車いすを利用している方78人の実体験を調査。転職に向いている仕事は?

車いすを利用している方78人の実体験を調査。転職に向いている仕事

車いすを利用している方は、今よりも向いている仕事(適職)や続けられる仕事と求めて、転職を考えることがありませんか?

仕事で苦労している方がいらっしゃれば、自分に向いている仕事を見つけることで楽しく仕事が続けている方もいます。

今回は、車いすを利用しながら働いている方78人の口コミから、働きやすい職場、業界、業種を調査・分析しました。

車いすを利用している方に人気の仕事や満足度の高い職場、おすすめの業界や業種など、実際の分析データとともにご紹介していきます。
障害者雇用の専門家 中村旬さん(社会福祉士)にもアドバイスをいただきました。

車いすを利用していることは同じでも、生活状況や働き方などにより悩みはそれぞれだと思います。ご自身の特徴などと見比べながら、転職を成功させるためのヒントにしてみてください。

*この記事は中村旬さんに監修していただきました
中村旬さん

社会福祉士(ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、介護支援専門員。製薬会社にて勤務したのち社会福祉士の資格を取得、専門学校教職員を経て、協同組合にて通所介護事業所の管理者・生活相談員や福祉用具貸与事業所福祉用具専門相談員、生活困窮者支援員を経験。精神障害のある方を対象にした介護職員初任者研修を運営し、講師も務めた。現在はコミュニティ施設運営、放課後等デイサービス運営、介護職員初任者研修講師等。「月刊デイ」への寄稿や社会福祉士全国大会での発表経験あり。


【この記事でご紹介するデータ】
調査期間:2018年2月~2020年4月
調査方法:弊社サイトUMBREから対象となる口コミを抽出
調査対象:働いた経験のある車いすを利用している方の口コミ78件
データ集計日:2020年8月24日
※口コミとして記載された内容を分類し集計したデータを使用しています。


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目次

1. 車いすを利用している方の職場に対する満足度

2. 車いすを利用している方にとって満足度が高い職場

3. 車いすを利用している方にとって満足度が低い職場

4. 車いすを利用している方におすすめの業界

5. 車いすを利用している方におすすめの職種

6. 車いすを利用している方の転職活動の進め方

7.専門家からのアドバイス

8. まとめ

1. 車いすを利用している方の職場に対する満足度

まずは満足度の高い職場について、その傾向をみてみましょう。

車いすの方の仕事満足度
※口コミの項目「あなたはその会社の就労環境に満足していますか?」を集計して割合を抽出



このグラフは、口コミを投稿してくださった方の「職場に対する満足度」の割合を表したものです。

  • とても満足している 15%
  • 満足している    41%

  • 満足していない   9%
  • 全く満足していない 10%
という結果になりました。
半数以上の方が職場に対して満足していることが分かります。

それでは「満足度が高い職場」には、どのような特徴があるのでしょうか?

2. 車いすを利用している方にとって満足度が高い職場

次のグラフは、車いすを利用している方が「職場に対する満足度が高いと述べた理由」を集計した結果です。

車いすの方の職場満足度が高い理由
※口コミの項目「満足度の理由」を分類しプラス評価している内容を集計して割合を抽出。5人未満の少数回答は除く。


満足度が高いと感じる理由①「施設や設備が整っているから」

車いすを利用する方が働く際には、職場の施設や設備が働きやすいよう整っていることが必要不可欠です。トイレやちょっとした段差、道の広さなど一般の方には何ともないことでも、車いすを利用している方にとっては働きやすさに直結します。施設や設備が整っていることは、職場の満足度が高い職場の必須条件と言えるでしょう。

それでは、「施設や設備が整っている」職場に関して寄せられたコメントを見ていきましょう。

上司に相談しトイレを改造。車椅子で働きやすい環境にして頂いた。
自動車・運輸・輸送機器、エンジニア・技術職

バリアフリーで車椅子動線が確保され、病気についての理解があった。
医療・福祉・介護、福祉関係、男性

物を片付ける場所とレイアウトの変更。座席は車椅子で移動しやすいところにある。
団体・連合会・官公庁、一般事務、女性

設備やスペースには不自由がなく、通勤手段も自家用車の利用が認められている。
化学・素材、軽作業、男性



以上のコメントから、「施設や設備が整っている職場」とは以下のような職場だとわかります。

  • 車いすでも利用しやすいトイレがある
  • 職場内をスムーズに移動するための動線が確保されている
  • 物の置き場所やレイアウトが工夫されている
また、車いすを利用している方は、通勤に関する悩みを多く挙げています。職場内の設備が整っているだけでなく、車通勤の可否や職場までの距離なども重要になりますね。

一つめに紹介したコメントで「上司に相談しトイレを改造。車椅子で働きやすい環境にして頂いた」というものがありました。働きやすい環境が整っていない場合は、車いすの方の雇用に合わせて設備の改装を施してくれるのが理想ですが、全ての職場でそのような対応ができるとは限りません。

