目次
3.車いすを使用している方からの「仕事で実践したいアドバイス」
4.車いすを使用している方が就職や転職の際に注意すること、伝えるべきこと
車いすを使用して仕事をしている方の中には、うまく工夫をしながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば、仕事のやりにくさやもどかしさを感じること、同じ体勢を続けることで疲れやすいなど、障害や疾患による特有の悩みを感じることはありませんか?
そんなときは、同じように車いすを使用しながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみましょう。今回のコラムでは、78人の車いすを使用して働いている方の口コミをもとに
・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・どのように仕事を探したのか
といったアドバイスをご紹介していきます。
また、障害者雇用の専門家ジョジョさん(社会福祉士、プロコーチ)にもアドバイスをいただきました。
仕事との向き合い方や職場について、悩むことや不安に感じることがある方は、ぜひ寄せられた声を解決のヒントとして役立ていただけますと幸いです。
電動車いすなので通勤ラッシュの時間には電車に乗ることができません。それなのでとても不便です。
運輸・交通・物流・倉庫系、経理、女性
天気が悪い日の通勤です。自家用車で通っていましたが車からの乗り降りの際に車のドアをずっと開けておかないといけないので、車の中や車いすが濡れてしまい天気の悪い日は大変でした。また長期休みで生徒がいないと学校の空調が切られてしまうので体温の管理も大変でした。
サービス・外食・レジャー系、女性
車いす使用、視覚障害もあるため、車を運転できず、公共交通機関での通勤で非常な困難がある。
事務、女性
朝、起きる時、足先のこわばりが強く、起き上がろうとしても、ふらつきと痛みがある。落ち着くまでの時間がかかるため、仕事行く前の2時間、早く起きないと仕事に行くことができないのが、一番困っていたことです。施設には、関節リウマチのことは言えないので、たまに遅刻とかもあるため、嘘をつくことが辛かったです。
サービス・外食・レジャー系、女性
ラッシュ時は比較的に空いている車両や全駅止まらない、一部期間の電車に乗ることで、満員電車を避けるようにしています。雨の日は車いすでも脱ぎ着しやすく、着ていても自走できるポンチョを使用しています。
小売・流通・商社系、男性
送迎車で送り迎えしてもらっています(車いす使用)。 トイレ、昼食など、自分で出来ない所をカバーしてもらっています。
IT・通信・インターネット系、男性
基本的に在宅勤務なので通勤の手間がない、定時に終わり残業がない。
サービス・外食・レジャー系、事務、男性
それなりに会社側には理解があり労働時間や出勤、終了時間をある程度、自分で決められる。
事務、女性
対応として、フレックス制度により出社時間をずらしてもらいました。また、雨の日は他の社員が最寄りの駅から会社までサポートしてくれています。
小売・流通・商社系、男性
障害について、脳性麻痺による突発的な緊張感があり、コントロールがしにくい障害。特徴は、何かを始めると緊張してしまいます。言語の方もあります。初めは聞き取りができないが徐々に慣れて会話もできる様になります。
メーカー・製造系、事務、男性
関節痛や筋力低下のため中長距離の移動は車いす利用です。 体調は日によって変動があります。 ステロイド服薬のため下肢に皮膚潰瘍ができやすいです。 全身性エリテマトーデス治療薬を自己注射しています。
サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、女性
この病気の特徴が、元々骨折しやすいという症状で、尚且つ、以前骨折した場所が神経痛になることもあります。気温差や、湿気など天候によって症状が悪化し、休まざる得ない時に上司にその旨連絡をしていたのですが、その上司からは、「いつ治るの?」「いつまで出勤しないつもり?」と回数が増える度に語気が強くなりました。何度も、話はしましたが、理解して頂けない上司からは最後、パワハラのごとく、周囲の前でも恥をかかす様に「怠けている」など暴言を吐かれ、その度に、心理的にもダメージを負ってしまい、心療内科まで行く羽目になりました。
運輸・交通・物流・倉庫系、女性
車いす移動なので、事務所スペース内での移動が困難。気分変動が激しく、時に強迫観念が強くなり、家から出たくなくなることも度々ある。
