【不安障害 転職】向いている職種や業界は? 280人の実体験調査から解説

不安障害の方の転職、向いている職種や業界を280人の実体験から解説

不安障害の方が転職を考えるとき、どのような仕事が自分に向いているのか、適職は何かと迷われることもあるのではないでしょうか。

今までの経験から、働くことに対して悩むことも多いことと思います。

同じ不安障害の方の中でも、仕事で苦労している方がいらっしゃる一方で、自分にあった仕事を見つけることで楽しく仕事が続けられているという話も耳にします。

今回は、働いている不安障害の方280人の方の体験談やアンケートから、不安障害の方が考える働きやすい職場、業界、職種を調査・分析したしました。

不安障害の方に人気の仕事や満足度の高い職場、おすすめの業界や職種など、実際の分析データとともにご紹介していきます。

不安障害といっても生活状況や働き方など悩みはそれぞれだと思います。ご自身の特徴などと見比べながら転職のヒントにしてみてください。

【この記事でご紹介するデータ】
調査期間:2018年2月~2020年4月
調査方法:弊社サイトUMBREから対象となる体験談を抽出
調査対象:働いた経験のあるの不安障害方の体験談280件
データ集計日:2020年8月7日
※体験談として記載された内容を分類し集計したデータを使用しています。


目次

1.不安障害の方にとって満足度が高い職場

2.不安障害の方の職場への満足度が高い理由

3.不安障害の方の職場への満足度が低い理由

4.不安障害の方が働いている業界

5.不安障害の方が働いている職種

6.不安障害の方が仕事探しで活用した求人サービス

7.まとめ

1.不安障害の方にとって満足度が高い職場

まずは満足度の高い職場について、その傾向をみてみましょう。
このグラフは、今回アンケートに回答してくださった不安障害の方の職場への満足度の割合を表したものです。

不安障害仕事満足度グラフ
※アンケート「あなたはその会社の就労環境に満足していますか?」を集計して割合を抽出


「とても満足している」が12%、「満足している」33%、「満足していない」、「全く満足していない」がそれぞれ19%、23%を占めていました。

傾向をみると、満足している方が45%、どちらとも言えないが36%、満足していない方が42%となり、やや満足している方の割合が多いようです。

2.不安障害の方の職場への満足度が高い理由

「職場に満足している」と回答した人は、どのような点に満足しているのでしょうか。上記のアンケートにて「とても満足している」、「満足している」と回答した人に、その理由を聞きました。

不安障害の方の満足度高い職場理由グラフ
※アンケート「あなたが答えた満足度について理由を教えてください」を分類しプラス評価している内容を集計して割合を抽出。10名未満の少数回答は除く。


2-1. 職場に対して満足している理由で最も多いのは「病気や障害に対して理解がある」

満足度が高い理由として挙げられたのは「不安障害に対しての理解」で、全体の1/4の方が答えています。

では、「不安障害に対する理解」という回答について、アンケートのコメントを交えながらもう少し詳しく見てみましょう。

アンケートには不安障害のある方の仕事に対する悩みも寄せられています。同じ不安障害といっても悩みは様々ですが、大きく分けると以下のような傾向がみられました。

①緊張を感じる仕事が苦手

「人前、特に目上の人や初対面の人の前で、過度の緊張や不安を感じ、発汗したり声が上ずったり頭が真っ白になってしまう。」
(マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンターテイメント系、デザイナー、男性)

「人と接すると緊張してしまう。電話をすると緊張してしまい、内容が飛んでしまうことがある。過剰な対人緊張から胃痛や頭痛、アレルギーの悪化を起こす。」
(サービス・外食・レジャー系、デザイナー・クリエイティブ、女性)

「人と関わることへの恐怖心がだんだん強くなってしまいました。接客中には、お客さんと目を合わせるのが怖くなったり、緊張して手元が狂ったりしました。」
(コンサルティング・専門サービス系 女性)

「伝票を入力などは全く問題がなかったのですが、電話での応対や急な注文等『予想外』な事が起こるたびにドキドキしてしまいました。」
(メーカー・製造系 女性)



②大勢の中にいることが苦手

「人前で食べられない。話すのがすごく苦手で食べると不安になり、吐きたくなる。自分から話せない。」
(メーカー・製造系、軽作業、女性)

