潰瘍性大腸炎でも仕事はできる 152人の工夫と対策

潰瘍性大腸炎でも仕事はできる 152人の工夫と対策

潰瘍性大腸炎のある方の中には、症状とうまく付き合いながら仕事を続けている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、職場の同僚に気をつかいトイレへ行きづらい、食事制限があるので昼食に困っている方はいませんか?外からわかりづらい病気であるからこそ理解されにくく、潰瘍性大腸炎ならではの悩みも多いことと思います。

そんなときは、同じような病気のある方々の声に耳を傾けてみましょう。今回のコラムでは潰瘍性大腸炎のある方152人から寄せられた口コミをもとに

・潰瘍性大腸炎ならではの悩みと解決方法
・向いている仕事の探し方


といったアドバイスをご紹介していきます。
障害者雇用の専門家ジョジョさん(社会福祉士、プロコーチ)にもアドバイスをいただきました。
仕事に悩みや不安がある方は、ぜひ参考にご覧ください。

*この記事はジョジョさんに監修していただきました
ジョジョさん

産業カウンセラー、社会福祉士(ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、プロコーチの資格を持ち、就労継続A、B型にて支援員として、身体障害、精神障害、知的障害のある方への支援を行う。 自身も悩みを抱えギャンブル依存症になった経験から、「悩みから夢まで話せる友達が見つかる東京の居場所”ココトモハウス“と出会い、現在はその管理人として多くの方から信頼を寄せている。生きづらさを抱える人達を社会と繋げて、豊かな社会を作ることがミッション。



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目次

1.潰瘍性大腸炎とは

2.潰瘍性大腸炎の特性による仕事の悩みと対策

3.潰瘍性大腸炎のある方が職場で抱える悩みとその対策

4.潰瘍性大腸炎のある方が周囲に知っていてほしいこと、伝えていること

5.転職や就活では潰瘍性大腸炎をオープンにするかクローズにするか

6.転職や就活の参考に、潰瘍性大腸炎のある方におすすめの企業・業界・職種

7.求人の見つけ方

8.企業情報の集め方

9.専門家からのアドバイス

10.まとめ

1.潰瘍性大腸炎とは

    潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の 炎症性疾患 です。特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。この病気は病変の拡がりや経過などにより下記のように分類されます。

    1)病変の拡がりによる分類:全大腸炎、左側大腸炎、直腸炎
    2)病期の分類:活動期、寛解期
    3)重症度による分類:軽症、中等症、重症、激症
    4)臨床経過による分類: 再燃 寛解 型、慢性持続型、急性激症型、初回発作型

    原因は明らかになっていません。これまでに腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常、あるいは食生活の変化の関与などが考えられていますが、まだ原因は不明です。

    症状としては、下痢(便が軟らかくなって、回数が増えること)や血便が認められます。痙攣性または持続的な腹痛を伴うこともあります。重症になると、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こります。また、腸管以外の合併症として、皮膚の症状、関節や眼の症状が出現することもあります。

    原則的には薬による内科的治療が行われます。しかし、重症の場合や薬物療法が効かない場合には手術が必要となります。

    ▼参考: 公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター
潰瘍性大腸炎特有の辛い症状があらわれ、時には全身に及ぶこともあります。原因ははっきりわかっていませんが、薬や手術による治療で症状が和らぐ可能性もあります。

治療を行い症状が和らぐことで仕事に復帰している方や、治療と仕事を両立している方も多くいます。口コミには、潰瘍性大腸炎と付き合いながら働いている方のリアルな声が届いていますので、参考にしてみましょう。

2.潰瘍性大腸炎の特性による仕事の悩みと対策

潰瘍性大腸炎のある方は、特有の悩みを抱えており、その悩みは仕事にも少なからず影響を与えます。 同じ悩みを持つ方が心掛けていることを知れば解決法が見つかるかもしれません。

口コミには、下記の悩みが多く寄せられました。

  • 腹痛や下痢が頻繁に生じる
  • 病気が見えないので理解を得づらい
  • それでは、悩みの詳細とともに対策を解説します。

    2-1.腹痛や下痢が頻繁に生じるという悩みと対策

    潰瘍性大腸炎は突然の腹痛や下痢、出血などに見舞われます。外出の際は常にトイレの位置を確認するなど、不安を抱えながら生活する方が多いようです。

    【悩み】

    病状が悪化している時はトイレに頻回に行くため、外出する仕事内容の時はトイレの事を常に考えて行動する必要がありました。
    医療・福祉・介護、女性

    前触れもなくお腹が痛くなることや、頻繁にトイレに行かなければならないことがあり、会議など離席しづらいときに困りました。
    コンサルティング・専門サービス系、女性

    ストレスや食べ物でお腹を壊してしまう トイレの往復で1日が終わるくらい
    食品・化粧品、調理スタッフ、男性



    では、それらの症状を緩和するための対策や、常に気になるトイレについての対策、みなさんはどうしているのでしょうか?詳しく見てみましょう。

    【対策1:トイレに対する安心感を確保する】

    常にトイレに行く。出ようが出まいがこころがけています。
    専門商社、技術系

    通勤中に腹痛が起きる事が怖かったので各駅(停車の電車)にし、乗車前に必ずトイレに行くなど工夫していました。
    不動産、女性

    できるだけ商談前にはトイレに行くように心がけています。あとは13時とかに商談があると、昼ごはんを食べるのをズラしたりしてなるべくお腹に刺激をあたえないように心掛けています。水分もとりすぎると吸収されずに出てしまうので、とりすぎないようにしています。
    住宅・建材・インテリア・エクステリア、男性



