不安障害と仕事、どこでどのように働くべき?悩みと対策を徹底紹介

不安障害と仕事、どこでどのように働くべきか、悩みと対策を徹底紹介

不安障害を抱えながら仕事している方の中には、うまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、電車などに乗るのが苦痛、電話対応ができない、常に緊張や不安を感じて疲れてしまうなど、疾患による特有の悩みを感じることはありませんか?

そんなときは、同じように不安障害を抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみませんか?今回のコラムでは280人の不安障害の方のアンケートをもとに、

・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・仕事探しはどのように行ったのか

といったアドバイスをご紹介していきます。
仕事との向き合い方や職場について悩むことや不安に感じることがある方は、ぜひ寄せられた声を、解決のヒントとして役立ていただけますと幸いです。

これから就職や転職を考えている方のお役に少しでも立てれば幸いです。

目次

1. 不安障害とは

2.不安障害の特性による仕事の悩みと対策

3.不安障害の方が職場で抱える悩みとその対策

4.不安障害の方が周囲に知っていてほしいこと、伝えていること

5.転職や就活では不安障害をオープンにするかクローズにするか

6.不安障害の方におすすめの企業・業界・職種

7.求人の見つけ方

8.企業情報の集め方

9.最後に

1. 不安障害とは

    元々正常な反応であるはずの不安が、日常生活にも支障を来たすほど強く長く続いたり頻繁に起こるようになり、それと共に動悸や呼吸困難、めまい、不眠、イライラなどの不安発作(パニック発作)が起こることをいいます。

    不安障害には、社会性不安障害、全般性不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)など、いろいろな症状が含まれます。また障害が起こる周期や時間、強さも様々です。

    原因として、ストレスに対する反応が不適切な場合や、遺伝・体の異常や薬の使用などが考えられています。

    症状は個人差が大きく、また精神的な障害との区別も必要なので、治療は個々の患者の症状を基にして実施されます。治療法も、薬物療法や認知療法・行動療法などそれぞれ異なるため、専門医の診断が必要です。

    参考:参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」

仕事を始めたばかりの時は、慣れない環境から誰でも緊張することはあるでしょう。ただ、業務内容や職場の雰囲気により、過度に緊張してしまうことやそのことで出社をためらってしまったときは、仕事に対して何らかのストレスを感じているのかもしれません。

2.不安障害の特性による仕事の悩みと対策

不安障害のある方は、仕事をするうえでどのような悩みを抱えているのでしょうか。不安障害は、その症状の程度も、その症状が出る場面も一人ひとり異なります。しかし、アンケートに寄せられた仕事の悩みを見ていくと、いくつか共通するものがありました。

【不安障害による仕事の悩み、その傾向】
  • 人混みや閉鎖的な空間に人と一緒にいることが苦手という悩み
  • 対人場面において過度な緊張を感じる悩み
  • 体調を崩しやすい悩み
こうした悩みについて、不安障害を抱えながら仕事をしている方々はどのように対応しているのでしょうか。具体的な悩みの内容とその対策方法について、アンケートに寄せられたコメントを見ていきましょう。

2-1. 人混みや閉鎖的な空間に人と一緒にいることが苦手という悩みとその対策

アンケートに寄せられたコメントを見ると、多くの方が電車内や街中の人混み、エレベーターの中で人と一緒にいる状況などにストレスを感じていると回答していました。具体的な悩みの内容を見ていきましょう。

【悩み】

バスや電車に乗ると心臓がドキドキしたり、吐き気をもよおしたりすることもある。
人材、男性

加害妄想が強く、電車に乗るのがとにかく辛かったです。電車を待つ間は「人を線路に落とすのではないか」という不安があり、電車に乗れば今度は「周りの人から見て変な行動を自分がしていないか」という不安に苛まれとにかく辛かったです。
IT・通信・インターネット系、女性

エレベーター等を含め密集した場所や緊張がひどくなると吐気と胸の痛みによる呼吸困難。
医療・福祉・介護、医療関係、女性



通勤を伴う仕事をしている場合、電車やバスに乗る機会を全くなくすことは現実的には難しいと言えます。それでは、こうした症状がある方はどのような工夫をして仕事をしているのでしょうか。

【対策や工夫】

電車やバスなどの公共機関は、誰か信頼できる人と一緒に乗ります。仕事で通勤するところは、なるべく公共機関を使ったとしても片道15分くらいの場所と決めています。
ソフトウェア・ハードウェア開発、接客、女性

症状が激しくなってからは通勤のない在宅での仕事をすることによって対応しました。また、強迫性障害の不安感を緩和する薬を服用し、認知行動療法を行い通勤の仕事もできるようになるためにリハビリをはじめました。
IT・通信・インターネット系、女性

営業上相手にお願いして、待ち合わせ場所などは出来るだけ人通りの少ない場所と時間帯を選ぶようにしている。
IT・通信・インターネット系、その他、男性



不安障害の症状を理解してくれている人と共に行動することができれば、一人で行動する場合に比べて気持ちも落ち着くうえ、症状が出た際も冷静に対処してくれる可能性が高まると言えます。また、仕事で関わりのある人に症状について事前に話しておき、待ち合わせ場所などを決める際はできるだけ人混みを避けるという工夫をしている方もいました。加えて、求職活動の段階から、通勤時間が短いことや在宅勤務という選択肢があることを条件に仕事を探すということも一つの方法と言えます。

2-2.対人場面において過度な緊張を感じる悩みとその対策

不安障害の症状の一つとして、対人場面で過度な緊張を感じるということがあります。電話対応や職場の人との人間関係など、仕事をするうえで人との関わりは避け難いものですが、不安障害がある方は実際の仕事の場面にて具体的にどのような悩みがあるのでしょうか。アンケートのコメントを見ていきましょう。

【悩み】

人からの評価に過敏に反応してしまうため、常に自分を批判されているような気持ちになる。
物流・倉庫、軽作業、女性

人に対する信頼や人に対しての怖さがあったので、少しでも怒られたり何かいわれたりすると家に帰ってもずっとその言葉がグルグル廻っていて、なかなか切り替えることができませんでした。
教育、女性