「大勢の中に長時間いる事が困難であり、時には動脈硬化を起こし気絶する場合もあり。」
(IT・通信・インターネット系、男性)



③人の視線や評価が気になる

「人目が気になり、他人が自分のことをどう思っているのか猜疑心がある。」
(団体・連合会・官公庁、公務員、男性)

「会議室がやはり一番視線を感じ、社員会議の時凄い緊張して慣れませんでした」
(メーカー・製造系、公務員、女性)

「人の視線を過剰に気にしたり怯えたりするので、作業するところを人に見られていると緊張やこわばりで冷や汗をかいたりパフォーマンスが落ちます。」
(サービス・外食・レジャー系、男性)

「人の視線が怖いのでなるべく単独作業の仕事をしたいと思いました。」
(サービス・外食・レジャー系、エンジニア・技術職、男性)

④電車などの限られた空間が苦手

「バスや電車に乗ると心臓がドキドキしたり、吐き気をもよおしたりすることもある。」
(サービス・外食・レジャー系、男性)

「加害妄想が強く、電車に乗るのがとにかく辛かったです。電車を待つ間は『人を線路落とすのではないか』という不安があり、電車に乗れば今度は『周りの人から見て変な行動を自分がしていないか』という不安に苛まれとにかく辛かったです。」 (IT・通信・インターネット系、女性)



⑤体調不良や通院による休みや早退が必要

「不安のスイッチが入りやすく、一旦不安になると過換気症候群の発作が起きて、作業を中断していました」
(サービス・外食・レジャー系、教育、女性)

「調子のいい時は結構できるけど、調子を崩すと半日以上は休まないといけない。無理がきかない。」
(メーカー・製造系、人事・経理・総務・企画、女性)

「体調が急変し、パニック発作(不安発作)を発して家から出れなくなる、体中の痛みが発現し起床に支障が出て外出すらできなくなる。」
(その他、販売・接客・サービス、男性)

「朝起きてみないとその日の体調がわからないので予定を立てるのが難しい。」
(小売・流通・商社系、事務、男性)



このような個々の悩みを理解している上司や仲間がいる環境は、「不安障害に対して理解がある」といえるのかもしれません。 では、次は理解があると感じられた職場の様子をコメントからみてみましょう。

①緊張を感じる仕事に対する職場での配慮

「何かあった時のために、同じ時間帯の勤務人数を増やしてくださいました。また、不安が起きにくいようにポジションの設定や休憩の配慮もありました。」
(運輸・交通・物流・倉庫系、介護、女性)

「みんな理解してくれて、協力してくれた。電話を取らないようにしてくれた。」
(サービス・外食・レジャー系、販売・接客・サービス、男性)

「早朝の清掃業務は本来は一人勤務なのですが、私の障害のことを考えてサポートしてくださるスタッフさんと二人体制で仕事をしています。その方は私が従業員の方に仕事を依頼された時やお客様に何か質問をされた時などには私に代わって受け答えをしてくださいます。」
(サービス・外食・レジャー系、清掃、女性)



②大勢の中で行う仕事に対する職場での配慮

「食堂へ行く時間を私だけ早めにしてくれた。」
(メーカー・製造系、経理、男性)

「営業上相手にお願いして、待ち合わせは場所などは出来るだけ人通りの少ない場所と時間帯を選ぶようにしている。先方の取引先などへは前もって言ってあり、社員も極力打ち合わせなどには私をフォローしてくれるので助かる」
(IT・通信・インターネット系、男性)



③人の視線を感じないための配慮

「私の障害を理解していただき、なるべく接客業より自分に合ったキッチン作業をメインにしてもらいました。」
(サービス・外食・レジャー系、女性)

「工場内で人が多く広かったので、個室のような所で作業させていただいていました。」
(IT・通信・インターネット系、販売・接客・サービス、女性)



④通勤スタイルや通勤時間に対する配慮

「障害について調べて症状を把握してくれました。遠方への出張は時間を配慮してくれたり、交通機関も親身になって考えてくれました。」
(サービス・外食・レジャー系、教育、女性、)

「大勢の人間に囲まれることにも不安を感じるため、電車での出勤が辛い時はタクシーを使ったり、車での送迎をお願いしたりしていました。」
(その他、女性、)



⑤急な体調不良や通院による休みや早退への配慮

「有給使用や欠勤は、融通を利かせてもらえた。 体調が悪くなったときは、休憩をさせてもらっていたし、話を聞いてなだめてくれる職員もいたので感謝していた。」
(団体・連合会・官公庁、一般事務)