    トイレに行かなかったことが余計に不安をあおり、本当に腹痛が起きてしまうこともあります。それを防ぐためには、便意がなくてもトイレに行く習慣をつけると、気持ちに余裕が持てそうです。
    またトイレを済ませておくだけでなく、お腹への刺激を減らすために、用事の前に食事や水分補給を控えている方もいます。


    次は、実際に症状が起こりやすいシチュエーションを避けることで、症状を和らげる方法を紹介していきます。
    症状が起こりやすいシチュエーションとして多く挙げられたのは、以下の通りです。

    【症状が起こりやすいシチュエーション】
  • お腹が冷える
  • 刺激を与える食べ物や相性の悪い食べ物を食べる
  • ストレス過多になる


  • では、このシチュエーションを避けるための対策を見てみましょう。

    【対策2:下痢や腹痛の起きやすいシチュエーションを避ける】

    ■お腹が冷えないように心掛ける

    トイレの後に、ホッカイロをお尻に当てるといくぶんか楽になることを発見し、大事な会議、あるいは出張の移動などではつねにホッカイロを当てていました。
    マスコミ・広告、女性

    お腹のまわりにカイロを貼るなど、体を冷やさないようにしていました。
    教育、男性

    寒い時期は冷えないようにする、職場の人にも病気をオープンにし、理解してもらう。
    物流・倉庫、運転手、女性



    お腹を冷やさないために、カイロを活用している方がいました。さらに、体全体が冷えないように空調の温度を調整することも有効です。ただし、空調のコントロールは周囲の協力が必要になることもあるので、自分の症状を伝えて理解してもらうことも必要です。

    ■体調を崩しやすい食べ物を避ける

    食べ物でも体調が悪くなるので、食べて悪くなる物は控えるようにする。
    人材

    食べ物は油っぽいものやチョコレートはなるべく食べないようにしている
    食品・化粧品 調理スタッフ、男性

    刺激物を避けるとか食べ物には気を付けている。
    物流、男性



    口コミを見ると、
    ・油っぽいもの
    ・刺激物(チョコレート、辛いもの)

    これらは、避けたほうが良い食べ物のようです。
    体質により食べ物の合う、合わないはあります。自分の症状をよく観察して、避けるべき食べ物を把握しておくと安心ですね。



    次は、ストレスが潰瘍性大腸炎に与える影響を見てみましょう。 難病情報センターは、以下のように述べています。

      “この病気は精神的なものが原因で発症することはありません。しかし、心と体は分離できませんので、肉体的、精神的なストレスで腹痛や下痢と言った再燃症状を惹起することは否定できません。ストレスはあらゆる病気で症状を悪化させる要因の一つです。”

      引用:難病情報センター「潰瘍性大腸炎」
    ストレスが直接的な原因となることはありませんが、症状の程度に影響を与えることはありそうです。そのため、症状を緩和させるためには、仕事で抱えやすいストレスをなるべくためないことが必要です。

    ■ストレスを減らす

    なるべくストレスをためないよう、人間関係に深入りしないようにしている。
    シンクタンク・リサーチ・マーケティング、一般事務、女性

    疲れすぎないように、ストレス過多にならないように自分なりに気を付けている。
    小売・流通・商社系、販売・接客・サービス、女性

    あまり疲れやストレスを溜めないように睡眠を沢山取るようにしています。
    サービス・外食・レジャー系、接客、女性



    コミュニケーションをとることが苦手な方は、人間関係がストレスの要因になる場合もあります。しかし仕事の多くは、人と関わりながら行うものです。あいさつなどを含めた最低限のマナーをわきまえ、「深入りしない」というスタンスを持つとよいかもしれませんね。

    またストレスと同様に、疲れは精神面に影響を与えます。睡眠をしっかりとって心身ともにコンディションを整えることも大切です。

    2-2.病気が見えず理解されないという悩みと対策

    潰瘍性大腸炎は、見た目では体調の悪さを判断しにくい病気です。そのため口コミにも、症状を理解してもらえないという悩みが多く挙げられました。

    【悩み】

    周囲の理解も得られないことが多く、トイレくらい我慢できるだろうとの叱責を受けたこともありました。
    チェーンストア・スーパー・コンビニ、男性

    さぼっていると思われたことが不愉快。
    教育、女性

    体調を崩し入院すると社員待遇を解除された。
    建築・建設・設計・土木 技術系



    あまりにも理解が不足していると、待遇まで変わることもあるようです。就労環境が悪化しないよう、潰瘍性大腸炎であることを周知することや職場から理解を得ることは、不可欠なのかもしれません。

