこと。
女性、医療・福祉・介護

労働条件は絶対に譲れない部分は守り通して、無理な残業や過労働はしない。また、不安や緊張を和らげる抗不安薬も飲んでいます。あとは、自分自身に対して「何事も頑張りすぎない、6割の力が出せればそれで合格」と言い聞かせるようにしています。
女性、教育

リラックスして望めるようにハンカチにアロマの香りを付けて定期的に嗅いでいます。
ソフトウェア・ハードウェア開発

なるべくミスをしないように教えてもらったことは全てメモに残す。
男性、専門店



まずは、躁状態、うつ状態のときの仕事量をできる範囲でコントロールする。コントロールが難しい場合は、少し余裕のある仕事量を合格点と定めるのも1つの方法です。

また、自分なりのリラックス法をみつけてストレスを緩和する方や、日ごろから自分なりの努力をコツコツと積み重ねて、ミスに備えている方もいらっしゃいます。

大切なのは「無理をしない」こと。仕事量やスケジュール、気持ちに余裕をもって取り組んでみましょう。

②仕事の効率に関する悩みとその対策

感情の起伏は、体調だけでなく仕事の効率にも影響を及ぼします。うつ状態では仕事の効率が下がり、躁状態ではテンションが上がり過ぎる。そんな状況に悩むことはありませんか?

【悩み】

集中力と暗記力がものすごく衰える→仕事上で何年も格闘している症状・感情の起伏が激しく疲れる→会社出勤時点で気力を失う。
メーカー・製造系

仕事への集中力が続かない。また、仕事への速さに対応出来ない。
女性、教育

うつ症状で、仕事に集中できない。躁状態で、テンションが上がり声が大きくなったりする。
マスコミ・広告

気分の上がり下がりが激しく営業先でパニックになってしまったり、相手方と話すときに異様に張り切ってしまったりすること。」
男性、ビジネスコンサルティング

体調により仕事に影響が出る(ミスが増えるなど)、日によって気分にムラがある、勤怠が安定しない。
男性、建築・建設・設計・土木



では、どのような対策や工夫をすると悩みが軽減されるのでしょうか?

【対策や工夫】

メモをする癖をつけています。あとは目印を自分で覚えておくことです。」
メーカー・製造系

休憩をこまめに取る。上司に話してあらかじめ理解してもらう。」
マスコミ・広告

簡単な仕事をするようにしている。また、寝れるような日は早めに寝ている。
女性、教育

服薬を忘れない、周りの社員に理解してもらった上で仕事を進める、気分転換することを忘れず行う(1時間に1度休憩など)
男性、ビジネスコンサルティング



メモを活用してミスを防ぐ努力をする、集中力を保つために適度な休憩をとるなど、影響が出る前に自分なりの工夫を取り入れている方もいらっしゃいます。

中には、休憩頻度が多くなることを見込んで、周囲の方や上司にあらかじめ相談している方もいらっしゃいます。これに関しては、自分の障害をオープンにするか、クローズにするかによっても、対応方法が変わってくると思いますので、後ほど詳しく紹介していきます。

③休まなければいけない悩みとその対策

体調の変化が突然朝訪れる方や、うつ状態になるとどうしても仕事に意欲が持てない、という方も多くいらっしゃいます。

特に、うつ状態に入るとその状態から抜け出すまで休むこともあるので、一度休んでしまうと長期休暇を余儀なくされることも。
休むことへの不安や悩み、ありませんか?

【悩み】

30日から45日の間隔で、躁状態とうつ状態が交互に訪れるので、1月から1月半以上続けて勤務するのが困難である。
女性、サービス・外食・レジャー系

気分が上がったり下がったりするので、気分が下がると、1週間程度仕事を休んでしまう。
チェーンストア・スーパー・コンビニ

特に原因がなく気分のムラが激しいため、そのせいで仕事に向かう気力すらでないことがあり欠勤せざるをえないときがある。
食品・化粧品

突然悲しくなり涙が止まらなくなり、仕事に急に行けない事などが多くて困りました。
女性、エンターテイメント



では、どのような対策や工夫をすると悩みが軽減されるのでしょうか?

【解決や工夫】

気分の変調が一定期間で上下する(躁状態と鬱状態を繰り返す)もの。服薬と心理療法などで寛解期を長く維持するのがポイント。病気の特性上、シフト業務や8時間を超えての業務は不可、休息は週2日などマスト条件に入ってくる。
男性、郵便

出来るだけ、急に穴が開いても大丈夫でペナルティなどを課せられないところを選びました。
女性、エンターテイメント

通院した際に主治医と薬の調整を行うことで、できる限り鬱の波がこないようにコントロールしている。
食品・化粧品

あまり無理をして仕事をしないで、自分のペースで仕事をするようにしている。
チェーンストア・スーパー・コンビニ

悩み事などは1人で抱え込まないように信頼出来る上司に相談していた。
男性、郵便



医師に相談しながら薬の効果で感情の波をコントロールしている方、無理のない勤務形態で仕事を行っている方など、自分の症状とうまく付き合いながら仕事をしていらっしゃるようですね。

④コミュニケーションに関する悩みと解決策

感情の起伏は、コミュニケーション能力にも影響を与えるようです。仕事をする上でコミュニケーションが欠かせない職種も多いのではないでしょうか?
相手が、双極性障害の特徴を理解していないと、なぜこのような態度になってしまうのかを伝えるのは難しいと感じるかもしれません。

【悩み】

気分にむらがあり、周囲とのコミュニケーションが上手く出来ない。
女性、専門店

その日の体調や天候によって躁状態であったりうつ状態であったりして体調や人間関係に支障が出ます。
WEB・インターネット

ストレスが溜まると、思考力が低下し、正しい判断が出来なくなる。また急に泣き出してしまい、感情的になってしまうので人間関係でトラブルを起こしやすくなる。
小売・流通・商社系



では、どのような対策や工夫をすると悩みが軽減されるのでしょうか?