「自分の体調や通院に会った勤務スタイルを会社が公認してくれたり、通院に同行して一緒に状態を確認してくれたり、何よりコミュニケーションを大事にしてくれた。」
(運輸・交通・物流・倉庫系、販売・接客・サービス)



いかがでしたでしょうか。

行き過ぎた不安を感じることだけではなく、どのような状況が苦手でそれをどのように避けるべきか、共通認識ができている職場だと、働きやすい環境にぐっと近づくことがわかります。

周囲に理解を得るためにも、ご自身の症状や特徴を理解しておくことで、その可能性も高くなるのではないでしょうか。

2-2. 職場に対して満足している理由で次に多いのは「周囲の協力がある」「同僚や周囲との人間関係が良好」

満足している理由で次いで多かった「周囲の協力がある」「同僚や周囲との人間関係が良好」については、先ほど述べた「不安障害への理解がある」と直結してくる事柄になります。

理解があるから周囲の協力も得られる、周囲の協力が得られるからには人間関係が良好であるほうが望ましいからです。

重複しますが、先に述べた不安障害への理解がある職場での体験談は、周囲の協力が得られていることの具体的な例になりますので、周囲の方にお願いしたいサポートや配慮として参考にしてみてください。

また、このほかにも周囲の協力や人間関係の良さが感じられるコメントがあります。

「最初に不安障害があることを職場の皆さんに伝えて理解してもらうようにすると上司から話がありました。へんな目で見られるのではないかと心配でしたが、伝えることで私といった人物を理解していただき働きやすい職場をつくってもらった気がします。」
(サービス・外食・レジャー系、教育、女性)

「私の障害に対して理解及び配慮をしてくださいました。会社の社員の方だけでなく、一緒に働いているスタッフの方々も優しく接してくださり、私の障害のことを理解しようとしてくれています。優しい方ばかりなので、人付き合いの苦手な私でもとても働きやすいです。」
(サービス・外食・レジャー系、女性)



職場の温かい雰囲気が伝わってくるコメントですね。 特に不安障害の方にとって、大勢の中にいることや周囲から向けられる目は不安を増大させる要素の1つです。

優しく見守る様子や人間関係にストレスを感じない職場は、不安を和らげるので、働きやすい職場を求める際には重要視したいポイントです。

「職場の満足度が高い理由」に対するコメント全体を見ると、満足度が高い職場には、以下のような点があることがわかります。
    【不安障害の方が働きやすい職場とは】

    ■不安障害の方の個々の特徴を理解し、それに合わせた周囲のサポートがある職場
     →不安障害の方が避けたいまたは苦手とするものの一例
     ・緊張を感じる仕事
     ・大勢の人
     ・電車などの限られた空間
     ・周囲の視線や評価

    ■急な体調不良による休みや早退、通院による休みに対する配慮がある職場

    ■人間関係が良好でストレスを感じない職場

    ■温かな雰囲気の職場


転職や就活をする際、事前に職場の雰囲気や人間関係まで確認するのは難しいことかもしれません。しかし、職場見学や口コミ、実際に働いている方の話や転職や就活に関する専門のアドバイザーなどを活用して、少しでも情報を得られると安心ですね。

3.不安障害の方の職場への満足度が低い理由

「職場に満足していない」と回答した人は、どのような点に不満を感じているのでしょうか。前述のアンケートで「満足していない」、「全く満足していない」と回答した人のコメントを中心に、その理由を見ていきましょう。

不安障害の方の満足度低い職場理由グラフ


※アンケート「あなたが答えた満足度について理由を教えてください」を分類しマイナス評価している内容を集計して割合を抽出。10名未満の少数回答は除く。


3-1.職場に対する満足度が低い理由で最も多いのは、その他回答に多かった「企業への信頼の無さ」

満足度が低い職場の理由として一番多くあげられたのは「その他」です。 「その他」には理由項目に分類されなかった個々の少数意見が含まれていま
すが、そのコメントの中から傾向をみてみましょう。

「復職時の条件で正社員では雇えないこと、どうしても復職したいならパートからのスタートとなると言われました。結局復職時のステップ・環境が整えてもらうことができず、話し合いの結果会社側は対応できない、あなたはこの会社に合っていないと言われ、退職せざるを得なかったからです。」
(サービス・外食・レジャー系・医療・福祉・介護、女性)