    【対策:最初から正直に話す】

    恥ずかしくても最初にできるだけ正直に自分の症状を話し理解を示してもらえるか否かをみることが肝要だと思います。
    コンサルティング・専門サービス系、女性

    最初に、病気のことはきちんと話すべきだとはおもいます。でないと、休みにくいので。私はいつも正直に話します。
    医療・福祉・介護 医療事務、女性

    病名については同じ部署の人には知られていますが、他部署には伏せてもらっており、他人の目を気にしなくて良い環境を作ってもらいました。
    サービス・外食・レジャー系、女性



    お腹の不調に関することは、職場の同僚に打ち明けにくいことかもしれません。だからといって黙っていると、症状の辛さを伝えること、そして潰瘍性大腸炎について理解を得ることはできません。潰瘍性大腸炎であることを伝えるという選択も検討しましょう。

    しかし、症状を伝えてもどのように配慮すればよいのか、わからない同僚や上司もいるでしょう。その時は、以下のコメントが参考になりそうです。

    その会社で働き始める前に、「私はこういう状態です」という自分の説明書を提示しました。それには、自分の病気のことや受けている治療のことを分かりやすく書き、配慮して欲しいことも箇条書きにしました。オープンに伝えることで、会社側に分かってもらうことができました。
    サービス・外食・レジャー系、女性

    まずは上司に正確に病気のことを理解してもらうため、病院の診断結果と腸内の写真を持って相談しました。どのような症状で何が原因で、何ができて何ができないか。その上で迷惑をかけないように、休憩中はトイレに行く、食べ物を極力控える等の工夫をしました。
    小売・流通・商社系、男性



    少しでも理解を得るためには、体調が悪くなることだけを抽象的に伝えるのではなく、一日にトイレを利用する回数や避けたい食べ物、服薬の副作用など、とにかく具体的な内容を共有するとよいでしょう。

    ただ、人工肛門の装着など、打ち明けにくいこともあります。話す必要性や相手の信頼度を吟味したうえで、打ち明ける相手を検討してみましょう。

    3.潰瘍性大腸炎のある方が職場で抱える悩みとその対策

    これまでは、自分の工夫で解決できる悩みと解決策を見てきました。
    次は、職場の環境や同僚とのかかわりのなかで生まれる悩みと解決策を見ていきましょう。

    口コミをみると、職場では下記のような悩みを持つ方が多い傾向にありました。

  • トイレに行く頻度が高い
  • 食事に気を使わなければならない
  • 体調不良による早退・欠勤・通院を要する
  • 悩みの詳細とともに対策を解説します。

    3-1.トイレに行く頻度が高いという悩みと対策

    潰瘍性大腸炎のある方は、トイレに行く回数が多くなります。そのため、トイレが利用しづらい環境は、働きにくくなります。

    【悩み】

    頻繁にトイレに行くので、席を離れる事が多く接客が大変でした。
    専門店、男性

    トイレの数がフロア内で1つだったので申し訳なかった。
    専門商社 システムエンジニア 女性

    下痢や、血便、腹痛などの症状。ひどい時は一日に10回トイレに行くなど、仕事に支障が出る 朝も何度もトイレに行き、遅刻することがある。
    受付、窓口業務 女性



    ときにはトイレで仕事を何度も中断し、業務に支障をきたすこともあります。また、トイレの個数が少ないと、周囲の目もあり利用しづらくなります。



    【対策1:トイレの環境を把握してから入社を決める】

    排便回数が多い為、トイレの位置や場所、個数が整っていないと安心して仕事に取り組むことが難しい。また、ウォシュレット完備の様式が好ましいが、未だに公共の施設では和式トイレの所もあり、とても不便。
    レジャー・アミューズメント・フィットネス、女性

    少なくとも、洋式トイレを使う必要があるが、和式トイレしかなかった。
    運輸・交通、管理業務、男性

    トイレがとても清潔できれいにされていたので、とても良かった。
    マスコミ・広告、女性



    就職してからトイレの環境が不十分だとわかっても、対処することはできません。
    そのため、入社する前にトイレの環境を把握することが必要です。確認ポイントは下記の通りです。

  • トイレの位置
  • トイレの個数
  • ウォシュレット機能の有無
  • トイレットペーパーの補充状況
  • 清潔さ
  • 洋式トイレの有無
  • 混雑の具合

  • 応募を検討する段階で、社内見学をお願いできる企業もあります。また面接日を利用して、企業のトイレに立ち寄ってみることもおすすめです。

    少なくともトイレの環境を把握せずに入社することがないように注意しましょう。

    【対策2:トイレに行きやすい環境を整える】

    外回りの業務からトイレが近くにある内勤業務に変えてもらった。
    医療・福祉・介護 介護職、男性

    トイレの近くに座席を配置してくれたり、病気が原因で離席することなどに対しても温かく見守ってくれたりという配慮をしてもらうことができましたので、私としてもそこまでストレスを感じずに仕事をすることができました。
    ビジネスコンサルティング、営業補佐、男性

    周りの人はトイレを使用中でも優先してくれました。
    コンサルティング、専門サービス系、事務系、男性



    外回りの仕事は、いざというときにトイレに駆け込めないリスクがあります。その点から、トイレが利用しやすい内勤業務に変えてもらうことも一つの方法です。
    また、内勤業務でもトイレに近い座席にいれば、より安心でしょう。可能であれば、上司に席替えを相談してみるとよいですね。

    3-2.食事に気を使わなければならないという悩みと対策

    潰瘍性大腸炎のある方は、食事制限がある方や、症状が起こりにくいように食べ物に気をつけている方もいます。午後の仕事に影響するランチのとり方や夜の会食の付き合い方などには、どのような対策をとればよいのでしょうか?