【対策や工夫】

業務を出来る限りルーティーン化して、ストレスをためないようにする。
女性、専門店

なるべく早寝して睡眠を充分にしたり病院で処方されている対処薬を飲みます。
WEB・インターネット

ストレスが溜まってきたら外に出て、気分転換をする様にする。その際は携帯電話を使用せずに空や花々と自然のものを見る様にする。
小売・流通・商社系



一定のリズムで行える仕事や生活リズムを整えることは、気持ちや感情を安定させるためにも有効なようです。

またストレスは、ためる前にこまめに発散することも大切です。
そのためにも、少しのストレスにも気付けるように、自分を客観視したり身近な人に相談したりしてみるのもよいかもしれませんね。

2-3. 薬の副作用による悩みとその対策

双極性障害の方の中には、長期的な服用が必要になる方もいらっしゃいます。また服用しながら治療を進めることで再発を防げるため、薬とは正しくつきあっていきたいですね。ただ、一方で副作用に悩むことも多いようです。

【悩み】

うつ状態、薬の副作用でふらつきや手の震えがでるのが当日朝にならないとわからないので、仕事の日と重なると休まざるを得ないので申し訳ないです。
女性、教育

薬の副作用で手が震えやすく、接客の際に患者さまから指摘を受けたり、粉薬の調剤に支障があった。また、薬の副作用で太ったため、立ち上がったりしゃがんだりする作業が辛かった。同僚に病気のことをカミングアウトするか悩んだ。
男性、食品・化粧品

周りの人に気分屋だと思われていたこと。最初は双極性障害だと黙っていたけれど、薬の副作用で猛烈な眠気に襲われ、仕事の途中で居眠りをしてしまったり、躁状態でテンションが異様に高くなってみんなを驚かせてしまったりした。
女性、コンサルティング・専門サービス系

服薬量が多く作業をしていて疲れやすい。また口渇の副作用があるため水分補給が多くなり、トイレも近くなる。
女性、団体・連合会・官公庁



では、どのような対策や工夫をすると悩みが軽減されるのでしょうか?

【対策や工夫】

主治医に相談して、手が震えにくくなるように副作用止めを出して貰った。太りにくい薬に変えて貰った。病気であることは同僚にうちあけるしかなかった。責任が取れる仕事をするために、シフトはこまめに係長と相談した。
男性、食品・化粧品

できる限り寝る時間を一定にするなど工夫をしましたが薬の副作用で中々起きれないと言う状態だったので薬を変えてもらったりしました。
女性、レジャー・アミューズメント・フィットネス

自分の状態を、親しくしてくれる同僚1人に打ち明け、私の様子がおかしい時は、その人が周りの人に説明してくれるようにお願いした。薬の副作用のことについてもしっかりと話し、理解してもらった。
女性、コンサルティング・専門サービス系

(薬の副作用がでると休むため)出社する日が限られているので、可能な限り先読みして動き、周りの方の仕事がスムーズにできるように努力してます。
女性、教育

常に近くに麦茶を入れたペットボトルを用意して、すぐに水分補給ができるようにする。
女性、団体・連合会・官公庁



薬には合う、合わないがあります。薬を変えることで副作用が軽減されることもありますので、医師に相談してみるのもよいですね。

また、副作用による不調が生じる可能性をあらかじめ周囲の方に伝えておけば、周りの誤解をさけることにもつながりますし、協力を得られるかもしれませんね。
日々の協力を得るためにも、自分でできる努力を見せることも、人間関係を良好にする1つのポイントになりますね。

ここまでは、双極性障害の特性による仕事上の悩みに注目し、その対策とともに紹介してきました。
次は、職場環境に関する悩みについてみていきましょう。

3.双極性障害の方が職場で抱える悩みとその対策

口コミをみると、双極性障害のある方は様々なお仕事をしていらっしゃいます。しかし、職場で感じる悩みには共通することも多いようです。中でも目立った悩みは以下の通りです。

    【双極性障害の多くの方が抱える職場での悩み】
  • 病気や障害に対して理解が無い
  • 給料が安い


ではそれぞれの悩みとその対策について、口コミを参考に紹介してきます。

3-1. 病気や障害に対して理解が無い職場とその対策



職場に満足していないと答えた方の理由で、もっとも多くあがったのが「双極性障害に対して理解が無いこと」。
具体的にはどのような場面から「双極性障害に理解がない」と感じたのでしょうか?