医療・介護・福祉、男性
毎日、規則正しい生活をこころがけています。今現在、作業所に、週2日行っていますが、職員の方に、机の上でできる内職のような物を、指導してもらって作業しています
IT・通信・インターネット系、男性
できる限り同じ時間におき、同じ時間に食事をして、同じ時間に寝るようにする (1日のサイクルを一定にするようにする)
サービス・外食・レジャー系、事務、男性
無理はせずマイペースでおこなう。時間のメリハリをつけて仕事をする。
メーカー・製造系、人事・経理・総務・企画、男性
やる気が出ない日はどんどん休む 出来ないことは人に頼む 自分が出来る範囲を明確に 気分の状態をグラフ化して管理
IT・通信・インターネット系、エンジニア・技術職、男性
筋力が低下する進行性の疾患で、現在は車いすにて生活をしています。荷物の運搬が出来ない、段差がある場所へは行けない等、仕事探す段階で苦労します。
サービス・外食・レジャー系、事務、男性
制服に着替えなくてはならない職場だったのですが、配属された職場の更衣室が階段の途中の中二階にあり、利用することが出来なかった。また、車いすのまま働くことになったのだが、通路が狭くて通れない所があったり、必要な書類などが手の届かない高い場所にあったりした。
金融・保険系、男性
車いすユーザーで、会社が工場だったので、社内の移動など気をつけました。あと、体調不良で下痢をしたりした時の処理が大変でした。また、事務所の鍵置き場が二階にあった為、他の人が出勤するまで事務所に入れませんでした。
メーカー・製造系、男性
比較的大きなビルだったのですが、エレベーターが2基しかなく、出社時や昼休みは結構エレベーターの利用者が多かったため、車いすの自分は利用をはばかられました。そこは不便だと感じた点です。
IT・通信・インターネット系、デザイナー・クリエイティブ、男性
集合時間の15分前行動を意識し、やむを得ない移動を伴うときにはその移動距離を最低限で済ませられるように常にスケジューリングしています。
サービス・外食・レジャー系、人事・経理・総務・企画、男性
階段の途中の中二階の更衣室は使えないので、別の課の更衣室を間借りさせてもらった。通路は模様替えをしていただいて、通れるようにしてもらい、手の届かない書類に関しては、普段使いするものは手の届く位置に下ろしてもらい、それ以外は必要に応じて、誰かにとってもらうことにしました。
金融・保険系、男性
最低何cmあれば通れる。何cmの段差なら越えられる。と明確な数字を言うようにした。また自分でスロープを用意して置いてもらう工夫もしました。
サービス・外食・レジャー系、女性
車いすだと人ごみの中の操作が難しいので、混雑する前に早目の昼休みを取得。
メーカー・製造系、エンジニア・技術職、男性
物をしまう場所の変更とレイアウトの変更。車いすで移動しやすいところに座席がある。
事務、女性
脊髄損傷の痙性、痺れ下半身不随 車いすで長いこと座ると痺れ仕事が厳しい。
マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンターテイメント系、経理、男性
股関節脱臼、足の長さが左右違います→同じ姿勢を長時間取れない。
メーカー・製造系、事務、女性
下肢機能全廃、上肢機能の著しい障害、直腸機能障害、排尿機能障害 手の指も全く動かないため、パソコン入力に時間がかかる。 長時間車いすに座っていると褥瘡になりやすい。 体調を崩しやすい。
IT・通信・インターネット系、エンジニア・技術職、男性
PC作業に集中する時間が長いと、肩等が凝るので、 30分おきに、座席で軽いストレッチ。肩を回したり、ぼんやり遠くをみたり。
メーカー・製造系、エンジニア・技術職
こまめに休憩を取り、体位変換を試みる 受動喫煙環境から逃げる 体温上昇を避ける
サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、男性
食生活、睡眠を規則正しくする。筋力低下や可動域の減少を防ぐためリハビリやストレッチを定期的に行う。
メーカー・製造系、軽作業、男性
デスクワークが主なので、脚が浮腫まないように時々脚を動かしたりしている。
(メーカー・製造系、事務、男性)
自分なりの楽な体勢を維持できるように、クッションや椅子、杖などで作業場を工夫している。
事務、女性
関節がかたまることがあるため、1時間ごとに席を立つようにしている
メーカー・製造系、軽作業、男性