    【悩み】

    食事に気を付けなくてはならないし、外出先でも心配。
    人材 女性 仕分け

    職場で給食制だったのですがメニューが一種類しかないので食事制限があったのですが、油物なども食べなければいけなかった。
    団体・連合会・官公庁、事務系、女性

    1人だけ昼食は別にとる、というわけにはいきません。
    医療・福祉・介護、女性



    会社があらかじめ決めたお弁当を昼食として支給する企業では、自分でメニューが選べないので無理して食べなくてはならないこともあるようです。
    他にも、同僚や上司と食事に行く機会もあるでしょう。そのような場面でも病気に対する理解がないと、安心して食事をとることができません。

    【対策:アレルギーがあると周囲に伝える】

    特に肉が病状を悪化させる原因でもあった為、肉に関しては「アレルギーがある」と周囲に伝えました。
    外食・フード、女性


    ランチを楽しみにしている職場の方もいます。苦手な食べ物を伝えることで、周囲との関係を壊すことが心配な人は、アレルギーという理由を使うと自然に伝えられそうです。

    また、潰瘍性大腸炎があることを伝え、食事に関する注意事項を説明して理解を得ている方もいます。会社が昼食を用意している場合は、初めに伝えることで毎回心配する必要がなくなりますね。

    食べ物飲み物に関しても、家から持参、職場の飲み会には極力参加せずに、食事制限も無理なく出来ています。最初からすぐに職場に公表したことが大きかったと思います。
    医療・福祉・介護、男性



    先述したとおり、食べ物は症状に大きく影響します。ランチは息抜きの時間なのに、毎日心配しつづけることは、ストレスにもなりかねません。無理をしなくてよいように、周囲に理解を求めましょう。



    3-3.体調不良による早退・欠勤・通院を要するという悩みと対策

    潰瘍性大腸炎のある方は、通院や体調不良時に休むこともあります。しかし仕事を休むことで、職場に影響を与えるという悩みも多くみられます。

    【悩み】

    当日欠勤や、通院の為の休みなどで時給評価に響く やはり病気のない人と評価の差は生まれてしまう。欠勤が続くと嫌な空気を出される。
    物流・倉庫 物流、運転手、女性

    受注が増えて忙しくなると、やはり通院が難しくなりがちです。
    半導体・電子・電気機器、女性



    欠勤や通院などができても、時給制などをとっている会社であれば、給与が下がることもあります。また欠勤について、周囲から不満を持たれるケースもあるようです。

    では、職場にどのような配慮や対策があることが望ましいのでしょうか?

    【対策1:症状に理解があり、休みやすい職場を探す】

    病気に対する理解があり、突発的な欠勤に寛大。 無理せず働けるよう勤務日や勤務時間を融通してくれる。
    シンクタンク・リサーチ・マーケティング、一般事務、女性

    通院の関係で、お休みをとることが多いこともあると思います。そういった時に、快く休ませてくれるお仕事場であると、非常に助かります。
    リース・クレジット・信販、女性

    体調が悪ければ休むことや早退することは可能 通院の都合は好きにさせてくれる
    エネルギー・環境・リサイクル系、技術系、男性



    職場が症状に関して理解していると、突発的な欠勤でも受け入れやすいようです。あらかじめ通院日が決まっていれば、勤務日や勤務時間を調整できる職場もあります。特にシフト制であれば、希望を出すことも可能かもしれません。



    入社前に、企業の休暇制度や有休制度など、就業規則や福利厚生を確認することも有効です。
    休みをとることを前提に、普段から仕事のスケジュールや進捗状況を共有することも大切です。仕事に対する前向きな姿勢こそが、周囲の理解を深め、信頼を得ることにつながるのではないでしょうか。

    【対策2:作業量やペースを調整してもらう】

    出勤している場合であっても軽い作業内容に変えてくれるなどの対応をしてもらえる。
    物流・倉庫 物流、運転手 女性

    病気の事を考えてくれた上で体調面を最優先に考えた働き方をさせてくれたからです。
    ビジネスコンサルティング 営業 男性

    『今日なんかいつもと比べて調子悪そうだけど大丈夫?』みたいなことを声掛けしてくれるので、コンディション等気軽に話をすることができた。
    金属・鉄鋼 技術系 男性



    疲れを感じやすいときや通院の回数が多いときは、あらかじめ作業ペースや担当する仕事量を少なめに設定してもらいましょう。職場の同僚も突然仕事の負担が増えるよりも、早めに仕事量がわかっているほうが、スケジュールを立てやすいからです。