「雇用に当たって、契約書などは一切なく、蓋を開けてみると現場で動ける人間は自分一人でした。なので、主治医の指示など関係なく、毎日15時間以上の勤務。でも、タイムカードは無し。接客だけでなく、細々した雑務を含めた全ての仕事を自分がやらないといけない状況でした。」
(サービス・外食・レジャー系、冠婚葬祭、女性)

「事務員としての時給で雇われているにも関わらず、塾でチューターとしても働くよう自宅での勉強を強制されたためです。」
(サービス・外食・レジャー系、教育、男性)

「体調をくずしても当日休みを取りやすい環境だが、昇給などを含めて会社の将来性がなさそう。」
(コンサルティング・専門サービス系 、エンジニア・技術職 、男性)



コメントからは、不安障害の方の不満要素として目立ったものに「企業への信頼の無さ」に関する回答がありました。

・復職すると待遇が悪くなりキャリアアップもできない
・入社前に話していた業務内容と実際の業務が違う
・勤務時間が大幅に増えている
・企業の将来性が不安

自分と会社との間でお互いの条件を納得した上で入社するものです。その条件に備えてご自身の体調をコントロールしたり、生活リズムを整えたりすることでしょう。また、不安障害とうまく付き合いながら働く見通しをたて、今後の暮らしについて予定を立てることもあるでしょう。

しかし、企業の考えが当初の話と変わってくると、企業や周囲の方への信頼が薄れてきます。信頼できないと心配ごとも増えてきますし、不安を抱えていると不安障害とうまく付き合いながら長く働くことが難しくなります。

そのためにも、条件や待遇など気になることをしっかり入社前に確認することが大切です。できれば書面でお互いが確かめられることが望ましいですね。

3-2.職場に対する満足度が低い理由で次に多いのは「仕事量が多い、期限に追われる」

次に多かった満足度が低い理由は、仕事の忙しさについてでした。コメントを見ながら、どのような状況がそれにあたるのか、詳しくみてみましょう。

「こちらとしては不安を抱く内容を面接時に説明していたにも関わらず、通常業務としてそれを組み込んできた事が非常に不満でした。それに対して、目に見える形で数字を残してしっかりと貢献したにも関わらずその評価をされなかったことも不満の一因でした。」
(小売・流通・商社系、専門商社、男性)

「スポーツジムで、顧客の健康管理の手伝いのような仕事をしているのに、従業員の健康は考えていないのではないかと思える長時間勤務。サービス残業。それにより自身の病気悪化。」
(サービス・外食・レジャー、レジャー・アミューズメント・フィットネス、女性)



これらのコメントは、前述の企業への信頼の有無にも通ずるものがあり、入社当初とは違う働き方を求められることが見て取れます。

不安障害とつきあいながら仕事をする場合、仕事内容や業務量が増えることはマイナス要素につながります。やりがいというよりも、不安や焦りを感じる可能性の方が高いからです。不安や焦りから緊張する場や人目が気になる状況にならないよう、気持ちにゆとりが持てる働き方が必要ですね。

    【不安障害の方が職場に不満に感じないために必要なこととは】

    ・働く企業は信頼できる企業であること
    ・余裕をもった働き方ができること


働いてみたら入社前の話と違うということが無いように、担当業務、待遇、制度など気になることは事前に確認し、お互い納得した上で働くようにしましょう。

4.不安障害の方が働いている業界

次に、不安障害の方が実際に働いている(働いていた)業界について見てみましょう。

不安障害の方が働いている業界の割合

※アンケート「働いているまたは働いていた企業を教えてください」で回答のあった企業を業界別に分類し集計して割合を抽出


業界の特徴としては、「サービス・外食・レジャー系」がそれぞれ約33%、「小売・流通・商社系」が約17%を占めています。

一見、「サービス・外食・レジャー系」「小売・流通・商社系」は、接客など緊張する場面が多く、不安障害の症状に影響を与えやすい業界にみえますが、働いている方が多くいらっしゃることが分かります。

では、多くの人が働いている業界は、働きやすい業界であると言えるのでしょうか。働いている業界ごとの満足度を見てみましょう。

不安障害の方が働いている業界別満足度


※アンケート「働いているまたは働いていた企業を教えてください」と「あなたが答えた満足度について理由を教えてください」をクロス集計して割合を抽出。ただし、答えた人数が10人未満の業界は比較対象外とした。


グラフから満足度の高い業界は「メーカー・製造系」の業界だとわかります。ついで「サービス・外食・レジャー系」「小売・流通・商社系」「不動産・建設・設備系」と続きます。

先ほどの、不安障害の方が多く働いている業界の「サービス・外食・レジャー系」「小売・流通・商社系」は満足度も高いことがわかります。

では、満足度が高い理由は何でしょうか?