事務長として勤務。主に人事、不動産管理、経理を担当しておりました。来院者(取引先、患者)の対応が必要な時、下肢不自由なためすぐに面会できずもどかしい気持ちで一杯でした。また、設備の修理等で現場の確認が困難な場合があった。
サービス・外食・レジャー系、男性
進行性筋ジストロフィー顔面肩甲上腕型であり、移動は電動車いすを使用しています。運転免許がないため外回りや、物理的にできないこと(重たいものを持つ等)が難しいです。
サービス・外食・レジャー系、事務、女性
同僚など、人に関して不満はなかったのですが、施設のバリアフリーなど、そういった面では不便を感じたことがあるためです。
IT・通信・インターネット系、男性
進行性の右手感覚麻痺が発症中。右手を使った細かい作業に難有り。
メーカー・製造系、エンジニア・技術職、男性
職場内の移動が可能なよう、家具の配置や配線等に気を配ってもらった。弱視や視野狭窄については全く理解されていなかった。
事務、女性
初めて訪問する場所のトイレ設備や段差などは、事前に確認するようにしています。そして困難な段差がある場合は、杖を持って行き介助してくださる方の負担を減らすようにしました。また可能な場合は、単発でアルバイトを雇って介助してもらうこともあります。トイレに関しては最悪のケースに備えてオムツを持参しています。
男性
一度自分の力で行けない箇所を確認し、そこは代わりの方に行ってもらうようにした。
サービス・外食・レジャー系、女性
極力、現場へ視察に行かないで済むように配慮をしていただきながら、わからないところだけを担当者から現場の状況を聞いたり、上司に教えてもらいながら確認して設計したりしていました。通勤時間では早く慣れるように対応しました。
不動産・建設・設備系、男性
自分からあまり言いたくはなかったが、迷惑をかけない為にも周りの人に自分の病気のことを話し、どこまでやったかをすぐにわかってもらえるように行った作業内容をノートなどにまとめていました。
小売・流通・商社系、女性
電話応対ができない。会議で聞き取れない。
事務、男性
歩行困難で車いす生活、細かい作業が苦手。字は書ける。
事務、女性)
車いすでの生活なので身体を使った作業はできないし、移動速度ももちろん遅いので他の人より作業スピードが遅れて困ることがあります。
サービス・外食・レジャー系、人事・経理・総務・企画、女性
膀胱直腸障害ということで、小便は留置カテーテルを使用し、2~3週間に一度、泌尿器科に通い交換をしてもらいます。また、普段飲んでいる薬を処方してもらうために、月に一度、整形外科を受診しています。したがって月に2回は、必ず欠勤しなくてはなりません。それ以外に、尿路感染で発熱したり、下痢になると一日中トイレから出られなかったりします。また、通勤に電車を利用していましたが、車いすを利用しているため、悪天候の時は欠勤しなくてはなりませんでした。それゆえ、仕事に対してやる気はあるのですが、その意志とは裏腹にどうしても欠勤しなくてはならないという歯がゆさがありました。職場自体はバリアフリーになっているので、環境的には言うことがありませんでした。
サービス・外食・レジャー系、男性
手に障害があるためひとつひとつの作業に時間がかかったことです(タイピングスピードなど)。他の人の4倍の時間がかかっているといわれました。良い姿勢を保持できないため他の人から寝ているように見えるともいわれました。
女性
常に15分前を目指して行動しています。また、移動をしないデスクワークなどもらえるように相談しています。
サービス・外食・レジャー系、人事・経理・総務・企画、女性
作業に時間がかかってしまうぶん丁寧な仕事を一生懸命するように心がけました。その結果「一生懸命さが伝わってくる」との評価を頂けました。また、ミスを減らせるように確認作業をひとつひとつ丁寧にするように心がけました。
女性
まずは、長期休暇の連絡をする上司以外の人に、自分の病気の細かい症状や、病歴などが記載されているホームページなどを紹介し、症状自体の理解に努めました。
それでも、難しい時は、主治医の意見書などを作成して頂き、その状況にはどのくらいの日数を要するのか事細かく記載して頂くように配慮していました。そして、万が一、勤務中に骨折など事故が生じた場合のかかりつけの病院などを予め、常時所持して、周囲に極力迷惑かけないように努力しました。
運輸・交通・物流・倉庫系、女性
人事や採用担当者ではなく、就業先部署の上司が障害に対しての理解がきちんとあるかどうか。可視身体障害がある場合は、オフィス内通路の広さや床の状況。杖歩行であっても、通路が狭く段差があると移動に注意が必要。
聞くべき質問は