「常に人に批判されている」、「失敗できない」と考えながら日々を過ごすことは大きなストレスです。こうした日々の不安が蓄積されることで、慢性的な体調不良の原因にもなり得ます。不安障害の方の中には、こうしたストレスに対処しながら仕事をしている方もいました。具体的な工夫の方法を見ていきましょう。

【対策や工夫】

自分を責めず、受け入れること。過剰に気にし過ぎないよう、気楽に生きる。
物流・倉庫、軽作業、女性

働いているときは、自分が精神病であることをスタッフの方々にそれとなく伝えるようにしています。病名までは言わなくとも、「人前で緊張してしまうんです」というように少しアバウトな感じで伝えます。そうすると、大体の人が理解を示してくれます。
ビジネスコンサルティング、女性

対人を意識しないようにする。自分の仕事だけに集中するようにしています。
一般事務、女性



目の前の「人」から少し意識をそらして「今、自分がしている仕事」に注意を向けることで、緊張を和らげる工夫をしている方がいました。また、周囲の人にあらかじめ自分の特性について話しておくことで、周囲の理解を得るという方法も有効でしょう。不安障害の有無に関わらず、「緊張」は誰もが経験したことがある感覚のため、病状の詳細を伝えずとも、理解が得やすい可能性が高いと考えられます。

2-3.体調を崩しやすい悩みとその対策

不安障害の方の中には、過度な心配や不安を抱えているがゆえに、ストレスから不眠になったり、筋肉の緊張が続くことにより体調が崩れたりする方がいます。また、パニック発作が繰り返されることで心身ともに強いストレスを抱えている方もいます。こうした特性がある場合、仕事の場面では、具体的にどのような困りごとがあるのでしょうか。アンケートに寄せられたコメントを見ていきましょう。

【悩み】

仕事中に急に動悸やすべてが怖くなった時に、周りに言いづらく、我慢してしまうので後々体調が悪くなる。また、朝から体調がわるいとき、出勤時間が決まっていてもなかなか家から出られない。
サービス・外食・レジャー系、女性

エステサロンなので、長時間のマッサージなど、体力勝負な部分がありました。お客様と一対一なので、フェイスパックの時間以外などは、具合が悪くなっても抜けることが出来ず、ただただ耐えて施術していました。施術後はいつもクタクタでした。
エステ・ネイル・マッサージ、女性

社交不安障害でストレスが強くなると睡眠をとることができなくなり、悪循環で仕事が嫌になりました。状態が悪くなっているのは自覚していても治療のために病院にかかる事も難しくなるのでどんどん悪化してしまい結果的に仕事をすることが出来ない状態になってしまいました。
化学・素材、男性



休みを取りにくい職場環境である場合や、一対一での接客など仕事場を離れて休憩を取ることができない場合、ストレスや疲労が蓄積され、更に体調が悪化してしまうという悪循環があるようです。次に、体調を崩しやすいという悩みを抱えている方が取り得る対策について、アンケートのコメントを見ていきましょう。

【対策や工夫】

仕事中に言えない環境にならないように、あらかじめ上司に相談した。また、朝に関しては少し早めに起きて体調を見る時間を作るようにした。
サービス・外食・レジャー系、女性

外の空気を吸いに、時間があればちょくちょく抜けていました。そうすると落ち着きました。また、少し具合が悪いなと感じたら、予約がなければ帰らせてもらったり、ベッドで休ませてもらったりしていました。薬を飲み始めてからは安定し、そのようなことは無くなりました。
エステ・ネイル・マッサージ、女性

昔は症状に対して自分が悪いから、ちゃんとしないといけないと、自分を責めてしまっていました。自分には障害があるのだと認めてからは治療をちゃんとする様になり、治療を続けていれば大丈夫だと思う様になりました。
化学・素材、男性



コメントを見ると、上司や同僚に事前に特性について話し、理解を得てこまめな休憩を取ることや、急な体調不良についても相談しやすい雰囲気を事前に作っておくことが重要ということがわかります。また、自分を必要以上に責めることはせず、更なるストレスを与えないように過ごすことも大切でしょう。

3.不安障害の方が職場で抱える悩みとその対策

不安障害のある方は様々な職業に就いていますが、アンケートを見ていくと、職場での悩みについて、いくつか共通するものがありました。

【不安障害の多くの方が抱える職場での悩み】
  • 人と接することへの緊張感、恐怖感
  • 職場で不安障害の症状が出るのではないかという心配
それぞれの悩みと対策について、アンケートに寄せられたコメントを紹介してきます。

3-1.人と接することへの緊張感、恐怖感

アンケートを見ると、職場で抱える悩みとして「人と接することに緊張感、恐怖感がある」と回答した方が多くいました。アンケートの回答結果から、人と接することへの緊張感や恐怖感に関する職場の悩みを次の4つに分類しました。

【人と接することに緊張感、恐怖感があるとは】
  1. 電話応対など、対人での仕事への緊張感、恐怖感
  2. 職場でのコミュニケーションへの緊張感、恐怖感
  3. 人の視線に対する緊張感、恐怖感
  4. 人前で食事することへの緊張感、恐怖感
これら4点について、職場での具体的な悩みと、職場が取り得る対策についてそれぞれ見ていきましょう

①電話応対など、対人での仕事への緊張感、恐怖感
まずは「電話応対など、対人での仕事への緊張感、恐怖感」について、具体的な職場での悩みを見ていきましょう。

【職場での悩み】

人と接することに恐怖を感じ、その緊張からうつ病を併発しました。電話応対が苦手で特に緊張します。
アパレル・日用品、一般事務、女性

人と接すると緊張してしまう。電話をすると緊張してしまい、内容が飛んでしまうことがある。過剰な対人緊張から胃痛や頭痛、アレルギーの悪化を起こす。他人が叱責されているのを聞いているだけでも疲れてしまう。
教育、出版、映像、マスコミ、記者、原稿作成、女性



こうした悩みについて、対応している職場もありました。具体的なコメントを見ていきましょう。

【職場の対策、対応】

電話が苦手と伝えてあったので、電話対応はしなくていいようにしてくれていた。 接客なども自分のペースでできるように周りが気をつかってくれた。
住宅・建材・インテリア・エクステリア、接客、女性