4-1.満足度が高い業界

満足度が高い業界に寄せられたコメントです。
それぞれの業界に特徴がみられます。どのような特徴があるのかという点に注目しながらみてみましょう。

■メーカー・製造系

「月に一回健康管理室の保健師と面談を設定してもらえる。上司にも困っていることを相談できる。仕事量を控えめにしてもらっている。プレッシャーのかかる仕事はなるべくさせないようにしてもらっている。」
(住宅・建材・インテリア・エクステリア)

「福利厚生がよかった。給料も高かった。自分のペースで仕事ができた。」
(半導体・電子・電気機器、男性)

「給与、福利厚生がしっかりしているので安定して就業することができる。」
(化学・素材、男性)

「大手企業なので非常に施設が充実していて、福利厚生も正社員に準ずる形で提供されること。 服装がある程度自由で、個人的に徒歩数分の通勤が可能なのが非常に助かった。」
(総合電機929)

「休んだときに、会社の上司の態度は悪くなく、皆が真面目に仕事をしている雰囲気がありました。作業はひとりでやることもたくさんあって落ち着く時間があったのがよかったです。」
(食品・化粧品、女性)

「私が出来る範囲の仕事を出来る範囲でやらせて下さり、上司の方々もきさくでやさしく話しやすい。」
(その他)



メーカー・製造系は、福利厚生やお給料の良さなどから会社の従業員に対する姿勢について評価が高く、安心して働くことができる様子がうかがえます。

また個々の特徴を理解した上で、できる仕事や働きやすい環境を考慮していることが伝わってきます。

■サービス・外食・レジャー系

「シフトや勤務時間が自分にあっていて発作がおきる事は少なかった。」
(医療・福祉・介護、女性)

「私が勤めている会社は人を大切にしてくださっています。私のように障害があっても働きたい意思を尊重してくださり、何ができるかを一緒に考えてくれます。普通の人と一緒というわけにはいきませんが、それでも私ができることは任せてくれます。私にもできることがあるんだとそう思わせてくれます。」
(女性)

「バイトが始まると、一人での作業だったので、人間関係のストレスがあまりなかった事。」
(旅行・ホテル、女性)

「対人関係で問題を抱える私が、対人サービスの仕事を続けることができるのは、周りのサポートのおかげだと思うからです。」
(医療・福祉・介護、男性)



サービス・外食・レジャー系も、先述のメーカー・製造系と同じく、個々の特徴を理解した上で、できる仕事や働きやすい環境を得られやすいことがわかります。

中には苦手な対人サービスができるようになったのは周囲のサポートのおかげだといううれしいコメントもありました。
できる仕事だけでなく、できない仕事に対しても周囲のサポートによりできるようになると、仕事や自分に対する自信につながりますね。

また、勤務形態にシフト制を取り入れている会社も多いことから、朝が苦手という方には、体調が整う時間を選択して仕事ができるので自分のペースにあっているのかもしれません。

■小売・流通・商社系

「自分が完璧に仕事をしようとする性格だったために自分自身で心を追い込んでしまったのですが、同僚のフォローや自分の社会経験において凄く勉強になったからです。」
(百貨店・量販店、男性)

「店長さんが病気に対しての理解を深く持っていてくださっていたので、自分の体調を考慮しシフトの調整などをしてくれたり常日頃から声がけや気を使っていただけました。」
(販売・接客・サービス、男性)

「社会不安障害を抱える自分には静かな倉庫内での仕事は大変助かり、長期間働くことができた。」
(通販・EC、女性)



小売・流通・商社系は、オフィスだけでなく店舗や倉庫などで仕事を行うこともあります。店舗は同じ店舗で働く仲間がチームとなって仕事を遂行するため、人間関係は特に重要視すべきポイントになります。