    仕事の負担が大きいと感じた場合は、勇気を出して職場の同僚に相談してみるとよいかもしれませんね。

    4.潰瘍性大腸炎のある方が周囲に知っていてほしいこと、伝えていること

    潰瘍性大腸炎は見た目ではわかりづらい病気であるがゆえに、誤解を招くことも多いでしょう。また特性上、職場の同僚に伝えづらいと思う方も多いのではないでしょうか。

    しかし、職場の同僚に知ってほしいことはたくさんあると思います。
    知ってもらうことで働きやすくなることがたくさんあります。

    ここでは、潰瘍性大腸炎のある方にツイッターなどでうかがった職場で配慮してほしいことを紹介していきます。
    みなさんもこちらを参考に、相談してみてはいかがでしょうか。

    【職場で配慮してほしいこと】

  • 打ち合わせや会議が多い仕事ですが、ドアに近い席にしてもらうことで、少しトイレへ行きやすくなる。

  • 一番のネックは昼食をみんなで食べる習慣。食べられるものが限られているので初めは本当にどうしようか悩んだけれど、思い切って伝えた。そして12時から13時は電話当番を買って出ることを提案。すると周囲からも喜ばれて、心配していた人間関係も問題なく過ごせることになった。

  • 潰瘍性大腸炎のある方に一番多い悩みは、トイレや食事に関することです。
    トイレへ行きやすい環境や、食事で無理をしなくてよい状況が少しでも整うと、仕事中の心配事が減るでしょう。

    ツイッターなどには、配慮してほしいことの他にも、自分で行っている工夫や対策も寄せられました。

    【自分でやっている対策】

  • トイレが検索できるサイト「Check A Toilet」を活用して、打ち合わせで外出予定がある際は必ず確認している。
    ▼参照:チェック・ア・トイレ(NPO法人チェック) 

  • 飛行機に乗るときは、特別食が頼める会社もあるので、相談することがある。例えば、全日空では「胃腸疾患対応ミール」なんていうのもある。
    ▼参照:全日空特別機内食(スペシャルミール) 

  • 座りっぱなしの仕事なので、お尻が痛くて辛くなることもある。ドーナツ型のクッションを利用すると少し楽だ。

  • 忘年会や打ち上げが年数回あるが、幹事をやっています。理由は店を選べるから。案外おすすめなのは居酒屋。魚やあっさりした食べ物もメニューにあるし、幹事は飲み物のオーダーや会計などで忙しいので、食べている暇があまりないのもかえってありがたい。

  • 使えるツールや少しのアイデアで、困りごとを減らす工夫をしている方もいますね。取り入れられることは、ぜひ活用してみてください。

    また以下のような意見もありました。


  • 職場では知られると話の種にされて『体弱いな。使えないな』とか言われるので秘密にしている。

  • 職場の雰囲気によっては、自分の状況を伝えないほうが働きやすい方もいます。もちろんそのような選択もあるでしょう。 例えば定期的な通院も、シフト制の職場であれば平日休むこともできるので、休みを申請する必要はありません。

    自分に向いている働き方は、、同じ病気のある方の声を参考にするのもおすすめです。

    5.転職や就活では潰瘍性大腸炎をオープンにするかクローズにするか

    潰瘍性大腸炎のある方の多くは、病気をオープンにするか、クローズにするかということで悩むのではないでしょうか?それは、伝えるか伝えないかで働き方が大きく異なるからです。

    では、オープンにした方(障害者雇用枠で働いている方)と、クローズにした方(一般雇用枠で働いている方)では何が違うのでしょうか?

    潰瘍性大腸炎をオープンにした方の体験

    まずは、潰瘍性大腸炎があることを職場に伝えた方のコメントです。オープン就労で良かったと感じること、逆に悩んだことはどのようなことでしょうか?


    オープン就労の良い点

    トイレに行きたい時は特に声をかけなくても、すぐに行っていいという配慮をしてもらいました。そのように言ってもらうことでこちらも気兼ねなく勤務中にトイレに行くことができ、とても気が楽でした。
    医療・医薬 医療関係 男性

    入院したとき、病休扱いで給料も保障される点。
    団体・連合会・官公庁 公務員 男性



    潰瘍性大腸炎があることをオープンにしていると、トイレに何度行っても休憩しすぎだと勘違いされなくて済みます。さらに、トイレへ行くことを毎回告げなくてよい配慮が行き届いた職場もあります。

    また、仕事を休むと給与が減り、生活が成り立たなくなる心配もありますが、潰瘍性大腸炎であることをオープンにすると、給料が保障される職場もあるようです。使える制度があるかもしれないので、よく確認してみましょう。

    職場に公表してみんなに理解を得たことで、特に不自由なく仕事を続けることができています。食べ物飲み物に関しても、家から持参し、職場の飲み会には極力参加せずに、食事制限も無理なくできています。
    医療・福祉・介護、男性



    潰瘍性大腸炎があることを職場に伝えたことで、食事に関する配慮が得られるようになった方もいます。食事の持参や飲み会への不参加が許容されると、余計な心配をしなくてよくなりますね。

    オープン就労の悩み

    配慮のない方は、病院や、トイレに対して陰口や私に対しての態度が悪く、休むことに対しては、上司に対し文句を言っていました。
    専門店 接客 女性



    潰瘍性大腸炎であることを伝えても、すべての人が配慮してくれるわけではないようです。悲しいことですが、トイレに行くことに対して不満を持つ人もいます。まずは、潰瘍性大腸炎という病気の特徴やその辛さ、トイレの必要性をよく理解してもらいましょう。難しいときは、上司に相談することも1つの方法です。