電話をかける際はどのように受け答えをするのか、お客様に何を確認するのかをしっかりと教えてくださいました。
通販・EC、女性

病気や障害の有無にかかわらず、たとえば「人前が苦手」「機械操作が得意」といった個人の得手不得手を、自然とみんなが活かしてポジションなどを決めてくれる雰囲気があったので嬉しかったです。私は自分が焦ってしまうレジが苦手だったので、周りは配慮してくれていました。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、接客、女性



従業員の適性を見極めて、能力が発揮できるポジションに配置している職場や、業務分担ができている職場は満足度が高いことがうかがえます。また、従業員が苦手とする作業を把握し、その対処法を丁寧に従業員に伝えている職場も、不安障害の方にとって働きやすい職場と言えるでしょう。

②職場でのコミュニケーションへの緊張感、恐怖感
次に、職場でのコミュニケーションに緊張感、恐怖感を覚えるという悩みについて、具体的なコメントを見ていきましょう。

【職場での悩み】

対人関係を上手く築けず職場の方とコミュニケーションが取りにくいです。
通信、コールセンター、オペレータ、女性

人と関わることへの恐怖心がだんだん強くなってしまいました。接客中には、お客さんと目を合わせるのが怖くなったり、緊張して手元が狂ったりしました。また対人恐怖症は、職場のスタッフ間の人間関係にも影響が出ます。うまくコミュニケーションが取れない時もあり、自分がどう思われているか常に不安でした。
ビジネスコンサルティング、女



こうした悩みに対して、職場としてどのような対応・対策があるのでしょうか。具体的なコメントを見ていきましょう。

【職場の対策、対応】

症状を話した当初はやはりあまり理解は示してもらうことは難しかったが、徐々に理解してくれ、休憩時間など一緒にとることの強要はしないでいてくれるようになった。
物流・倉庫、女性

私の「文字でのやりとり」を面倒とは思わず、しっかり受け止めて「口答よりも文字でのやりとり」を心がけてくれました。
ビジネスコンサルティング、女性



職場でのコミュニケーションに過度な緊張や恐怖を感じる不安障害の方の中には、休憩時間の歓談や就業後の懇親会など、業務以外でのコミュニケーションに特に強いストレスを感じるという方がいます。こうした特性を理解し、コミュニケーションは業務上の指示など必要な場面だけに留めるという対策を取っている職場は、不安障害がある方にとって働きやすい職場と言えるでしょう。また、本人の希望を聞き入れ、口頭でのコミュニケーションから文字でのコミュニケーションに切り替えるなど、周囲の従業員が本人の特性を理解し、受け入れて対応している職場は満足度が高い傾向があります。

③人の視線に対する緊張感、恐怖感
次に「人の視線に対する緊張感、恐怖感」ことについて、具体的な職場での悩みを見ていきましょう。

【職場での悩み】

対人恐怖症があって、基本人と接することが怖く、とても緊張します。特に対面で人と視線を合わせることが苦手で、それで不審に思われてしまうこともありますし、自分の中で緊張状態を通り越して不快な感情が湧いてしまうこともあります。
専門店、営業事務、女性

他者と対話するときに緊張や不安が強くなり会話ができない。
IT・通信・インターネット系、エンジニア系、男性



このような悩みに対する、職場の具体的な対応について、アンケートに寄せられたコメントは次のとおりです。

【職場の対策、対応】

私が接客中、インカムで常に同僚が、大丈夫だよ。ユックリ焦らずいつもどうりにと言ってくれました。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、女性

人が多いとダメなので席を代わってもらいました。
化学・素材、女性



オフィス勤務などで一人ひとり決まった座席がある場合、例えば人通りの多い通路側を避けた座席とすることで、人の視線に触れる機会を減らすことが可能になります。従業員同士の声かけや座席配置の変更などのフォローが受けられる職場は、不安障害のある方にとって働きやすい職場と言えるでしょう。

④会食など、人前で食事することへの緊張感、恐怖感
続いて「会食など、人前で食事することへの緊張感、恐怖感」について、具体的な悩みを紹介します。

【職場での悩み】

仕事場では、飲んだり食べたり、食事に誘われたりする仕事だったので、自分の病気が会食恐怖症なので、食事を他人とするのがとても困りましたし、怖かったですね…。不安になったり、緊張したり、時にはその場にいるだけで冷や汗をかいたり、動揺したりするので、あまり会食恐怖症と言う病気を知らない人が多いので、気にしなければ食べれるよ、気にしすぎだよ、などと言われる事が度々ありました。
小売・流通・商社系)、女性

会食恐怖症でお客様とご飯の話をしたりご飯の匂いだけでも吐き気がする時があり、お客様に少し待ってもらってバックルームで吐けないけど吐き気だけ出してたりしていました。
理容・美容、男性



こうした悩みに対して、具体的に対応している職場もありました。アンケートに寄せられたコメントは次のとおりです。

【職場の対策、対応】

周りからさりげなく大人同士のコミュニケーションが下手なことをわかられていたので、お酒の席などは強要されなかった。
教育、女性

私の病気を理解してくれる方は、会食に対して私が行きたいお店や入れそうな雰囲気のお店を選ばせてくれたり、途中で食事が採れなくなっても「無理に食べなくていいから」などと言ってくれたりしてくれました。そう言う言葉がとても勇気づけられたり、支えになりましたね。
小売・流通・商社系女性



不安障害の方が抱える「人前で食事することへの緊張感、恐怖感」という特性を理解し、あえて食事の場への声かけはしないという職場としての配慮がみられました。その他、不安障害の方本人に相談してお店を決めることや、本人の様子の変化に注意を払い、食事中も声をかけるなどの配慮が実施された場合、不安障害の方にとって働きやすい職場となり得ることがわかります。

ここまで、「人と接することへの緊張感や恐怖感」に関する職場での悩みを4つに分け、それぞれの具体的な悩みと、悩みに対応している職場の状況について見てきました。次に、「人と接することへの緊張感や恐怖感」について理解し、対応している職場の特徴をまとめます。