また、倉庫などのバックヤードでの仕事は接客が苦手な方でも始めやすい仕事ではないでしょうか。人の視線が気になる、緊張しやすい、大勢の人が苦手という方には、コメントにもあるように静かで周りを気にせず働ける環境の1つといえるのではないでしょうか。

■不動産・建設・設備系

「営業所に人が少ないので、気を使わなくて済む事と、マニュアル化された仕事なので、覚えるのが簡単でした。」
(建築、建設・設計・土木、女性)

「大変暖かい社風の中安心して仕事をすることができました。多くの方の支えのもと仕事を楽しんでいけたのは私にとっても大変ありがたかったのです。そのような中で段々と自分の仕事に対する意欲ややる気も回復していきましたので楽しんで仕事をすることができたのです。そのような中で、普段から楽しんで仕事を行っていくことで素晴らしい時間を職場で過ごすことができました。」
(男性)



不動産・建設・設備系は、大手ゼネコンから街の不動産まで事業規模も様々。そのため一概には言えませんが、緊張や気遣い、ストレスを感じることなく仕事ができる環境もあるようです。

たとえば、大勢の人の中に居ることが苦手な方には、少人数で運営する営業所のほうが気が楽かもしれません。また人からの評価が気になってしまう方は、周りのサポートや支えに頼りながら慣れていくことで、自身につながることもあります。

中にはやる気が回復して仕事が楽しくなったといううれしいコメントもあります。ぜひ、不安障害の方だけでなく、一緒に仕事をする周囲の方々にも読んでいただきたい内容です。

業界といっても様々な企業がありますので当てはまるものばかりではありませんが、不安障害の方が転職や就活を行う際は、ぜひ参考にしてみてください。

5.不安障害の方が働いている職種

アンケートにて、不安障害の方が働いている(働いていた)職種について尋ねた結果は、次のグラフの通りです。

不安障害の方が働いている職種の割合

※アンケート「どのような仕事を担当していましたか」で回答のあった担当業務をもとに職種別に分類し集計して割合を抽出


不安障害の方が働いている職種で多い職種は「販売・接客・サービス」が約21%でした。 2番目以降に多い職種は「事務」約17%、次いで「軽作業」約13%と続きます。
これら3つの職種を合わせると、半分以上を占めているのも興味深い結果です。

そして、この3種類の職種を比べると、対人コミュニケーションの有無など性質に違いがあります。性質の違う職種ですが、満足度には違いがあるのでしょうか?

次に、職種別にそれぞれの満足度を比べてみましょう。

不安障害の方が働いている職種別満足度グラフ


※アンケート「どのような仕事をされましたか?」と「あなたが答えた満足度について理由を教えてください」をクロス集計して割合を抽出。ただし、答えた人数が10人未満の職種は比較対象外とした。


満足度が高い職種は「人事・経理・総務・企画」が挙げられました。「とても満足している」「満足している」と回答している方が半数以上います。他の職種と比べても満足度の高さが際立って高い結果となっています。

そして次に満足度が高いものは「軽作業」となり、「販売・接客・サービス」と続きました。

不安障害の方が多く働いている職種ベスト4が、満足度ベスト3に入っているということは、満足度が高いから人気もあるといえるかもしれません。

では、どのような点が評価されているのでしょうか?コメントをみてみましょう。

■人事・経理・総務・企画

「月に一回健康管理室の保健師と面談を設定してもらえる。上司にも困っていることを相談できる。仕事量を控えめにしてもらっている。プレッシャーのかかる仕事はなるべくさせないようにしてもらっている。」
(メーカー・製造系、住宅・建材・インテリア・エクステリア)

「何か気になることもが相談できる状態で、定期的に面談として、自分のことを話せる時間を設けている、だけでなく障がいに関わらず、健常者でも、パワハラなどの対策として匿名でも、相談・対応してもらえる電話・メールのホットラインも設けているため」
(小売・流通・商社系、専門商社)



これら「人事・経理・総務・企画」の職種で働く方のコメントには、相談できる環境があるという共通点がみられます。

コンプライアンスや労働環境について企業をとりまとめていく部署は多くの場合「人事・経理・総務・企画」になります。

その部署の方々が、不安障害の方と働くことで、より障害や病気をお持ちの方の気持ちや悩みを感じやすいということは傾向としてあるのはないでしょうか。
率先して企業全体の取り組みを担っていく部署であれば、従業員も要望を伝えやすく、反映されやすいことで、働きやすさにつながっているのかもしれません。