しかし、工事を伴う大規模な改装ができないとしても、物の配置や周辺の動線を確保してくれるなどの対応があるかどうかは、満足度の高さにつながります。

次に、満足が高い職場の2番目の理由について見ていきましょう。



満足度が高いと感じる理由②「病気や障害に対して理解があるから」と「周囲の協力があるから」

まずは病気や障害に理解がある職場について寄せられたコメントを見ていきましょう。

私は車椅子を使っていました。通勤も車椅子だったので、ラッシュのときには乗れません。そのため、仕事の時間を遅らせてもらいました。
運輸・交通・物流・倉庫系、コールセンター、オペレータ、女性

昼休みは大変混み合うので、昼休みを10分早く取っていいと言ってくれた。
メーカー・製造系、オペレータ、エンジニア・技術職

できることとできないことの線引きをしっかりしてくれました。そして私自身の仕事への想いなどをしっかり聞き、配慮してもらえました。
サービス・外食・レジャー系、人事・経理・総務・企画、男性

突然休むこともありましたが、上司が病気を理解してくれていたので、次に出勤しても嫌な顔をするどころか体調を気遣ってくれました。
小売・流通・商社系、女性

長時間、車椅子に座っていると疲れてくるので、休憩を20分×3回などの短い休憩に分けて、休憩をとる回数を増やしてくれました。
サービス・外食・レジャー系、女性



これらのコメントからは、以下のような「車いすを利用していることで生じる仕事上での悩み」が挙げられています。

  • 通勤手段が限られ、天候や時間帯によっても左右されてしまう
  • ランチタイムなど混雑時の移動が困難
  • 病気や障害の都合上、どうしても苦手な仕事が発生する
  • 急な体調の変化や通院で欠勤せざるを得ない場合が
「病気や障害に理解がある」職場で働いている方のコメントからは、このような悩みに対して理解を得られ、それに対して具体的な配慮を受けていることが分かります。

例えば「通勤が困難」という悩みに関しては、「通勤時間を遅らせてもらうことで混雑を避けられた」、「マイカー通勤を例外的に認めてもらった」という声も寄せられています。加えて、出勤時だけに限らず、お昼時や退勤時にも混雑を避けられるような配慮があれば、なお嬉しいですね。

車いすを利用している方には、その特性上、どうしてもできない仕事や苦手な作業もあります。また、体のどこに障害があるかによってもできる仕事が異なってきます。「車いすを使っている」と一括りに考えるのではなく、その人がどのような症状で車いすを使っているのか、どんな仕事ができるのかを理解してくれる職場であれば、働きやすさは格段に上がります。

さらに、通院や急な体調の変化による休みに対して、理解があるかどうかも重要なポイントです。病気で仕事を休むことに関しては、以下のようなコメントも寄せられました。

障害があっても、発症しても、休職しても、基本的に待遇は変わらず復職できる。
IT・通信・インターネット系、エンジニア・技術職、男性



休みを取ることができるのは大事ですが、それによって給料が下がることや、簡単な仕事しか任せてもらえないのであれば本末転倒です。「休まざるを得ない」という事情を汲んだ上で、ただ休ませてくれるだけでなく、待遇面でのサポートもあることが重要ですね。

次に、満足度が高いと感じる理由周囲の協力があることについて見ていきましょう。

決まったデスクがなく、毎回デスクが変わりますが、私に関しては足の負担を感じさせない場所に決めされてくれた。周囲の方のサポートがあり、働きやすかったです。
シンクタンク・リサーチ・マーケティング、女性

座ったままできる仕事を常に振ってくれたり、やむを得ず移動を伴うときには作業を変わってもらえたり、車いすを押してもらえたりと、気遣いや配慮をしてくれました。おかげで、他の方と変わらない心持ちで仕事をしていくことができました。
外食・フード、人事・経理・総務・企画、女性

身体の状態を理解し、室内事務を優先させてくれました。移動をともなうものは、できる範囲で協力していただいた。
医療・福祉・介護、男性

最初の頃は身体に負担がかからないように週2日午後からの出勤で、それ以外の日は在宅勤務でした。褥瘡で一か月寝込んでからは、すべて在宅勤務にしてくれました。
WEB・インターネット、エンジニア・技術職、男性



車いすを利用しながらの仕事には、一人ではできない業務もあります。できること、できないことを考慮して業務を割り振りしてくれる職場であれば、やりがいを持って働けるのではないでしょうか。

できない仕事があることで、周囲に負担をかけているのではないかと感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、その分できる仕事に力を注ぎ、職場の一員として最大限に能力を発揮することが大切です。

もしサポートが必要なことや、サポートがあればできる仕事がある場合は、上司や職場の同僚へ相談してみましょう。その際の伝え方にもポイントがあるようです
具体的には、このようなアドバイスがありました。