【双極性障害に理解のない職場の状況】

管理職以外は病気のことを知らずやりづらかった。
女性、医療・福祉・介護

事務的な面談しかない。配慮の要望を聞く耳を持たない。陰口や悪口が蔓延した職場。常に上司の恫喝の声が聞こえる。
団体・連合会・官公庁

上司は病状も気にかけてくれて優遇してくれたが、ほかのスタッフからは不公平だと責められたこと。病気を理由に休むなと言われたこと。
女性、教育

休職を経て復職したが、職場の理解を得られず再度休職となる。そもそも上司が障害者に対する認識不足の為、どういう対応をしたらよいかわからない様子で、ダイバーシティをうたっている会社なのに、対応が雑。長年在籍している社員のパワーハラスメントや過度な圧力も仕事が出来る人間であれば評価される為、病気を持って人にとってはつらい職場である。
女性、生命保険・損害保険

障害者雇用について理解が乏しく、休みを繰り返すと退職勧奨される。状況に応じた職場変更はない。
男性、ゲーム

職場の職員さんは私たち障害を持った人への理解か進んでおらず、日常のコミュニケーションはもちろんのこと、仕事もろくに与えられていない。
男性、団体・連合会・官公庁



反対に、「双極性障害に理解のある職場」とはどのような職場なのでしょうか?

【双極性障害に理解のある職場の状況】

周りの方が障害者の事をよく理解してくれて急な体調の変化にも柔軟に対応してくれて手助けもしてくれました。自分が障害者であることを隠す必要もなく、差別なども全くなくとても勤めやすかったです。
男性、専門店

満足度は人それぞれ違いがあるので何とも言えないが、私が嬉しく思ったのは、社長をはじめスタッフの方が病気に対して理解を示してくれていたことです。少し体調が悪いことを伝えると、『休憩室で休んでいてもいいよ』と言ってもらえたり、民間の支援も入ってはいたので経過を見に来てくれて、会社と私の間を繋ぐ支援してくれたりと助かりました。
男性、メーカー・製造系

障害があることを認めてくれた上で、それ以前のキャリアを評価し、それを生かす仕事をさせてくれた上で責任のあるポストを用意してくれたから。調子の悪い時には休みをとったり病院に行くなどを優先させてもらえた。
男性、IT・通信・インターネット系

面談時に病気のことや1年のブランクがあることを伝えました。それを受け入れていただいた上での今の働き方なので、自分でも安心し、納得しています。
女性、教育

双極性障害で対人関係のストレスに大変弱いという点を理解してくれ、できる限り一人にしてくれたことが大きかったです。かといって『変な人』と思わず、最小限かつ暖かく接してくれたことにとても感謝しています。チャレンジ雇用ということで、その部署の方が障害者への接し方に慣れている感じがして安心できました。
女性、団体・連合会・官公庁



双極性障害に「理解がある職場」と「理解がない職場」では、何が違うのでしょうか?
その違いがわかると、理想の職場を見つけるヒントになるかもしれませんね。
双方のコメントを見比べてみましょう。

理解がある職場は
  • 自分が双極性障害であることを上司や周囲の方が知っている
  • 双極性障害の特徴を職場の方々がよく理解している
  • 自分の双極性障害の傾向を職場の方々が理解している
  • 双極性障害の症状に合わせ臨機応変な対応をしてくれる
  • 仕事の進め方やステップアップを長期的に見守ってくれる
  • 相談できる環境が整っている
  • 企業が障害者雇用についての知識や経験をもっている
  • 外部を含めた専門的な機関と連携している
このように列挙してみると、こんな理想的な職場は本当にあるの?と思ってしまいますよね。確かに通いやすい場所で、このような体制が整った会社を見つけるのは難しいかもしれません。

ただ、双極性障害について理解してもらうためには

  • 自分が双極性障害であることを伝える
  • どのような症状や傾向があるのか特徴を伝える
  • どのようなサポートや配慮が必要なのかを伝える
双極性障害について伝えることで、企業も知ることができ理解やサポートへと動くことができるのではないでしょうか?

    【双極性障害への理解のある職場で働くための対策】
  • 自分の双極性障害について症状や傾向、必要なサポートとともに伝える
  • 双極性障害について伝えたときの会社の反応を確認する
  • 障害者の雇用経験や取り組みについて確認する
仕事を探すときは、これらにポイントを置いて見つけてみてはいかがでしょうか?

3-2. 給料が安いという悩みとその対策

給料に関する悩みを多く挙げられました。前述にもあったように、双極性障害の症状によって出社できない日が続くと、欠勤日の給料が引かれるため、思うように収入が得られない方もいらっしゃいます。

【給料に満足していない方の状況】

勤務日数が少ないので給料が安い。外仕事なので体調をくずしているときは大変だから。
女性、サービス・外食・レジャー系

やっぱり自分の体調がいけないのですがお金が少なかったです。もっと健康でいたいけれど障害者手帳がなければ生きられません。
女性、教育

正職員と全く同じ業務を行っているにも関わらず、給料が安すぎる。手当も賞与も無く正職員登用の可能性も無かった。
女性、医療・福祉・介護

生活が困窮していたので、もう少し安心感があると良かったと思っています。
男性、医療・福祉・介護



反対に、給料に満足している方はいらっしゃるのでしょうか?