■軽作業

「1度にたくさん仕事を任せずに少しずつ増やしてくれました。」
(小売・流通・商社系、百貨店・量販店

「その日の体調に合わせた仕事をさせてくれる こまめに休憩を取らせてくれる」
(サービス・外食・レジャー系、人材)

「同僚達の中には自分と同じような障害を持つ方が多く在籍しており、他の社員の方たちも私たちの事を事前に聞かされていたのか積極的に休みを入れるように作業中も話しかけてくれた。優しい人が多く、怒鳴り声をあげる人はほとんどいませんでした。」
(メーカー・製造系、自動車・運輸・輸送機器)



軽作業の職種で働く方々のコメントからは、自分のペースで仕事ができる様子がわかります。これも、不安障害への理解があって得られる配慮ではないでしょうか。特にその日により体調が異なる不安障害の方にとって、仕事の締め切りなどを気にしなくてよい働き方は、長く続けるためにも必要ですね。

■販売・接客・サービス

「病気や障害の有無にかかわらず、たとえば「人前が苦手」「機械操作が得意」といった個人の得手不得手を、自然とみんなが活かしてポジションなどを決めてくれる雰囲気があったので嬉しかったです。私は自分が焦ってしまうレジが苦手だったので、周りは配慮してくれていました。」
(サービス・外食・レジャー系、レジャー・アミューズメント・フィットネス)

「勤務時間・出勤日数に特に配慮してくれた。医師の「過労を止めるように」のアドバイスから業務量を減らしてくれたり、お客様と対話する時間を調整してくれたりして、効率の良い場所で勤務ができたと思う。」
(運輸・交通・物流、倉庫系)



販売・接客・サービスといった職種には、いろいろな担当業務があるため、必ずしも人とコミュニケーションをとらなければならないというわけでもなさそうです。

できることから進めて、少しずつその場の雰囲気や人とのコミュニケーションに慣れていくという方法もあります。そのためには、やはり周囲の協力が必要です。
まずはご自分の不安障害について理解して、どのようなサポートがあるとうれしいのか、それを伝えることは仕事への意欲を伝えることにもなります。協力を得ながら少しずつ、少しずつできることが増えていくと良いですね。

6.不安障害の方が仕事探しで活用した求人サービス

これまで、アンケート結果を基に、不安障害の方で働いている(働いていた)方のリアルな本音を見てきました。

それでは、アンケートに回答してくださった方は、どのようにしてその仕事に就いたのでしょうか。

不安障害の方が実際にどのような求人サービスを活用して就職したのかについて尋ねた結果は、次の通りです。

不安障害の方が利用した求人サービス割合

※アンケート「どのようにその職場を見つけましたか。就職までに利用したサービスがあれば教えてください。(複数回答可)」の有効回答218名による267件を集計して合計人数を算出


最も多く利用された求人サービスは「ハローワーク」で約47%、次いで「求人メディア」が約27%、「人材紹介会社」が約20%と続きます。

ハローワークを利用した方は、具体的にどのような点をメリットと感じたのでしょうか。アンケートのコメントを見ていきましょう。

■ハローワーク

「ハローワークの能力開発機構による設計のための勉強を半年間受けた。それにより得た知識が就職の際に大変役に立った。」
(コンサルティング・専門サービス系、エンジニア・技術職、男性)

「ハローワークの職員さんに履歴書を添削してもらったり、面接での受け答えの練習をしてもらったりしました。」
(小売・流通・商社系、事務、女性)



▼参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

その他にも、利用できるサービスを活用していくことで、転職のチャンスをつかんでいる方がたくさんいます。

最近は、障害のある方専用の転職、就職サービスも多くあります。障害の特性を理解し田植えで相談にのってくれるなど、専門窓口ならではの手厚いサービスを受けられるほか、障害者雇用枠などの求人情報も多く扱っています。

活用している方が多かった「人材紹介会社」もその1つです。

■人材紹介会社

「面接の時のアドバイスやフォローをしてもらいました」
(IT・通信・インターネット系、販売・接客・サービス、女性)

「履歴書・職務経歴書の作成にあたり、アドバイスをしていただきました。面接の練習もあったように記憶しています。」
(IT・通信・インターネット系、人事・経理・総務・企画、女性)