    【オープン就労のまとめ】

    オープン就労は、トイレや食事への配慮が得られる可能性が高くなります。
    しかし、配慮の内容や程度は職場により異なります。まずは、自分の症状をわかりやすく説明しましょう。それでも理解を得ることが難しい場合は、上司に相談するとよいでしょう。

    潰瘍性大腸炎という病気や自分の症状についてどのように説明するか、どこまで説明するかによって、職場の上司や同僚への伝わり方や理解度は変わります。話す内容や伝え方にもポイントがあることを知っておくとよいですね。

    潰瘍性大腸炎をクローズにした方の体験

    次に、潰瘍性大腸炎であることを職場に伝えなかった方のコメントです。クローズ就労で良かったと感じること、逆に悩んだことはどのようなことでしょうか?

    クローズ就労の良い点

    そもそも詳しい病状、現状を伝えていなかった。伝えていたら雇ってもらえたか不明。
    人材 仕訳、商品管理、女性



    潰瘍性大腸炎であることを伝えなかったことで、採用してもらえたと思う方もいます。クローズ就労にすることで選択肢が広がり、希望の職種に就きやすくなるのも一概には否定できません。

    ただし、職場から理解が得られない以上、体調を崩したときの適切なサポートは期待できません。そのため、体調管理には特に気を付ける必要があります。

    クローズ就労の悩み

    同僚は、私の病気の事を知らないので、特に配慮はなかった。定時に帰れない。忙しくて休憩も出来ない。持ち帰りの仕事がある。
    医療・福祉・介護 医療関係 女性



    この口コミの方は、症状を同僚には伝えていませんでした。定時に帰れなかったり、休憩ができなかったりしているように、体調への配慮が得られないことがわかります。体調が悪くても我慢して働かなければなりません。

    【クローズ就労のまとめ】

    潰瘍性大腸炎であることを伝えないことで、採用されやすいという方もいます。ただし、職場の配慮は期待できないので、体調が悪いときでも無理して働くことになります。クローズ就労で働くかどうかは、自分の症状と相談しながら、慎重に判断する必要があります。


    ▼障害者枠と一般枠で悩んでいる方は、それぞれのメリット・デメリットを紹介しているコラムを参考にしてみてください。
    障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説

    6.転職や就活の参考に、潰瘍性大腸炎のある方におすすめの企業・業界・職種

    ここで、潰瘍性大腸炎のある方で転職や就活を考えている方におすすめの企業をご紹介します。

    本当に潰瘍性大腸炎のことを理解してくれる会社なんてあるの?と疑問をお持ちの方もいると思います。
    しかし口コミには、潰瘍性大腸炎とうまく付き合いながら理想の職場で働いている、ポジティブなコメントをくれた方がたくさんいます。

    6-1. おすすめの会社、企業名

    ・医療法人緑の風
    比較的、自由なコンセプトで仕事ができます。 手技に偏りがなく、自分の得意な方法を選択できます。 様々な業態があるのでチャンスがあれば、配属先の変更も可能です。
    満足度:★★★★
    配慮 :★★★★★
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    ・株式会社ジンテック
    基本的に和やかな雰囲気を保った職場環境だと思う。 不満を感じた時は管理者に相談できる。 体調に関しても理解があるので働きやすい。 具合が悪い時は早退をするようすすめられ、ありがたかった。 ほとんどが女性の職場だが、女性特有のマウンティングなどもなく平穏である。
    満足度:★★★★
    配慮 :★★★★
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    ・株式会社ダイナックス
    有休が取りやすかったことです。シェアワークで誰かが休んでも代わりに誰かがそのポジションを補う体制が整ってました。
    満足度:★★★★
    配慮 :★★★★
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    ・株式会社バンダイナムコアミューズメント
    病気に対する理解があり、トイレに近いところに座席を配置してくれたり、体調が優れないかったりするときも温かく見守ってもらえたところです。
    満足度:★★★★
    配慮 :★★★★
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    ・日本アトマイズ加工株式会社
    ホントにアットホームな職場で、上下関係も少なく和気あいあいとした職場でした。また、無理し過ぎないように上司からも配慮がされていたのが特徴的でした。そうでなくても人をよく見ているので「今日なんかいつもと比べて調子悪そうだけど大丈夫?」みたいなことを声掛けしてくれるので、コンディション等気軽に話をすることができた。
    満足度:★★★★
    配慮 :★★★★
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    ・日本郵便株式会社
    少人数で仕事をするので、いろんなことをお互いカバーしながら助け合って仕事ができます。 有給休暇も最大で50日いただけますし、最低限の部分は必ず有給休暇を消化させてくれます。 病気休暇でも給料は満額いただくことができました。
    満足度:★★★★★
    配慮 :★★★★
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    ・有限会社道都建物管理
    人間関係や従業員の生活をよくすることを一番に考え、また意見があれば検討しみんなで考えてくれる。 職場の仲間を家族のように考えて、笑い声や笑顔の絶えない人間関係が特徴的である一方、やるべきことはしっかりやるメリハリのあるいい環境の職場であると個人的には思っています。
    満足度:★★★★
    配慮 :★★★★
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    6-2.おすすめの業界・職種