人と接することへの緊張感や恐怖感を理解し、対応している職場は

  • 従業員一人ひとりの「得意なこと、不得意なこと」を把握するよう努め、適材適所の人員配置を行っている
  • 従業員が苦手とする業務を把握し、その対処法を丁寧に伝えている
  • コミュニケーションは業務上の指示など必要な場面だけに留める
  • 口頭での指示だけでなく、文字でのやり取りも用いるなど、本人にとって負担の少ないコミュニケーション手段を取る
  • 人の視線に緊張感を覚えるという特性を理解し、席替えをするなど柔軟な対策を行う
  • 人前での食事にストレスを感じるという特性を理解し、食事の場への参加を強要しない、もしくはお店選びについて相談するなど、本人に負担の少ない方法を一緒に考えてくれる

人と接することへの緊張感や恐怖感を理解してくれる職場で働くための対策としては、次のような方法が考えられます。

【人と接することへの緊張感や恐怖感を理解してくれる職場で働くために】
  • 定期的に個人面談の機会を設けるなど、従業員の声を聴く工夫を行っているか確認する
  • 休憩時間について、一斉に取る必要があるか、交代制かを確認する
  • 懇親会など、就業後のコミュニケーションやイベントごとを重視している社風かどうかを確認する
  • 社内外の人と食事をする機会があるか確認し、症状によっては参加が難しい旨をあらかじめ伝える
  • 特性について話し、メールなど、口頭コミュニケーション以外の方法も視野に入れてもらうよう依頼する

人と接することへの緊張感、恐怖感を理解してくれる職場に共通するものは、従業員は一人ひとり違う事情があるということを理解し、それを尊重する姿勢です。上記のポイントについて事前に情報収集することで、職場のスタンスを確認する手がかりとなるでしょう。

次に、不安障害の方が抱える職場での悩みとして挙げられていた「職場で不安障害の症状が出るのではないかという心配」について、具体的な悩みの内容と職場の対応策を見ていきましょう。

3-2. 職場で不安障害の症状が出るのではないかという心配

不安障害の症状には、突然の動悸やめまい、窒息感、パニック発作などがあります。こうした症状をお持ちの方は、「職場で症状が出たらどうしよう」という心配を抱えています。アンケートに寄せられた、具体的な悩みの内容について見ていきましょう。

【職場での悩み】

私は不安な事があるとすぐに吐き気や体調に出てしまうようで、仕事で不安な事があるとすぐに吐き気がしていました。
(住宅・建材・インテリア・エクステリア、女性、4802)

仕事中にパニックを起こしたり、予期不安が強くいま発作が起きたらどうしようとか不安な事ばかり考えてしまう。
サービス・外食・レジャー系)、女性

症状がいつ起こるかわかるかわからないため、クライアントとの打ち合わせ時間に困りました。
マスコミ・広告、男性



不安障害の方が抱えるこうした悩みに対して、職場が取り得る対策や工夫について、アンケートに寄せられた回答を見ていくと、「なるべく発作が起きないようにあらかじめ対応してくれる」、「症状が出そうになったときや症状が出たときに対応してくれる」、「特別視せず、普段通りに過ごしてくれる」の3つに分けることが出来ました。対策方法ごとに、コメントを紹介します。

【職場の対策、対応①】
なるべく発作が起きないようにあらかじめ対応してくれる

何かあった時のために、同じ時間帯の勤務人数を増やしてくださいました。また、不安が起きにくいようにポジションの設定や休憩の配慮もありました。上司も同僚もよく気遣ってくださったと思いました。薬を飲む時間も配慮されました。
  運輸・交通、接客、女性

早朝の清掃業務は本来は一人勤務なのですが、私の障害のことを考えてサポートしてくださるスタッフさんと二人体制で仕事をしています。その方は私が従業員の方に仕事を依頼された時やお客様に何か質問をされた時などには私に代わって受け答えをしてくださいます。私の声になってくださっているその方には大変な仕事を押し付けているとは思いますが、いつも笑顔で接してくださいます。
  サービス・外食・レジャー系、清掃、女性



【職場の対策、対応②】
症状が出そうになったときや症状が出たときに対応してくれる

気分が悪くなったりパニック発作がでてもおおげさにせず、冷静に対応してくれた。仕事の量を調整し、残業などがないように調整してくれた。無理な作業は免除してくれて、早く帰れるようにしてくれた。食堂へ行く時間を私だけ早めにしてくれた。
  住宅・建材・インテリア・エクステリア、経理、男性

不安障害については説明してあったので調子が悪いときは静かで落ち着けるところでできる作業を回してくれたり定期的に様子を見てくれたりしました。
  その他、女性



【職場の対策、対応③】
特別視せず、普段通りに過ごしてくれる

発作が起こった時にあえて心配をせず、通常通りに過ごしてくれた。変にかまわれたり心配されると、症状が長引くとあらかじめ言っておいたおかげで、こちらも必要以上の気遣いをしなくて済んだ。あまり難しい仕事などは回ってこないよう配慮してくれた。
化学・素材、総務、男性

必要以上に干渉してこなかった。発病する前と同じように接してくれたり、気にかけてもらったりした。自分一人で担当していた仕事を分担してダブルチェックをしてもらうなど不安が出ないように配慮していただいた。
設備・プラント、女性



職場で不安障害の症状が出るのではないかという心配が尽きない職場と、こうした悩みを理解し、対応している職場にはどのような違いがあるのでしょうか。悩みに対応している職場の特徴をまとめてみましょう。

職場で不安障害の症状が出るのではないかという悩みに対応している職場は

  • 勤務人数の拡充や配置変換、休憩時間への配慮など、発作や症状が出にくいようあらかじめ工夫している
  • 症状について理解し、症状が出た際は休憩を取らせたり、静かな場所での作業に切り替えたりするなど、冷静に対処してくれる
  • 特別視をするのではなく、普段通りに接してくれる。加えて、仕事の分担などのフォローを行っている
不安障害の症状がでるのではないかという悩みを理解してくれる職場で働くために、次のような対策が考えられます。

【不安障害の症状がでるのではないかという悩みを理解してくれる職場で働くために】
  • 病気や障害のある従業員が働きやすいよう、配置転換や休憩時間をずらすなどの工夫を行っているか確認する
  • 不安障害の症状やパニック発作について伝えたうえで、具体的に配慮して欲しい事項や職場が取り得る対応策について話し合う機会を設ける
  • 業務分担を進めるなど、従業員が相互にフォローしやすい環境づくりに取り組んでいるか確認する

4.不安障害の方が周囲に知っていてほしいこと、伝えていること

不安障害といっても、不安に感じる物や事やシチュエーション、症状は様々です。不安障害とは、を説明するための定義はあっても、職場で配慮してほしいことは十人十色です。

配慮してほしいことや伝えたいことがあっても
  • なんて言ったらよいか言葉でうまく表現できない
  • こんなことお願いしたらダメかな。
このようなためらいはありませんか?