最近は、専門的な知識や経験豊富なアドバイザーが相談に応じる障害や病気をお持ちの方専用の人材紹介会社もあります。ひとりで1からはじめる就活や転職活動とは違い、相談しながら一緒に取り組めるのは心強いですね。

7.まとめ

いかがでしたか?アンケートのコメントをヒントに、不安障害の方にふさわしい働き方を様々な角度から分析してみました。ここでもう一度おさらいしましょう。

■満足度の高い職場の傾向

不安障害の方は、不安を感じやすいものや状況などそれぞれ特性が異なります。個々の特性を理解し、それぞれに合わせた周囲のサポートがある職場は満足度の高い職場と言えます。 不安障害の特性としては、「緊張を感じる仕事や場面」「大勢の人の中にいること」「電車などの限られた空間」などが苦手な方や、「周囲の視線や評価」が気になる方など、さまざまな傾向がみられます。

また、急な体調不良を生じることもありますので休みや早退に対する臨機応変な対応、通院のための休みへの配慮の有無も確認したいポイントです。

そして、サポートを得るからには人間関係が良好な職場環境が求められます。周りの目や評価を気にすることなく働ける温かな雰囲気に働きやすいさを感じるという声は、満足度が高いと答えた多くの方から聞かれた言葉でした。

■満足度の低い職場の傾向

不満を感じると答えた方からは、企業への信頼度の低さに関するコメントが多く聞かれました。入社前に聞いていた話と違う業務内容や時間外労働など、担当外の仕事を行うことは、焦りや不安につながります。そして積み重なることで大きなストレスになっていきます。

不安障害の方にとり、ストレスを抱えながら仕事をすることは症状を悪化させることにもなりかねません。できるだけ余裕をもった働き方が望まれます。

■満足度の高い業界の傾向

満足度の高い業界としては「メーカー・製造系」「サービス・外食・レジャー系」「小売・流通・商社系」「不動産・建設・設備系」が挙げられました。

それぞれに共通して見られたのは、企業が不安障害の個々の特性を理解したうえで、やりやすい仕事、働きやすい環境を考慮している点でした。

また「メーカー・製造系」は福利厚生や制度などが充実しているとのコメントが目立ちました。さらに「サービス・外食・レジャー系」「小売・流通・商社系」は、特性を生かした仕事だけでなく、接客などの苦手な仕事に対しても周囲のサポートがあることでできるようになり自信につながったといううれしいコメントもみられました。

■満足度の高い職種の傾向

満足度が高い職種は「人事・経理・総務・企画」「軽作業」「販売・接客・サービス」が挙げられました。

「人事・経理・総務・企画」については、コンプライアンスや労働環境について企業をとりまとめている部署であることから、不安障害の方の働き方にも親身になって聞いてくれる傾向がみられます。

「軽作業」は自分のペースで仕事ができることが評価の高い理由でした。急な体調不良でも仕事の進捗状況に不安を感じることなく休みや休憩ができる環境は、不安障害と付き合いながら長く働くためには必要です。

「販売・接客・サービス」は、一見、対人コミュニケーションがあることで苦手な職種のように思われました。しかし、さまざまな担当業務があり、できることから始められることで少しずつ仕事に慣れていくことができるようです。

■活用した求人サービスの傾向

不安障害の方が最も活用した求人サービスは「ハローワーク」でした。ハローワークは障害者専用の窓口があり、履歴書や職務経歴書の添削や面接の練習も行ってくれます。何をどのように始めればよいかと考えている不安障害の方にとっては、心強い味方になってくれます。

また、同じようなサービスに障害者専用の人材紹介会社があり、こちらも専門の知識をもったアドバイザーの力を借りながら就活や転職活動を進めることができます。

何をすればよいか、どうやって求人を探せばよいか迷ったら、専用のサービスを活用してみてください。

不安障害の方280人のコメントからは、多くの悩みも聞かれましたが、ご自身で工夫をすることで一歩前へ進みながら仕事をしている方や、理想の職場を見つけて周囲の理解を得ながら仕事を続けている方もたくさんいらっしゃいました。

就職や転職を考えているけれど不安がある方は、不安障害と付き合いながら仕事をしている方の声に耳を傾けてみてください。ヒントになる言葉がみつかるかもしれません。
理想の仕事に出会えることを応援しています。

▼「不安障害」をオープンにするかクローズにするか?仕事探しのポイント
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