    では次に、潰瘍性大腸炎のある方におすすめの業界や職種について考えてみます。
    しかし、業界や職種もさまざま、潰瘍性大腸炎のある方の症状や特徴もそれぞれ異なります。
    そこで1つの手がかりとして、潰瘍性大腸炎のある方からアンブレに寄せられた152件の口コミをもとに、統計をとり傾向を見てみました。

    まずは、業界です。

    潰瘍性大腸炎 業界の割合
    潰瘍性大腸炎 業界別満足度グラフ
    多くの方が勤めている業界、そして満足度が高い業界は、「サービス・外食・レジャー系」という結果になりました。半数近い方が満足しており、単に勤務している方が多いだけではないことがわかります。

    次は、職種です。

    潰瘍性大腸炎 職種の割合
    潰瘍性大腸炎 職種別満足度グラフ
    多くの方が勤めていて満足度も高い職種は、「販売・接客・サービス」でした。しかし、次に多くの方が勤めている「事務」は、意外にも満足度が低いことがわかります。

    皆さんの予想はどの業界と職種でしたか?
    業界と職種に関する詳しい調査結果は以下でご覧いただけます。
    ぜひ参考にしてみてください。
    潰瘍性大腸炎の方の転職、152人の実体験を調査、向いている仕事は?

    また、潰瘍性大腸炎のある方が働いている企業が一覧で確認できます。
    満足度の高い企業や気になっていた企業の口コミをぜひこちらでチェックしてみましょう。

    では、このような企業はどのように探せばよいのでしょうか?
    次は、仕事の探し方を確認していきましょう。

    7.求人の見つけ方

    7-1. 働き方によって選べる採用枠

    求人には一般枠(クローズ就労)と障害者雇用枠(オープン就労)があり、障害者手帳を所持している方は、どちらの枠にも応募することができます。

    先にも述べたように、潰瘍性大腸炎をオープンにするか、クローズにするかといった悩みは応募できる雇用形態にも影響してきます。
    少し重複する部分もありますが、もう一度簡単に説明します。

    「一般枠」は、障害があることを伝えずに仕事をすることです(クローズ就労)。職種の選択肢が広がり、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、潰瘍性大腸炎への理解や周囲のサポートを受けることは難しくなります。

    「障害者雇用枠」は、障害があることを伝えて仕事をすることです(オープン就労)。職場の上司や同僚は、潰瘍性大腸炎について理解していることが前提になるため、周囲のサポートが受けやすく、働きやすい環境が期待できます。

    7-2. 求人の見つけ方

    ①ハローワーク

    ハローワークには、障害や病気の方専用の就労相談窓口があります。障害者雇用の求人も扱っており、アドバイスを受けることができます。

    サービスというかこういう病気がありトイレに多く行く傾向があるとの事情を就職先に話してくださった。
    コンサルティング・専門サービス系 事務系 男性

    ハローワークの求人情報をチェックしました。既に定員に足りていましたが、見学も受け入れてもらえ、アルバイトを経て、正規雇用していただきました。
    サービス・外食・レジャー系 医療・介護・福祉、男性



    ▼参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」


    ②専用の人材紹介会社

    障害があり働くことに不安を覚えている方の就職活動を支援する専用の人材紹介会社をご存知でしょうか?

    具体的には、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など、全面的なサポートを行います。

    求人の中には、ハローワークでは扱っていない非公開求人もあります。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票では確認できない職場環境などの情報も得られます。

    ひとりではじめる就職活動との違いは、専門家からのアドバイスやサポート、向いている企業の紹介を受けられることです。

    しかし、人材紹介会社も一つの企業であり、紹介できる企業の得意分野や担当者の性格は様々です。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してくれる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

    次は、気になる企業の情報収集について、方法を紹介していきます。

    ▼障害者雇用の求人の探し方や応募方法は他にも多くあり、こちらで詳しく紹介しています。
    ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介

    8.企業情報の集め方

    企業サイトや採用ページだけでは、あなたが実際に働くことになるであろう職場の雰囲気はつかめないかもしれません。できるだけ自分の目で確かめてみましょう。

    8-1. 事前に見学して企業の雰囲気を確認

    企業によっては職場を事前に見学できるところもあります。また、人材紹介会社に登録している方は、アドバイザーを通して見学をお願いすることもできます。まずは確認してみるといいでしょう。口コミにも、事前に見学を行うことで、面接だけではわからない職場の雰囲気が伝わるとの意見が多く見られます。

    特に、潰瘍性大腸炎のある方にとってトイレの環境や昼食メニューなどは事前に確認しておきたいポイントです。職場見学を大いに活用しましょう。

    自分が働く場所の社員用のトイレがすぐ近くにあるのかを面接時に確認、またトイレが1つしかないこともあるので、他の方が使用している場合、困るので2箇所ほどトイレの場所をチェックしていると良い。上司に伝えておくと基本的には配慮してくれる。」
    サービス・外食・レジャー系、医療・福祉・介護、女性