・通院の際、休めるかどうか(業務優先ではなく休ませてもらえるのか)
・障がいの特性、程度によっては指導員の配置数
・休憩時間(1時間に10分、等)」
サービス・外食・レジャー系、営業、女性
まず、自分の症状について他人の理解が必要。プライドを捨て細かい説明が必要。できる仕事、できない仕事。他人との共同作業、クリエイティブな仕事、単純な組立作業など、希望する業務内容をはっきりさておいた方が良いと思う。突発の休暇取得もできる会社がいいと思います。
メーカー・製造系、エンジニア・技術職
これから就職する会社が、どういう会社なのか、そして自分ができる仕事はあるのか。自分の能力を発揮できる職場環境なのか、しっかり把握すること。そして、自分の障害を踏まえ、自分のことを的確に把握しておくこと。そして的確に把握した自分のことを会社の担当者に細かく説明できること。さらに、アクシデントが生じたときは、どのように対応してほしいか、ちゃんと伝えること。伝えるための方法として、コトバでの会話に加えて、事前に書面でわかりやすく理解できる方法も準備した方がよいと思う。担当者が、書面を見て感じたことを質問してくることも想定して、しっかり、自分のことを把握して、スムーズに自分のことを理解してくれる環境づくりも大事だと思える。
メーカー・製造系、医療・介護・福祉
実際の仕事内容の詳細がわかりにくいため、本人の障害や病気の程度を把握して、体調の良いときと悪いときの内容、悪いときはどういう状態をクリアすべきなのかをしっかりと伝えることが必要です。そのことを踏まえて、会社の担当者としっかり話す機会を持ち、定期的な振り返りが 行えることが大事ではないかと考えます。合理的配慮をまとめておくことをおすすめします。
サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、男性
『ハローワークインターネットサービス』を利用しました。インターネット上で求人の検索をしたり、メールなどのオンラインで担当者とやりとりをしたり、選考当日も同行してもらえました。
サービス・外食・レジャー系、人事・経理・総務・企画、女性
私の条件を考慮した上で現実をみながら可能な限りそれに近い企業を紹介してくれました。また「トライアル雇用制度」がとても充実していて、実際に働いてみながら感覚的にやっていけそうかを感じられたのがよかったです。
サービス・外食・レジャー系、人事・経理・総務・企画、男性
ハローワークに行き、障害者雇用担当の方に相談にのっていただきました。
サービス・外食・レジャー系、事務、女性
人材紹介会社から事前に病気の説明をしていただいたうえで、面談に進むことができた。また、面接日や入社希望日の調整をしてもらえた
メーカー・製造系、軽作業、男性
給与所得、社会保障、労働時間などは予めこちらの希望を伝え、それに沿った内容を提示された
事務、女性
どの会社でも見学のときは、マイナス面は一切出さないと思いますので、なかなか短い時間で把握するのは現実無理です。しかし、設備、例えば、エレベーター、障害者用トイレ、手すり、車いす用駐車場などが完備されているかは、隠すことはできないので、それらが、すぐ目につくようであれば、障害者に理解を示しているかの尺度にはなると思います。
メーカー・製造系、エンジニア・技術職
その人その人の障害程度や症状にも同じ人はいないので、見学や就労体験等でできる仕事の範囲内を自分と会社の人に理解してもらい、かつ続けられるかどうかを判断すればいい。そして自分自身が楽しく仕事に打ち込めるかを判断すればいいと思う。
メーカー・製造系、コールセンター・オペレータ、男性
とにかく仕事内容など自分の障害の程度に合わせ、就職可能かの吟味を良くする必要があると思います。面接時に自分の事をしっかり理解してもらい仕事内容の確認とその作業ができるかどうかの事まで話し合っておく必要があると思います。
不動産・建設・設備系、事務、女性
世の中には色んな人がいて、色んな考え方があります。就職する際には、その会社に障害者がいるかいないかを見てください。障害を持った方が何人も働いている環境なら、就職してからも悩みなども相談できるし安心して働けると思います。
メーカー・製造系、男性
身体が資本ですので、長く働こうと思う方は、多少言いにくくても「自分にできないこと、難しいこと」等をきちんと担当者に伝えることをオススメします。
サービス・外食・レジャー系、事務、女性
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