そんなときは、同じ不安障害を抱えながら働いている方が、
  • どんな配慮をしてほしいと思っているか
  • どんな配慮をお願いしているか
を知ることで、解決できるかもしれません。

アンブレでは、ツイッターなどを通して、「職場や周囲の方には直接言えないけど伝えたいこと」を聞いてみました。
多くの方から、心の中で思っていることがたくさん寄せられました。
ご自身にあてはまることがあるかもしれません。ぜひ、参考にご覧ください。

職場や周囲の方に対しては、業務内容や仕事の進め方についての要望が多くあがりました。

【責任ある仕事や期待は負担に】

・特にお金に関わることは、ダブルチェックしてほしい。大金にまつわる責任を、1人で背負うのはツラい。

・社判・代表社印などの重責な捺印が嫌いです。

・終業後、会社を最後に出るのが辛いです。戸締まりや火の元などの確認がどうしても怖いです。

・出張、お使いなど無理。

・あなたなら大丈夫!は信頼しているよという言葉なんだと思うのですが、不安障害当事者にとっては負担になる言葉です。期待されている重みに耐えきれなくなってパニックに。

【みんなで指示されると混乱】

・パニックに繋がるので複数の人間が一つのことを違うように指示するのが困ります。とくに技術職は仕事の優先順位等はマニュアル化の遵守をお願いしたいです 【1人の時間が大切】 ・きちんと休憩時間は確保したいです。1人になれる空間を少しでも確保できるかできないかで、体調が全然違うのです。
ランチも常に一緒の空間でとらされた職場は、無理でした。
人と違う働き方をしている事に、いちいち詮索された事もストレスでした。
その都度テンプレート的にかわす事にウンザリ…。

・席はパーティションで区切ってあると安心する。(電話応対なども周りに聞かれなくて済む)

わかる!と共感できるコメントはありましたか?
先述しましたが、同じ不安障害でも、以下のコメントのように職場への要望は人それぞれです。

・私は期待される重みでパニックになることはありませんが、急かされたり急に予定変更されたりするとパニックになります。



他の人には当てはまるけど、自分には当てはまらない。
逆に自分に当てはまるけど、他の人には当てはまらない。

そのため、不安障害の方々が周囲に望んでいることは定義されていることだけでなく、もっと多くのケースがあることを広めていきたいですね。
そして、「自分の場合はどんな配慮がうれしいのか」を伝えやすい環境になっていくことが、職場での誤解が解けたり、働きやすい環境作りへの近道つながります。

ご自分について伝えられる場面に備えて、自分のことを整理するのも大切です。
皆さんがお寄せくださった今回のコメントや、アンブレにある不安障害の方のお仕事体験談を参考に、ご自身のトリセツを作ってみるのも良いかもしれませんね。

5.転職や就活では不安障害をオープンにするかクローズにするか

不安障害の方の多くは、障害をオープンにするか、クローズにするかということで悩むのではないでしょうか?
  それは、伝えるか伝えないかで、働き方が大きく異なるからです。

  では、オープンした方(障害者雇用枠で働いている方)、クローズにした方(一般雇用枠で働いている方)では何が違うのでしょうか?
 
 

5-1. 不安障害をオープンにした方の体験

まずは不安障害であることをオープンにした方のコメントです。オープン就労で良かったと感じること、逆に悩んだことはどのようなことでしょうか?

  【オープンで就労して良かった点】

 

就労サポートからの紹介でこの職場で働いたこともあり、はじめから上司には自分の障害の特徴を伝えておいたので隠さずに勤められたことは心が楽な点でした。
専門店、調理スタッフ、調理補佐、女性

  店長やリーダーには病気のことをオープンにしているので、鬱やパニック発作、不安発作が出た時は頓服を飲み休憩を取るか早退させてもらっています。昼間のシフトは朝起きられなくて厳しいので、夜勤をメインに入れて頂いています。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、女性

  上司や同僚に説明し、遠方への車移動や、社外での会議は参加しなくていいように配慮していただきました。隠して無理して、症状が出て結果迷惑をかけるのであれば、初めからオープンにすることで配慮してもらえることもあります。勇気を出して話したことが良かったと思います。
医療・福祉・介護、女性

  オープンにしたことで、周囲に必要以上に気を遣ったりミスをとがめられないかびくびくしながら過ごすことが減りました。
百貨店・量販店、女性



【オープンで就労して悪かった点】

最初は施設に対しては満足していましたが、段々規模が大きくなるにつれてスタッフの数の少なさがひどくて、障害をオープンにしてもないがしろにされてしまった事が悔しく思います。
団体・連合会・官公庁、女性

病気をオープンにしても一切の配慮なく仕事を任せられる事。夜勤などによって、病状が悪化していく可能性が非常に高いです。
医療・福祉・介護、介護、男性

うつ病の事を面接の時点でオープンにしていたが、全く情報が回っておらず、健常者と同じ扱いをされた事。
医療・福祉・介護、男性



不安障害についてオープンにしている場合、急な発作や体調不良の際も理解が得やすく、休憩が取りやすいなどのメリットがあります。また、対人場面で緊張してしまうなどの特性を事前に伝えておくことで、無理のない業務内容にするなどの合理的配慮が得られる可能性も高まります。

一方、オープンにした方の中には、不安障害への職場の理解が乏しいゆえに、何の配慮も受けられず、無理なシフトや長時間労働などで体調が悪化してしまった方もいました。このような事態を避け、オープンにしたうえで働きやすい環境を得るためには、職場が病気や障害について理解する姿勢を持っているかを見極めることが重要になります。