【給料に満足している方の状況】

公務員なので比較的安定しており無事勤め上げればそれなりの金額になったから。
男性、教育

基本給はそこまで良くはないが、定期昇給や昇給があるため、長く勤めることができたら給与アップも見込める。
女性、アパレル・日用品

フルタイム、パートタイムとさまざまな勤務形態があるので、自分に合った働き方ができると思う。 給与が低いが私は昇給もしてもらえたので、がんばって仕事を続けようと思えた。
団体・連合会・官公庁

時給もよく福利厚生もしっかりしていたので、安心して働けました。
女性、百貨店・量販店

病気を患ってから休職中、失業手当や組合からの見舞金の支給を受け大変助かりました。実際には復職には至りませんでしたが、退職金の支給等を頂き、今は障害者年金を受給して暮らしています。
メーカー・製造系

福利厚生が充実しているしたくさん休めるしお金も安定しているし潰れないしエアコンきいているし事務職だったから。
男性、団体・連合会・官公庁

福利厚生もしっかりしている。大手なので安心して働ける。
女性、百貨店・量販店

福利厚生と給料が良い。休職中は無給でも傷病手当が出て、保険料等も立て替えてくれていました。
女性、メーカー・製造系



給料に「満足している方」と「満足していない方」何が違うのでしょうか?

満足していない方は
  • 体調の波が出勤日を左右するため、時給制の場合は収入が安定しない
  • 仕事の内容や量と給料が見合っていない
  • 昇給できない
こんな原因が考えられますね。

満足している方は
  • 仕事の内容に対して支払われる給料に納得している
  • 安定した企業で働いている
  • 休暇制度や手当、福利厚生などが整っている
仕事量や仕事内容に見合った給料かどうかという点は大切なポイントです。ただ入社前にそれを確認するのは難しいかもしれません。
しかし、長年勤め続け、キャリアアップしていくごとに給料もアップしていく制度が明示されていれば、仕事へのやりがいにもつながるでしょう。

さらに、給料だけではなく、福利厚生や制度もその企業の良さを考えたときには重要です。
例えば、もし体調が優れず長期休暇が必要になったとき、制度面でのサポートがあれば安心して働くことができますね。

 
【収入への不安を減らすための対策】
双極性障害の方は、症状により急に休むことや、症状が緩和されるまで長期の休暇が必要になることも考慮しなければなりません。そのときに、休暇制度が整っていると安心できそうです。
また、長年勤めることを考えるとキャリアアップにともなう昇給制度の有無もあらかじめ確認したほうが良いでしょう。


4.双極性障害の方が周囲に知っていてほしいこと、伝えていること

双極性障害(躁うつ病)は、うつ病と比べると発症人数は少なく、認知度も低いかもしれません。双極性障害を正しく理解している方も多くはありません。それゆえに誤解を招くことも多いでしょう。
また、双極性障害であることを周囲に伝えるべきかどうか迷う方も多いのではないでしょうか。

しかし、双極性障害(躁うつ病)について知ってもらうことでより働きやすくなるのではないか、周囲の方との関係が良好になるのではないか、結果としてチームとしての仕事効率があがるのではないか、と感じることもあるのではないでしょうか?

ここでは、ツイッターなどで双極性障害の方にうかがった“職場で配慮してほしいこと、伝えたいこと”を紹介していきます。
みなさんもこちらを参考に、ご配慮事項を伝えてみてはいかがでしょうか。

【伝えたいこと】

・双極性障害だからといって、時間がすぎるのを待つような仕事だけをするのではなく、やりがいを感じる仕事もしたいです。でも症状の悪化が心配なので、100%私に任せてといえる自信はない。協力をいただく必要はありますが、少し責任感のある仕事をやってみたいです。

・私も躁とうつが変わるタイミングは、睡眠時間などチェックしながら気を付けてみていますが、できれば周囲の方も少し変化を気にしてもらえるとうれしいです。うつになると、やる気がぐっと下がっていまい、メールの返信などもすごく遅れる。そんなサインに少し気づいてもらえるとすごく助かります。

・ノルマをあやふやにしないで欲しい。ノルマが高いが「気にしないで」と言われると、逆に気になりそう状態かうつ状態になる可能性も。逆にノルマが低すぎてもうつ状態になりやすい。適度なノルマをいただく等、ノルマを明示してくださるとありがたい。

【配慮してほしいこと】

・仕事ができるからと言って、正社員以上の仕事を振らないで欲しい。躁モードで対応していると確かに成果物は出来上がる。でも休憩も必要最小限しか取れない状態でやっている。その後、体調は明らかに鬱転して出社できなくなります。

・うつの時仕事が止まってしまうことが心配です。できれば、1人ではなく数人(できれば少人数)で仕事が持てると気持ちが楽です。もちろん調子が良いときは仕事に集中する、仲間と仕事の進捗状況を共有するなど、自分でも努力して職場に貢献したいと思っています。

うつ状態だけを見て、あまり仕事をお願いしてはいけないという雰囲気を作ってしまうのでは、仕事を行う意味がなくなってしまいます。また躁状態のときだけみて仕事がバリバリできるという認識を持つのも本人を追い詰めることになってしまいます。

うつの時も躁の時も働きやすい職場になるためには、周囲の方々が状況にあわせてお互いに仕事をお願いしたり、お願いされたりする関係を作ることが大切なのかもしれません。

可能であれば、双極性障害(躁うつ病)の方もそうでない方も、お互いに頑張りすぎていないかどうか、様子を確認しながら声をかけあえる職場であれば、仕事に対する不安も少し解消できるのではないでしょうか。

参考:みんなのメンタルヘルス うつ病 患者数
参考:みんなのメンタルヘルス 双極性障害 患者数

5.双極性障害をオープンにするかクローズにするか

双極性障害の方の多くは、
  • 双極性障害をオープンにするか(=障害者雇用枠で働くこと)
  • 双極性障害をクローズにするか(=一般雇用枠で働くこと)
ということで悩むのではないでしょうか?
それは、障害について職場に伝えるか伝えないかで、働き方が大きく異なるからです。

では、双極性障害をオープンにした方、クローズにした方では何が違うのでしょうか?