自分の障害を踏まえ、自分のことを的確に把握しておくこと。そして的確に把握した自分のことを、会社の担当者に細かく説明できること。さらに、アクシデントが生じたときは、どのように対応してほしいかをきちんと伝えること。 伝えるときは、会話に加えて、わかりやすく説明できる書面も準備した方がよい。そして担当者が、書面を見て感じたことを質問することも想定します。自分のことを自分が把握して、職場がスムーズに理解できるための環境づくりも大事だと思う。
メーカー・製造系、医療・介護・福祉



確かに周囲のサポートを得るためには、前にも述べたように「障害への理解」を得ることが必要です。そのためには、自らの症状の特徴、万が一の際にどのようなサポートが必要かを伝えておくことが重要です。職場の同僚も安心して仕事ができますし、自分にとって働きやすい環境づくりの一歩へつながります。

さらにコメントでは、「在宅勤務の可否」についても述べられていました。車いすを利用している方にとって通勤は大きなハードルの一つです。特に、悪天候の日の通勤はより困難だという声も多くあります。しかし、在宅勤務ができる職場であれば天候や体調に合わせて働けるため、通勤に対する悩みも減らせます。

以上のグラフデータやコメントから、満足度の高い職場の特徴をまとめます。

【満足度が高い職場の特徴】

  • バリアフリーなどの施設面が整っている
  • 病気や障害への積極的な理解と配慮がある
  • 車いすの方が自らの役割をしっかり果たせるような周囲の協力がある
もちろん職場の支援を期待するだけではなく、どんな支援があると働きやすいのかといった具体的な相談を、面接等でしっかり伝えておくことも重要ですね。

満足度の高い職場の様子から理想の職場について見てきましたが、より自分の求める企業を見極めるためにも、次は「満足度が低い職場の特徴」についても紹介していきます。

3. 車いすを利用している方にとって満足度が低い職場

19%を占めた「満足度が低い職場」にはどのような特徴があるのでしょうか?グラフを見ていきましょう。

車いすの方の職場満足度が低い理由


※口コミの項目「満足度の理由」を分類しマイナス評価している内容を集計して割合を抽出。4人未満の少数回答は除く。


満足度が低いと感じる理由①「施設や設備が整っていないから」

「満足度が高い職場」の特徴として挙げられた1番の理由は施設や設備が整っている」でしたが、逆に施設や設備が整っていない職場は、満足度が低くなってしまうことが分かります。

それでは施設や設備が整っていない職場とは、具体的にどのような職場なのでしょうか?寄せられたコメントを見ていきましょう。

仕事先の建物が古くて、オストメイト・多目的トイレではなく、ただの車椅子用トイレで微温湯がでない。手指の洗浄・消毒に影響する。
ビジネスコンサルティング、医療・介護・福祉

比較的大きなビルだったのですが、エレベーターが2基しかなく、出社時や昼休みは結構エレベーターの利用者が多かったため、車椅子の自分は利用をはばかられました。
ソフトウェア・ハードウェア開発、デザイナー・クリエイティブ、男性

車通勤は偉い方のみ許可されていましたが、車椅子なので車通勤を認めてもらえた。一流企業の床はカーペットがひいてあり、タイヤに絡み移動が大変だった。
デザイン・出版・印刷、経理、男性



部屋の移動やトイレ設備などは、車いすを利用している方にとって大きなハードルとなることも多いようです。特に、建物が古くバリアフリーが整っていない職場や、物が多くて動線を確保できていない職場での移動は、車いすを利用している方にとっては大きな負担となります。

また「カーペットがタイヤに絡み大変だった」というコメントがありましたが、これは車いすを利用した生活をしていないとなかなか気付けない悩みでしょう。気づきにくい悩みに対しても、積極的に働きかけてくれる職場であれば、職場に対する満足度も高くなります。そのためにも、意見や考えを言える制度があることや、風通りの良い職場であることが大切ですね。

次に「満足度が低い職場」の2番目の理由について見ていきましょう。

満足度が低いと感じる理由②「ハラスメントや叱責を受けたから」と「病気や障害に対して理解がないから」

「職場への満足度が低い理由」の2番目として挙げられたのはハラスメントや叱責を受けたから病気や障害に対して理解がないからで、ともに15%を占めていました。

どんな方でも、ハラスメントが日常的にある職場で働くのは苦痛に他なりません。特に、ハラスメントの要因が車いすの利用に起因している場合は、配慮の有無どころか、全く理解を得ることができないため、そのような職場で働き続けることは難しいでしょう。

それではハラスメントや叱責を受けたについて寄せられたコメントを見ていきましょう。

わざと通路の狭いところを通らないと外に出られないところに配属された。そして、車椅子がないと仕事できないのか、トイレには行けないのかといわれることもあった。ここには書ききれません。
一般事務

障害があるからか、理不尽に怒られたりきつく怒鳴られたりした。
食品・化粧品、軽作業、男性

病気が酷くなり、休みが多くなると退職の話が出る。トイレに行くと、サボっているように思われる。
半導体・電子・電気機器、軽作業、男性



車いすを利用していることで、できない業務があることは仕方がないことです。誰しも得手不得手な仕事があることと同じです。しかし、そのことに対して理不尽な叱責をする、退職を迫るという職場があるのは、信じがたいことではありますが現実のようです。