【不安障害をオープンにして働くことのまとめ】

不安障害の症状や特性についてオープンにすることで、業務内容の見直しやシフトの融通などの合理的配慮が受けられる可能性が高まります。また、オープンにしておくことで、周囲に「どう思われているのだろう」という心配が減り、結果としてリラックスして仕事に望めるという、気持ちの面での効果も期待できます。オープンにするタイミングとしては、面接時など早めの段階で相談し、反応を確かめることで、病気や障害などに理解のある職場かどうかを就労開始前に見極めることができます。



5-2. 不安障害をクローズにした方の体験

次に、不安障害であることをクローズにした方のコメントを見ていきましょう。 【クローズで就労して良かった点】

病気のことを伝えていなかったこともあり、普通に接してもらえ、また適度な量の仕事を与えてもらえていたので妄想の入り込む隙を作らせないようにでき、とても楽しく働けました。 (その他(IT/通信/インターネット系)、女性、4539) 病状等隠してじゃないと入社できなかったので言っていません。
サービス・外食・レジャー系、技術系、男性

気を遣われると申し訳ない気持ちになり、余計に症状が悪化してしまうので、当方の場合は、周囲に病気の事を伝えませんでした。他の方と同様に、普通に接して下さった事が、とても救いになりました。
医療・福祉・介護、女性



【クローズで就労して悪かった点】

障害があることを隠して仕事をしているので、周囲のサポートがない。
サービス・外食・レジャー系、管理業務、折衝業務、男性

自分の病気をクローズして今まで働いてきましたが、そういう方々と働くにつれ病状は以前にも増して酷くなり結果、仕事を辞めることになりました。
一般事務、女性

配慮があると感じたことはありません。私が周りにカミングアウトできていないのが原因です。もっとオープンになれば、もしかしたらもっと配慮してくれたり気にしてくれると思います。
人材、一般事務、女性



病気や障害について、理解の乏しい職場があることも事実です。クローズ就労であれば、誰も不安障害について知らないため、特別視されることはありません。また、職業選択の幅が広がる可能性が高い点もクローズ就労のメリットと言えるでしょう。

一方で、クローズで就労した場合、合理的配慮が受けられず、体調が悪い時も相談しづらいため、無理して働かざるを得ず、結果的に体調が悪化してしまったというコメントも寄せられていました。

【不安障害をクローズにして働くことのまとめ】

クローズで働くことで、周囲から過剰な気遣いを受けることや特別視されることを防ぐことができます。しかし、職場が不安障害について知らないがゆえに、合理的配慮の実施ができず、結果として不安障害の特性に合わない業務内容を続けざるを得なくなったり、体調不良の際も相談しづらくなったりしてしまうなど、心身共に負担がかかる状況となる可能性が高いと言えます。ご自身にとって働きやすい環境で仕事を続けていくことを目指すのであれば、オープンでの就労を視野に入れておくことも必要でしょう。

オープン就労にするかクローズ就労にするかは、就労開始後の働き方への影響も大きいため、通院の有無など、ご自身の体調と相談しながら決める必要があります。また、オープン就労、クローズ就労いずれの場合においても、企業として障害者雇用の実績があるか、多様な人材を受け入れる体制があるかなど、その企業が従業員一人ひとりにとって働きやすい環境を整える姿勢を持っているかを確認してみると良いでしょう。



6.不安障害の方におすすめの企業・業界・職種

ここで、不安障害の方で転職や就活を考えている方に、おすすめの企業をご紹介します。

本当に理想の職場や不安障害のことを理解してくれる会社なんてあるの?と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
アンブレには、様々な企業についての口コミが多く届いていますが、不安障害とうまく付き合いながら理想の職場で働いている方もたくさんいらっしゃいます。その中から評価の高い口コミをピックアップしてみました。

6-1. おすすめの会社、企業名

・医療法人倚山会
勤務場所が病院という事もあり、持病があり不安があっても安心して働ける点にあります。同じような境遇の方が同僚にいれば病気の情報を共有して励まし合う事も出来ます。私の働いていた職場は女性の方が明るく、その雰囲気が不安を和らげてくれます。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・株式会社イセトー
私が出来ないと頼んだことなど、いやな顔一つせずに手伝ってくださり、仕事が終われば定時前でも帰らせて貰え、体調が優れない時には休憩スペースで休ませて貰える。 有給などもきちんと取らせて貰えて続けていきたくなる環境。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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・株式会社オカムラ
穏やかな性格の人が多く、溶け込みやすい職場だと思います。みなさん優しいです。働き方改革に積極的に取り組んでおり、残業を減らしたり、テレワークを実施したり、働きやすい職場作りに熱心です。人事部の人もフォローをしてくれます。ダイバーシティにも積極的で、多様な人材を確保しようという動きが活発です。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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・株式会社ギフト 何か気になることもが相談できる状態で、定期的に面談として、自分のことを話せる時間を設けている、だけでなく障がいに関わらず、健常者でも、パワハラなどの対策として匿名でも、相談・対応してもらえる電話・メールのホットラインも設けているため
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★
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・コーナン商事株式会社(旧;ドイト株式会社)
労務管理は徹底していると思う。 風通しがよく、気兼ねなく相談ができる雰囲気がある。 また、敷地内に様々な施設が充実しているため、快適に過ごせる。 別部署に車椅子の障害者の従業員がいらっしゃったが、バリアフリーにも力が入れられており、また、周りも全く区別なく接している様子が伺えた。またそのような重度の障害の方には自家用車通勤も認められている。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・積水化学工業株式会社
会社全体で障がい者を働きやすくする試みがあり、私の様な障がい者へ差別なく接してもらえるからです。できないことや体調が悪いときなどは無理せず仕事を配慮してもらえたり、休ませてもらえます。そしてそれに対して誰も何も言わないところです。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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・株式会社宅配
仕事量を扶養控除内からそれ以上、自分のできる範囲でスムーズに生活と仕事が遅れるように配慮をちゃんとしてくれます。契約、仕事のやり方、相談、本社などの研修など、大変しっかりしていて不安なく働ける。大きな会社で長年の信用も抜群。定年後でも仕事ができるなら長く働ける。事務所は女性がやや多く、明るい雰囲気。忘年会は会社が出してくれて会費なし。ストレスがあっても皆が気持ちにゆとりを持って働いている。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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・トヨタ自動車株式会社
同僚達の中には自分と同じような障害を持つ方が多く在籍しており、他の社員の方たちも私たちの事を事前に聞かされていたのか積極的に休みを入れるように作業中も話しかけてくれた。優しい人が多く、怒鳴り声をあげる人はほとんどいませんでした。休憩室は沢山の部屋があり、中には人が立ち入らないような部屋もあるので静かでおすすめです。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★★
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6-2. おすすめの業界・業種