5-1. 双極性障害をオープンにした方の体験

まずは双極性障害であることをオープンにした方のコメントです。オープン就労で良かったと感じること、逆に悩んだことはどのようなことでしょうか?

【オープン就労で良かった点】

毎日朝礼と終礼があり、体調確認や業務上悩んでいること困ったことを話して振り返る時間がある。業務上の悩みや困ったことはすぐに解決したり、アドバイスをくれる。 いかに長く働き続けるかを考えてもらえ、無理をしないペースで働くように指導してくれる。
サービス・外食・レジャー系

病院通院の際には優先して休ませて頂いたり、その時の体調によって負荷の軽い仕事を優先して割り振っていただき助かりました。
男性、サービス・外食・レジャー系

サービス管理責任者が信用できる。利用者間のチームワークや雰囲気が良い。
男性、不動産

気分が塞ぎ込みそうな時に上司や先輩に相談ができるから。また、状況によっては業務量の調整もしてもらえるから。(特に対策をしてもらわなくても、不調だということを聞いてもらえるだけで気持ちは楽になります)
男性、マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンターテイメント系

障害者のみの係があり、いろいろな障害を抱えた方がいる。精神障害者の雇用は初めてで、今年の後半から薬の整理(減薬)がうまくいかず、時々休むようになったが、理解してもらえた。
男性、自動車・運輸・輸送機器

自分も障がいがあったため障がい者の気持ちが分かり大変やりがいのある仕事でした。一人ひとり病気の名前は一緒でも病状が違ったり、年齢も様々で自分が伝えたいことがうまく伝わらない際は創意工夫して伝えていました。伝わったときにとてもやりがいを感じていました。
女性、医療・福祉・介護



【オープン就労で悩んだ点】

何か問題が起きてしまったときに助けてくれる人がいないのがつらいです。体調が悪い時は休ませてもらえることが唯一の救いでしょうか。
女性、コンサルティング・専門サービス系

人員不足でどの職員にも余裕がなく、気分的にも時間的にも余裕がない状態で常に業務をしなければならない。スタッフ相手の業務だが、担当課の人員が足りず、代わりの対応にかなり悩まされた。
女性、医療・福祉・介護

とにかく、障害者に容赦ない。手心も加えてくれない。健常人と同じように評価し、マイナス評価ばっかり。
男性、医療・医薬

障害者に対する配慮がない。 仕事内容がハードすぎる。
郵便



オープンにした方の中でも、意見は分かれます。

良い点は、双極性障害に対して理解があり、配慮やサポートが望めるところです。
特に相談のしやすさや休みやすさ、仕事量や仕事内容の調整など、双極性障害とうまく付き合いながら働くためにあってほしい配慮が得られることがメリットです。

悩んでいる点から読み取れるのは、双極性障害であることを職場に告げているのに、職場の理解がないために周りの協力を得られず、まるで双極性障害でないかのような働き方を強要されることです。

しかし、これは双極性障害をオープンしたことによるデメリットではなく、企業側の、障害者を受け入れる体制が整っていないことが問題なのです。

【双極性障害をオープンにして働くことのまとめ】
双極性障害がオープンであれば、比較的配慮を求めやすい傾向にあります。しかしすべての会社で配慮が受けられるというわけではないため、慎重に会社を見きわめる必要があります。
オープンにする、しないを考えると同時に、企業の障害者雇用に対する姿勢や経験、取り組みを十分に確認する必要がありそうですね。


5-2. 双極性障害をクローズにした方の体験

次は双極性障害であることをクローズにした方のコメントです。クローズ就労で良かったと感じること、逆に悩んだことはどのようなことでしょうか?

【クローズ就労で良かった点】

自分の障害をオープンにして働くのか、クローズで働くのかによって就職活動の幅が大きく異なってきます。クローズにすれば幅も広がりますし、給与面でも優遇されますが欠勤や遅刻早退が病気を理由にできないため苦しいなかで就業することになりますので、ご自身の体調と相談して決められることをすすめます。
男性、人材

自分の体調を自分でコントロールできる自信があるのであれば、クローズで早く就職することをおすすめします。その自信がないのであれば福祉的就労やサポートがないと就労を継続することは難しいでしょう。理解を求めるのでなく、自己管理ができるかがポイントです。
女性、不動産

病気のことは基本的にはクローズで働いた方がいいと思います。配慮はしてもらいにくいかもしれませんが、その分健康な人と対等に仕事ができます。仕事の能力や自分の体調に自信がない人でも、自分の体調不良や能力についてはあまり気にせず、自分のペースで働けるのが一番だと思います。
女性、教育



【クローズ就労で悩んだ点】

障害をクローズにして入社したので、健常者らしく振る舞うのに苦労した。職務として障害者支援も担当することがあったが、自分自身の障害を投影しないようにするのもなかなか大変だった。残業続きで精神的に落ち込んだ時など、人に悟られないようにするのも一仕事だった。
女性、専門店