とはいえ、このような会社はどんな人でも働きづらい職場であることが想像できますし、本当に良い仕事ができるかどうかは疑問です。このような職場であるかどうかは、働いてみないとわからないこともありますが、就職前にできる限りの情報収集を心がけることも大切です。職場見学や口コミを確認するほか、ハローワークや人材紹介会社を利用していればアドバイザーに相談してみることもおすすめです。

次に、病気や障害に理解がない職場について、寄せられたコメントを見ていきましょう。

他人の痛みには皆鈍感なので、周囲は私の痛みを演技だと思っている。
外食・フード、男性

設備は良かったのですが、能力やスキルを理解してもらえず上手く仕事ができないことも多かった。
団体・連合会・官公庁、女性



一つ目のコメントは「他人の悩みを尊重することができない」様子が受け取れる、残念な職場です。車いすを利用している方は、それぞれ理由も症状も違いますが、職場の同僚や理解に乏しい方には、みな同じように映ることもあります。
あらぬ誤解を防ぐためにも、まずはご自分のことを理解してもらえるよう、理由や症状について詳しく伝えることを検討してみても良いかもしれません。

例えば、「ご自身の症状やそれに伴いできること、できないこと、サポートがあればできること」を伝えることは有効です。また、できることを伝えるときは、単に「できる」ことを伝えるだけではなく、どのようなスキルがあるのかを具体的に把握してもらうことも大切です。

車いすを利用していることに対する理解が曖昧であると、職場の同僚もどのように対応すればよいかわからず、結果としてなんとなく腫れ物のように扱われてしまうこともあります。正しい理解をもった上で、どのような仕事ならできるか、どのようなスキルがあるかに応じて適切な業務配分を行ってくれる職場であれば、必然的に満足度は高くなります。

もちろん、言いたいこと、言いたくないこともあると思います。無理のない範囲で自分のことを伝えてみましょう。


以上のグラフデータやコメントの内容から、満足度の低い職場の特徴をまとめます。

【満足度の低い職場の特徴】

  • 職場の設備が整っていない
  • 車いすを利用していることに対するハラスメントがある
  • 症状に対して理解を得られない
  • 自分のスキルを理解してもらえず能力を発揮できない
  • 「満足度の高い職場の特徴」では、これらとは反対の特徴が取り上げられていました。
    「施設が整備されているか」「病気に対して理解があるか」といった条件は、車いすを利用している方にとって、とても重要なポイントであることがわかりますね。

    ここまでは、車いすを利用している方が考える職場の満足度とその理由について紹介してきました。次は、働いている業界についてグラフをもとに解説します。

    4. 車いすを利用している方におすすめの業界

    車いすを利用している方は、どのような業界で働いているのでしょうか。まずはグラフを見てみましょう。

    車いすの方が働いている業界の割合

    ※口コミの項目「働いているまたは働いていた企業」で挙がった企業を、業界別に分類し集計して割合を抽出


    車いすを利用している方が働いている業界は、以下のような結果となりました。

  • サービス・外食・レジャー系 25%
  • メーカー・製造系 22%

  • これらの業界の満足度はどうなっているのでしょうか?

    車いすの方が働いている業界別満足度


    ※口コミの質問「働いているまたは働いていた企業」と「満足度の理由」をクロス集計して割合を抽出。ただし、答えた人数が7人未満の業界は比較対象外とした。


    満足度が高い業界は以下の通りでした。

  • サービス・外食・レジャー系 70%
  • 小売・流通・商社系 63%

  • 一方で、2番目に働いている方が多かった「メーカー・製造系」の満足度は、44%と半分以下に留まっています。必ずしも働いている人数と満足度が比例するわけではないようです。

    4-1. 車いすを利用している方の満足度が高い業界

    まずは、最も働いている人数と満足度が高かったサービス・外食・レジャー系の業界で働いている方のコメントを見ていきましょう。

    患者さんの生活と生命をあずかる意識の高い職員。その都度の密なミーティングの開催。建設的な意見交換。それに加えて、障害者用トイレ、エレベーターなど、ハード面・設備などが充実していた。
    サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、男性

    本来は店舗のホールを経験しなければならないのを免除してもらった。仕事も基本的にパソコンと向きあう事務作業で、移動を伴わない仕事。気にかけて配慮してもらえています。
    サービス・外食・レジャー系、経理、男性

    事前に障害についてお伝えしていたため、色々な場面で他の職員の方に助けていただきました。また特別支援学校という環境だったこともあり、車いすで使用できるトイレ、広い廊下など施設面が整っていました。
    サービス・外食・レジャー系、女性 



    「サービス・外食・レジャー系」の業界には医療や福祉に関する仕事が含まれています。そのため、他の業界よりも、職場のバリアフリー化や障害への理解があるというコメントが多く寄せられました。