では次に、不安障害の方におすすめの業界や業種について考えてみます。 といっても、業種や業界も様々、そして不安障害の方の症状や特徴もそれぞれ異なりますよね。
そこで1つの手がかりとして、アンブレに届いた300件近い不安障害の方からの体験談をもとに、統計をとり傾向をみてみました。

まずは業界です。

不安障害 業界の割合


不安障害 業界別満足度グラフ


多くの方が勤めている業界は「サービス・外食・レジャー系」でしたが、満足度が最も高い業界は「メーカー・製造系」でした。しかし「サービス・外食・レジャー系」も2番目に満足度が高い結果となり、働きやすく人気も高い業界という結果になりました。

次は職種です。

不安障害 職種の割合


不安障害 職種別満足度グラフ


多くの方が勤めている職種は「販売・接客・サービス」「事務」でしたが、満足度が高い職種は「人事・経理・総務・企画」という結果になりました。

皆さんの予想はどの業界と職種でしたか?
業界と職種に関する詳しい調査結果は以下のコラムでご覧いただけます。ぜひ参考にしてみてください。
【不安障害 転職】向いている職種や業界は? 280人の実体験調査から解説

また、不安障害の方が働いている企業が一覧で確認できます。
満足度の高い企業や気になっていた企業の口コミをぜひこちら

でチェックしてみましょう。

では、このような企業はどのように探せばよいのでしょうか?
次は仕事の探し方を確認していきましょう。

7.求人の見つけ方

7-1. 働き方によって選べる採用枠「一般枠」と「障害者雇用枠」

求人には一般枠(クローズ)と障害者雇用枠(オープン)があり、障害者手帳を所持している方は、「一般枠」「障害者雇用枠」のどちらにも応募することができます。

先にも述べたように、不安障害をオープンにするか、クローズにするかといった悩みは応募できる雇用形態にも影響してきます。
少し重複する部分もありますが、もう一度簡単に説明します。

「一般枠」は、障害であることを伝えず(クローズ)仕事をすることになります。障害のない方と同じように働くことため、広い職種から選べ、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、不安障害への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

「障害者雇用枠」は、障害であることを伝えて(オープン)仕事をにすることになります。そのため、職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながることも考えられます。

▼障害者枠(オープン)や一般枠(クローズ)についてはこちらでもご紹介しています。
障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説

7-2. 求人の見つけ方

①ハローワーク
障害のある方専門の窓口があるため、相談やアドバイスを受けることができます。求人数や障害のある方への求人情報も多く扱っています。

ハローワークの能力開発機構による設計のための勉強を半年間受けた。 それにより得た知識が就職の際に大変役に立った。
シンクタンク・リサーチ・マーケティング、技術系、男性

就業先の検索や紹介、転職先への提出書類の添削をしてもらった。 また転職におけるアドバイスなどがあった。
総合電機、技術系、男性

ハローワークの職業相談で、精神障害2級を持っている人でもできる仕事を紹介してくれた。
化学・素材、総務、男性



▼参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

②障害者専用の人材紹介会社
不安障害など精神的な障害を抱えることで、働くことに不安を覚えている方の就職活動を応援してくれる専用の人材紹介会社をご存知でしょうか?

具体的には、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など、全面的なサポートなどを行ってくれます。

ハローワークなどでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

ひとりで1からはじめる就職活動との違いは、専門のアドバイスやサポート、自分にあった企業の紹介を受けられるため、担当者と一緒に不安を取り除きながら活動を進めていくことができます。

体験談にも専用の人材紹介会社を活用したという声が多くありますのでご紹介します。

面接の時のアドバイスやフォローをしてもらいました。
通信、接客、女性

履歴書・職務経歴書の作成にあたり、アドバイスをしていただきました。面接の練習もあったように記憶しています。
IT・通信・インターネット系、企画、立案、女性

インターネットで、ブライダル専門の人材紹介会社を見つけ、しばらくそこの派遣としてアルバイトをしていました。その派遣先の人の目に留まり、その会場に就職することになりました。
冠婚葬祭、接客、女性 



しかし、人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

次は、気になる企業を見つけたら、その企業の情報をどのように集めると良いのか、紹介していきます。

▼障害者雇用の求人サービスについてはこちらでもご紹介しています。
ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介



▼精神疾患、発達障がいの方専門の転職サービス「MyMylink(マイマイリンク)」
経験豊富なキャリアアドバイザーが親身になってサポートします。
詳しい情報はこちらからご覧ください。

8.企業情報の集め方

会社紹介の採用ページや企業サイトだけでは、あなたが実際に働くことになるであろう職場の雰囲気はつかめないかもしれません。できるだけ自分の目で確かめてみましょう。

8-1. 事前に見学して企業の雰囲気を確認

企業によっては職場を事前に見学させてくれるところもありますし、人材紹介会社に登録している方は、アドバイザーを通して見学をお願いすることもできます。まずは確認してみるといいでしょう。体験談にも、事前に見学を行うことで、面接だけではわからない職場の雰囲気が伝わるとの意見が多くみられます。

見学してみたときに、その会社の雰囲気が、どんな雰囲気か、感じてみて、自分と合うのか、賑やか系なのか、どんな職場か感じてみるといいと思う。先輩になる人が、どんな人が多いのか、そういうのを見たほうがいいと思う。
金属・鉄鋼、仕分け、軽作業、女性、