双極性障害の中でも、うつの期間が長い方なので、仕事に対するモチベーションを維持し続けるのに非常に苦労した。また障害をクローズで入職したので、周りの人たちに「あの人ちょっとおかしいんじゃないか」と思われないようにするのも大変だった。
男性、医療・福祉・介護

障害クローズで就活や勤務をしていたので、通院や体調不良を隠すしか無かったことが大変苦痛に感じました。
女性、物流・倉庫

障害者ということをクローズして働いていたので、日中も眠い時があり、受付担当だった時にうっかり寝てしまったりしたこと。そして、それを障がいのせいだと言えず、「あの子は夜水商売をしているから眠いんだ」とうわさが立ってしまい、それがショックで、さらに夜の落ち込みが激しくなり希死念慮が強くなりました。
男性、団体・連合会・官公庁



クローズにした方の中でも、やはり意見は分かれます。

良い点は、双極性障害をクローズにしたほうが早く仕事が見つけられるという点のようです。自分の気になる企業が必ずしも障害者採用を行っているとは限りません。
また、一般雇用枠であれば他の方と同じ仕事を行えます。体調の管理ができて、自分に合った仕事ができれば、やりがいを感じるかもしれません。

ただ、悩んでいる点であげられているように、双極性障害の症状がつらいときでも、それを抑えて仕事をする場面も出てきます。通院のために仕事を休むことも難しくなります。

【双極性障害をクローズにして働くことのまとめ】
周りの理解や配慮を必要としなくても働けるという方は、一般採用枠であれば仕事の選択肢も広がるでしょう。しかし、調子が悪いときに配慮が求めづらい可能性もあります。


双極性障害をオープンにして働く働き方(障害者雇用)、クローズにして働く働き方(一般雇用)どちらがご自分の理想とする働き方なのかを考えたうえで、気になる企業が障害者雇用に対する取り組みを行っているか、しっかり確認すると良いでしょう。

6.双極性障害の方におすすめの仕事

ここで、双極性障害の方で就活や転職を考えている方に、おすすめの仕事をご紹介します。

双極性障害のことを理解してくれる理想の会社なんて本当にあるの?と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
アンブレには、様々な企業についての口コミが多く届いていますが、双極性障害とうまく付き合いながら理想の職場で働いている方もたくさんいらっしゃいます。その中から評価の高い口コミをピックアップしてみました。

6-1. おすすめの会社、企業名

・イオンリテール株式会社
障害や病気だけではなく、介護をしている人などにもいろいろな働き方を提案してくれて、どうしたら辞めずに働きつづけることができるかを会社がいっしょになって考えてくれる。いっしょに働いている人たちがどれだけ自分のことを受け入れてかれているかはわからないけど、少なくとも会社はそういう人に対して理解しようとしてくれているように思う。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・株式会社アダストリア・ゼネラルサポート
『長く働き続けるには』を常に考えてもらえる職場で、可能な限り働きづらい環境をなくそう、なくせなくても小さくしようとしてもらえる。体調を維持する対策を提案して、出来る事であれば採用してもらえもらえる。 毎日必ず朝礼、終礼を行い、睡眠状況、心身の体調、疲労度を確認してもらえる。 バリアを取り除く環境が出来れば障がいを持っていても働く機会を作ってくれる会社であり、職場である。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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・株式会社ツクイ
全国展開している会社なのでメンタルヘルスについてマニュアルがあるため比較的簡単に対応してくれます。人材も豊富なので代わりを補填してくれます。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★
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・株式会社フェリーさんふらわあ
決まりや覚えることは多いですが、社員同士の会話が多く、コミュニケーションが取りやすかったと思います。 体調が少し悪い日に出勤すると、違う部署の方が気遣ってくださったり、細かいところまで見てくださってるなぁと感じました。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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・川崎重工業株式会社
発症後は仕事量の調整、権限の委譲、配置の見直しなどを進めてくれていた。傷病休暇、休職の制度なども整っており、仕事を調整しながら、療養に当たることもできる。 復帰時には産業医の指導と助言が得られ、見守ってもらえると感じられる。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・KDDI株式会社
あたしが言いたいのは一つ、「フォロー体制」「新人への配慮」の点です。声掛け一つ、迷っていれば正しい道を教えてくださる、なにより人間性が充実している会社です。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★
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・三菱重工業株式会社
無理(苦手)な仕事は、他の人に振っていただけるので、報告・連絡・相談を密にすれば、無理なく働くことができます。また、始業時刻・終業時間も相談に乗ってもらえるので、短時間(それでも6時間以上?)しか働けなくても大丈夫です。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
→口コミの続きはこちらへ

6-2.おすすめの業界・職種

では次に、双極性障害の方におすすめの業界や業種について考えてみます。
といっても、業種や業界も様々、そして双極性障害の方の症状や特徴もそれぞれ異なりますよね。
そこで1つの手がかりとして、アンブレに届いた300を超える双極性障害の方からの口コミをもとに、統計をとり傾向をみてみました。

まずは業界です。

双極性障害 業界の割合
双極性障害 業界別満足度グラフ
多くの方が勤めている業界は「サービス・外食・レジャー系」でしたが、満足度が高い業界は「小売・流通・商社系」と「マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンタテインメント系」という結果になりました。

次は職種です。

双極性障害 職種の割合
双極性障害 職種別満足度グラフ上位
多くの方が勤めている職種は「販売・接客・サービス」でしたが、満足度が高い職種は「清掃」「デザイナー・クリエイティブ」という結果になりました。

皆さんの予想はどの業界と職種でしたか?
業界と職種に関する詳しい調査結果は以下のコラムでご覧いただけます。ぜひ参考にしてみてください。
双極性障害の方の転職、358人の実体験を調査、向いている仕事は?