    また、飲食店のような仕事でも、表の仕事を免除し裏方に徹してもらう、といったそれぞれの役割に集中できるような配慮を受けているという声もありました。

    「サービス・外食・レジャー系」業界の満足度が高くなっている理由は比較的、他の業界よりもバリアフリーが行き届いていて、車いすの方が担うべき役割をはっきりさせている職場が多いからでしょう。

    次に、2番目に満足度が高かった小売・流通・商社系の業界について寄せられたコメントを見ていきましょう。

    ハード面を整えて下さいました。状況に応じて、無理のない範囲で仕事と勤務時間の調整をしていただけました。
    小売・流通・商社系、女性

    フレックス制度により、出社時間をずらしてもらいました。また雨の日は、他の社員が最寄りの駅から会社までサポートしてくれます。
    小売・流通・商社系、男性



    「小売・流通・商社系」の業界では、自身の状況に応じて柔軟な働き方ができたという声が多く寄せられました。特に、車いすを利用している方にとっては通勤の苦労が多くあります。勤務時間をずらすことができる職場や、フレックス制を導入している職場であれば、働きやすいのではないでしょうか。

    反対に、満足度が低い業界ではどのような意見が寄せられたのでしょうか?

    4-2. 車いすを利用している方の満足度が低い業界

    上のグラフを見ると、最も満足度が低い業界として「メーカー・製造系」が挙げられます。

    実際に「メーカー・製造系」で働いている方のコメントを見ていきましょう。

    フリーフレックスは良いが、毎日残業のため折角のフレックスがあまり使えてない。
    メーカー・製造系、エンジニア・技術職

    時間外勤務時間が多く、仕事量と比例していない。名前を変えた同じ経営者の別の部門で副業的に多重労働を強いられた。
    メーカー・製造系、介護管理者、女性

    期限が短く仕事量が多い。残業時間も多く、帰宅後も仕事する事が多い。
    メーカー・製造系、エンジニア・技術職、男性



    「メーカー・製造系」で職場への満足度が低い方の傾向として、「勤務時間が長い」、「仕事量が多い」というコメントが複数寄せられました。 「メーカー・製造系」で働いていらっしゃる方は、技術職などのスキルが求められる仕事に就いている方が多いです。そのようなスキルを持っていれば、車いすを利用しているかどうかに関係なく、活躍できるでしょう。

    しかし、スキルを持っているからといって必ずしも良い職場に巡り合えるとは限りません。人手不足や1人あたりの業務量が多く求められる場合は、個人の業務負担が大きくなり、残業が増えることもあるようです。

    次に、満足度が低い業界は「その他」でした。「その他」とは分類項目に該当しなかった業界を意味していますが、具体的にはどのような業界なのでしょうか。

    ガバナンスがなっていない。コンプアイアンスより和を重んじるという理不尽がまかり通っている。
    金融・保険系、女性

    理解出来ない上司のパワハラ的な態度。身体的な事以外にも、食生活など多方面の事に対しても、長々と説教するようになりました。その事を上司に散々相談しましたが、結局何も行動を起こしてくれませんでした。
    物流・倉庫、女性

    会社の同期は無理するなと心配してくれていましたが、上司からは気の持ちようだからとか、気合いが足りないなどと言われたことが多かったです。目眩で倒れた時も、同期はすごく心配して帰してくれようとしましたが、上司は笑い飛ばしながら「じゃあ今日は休みなよ」と渋々薦めました。体のことは自分にしか分からないけれど、人の痛みを理解できない人が多い会社でした。
    不動産、女性



    「その他」には、金融や物流、不動産、官公庁などの業界が含まれています。それらの業界において、満足度が低いと述べた方のコメントには、以下のような傾向がみられました。

    ・障害に対する理解の無さ
    ・車いすを利用している方に対するハラスメントがある

    「その他」には様々な業界が含まれる以上、特定の業界と車いすを利用している方の働きやすさを結び付けることは難しいですが、ハラスメントがある職場の満足度が低くなるのはどの業界も共通しているようです。

    自分がやりたい仕事を見つけ入社したとしても、不満理由に挙げられた「障害に対する理解がない」「設備が整っていない」という職場では長く働くことは難しいでしょう。自分に合った業界を探すことは重要ですが、それと並行して職場の雰囲気や具体的な仕事内容を調べることも必要になります。

    ここまでは車いすを利用している方が働いている業界について解説しました。しかし業界の他にも、向いている仕事かどうかを左右するものには「職種」があります。次は、車いすの方が働いているおすすめの職種について解説します。