会社見学では働いている人の顔や報告の仕方など、職員の言動に十分注意して、自分がそこにいたらどう思うかを想像しながら見学して欲しい。 また可能であれば実習をさせてもらうなど、長く続けたいならその職場になじむことが一番大事だと思う。
物流、運搬、運転手、男性

見学ができたら雰囲気を確認することが重要。業務内容のみではわからないことも多いため、事前に確認するポイントをイメージして整理しておくこと。そうすることにより少しは内情が見えやすくなると思います。業種によって得られる情報が違うので、流れはいろいろな人に確認してください。
医療・福祉・介護、医療関係、男性



8-2. 面接はその企業を良く知るチャンス

面接は、企業側があなたを審査するだけの場ではありません。大事なのは、あなたが企業に求めるものと、企業があなたに求めるものがマッチングすること。

不安や疑問がある場合は、面接時の質問タイムなどでクリアにしておきましょう。具体的に聞いておきたい内容については、以下の経験者さんの声を参考にしてみてください。

就職先を探す時には、障害に配慮がある企業を選ぶ事が大切です。そのため、障害者枠での採用が理想ですが、待遇面などで生活の維持が難しい場合には、障害をオープンにしても通常の求人で採用される事はありますので、諦めずに何度も挑戦する事が大切です。どのような配慮が可能になるのか、それは面接の時点で聞いておくべき事だと自身の体験から思います。障害者枠での求人では、障害を持っている事が前提になりますので、安心して働ける環境の職場に出会えると思います。一般求人の場合には、必ず面接時に必要な事は聞いておくべきです。
医療・福祉・介護、介護、男性

面接の時にうそや黙るのではなくちゃんと自分の病気の事を言えばいいと思います。 それで不採用なら仕方ないし採用してもらえれば有難い事ですし。担当の方の言葉も凄く変わり私達の病気の事を理解しようとしてくれるのが分かります。
物流・倉庫、物流、運搬、運転手

面接の際に自分の得意なことと不得意なことを話しておくことは大事だと思います。こんな障害や病気がある、だけでは相手方も対応が難しいので、こうしてくれると助かりますとはっきりと伝えた方がお互いスムーズだと思います。
専門店、調理スタッフ、調理補佐、女性



面接で緊張しすぎて質問できなかったということが無いように、予め知りたいことをまとめておきましょう。予め準備をしておくだけで心に余裕ができ、面接にものぞみやすくなります。

働きはじめてから大変な思いをすることは、大きな負担になってしまいます。心地よい職場環境で病気と上手に向き合っていくためにも、面接時での質問のチャンスは大事にしましょう。

9.最後に

これまでの内容をまとめます。

・仕事の悩みに関するアンケートのコメントでは、人混みが苦手なことや電車やエレベーターなど閉鎖的な空間に人といることが苦手なこと、対人の場面で過度な緊張感を覚えることなど、人と接する場面に関わる悩みが多く寄せられていました。
一度緊張やストレスを感じると、すぐに気持ちを切り替えるのは難しいことですが、こまめな休憩を取ったり、「今、自分がしている仕事」に注意を向け、なるべく目の前の人から意識をそらしたりする対策をしている方がいました。

また、電車などを利用しなければならない場合、同行者がいれば事前に症状を伝えておくと、一人で行動することに比べて気持ちも落ち着くうえ、症状が出た際も冷静に対処してくれる可能性が高まります。

・不安障害の方が職場の悩みとして多く挙げていたのは人と接することへの緊張感、恐怖感から派生する悩みでした。人と接することへの恐怖感や緊張感から派生する悩みは大きく分けて
・電話応対など、対人での仕事への緊張感、恐怖感
・職場でのコミュニケーションへの緊張感、恐怖感
・人の視線に対する緊張感、恐怖感
・人前で食事することへの緊張感、恐怖感
の4つに分類できました。

・「人と接することに対する緊張感、恐怖感」から派生する職場の悩みに対して、職場では、従業員の「得手、不得手」について把握し、適材適所に配置するという配慮が行われていました。
また、苦手な業務については丁寧に時間をかけて対処法を伝えるなど、きめ細やかな対応を行っている職場もありました。
更に、コミュニケーションにストレスを感じるという特性を理解し、不要なコミュニケーションを強要しないという工夫もありました。こうした対策を取っている職場は、不安障害の方にとって働きやすい職場と言えるでしょう。

・その他の職場の悩みとして職場で不安障害の症状が出るのではないかという心配も多く挙げられていました。人員配置を手厚くすることで本人の不安を和らげたり体調が悪い時は休憩を入れたりするなど、なるべく発作が起きないように事前に対策をしてくれる職場は満足度が高い傾向がありました。 また、業務量を調整し負担を軽減することや、症状が出ても慌てず普段通りに接するなどの対策を取っている職場もありました。こうした合理的配慮を得るためにも、症状の特性や、症状が出た際に取って欲しい対策について、事前に職場と話し合っておくことが重要です。

・転職や就活を行う上で、不安障害をオープンにするかクローズにするかも多くの方が悩むポイントです。まずはご自分の症状を一番に考え、どのようなスタイルで仕事を行うことがベストなのかを考えましょう。通院や急な体調不良による休みを必要とする場合は、配慮やサポートを受けやすいクローズ就労=障害者雇用も検討すると良いでしょう。

・不安障害と付き合いながら、理想の仕事や職場で働いている方も多くいらっしゃいます。不安障害の方におすすめの企業や業界、職種には傾向がみられますので、同じ不安障害をお持ちの方の意見も参考にしてみましょう。

これまでにご紹介した体験談は、ほんの一部です。症状も人それぞれ、企業の対応もそれぞれ異なります。
まずはご自分の症状や、できることできないことについてまとめてみましょう。そして、自分にあった職場を自分のペースで見つけてください。

そして気になる企業の様子やサポート状況は、事前に自分の目で確かめることが理想的です。求人票ではわからない企業の様子を知るためにも、ハローワークの専門スタッフに相談したり、人材紹介の専門アドバイザーと一緒に就職活動を進めたりするのも良いですね。

さまざまな企業の中で、あなたが幸せに働ける環境に出逢えることを、私たちは心から願っています。



※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
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