    可能ならば、実際にその職場に行って実際に働いている人を見たほうがいい。サービス業や接客業ならば、お客としてその職場に行ってみるべき。働くスタッフを見てわかることもある
    接客 女性

    8-2. 面接はその企業をよく知るチャンス

    面接は、企業があなたを審査するだけの場ではありません。大事なのは、あなたが企業に求めるものと、企業があなたに求めるものがマッチングすること。

    不安や疑問がある場合は、面接で確認しましょう。具体的に聞いておきたい内容については、口コミが参考になります。

    自分の病気のことは全て伝える。こんな病気を患っているので、最低でもこうこうこうなり、最悪の場合はこうなります。と大げさくらいに伝える。それでもokと言ってくれる社長や上司の会社なら良いと思います。あとは面接時の直感です。
    女性

    どんな病気で会社にはどの程度影響が出てしまうかは言える範囲で言っておくと面接される方も考慮しやすいかなとは思います。病気、あるいは障害も個性と思うので変に隠さず話せる範囲で話しておく事は後々スムーズかなと私は思います。
    サービス・外食・レジャー系、医療・福祉・介護、女性

    実際の選考に進んだときには面接では包み隠さず自分の病気のことをしっかり面接官に伝え、あらゆる懸念も理解してもらえるかどうか、というのが大事なことです。
    サービス・外食・レジャー系、女性

    自身の体調や病状や現在の状況を面接時にしっかりと話すことが重要。できることとできないことの話や、将来に対しての展望、病気のことなど隠さずに話しておいた方が後々面倒なことやストレスにならない。
    サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、男性



    面接で緊張しすぎて質問できなかったということがないように、あらかじめ知りたいことをまとめておきましょう。事前に準備をしておくだけで心に余裕ができ、面接にものぞみやすくなります。

    働きはじめてから大変な思いをすると、大きな負担になってしまいます。心地良い職場環境で病気と上手に向き合っていくためにも、面接をうまく活用しましょう。

    9.専門家からのアドバイス

    仕事探しを考えている潰瘍性大腸炎の方へ、障害者雇用の専門家ジョジョさんからのアドバイスを紹介します。

    潰瘍性大腸炎は、元総理が患っていたことで、広く知られるようになりました。

    潰瘍性大腸炎を抱えながら仕事をする場合は、体調について周りの配慮が必要になります。
    また症状を安定させるためにも、ストレスが少なく、体調のリズムを整えながら仕事ができる環境が大切です。

    まずは、職場の理解を得ることを検討しましょう。伝えるべきことはしっかりと伝え、配慮を受けながら働ける環境を整えることが、仕事を続けていくコツです。

    10.まとめ

    これまでの内容をまとめます。

    ■潰瘍性大腸炎の特性による悩みと対策とは?
    腹痛・下痢が頻繁に生じることや、病気が視認しづらいので理解を得ることが難しいことでした。
    食べ物に気を付ける、体を温めるといった、腹痛が起きにくいための工夫を取り入れてみましょう。

    ■職場で抱える悩みと対策とは?
    職場で一番困ることは、頻繁にトイレに行く必要があることです。
    トイレの環境が整っている就業先を探すことや、職場でトイレに行きやすい環境を整えてもらえるように上司にお願いしてみましょう。

    食事の制限があることは、職場に把握しておいてもらうと安心です。自分の弁当を持参したいことや、会食を欠席したいという要望を、より伝えやすくなります。

    また、体調不良で早退・欠勤すると職場に負担をかけてしまうこともあります。体調を見ながら日ごろの業務を無理のない範囲に軽くしてもらうことや、自分の業務を職場の同僚と共有することを心がけましょう。

    ■潰瘍性大腸炎をオープンにするか、クローズにするか
    潰瘍性大腸炎は外からは見えず症状を伝えづらい病気です。そのため転職や就活を行う際に病気があることをオープンにするかクローズにするか、多くの方が悩まれると思います。

    まずは、自分の症状を一番に考え、どのようなスタイルで仕事を行うことがベストなのかを考えましょう。通院や急な体調不良による休みを必要とする場合は、配慮やサポートを受けやすいオープン就労=障害者雇用も検討すると良いでしょう。

    ■潰瘍性大腸炎の方におすすめの企業、業界、職種
    潰瘍性大腸炎と付き合いながら、理想の職場で働いている方も多くいます。潰瘍性大腸炎の方におすすめの企業や業界、職種には傾向が見られますので、同じ病気のある方の意見も参考にしてみましょう。


    これまでにご紹介した口コミは、ほんの一部です。症状も人それぞれ、企業の対応もそれぞれ異なります。まずは自分の症状や、できることできないことについてまとめてみましょう。そして、向いている仕事を自分のペースで見つけてください。

    気になる企業の様子やサポート状況は、事前に自分の目で確かめることが理想的です。求人票ではわからない企業の様子を知るためにも、ハローワークの専門スタッフに相談したり、人材紹介会社のアドバイザーと一緒に就職活動を進めたりするのもよいですね。

    様々な企業の中で、あなたが幸せに働ける環境に出逢えることを、私たちは心から願っています。

    ※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
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