    5. 車いすを利用している方におすすめの職種

    車いすを利用している方は、どのような職種で働いている方が多いのでしょうか。グラフを見てみましょう。

    車いすの方が働いている職種の割合

    ※口コミの項目「担当していた業務」で挙げられた業務をもとに、職種別に分類し集計して割合を抽出


    車いすを利用している方が多く働いてる職種は、以下の通りです。

    • 事務 33%
    • コールセンター・オペレータ 15%
    • 医療・介護・福祉 15%

    では、それぞれの職種の満足度について見ていきましょう。

    車いすの方が働いている職種の満足度


    ※口コミの項目「担当していた業務」と「満足度の理由」をクロス集計して割合を抽出。ただし、答えた人数が6人未満の職種は比較対象外とした。


  • 満足度が高かった職種は、以下の通りです。

    • 人事・経理・総務・企画 100%
    • コールセンター・オペレータ 76%

    「人事・経理・総務・企画」は、働いている全ての方が「満足している」もしくは「とても満足している」と回答しています。

    そして、反対に満足度が低かった職種は、以下の通りです。

    • 医療・介護・福祉 38%
    • 事務 23%

    5-1. 車いすを利用している方の満足度が高い職種

    それでは、最も満足度が高かった人事・経理・総務・企画で働いている方のコメントを見ていきましょう。グラフでは全ての方が「満足している」という回答をしていますが、具体的にどのような点が良かったのでしょうか?

    自分のペースで仕事が遂行できるのでストレスも少なく、満足している。
    メーカー・製造系、人事・経理・総務・企画、男性

    座ったままできる仕事を常に振ってくれたり、やむを得ず移動を伴うときには作業を変わってもらえたり、車いすを押してもらえたりと気遣いや配慮があった。
    サービス・外食・レジャー系、人事・経理・総務・企画、女性



    人事・経理・総務・企画という職種は、パソコンの操作や電話応対が主な業務です。また社内に向けた仕事も多いことから、移動する機会が減ることも満足度の高さにつながっていると考えられます。

    また、イレギュラー対応が少なくスケジュールを立てやすいため、比較的自分のペースで仕事を進めやすい、という点もこの職種のポイントです。

    次に、2番目に満足している方が多かったコールセンター・オペレータの職種について寄せられたコメントを見ていきましょう。

    会社に行くときも車椅子だったので、ラッシュのときには乗れない。だから仕事の時間を遅らせてもらいました。
    物流・倉庫、コールセンター・オペレータ、女性

    勤務時間が少ない。体調で休める。仕事中、休憩がとりやすい。
    コールセンター・オペレータ、女性



    コールセンター・オペレータの業務も「人事・経理・総務・企画」と同様に、座って行う業務ですので、移動する機会は少ないでしょう。さらに、ある程度の人員が確保されていれば、シフト制を導入している職場も多く、遅番などを申し出れば出勤時間の調整をすることもできます。また、決められたスケジュールで稼働するため、決まった時間にきちんと休憩が取れるのも、この職種の特徴と言えそうです。 他には、このような声もありました。

    他の人と差別なく扱ってくれたが、給料が安い。
    メーカー・製造系、コールセンター・オペレータ、男性



    給料が安いというのはマイナスポイントですが、これは職種によるものではなく、企業の方針になりますので、就職する前に募集要項を確認する必要がありますね。

    注目したいのは、「他の人と変わらない仕事内容ができるという」点です。つまり、「周囲の助けを借りる機会が少ない仕事」でもあるので、精神的な負担も軽くなるのではないでしょうか。 逆に、満足度が低い職種についても見ていきましょう。

    5-2. 車いすを利用している方の満足度が低い職種

    最も満足度が低い職種は、以下の通りです。

    • 医療・介護・福祉
    • 事務
    満足度が低い理由に関するコメントを見ていきましょう。

    病気がわかった時点で自己退職に持っていかれ、一切の対応は無い。
    メーカー・製造系、医療・介護・福祉、女性

    希望する部署に異動できない。物理的環境に障害がある。
    医療・介護・福祉、男性



    「医療・介護・福祉」は、病院や福祉施設での仕事がメインなので、比較的バリアフリーが行き届いている職種になります。しかし、仕事内容が人と接する業務であれば、自分のペースだけで仕事を進めることは難しいでしょう。人手不足の職場であれば、スピード感も求められるかもしれません。

    医療事務のようなデスクワークをメインとする仕事であれば、問題なくこなせる可能性は高くなりますが、介護などの仕事は体力も必要なため、できる業務の範囲が狭くなる可能性もあります。

    次に、「事務」の仕事をしている方のコメントを見ていきましょう。

    私は2か所で就労の経験がありますが、両方とも、障害を持つ私と一緒に働きたくない人たちばかりでした。ハラスメントを受けることや窓際族にされることもあり、退職するように促された。
    事務

    給料が安いのとボーナスが出ない。頑張っても給料が上がらない。
    事務、男性

    臨時職員だったこともあり、取得できる休暇が年休10日間しかなく、毎月通院していると年休が不足します。そうなった時に、通院時に取得できる休暇が無く、残りは欠勤になりますが、その際上司から文句を言われたこともあります。面接時に、「毎月通院が必要である」ことは伝えていただけに、納得できませんでした。
    サービス・外食・レジャー系、事務、男性



    事務職は働いている方の数が多く、デスクワークも多い職種ですので、満足度が高いように感じられます。しかし職場の雰囲気や待遇が望む内容でないと、満足度が低くなる傾向にあります。