また、双極性障害の方が働いている企業が一覧で確認できます。
満足度の高い企業や気になっていた企業の口コミをぜひこちらでチェックしてみましょう。

では、このような企業はどのように探せばよいのでしょうか?
次は仕事の探し方を確認していきましょう。

7.求人の見つけ方

7-1. 働き方によって選べる採用枠「一般枠」と「障害者雇用枠」

求人には一般枠(クローズ)障害者雇用枠(オープン)があり、障害者手帳を所持している方は、「一般枠」「障害者雇用枠」のどちらにも応募することができます。

先にも述べたように、双極性障害をオープンにするか、クローズにするかといった悩みは応募できる雇用形態にも影響してきます。
少し重複する部分もありますが、もう一度簡単に説明します。

「一般枠」は、障害であることを伝えず(クローズ)仕事をすることになります。障害のない方と同じように働くことになるため、広い職種から選べ、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、双極性障害への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

「障害者雇用枠」は、障害であることを伝えて(オープン)仕事をにすることになります。そのため、職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながることも考えられます。

障害者枠(オープン)や一般枠(クローズ)についてはこちらでもご紹介しています。
障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説



7-2. 求人の見つけ方

①ハローワーク

障害のある方専門の窓口があるため、相談やアドバイスを受けることができます。障害のある方への求人情報も多く扱っています。

ハローワークの精神障害者雇用トータルサポーターに登録して履歴書の書き方から面接の訓練までして頂き面接の際にも同行して頂き自分の障害を会社側や説明して頂きました。
男性、サービス・外食・レジャー系

同じような障害を持った方が少しでもいる職場なら理解力はあると思います。障害者雇用の前例のある会社なら理解力はあると思うのであきらめずハローワークで障害者雇用の求人から探していきましょう。
男性、専門店


参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

②専用の人材紹介会社

双極性障害など精神的な障害を抱えることで、働くことに不安を覚えている方の就職活動を応援してくれる専用の人材紹介会社をご存知でしょうか?

具体的には、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整など、全面的なサポートなどを行ってくれます。

ハローワークなどでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

ひとりで1からはじめる就職活動との違いは、専門のアドバイスやサポート、自分にあった企業の紹介を受けられるため、担当者と一緒に不安を取り除きながら活動を進めていくことができる点です。

口コミにも専用の人材紹介会社を活用したという声が多くありますのでご紹介します。

普通の転職エージェントと基本的には変わらないと思いますが、メンタル不調に至った経緯が面接で聞かれるというアドバイスの元、その部分をエージェントと深掘りし、面接での伝え方までサポートしてもらいました。また選考面接で多忙にならないようにスケジュール調整もしてもらいました。
男性、マスコミ・広告

仕事内容や、勤務地などを指定させて頂き、一人の担当者より就労開始までサポートして頂き、入社が決まった。面接の練習なども電話を通してして頂き、自信を持って面接に臨むことができた。
男性、教育



しかし、人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

次は、気になる企業を見つけたら、その企業の情報をどのように集めると良いのか、紹介していきます。


③就労移行支援事業所

障害のある方の就職活動を応援してくれる、就労移行支援事業所をご存知でしょうか? 具体的には、お仕事に必要な訓練をしながら、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談などの、全面的なサポートを行ってくれます。

双極性障害の方は、生活リズムが乱れるとお仕事に支障が出る方が非常に多いため、就労移行支援事業所に通って、生活リズムを整えながら就職活動をするのもひとつの方法です。



▼障害者雇用の求人サービスについてはこちらでもご紹介しています。
ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介

8.企業情報の集め方

会社紹介の採用ページや企業サイトだけでは、あなたが実際に働くことになるであろう職場の雰囲気はつかめないかもしれません。できるだけ自分の目で確かめてみましょう。

8-1. 事前に見学して企業の雰囲気を確認

企業によっては職場を事前に見学させてくれるところもあります。人材紹介会社に登録している方は、アドバイザーを通して見学をお願いすることもできます。まずは確認してみるといいでしょう。口コミにも、事前に見学を行うことで、面接だけではわからない職場の雰囲気が伝わるとの意見が多くみられます。

自分の譲れない条件は必要です。しかし、妥協もときには必要です。気になった企業には、どんどん見学にいくと良いです。また、見学のさいに自分にあう雰囲気かと見てくることも大事です。自分に合ったとか、ここ好きだなと思う感覚が必要です。
女性、団体・連合会・官公庁

最低でも、会社見学や説明会があれば参加したり、自分は障害がある事をオープンに伝えるのは最低限…、できれば、障害者就労支援機関などにも間に入ってもらって応募前によく相談したり、一緒に見学や説明会に行ってもらったり、実際に就職する前に職場体験事業などが活用できればベストだと思います。
女性、IT・通信・インターネット系