    まず、最初のコメントでは「障害を理由にハラスメントを受けた」というコメントが寄せられています。事務職の場合は固定されたメンバーで、ほぼ1日一緒に仕事をし続けます。そのため、人間関係や職場の同僚からの障害に対する理解度によって、居心地が大きく左右されてしまうでしょう。

    そういった点では、満足度の高かった「人事・経理・総務・企画」も同じように感じられます。ただし、中でも特に「人事・総務・企画」といった部署で大きく異なるのは、仕事の内容として企業のダイバーシティやハラスメント問題に直接関わっているという点です。そのため、同じ事務という仕事でも、「人事・経理・総務・企画」という職種は、従業員の働き方に対する意識の高い人が多い職場でしょう。

    また、「給料などの待遇が悪い」という声も比較的多く寄せられました。事務職は人気のある職種であることから、給料がとりわけ高い職種ではないかもしれません。しかし、一定の給料は保たれていると思いますので、自分の希望するお給料かどうかは、就職する前に募集要項で必ず確認するようにしましょう。

    ここまで、車いすを利用している方が働いている職種とその満足度について見てきました。自分に向いている職種を見つけるのは大切です。しかし、職場環境が悪ければ本末転倒です。
    「おすすめの業界」のところで述べたことと同様に、職場の様子や企業の考え方を知るためにも、職場見学などを通してなるべく多くの情報を得るようにしましょう。

    次に、車いすの方が利用した求人サービスについて紹介していきます。

  • 6. 車いすを利用している方の転職活動の進め方

    転職活動や就職活動の進め方にはいろいろあります。最近はインターネットなどでの情報源が多く、選択肢も増えています。

    皆さんはどのように転職先や就職先を見つけているのでしょうか?
    次のグラフは、車いすを利用している方がどのようなサービスを利用して転職活動や就職活動を行ったのかを表したグラフです。

    車いすの方が活用した求人サービス

    ※口コミの項目「その職場を見つけた方法、および就職に利用したサービス(複数回答可)」の有効口コミを投稿した23名による30件を集計して合計人数を算出


    最も多かったのはハローワークで35%でした(複数回答による調査のため、全体に占める割合ではなく回答者の約35%がハローワークも使ったという結果になります)。多くの方が、ハローワークを活用していることがわかります。
    次いで求人メディア、就労移行支援施設と続きます。

    では、利用した方のコメントから、どのようなサポートがあるのかを中心として、各求人サービスのメリットをみてみましょう。

    ■ハローワーク(障害者雇用枠)

    ハローワークに行き、障害者雇用担当の方に相談にのっていただきました。
    サービス・外食・レジャー系、事務、女性

    ハローワークの障害者部門の方に相談しました。身体障害者施設の方にもお世話になりました。
    物流・倉庫、コールセンター、オペレータ、女性

    私の条件を考慮した上で、現実をみながら可能な限りそれに近い企業を紹介してくれました。また「トライアル雇用制度」がとても充実していて、実際に働きながらやっていけそうかを判断できたのがよかったです。
    サービス・外食・レジャー系、経理、男性



    ハローワークは全国に544カ所あり(平成29年度現在)ますので、比較的近くの施設を利用できる身近な存在です。最近は、自宅にいながらハローワークのサイトで求人を検索することもできます。行政が管轄しているという点では安心感もありますね。

    ハローワークは、様々な業界や職種の求人を数多く扱っています。また、障害者を専用とした窓口もありますので、障害者雇用枠の求人を探している方は相談しやすいでしょう。

    求人の紹介だけでなく、履歴書の書き方や面談の仕方、企業との求職者の間に入って障害の状況をあらかじめ伝えてくれるといったサポートもあるようです。

    次いで活用している方が多かったのは、「就労移行支援施設」と「求人メディア」の2つでした。それらを利用した方のコメントも見てみましょう。

    ■就労移行支援施設

    慣れるまでの20日位は、毎日交替で1・2時間程度様子を見に来てくれました。また、1週間ごとに来ていろんな仕事のサポートをしてくれました。
    就労移行支援、メーカー・製造系、事務、男性

    就労移行支援施設でパソコンを使用した職業訓練を受けました。その最中に「障がい者就労サポートセンター(通称:ナカポツ)」から、ハローワークに求人情報が出ていることを聞きました。
    就労移行支援、サービス・外食・レジャー系、事務、男性



    ■求人メディア

    行政の広報紙に毎年、障害職員の募集があって、時期になると掲載されるのでそれをみて応募しました。
    求人メディア、事務、女性



    就労移行支援施設を利用するメリットは、単に仕事を紹介してくれるということだけではありません。仕事に必要なスキルやマナーを身につけながら、自分に合った職場への就職を目指せる点もメリットの一つです。

    求人メディアのメリットは、「誰でもいつでも、気軽に利用できる」ことです。検索も応募も、インターネットの画面に入力するだけで完了することが多く、非常に簡単です。ある程度、働きたい会社が決まっている場合や、1人で行う就活や転職活動に不安が無い場合は、うまく活用することでスムーズに仕事探しができるでしょう。

  • 自己分析をしたいけど、自分のことがよくわからない
  • 気になる会社を見学してみたい
  • 自分のことを面接で上手く話すのが難しい

    中には、このような悩みや不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

    もし1人で進める就職活動に不安がある場合は、障害について、そして転職や就職を熟知した専門スタッフがいる求人サービスを活用してみるのも1つの方法です。適確なアドバイスにより、新しい視野が広がるかもしれません。
    自分と相性の良い転職・就職サービスを活用してみましょう。

    ▼障害者雇用枠の求人の探し方について、詳しく紹介しています。
    ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介

  • 7.専門家からのアドバイス

    車椅子を利用している方へ、障害者雇用の専門家 中村旬さんからのアドバイスを紹介します。

    ■働くことを迷っている方へ

    近年はバリアフリー法や障害者雇用促進法などの法的整備がなされ、障害を持った方の社会参加環境は以前に比べ少しずつ整いつつあります。
    しかし、職場環境や心のバリアフリーなど、まだまだ課題が多いのも現状です。

    就職を迷われている方も多いと思いますが、精神障害や内部障害の方と比較し、車いすを利用されている場合は、就職の際に相手方の理解を得ていることが条件となりますので、マッチングした上での就職が前提となります。実りある就職活動ができるように、心より応援いたします。

    ■これから働く方へ

    車いすを利用している方の就職は、就職希望先のバリアフリー状況や障害への理解が必要であり、また希望職種とのマッチングも大切な要素であります。

    求人数は多くないですが、官公庁などは積極的に受け入れ、そのための環境を整備しているところも少なくありません。
    ご自身の就労への意欲を大切にし、仕事へのやる気を採用担当者にしっかりと伝え、社会人の一員として社会に貢献できるような存在となれますように願います。

    8. まとめ

    ■満足度の高い職場とは?

    • 施設や設備が整っていて物理的に働きやすい
    • 障害に対して理解があり、ハラスメントなどがない
    • 車いすの方が担うべき役割がはっきりしていて、できないことに関しては周囲の協力がある
    満足度の高い職場には、上記のような特徴がありました。
    また、満足度の高い職場には、過度に気を使うのではなく、車いすを利用している方が職場の一員としてやりがいを持って働けるような配慮があることも分かりました。

    ■満足度の高い業界とは?

    • サービス・外食・レジャー系
    • 小売・流通・商社系
    満足度が高い業界として挙げたのは上記の業界でした。
    サービス・外食・レジャー系の業界には、医療や福祉に関する企業が含まれており、比較的バリアフリー化が進んでいること、車いすを利用しながら自分のスキルを活かせる業務が定まっていることが満足度の高さにつながっていました。

    小売・流通・商社系の業界は、ハード面が整っていることに加え、フレックス制などを導入し個人に合わせた働き方ができる点が、満足度の高さにつながっていました。

    ■満足度の高い職種とは?

    • 人事・経理・総務・企画
    • コールセンター・オペレータ
    満足度が高い職種として挙げたのは上記の職種でした。
    これらの職種は、年間のスケジュールや1日のスケジュールがある程度決まっているため、自分のペースで働けることが満足度につながっていました。

    また、中でも「人事・経理・総務・企画」の職種は、企業のダイバーシティや雇用について担当している部署であることから、障害に対する意識が高い人が集まっていることも、働きやすさにつながっていました。
    コールセンター・オペレータは、シフト制をとっていることも多く、通勤しやすい時間帯に合わせた勤務調整が可能な点が、働きやすい点として挙げられました。

    ■車いすを利用している方が実際に利用した求人サービスは?

    利用した求人サービスに関しては「ハローワーク」が最も多く、次いで「就労移行支援施設」、「求人メディア」と続きました。昨今では就職活動に関する選択肢が増えていることから、ハローワークや就労移行支援施設だけでなく、自分に合った方法を模索することも重要です。


    一番大切なのは、ご自分の障害や病気とうまく付き合いながら、無理のないペースで仕事探しをすることではないでしょうか。
    車いすを利用している方の仕事に関する口コミには、就職・転職活動を成功させる上での貴重なアドバイスが多くあります。悩んだり迷ったりしたときは、同じような経験のある方のコメントを参考にしてみてください。

    職場のバリアフリー整備や障害に対する理解度の向上をはじめとして、車いすを利用している方にとって働きやすい職場環境が整っていくことを願っています。そして、仕事へのやりがいを感じられる、理想の仕事に出会えることを心から応援しています。



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    監修者

    製薬会社にて勤務したのち社会福祉士、介護支援専門員の資格を取得。専門学校教職員を経て、協同組合にて通所介護事業所の管理者・生活相談員や福祉用具貸与事業所福祉用具専門相談員、生活困窮者支援員を経験。精神障害のある方を対象にした介護職員初任者研修を運営し、講師も務めた。現在はコミュニティ施設運営、放課後等デイサービス運営、介護職員初任者研修講師等を行っている。「月刊デイ」への寄稿や社会福祉士全国大会での発表経験もあり。

    保有資格

    著者

    障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。

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