面接前に職場見学に行くべきです。面接を受ける動機にもつなげることができますし、職場の雰囲気を掴むためにも見学は必須です。
女性、デザイン・出版・印刷



8-2. 面接はその企業をよく知るチャンス

面接は、企業側があなたを審査するだけの場ではありません。大事なのは、あなたが企業に求めるものと、企業があなたに求めるものがマッチングすることです。

不安や疑問がある場合は、面接時の質問タイムなどでクリアにしておきましょう。具体的に聞いておきたい内容については、以下の声を参考にしてみてください。

企業面接を受ける際にはどのような職場に配属されるか分からない場合がある。職場によっては病状が悪化することもあるため、面接時に人事担当者と詳細な話し合いが必要であると考える。 また、病名を伝えるだけでは、人事担当者及び配属予定先管理者はどのような配慮が必要かよく分からないことが多いため、具体的にどのような配慮が必要か伝える必要がある。
専門商社

メンタルヘルスマニュアルがあるところは比較的理解もありすぐに対応してくれるのでマニュアルの有無の確認。あとは直属の上司にメンタルヘルス、障害への理解があるか直接面接で聞く。休暇制度があるかどうかの確認。
女性、医療・福祉・介護

就職の面接の場面で、自分の気になる点をすべて聞いておいたほうがあとで、しまったと思わなくてもいいので、人間関係や仕事の内容、スタッフ同士の距離感など、先に知っておくべきだと思います。賃金についても、能力給の有無など、聞いておいたほうがやる気になると思いました
女性、その他



面接で緊張しすぎて質問できなかったということがないように、前もって知りたいことをまとめておきましょう。あらかじめ準備をしておくだけで心に余裕ができ、面接にものぞみやすくなります。

職場で病気と上手に向き合っていくためにも、面接時での質問のチャンスは大事にしましょう。

9.専門家からのアドバイス

仕事探しを考えている双極性障害の方へ、障害者雇用の専門家 水谷愛さんからのアドバイスを紹介します。

■働くことを迷っている双極性障害の方へ

双極性障害の方は、能力が発揮できるときと、沈んでしまって本来の能力が発揮できないときがあるため、お仕事をするのに踏ん切りのつかない方がいらっしゃるのではないでしょうか。

双極性障害の方は、本来の能力が高い方が多いので、つい頑張り過ぎてしまうのかもしれません。

自分を加減しながら働くということは大変かもしれませんが、ぜひその能力をお仕事で活かしてみませんか。つらい時は一人で抱え込まないようにしましょう。周囲には支えてくれる人や施設があります。上手に頼りながら働くことを考えてみましょう。

■これから働く双極性障害の方へ

双極性障害の方は、つい頑張り過ぎる方が多いです。頑張れてしまうからと言って頑張り過ぎると、うつ状態になった時に苦しくなってしまいます。

上手にサポートを得ながら、働いていけると良いですね。うつ状態のときにもできることをあらかじめ探しておくと、「最低限このくらいの仕事はできる」という自信につながると思います。

つらい時は一人で抱え込まず、周囲の支えてくれる人や施設を上手に頼りましょう。そして、自分の気分の波を主治医と相談しながら最小限に抑えて乗り切っていけると、あなたの能力が十分に発揮できると思います。

10.最後に

これまでの内容をまとめます。

・双極性障害の特徴による仕事の悩みは、感情の起伏によるものが多いです。症状を安定させるために、生活リズムを整えることや、ご自分の状況をよく観察して特徴を理解することが大切です。

・治療には服薬が大切ですが、副作用が仕事に影響を与えることもあります。薬も合う、合わないがありますので、副作用による悩みは主治医に相談することも必要です。

・仕事となると一緒に働く方々の双極性障害への理解も必要になります。まずはその企業が、障害者雇用に対する取り組みを行っているかどうかを確認するとよいでしょう。

・給料や待遇も職場の満足度につながってきます。契約時には給与や昇給について確認するだけでなく、福利厚生や休暇制度についてもあらかじめ確認するとよいでしょう。

・就職や転職を行う上で、双極性障害をオープンにするかクローズにするかも多くの方が悩むポイントです。まずはご自分の症状を一番に考え、どのようなスタイルで仕事を行うことがベストなのかを考えましょう。通院や急な体調不良による休みを必要とする場合は、配慮やサポートを受けやすいオープン就労=障害者雇用も検討すると良いでしょう。

・双極性障害と付き合いながら、理想の仕事や職場で働いている方も多くいらっしゃいます。双極性障害の方におすすめの企業や業界、職種には傾向がみられますので、同じ双極性障害の方の意見も参考にしてみましょう。


これまでにご紹介した口コミは、ほんの一部です。症状も人それぞれ、企業の対応もそれぞれ異なります。
まずはご自分の症状や、できることできないことについてまとめてみましょう。そして、自分にあった職場を自分のペースで見つけてください。

そして気になる企業の様子やサポートについては、事前に自分の目で確かめることが理想的です。求人票ではわからない企業の様子を知るためにも、ハローワークの専門スタッフに相談したり、人材紹介の専門アドバイザーと一緒に就職活動を進めたりするのも良いですね。

さまざまな企業の中で、あなたが幸せに働ける環境に出逢えることを、私たちは心から願っています。



※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
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監修者

精神障害者デイケアにて5年、スクールカウンセラーとして10年、発達障害者就労支援センターにて4年の経験を積み、現在は障害者就労移行支援事業所にてサービス管理責任者として勤務しています。著書『「がんばり屋さん」のこころのトリセツ』『【HSPの会社員】が自分らしく楽に働くトリセツ』『発達障害の人が「うまく」働いて幸せに生きるトリセツ』も好評。

保有資格

著者

障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。

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