アスペルガー症候群と仕事、どこでどのように働くべき?悩みと対策を徹底紹介

アスペルガー症候群と仕事、どこでどのように働くべき 悩みと対策を徹底紹介

アスペルガー症候群の特徴があり仕事している方の中には、うまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、今の職場や仕事の様子から「周囲のコミュニケーションがうまくとれない」「騒がしい職場で落ち着いて仕事ができない」「上司からの指示があいまいでわからない」こんな悩みや不安を感じることはありませんか?

そんなときは、同じようにアスペルガー症候群の特徴がある方のお仕事の様子に耳を傾けてみませんか?今回のコラムでは136人のアスペルガー症候群の特徴がある方のアンケートをもとにどのようなことに悩み、どのように解決されたのか、仕事探しはどのようにされたのかをご紹介していきます。

これから就職や転職を考えている方のお役に少しでもなれれば幸いです。

現在、アスペルガー症候群については以下のように自閉スペクトラム症と表現されています。

これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていましたが、2013年のアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の発表以降、自閉スペクトラム症(ASD;Autism Spectrum Disorder)としてまとめて表現するようになりました。

▼参考:e-ヘルスネット ASD(自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群)について

ASDの特徴は広範囲であるため、このコラムでは、ASDの中でもアスペルガー症候群の特徴がある方の回答に焦点を絞り、仕事の悩みとその解決策を紹介していきます。


目次

1.アスペルガー症候群とは

2.アスペルガー症候群の特性による仕事の悩みと対策

3.アスペルガー症候群の方が職場で抱える悩みとその対策

4.転職や就活ではアスペルガー症候群をオープンにするかクローズにするか

5.アスペルガー症候群の方におススメの企業・業界・職種

6.求人の見つけ方

7.企業情報の集め方

8.最後に

1.アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群は、広い意味での「自閉症」のひとつのタイプです。最初に症例を報告したハンス・アスペルガーというオーストリアの小児科医の名前にちなんでつけられました。

アスペルガー症候群は、自閉症の3つの特徴のうち
  • 対人関係の障害
  • パターン化した興味や活動
の2つの特徴を有し、コミュニケーションの目立った障害がないとされている障害です。言葉の発達の遅れがないというところが自閉症と違うところです。知的発達に遅れのある人はほとんどいません。

アスペルガー症候群の人々には、「表情や身振り、声の抑揚、姿勢などが独特」「親しい友人関係を築けない」「慣習的な暗黙のルールが分からない」「会話で、冗談や比喩・皮肉が分からない」「興味の対象が独特で変わっている(特殊な物の収集癖があるなど)」といった特徴があります。このほかに身体の使い方がぎこちなく「不器用」な場合が多くみられます。

参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」
※上記URLは2020年10月13日現在、「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」のページに移行されます。上記の記載内容は、移行される前に同URLにて掲載されていた内容です。

参考:発達障害情報・支援センター

他人との意思疎通が難しい、その場の雰囲気やルールを理解するのが苦手などといった特徴から、仕事を行う上でも悩みを生じることが多いのではないでしょうか? 実際に、みなさんどのような悩みを感じているのでしょうか?

2.アスペルガー症候群の特性による仕事の悩みと対策

アスペルガー症候群の方は仕事をする際、どのような悩みを抱えているのでしょうか。アンケートの回答を見ると、大きく分けると以下のような悩みを抱えやすい傾向があることがわかりました。

【アスペルガー症候群による仕事の悩み、その傾向】
  1. 人間関係の構築に関する悩み
  2. 言語コミュニケーションに関する悩み
  3. 物事を進める手順や細部へのこだわりが強く、臨機応変な対応が難しいことに関する悩み
  4. 感覚刺激に関する悩み
次に、これらの悩みの傾向別に、具体的な悩みの内容と、仕事をするうえでの対策と工夫を見ていきましょう。

2-1.人間関係の構築に関する悩みとその対策

アスペルガー症候群の方は一般的に、人間関係の構築が難しい特性があると言われています。職場で仕事をする場合は、上司や同僚など少なからず数人との良好な人間関係を築くことが求められるのではないでしょうか。具体的な悩みをみてみましょう。

【悩み】

人間関係のストレスはもちろん、例えパートやアルバイトであっても固定したところで働くことにおいて困難を感じています。毎日同じ人たちと顔を合わせることは本当にストレスです。そして仕事中でも常に何かを言われるのではないかという恐怖感と、ずっと監視されている雰囲気に耐えられません。
ソフトウェア・ハードウェア開発、女性

生徒との人間関係、同僚や上司との良好な人間関係を維持するのが大変だった。
教育、女性

対人コミュニケーションが苦手で、相手の感情を読み取ることが苦手です。
デザイン・出版・印刷、男性



職場の人間関係が上手くいかない場合、仕事に行く度にストレスを抱えてしまうこととなり、体調に影響が出てしまう可能性もあります。こうした悩みを抱える方は、どのような対策や工夫を講じたのでしょうか。アンケートのコメントより、具体的な対応策を見ていきましょう。

【対策や工夫】

とにかく人間関係のストレスがなく、自分ひとりでマイペースにできる仕事を探していました。インターネットでいろいろと探していた結果、サンプリング業務が主体の派遣会社があることを知りました。この仕事こそ、ひとりでできて私にぴったりだと思って早速登録しました。
ソフトウェア・ハードウェア開発、女性

コミュニケーションはわからない事を聞くだけにして、仕事の時は仕事に集中するように心がけました。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、女性

とにかく何でもメモを取る、他の人と同じ動きをできる様に周りを観察する、表情が乏しくなりがちなので常に鏡を見て確認するなど。
専門店、接客、女性



仕事と人間関係が切り離せない職場が多いものですが、注意深く探すと、人間関係構築の必要性が低い仕事もあります。自分の特性を把握し、一人で作業に集中できるような仕事を探すことも一つの方法と言えます。

また、職場の人とのコミュニケーションを最小限に留めて自分の仕事に集中するという方法を取っている方もいました。その際は、業務の不明点についてはきちんと質問をすることがポイントと言えるでしょう。その他の対策や工夫としては、他の人の行動を観察し、同じように振る舞うこと、挨拶と笑顔を心がけることなども挙げられていました。

2-2.言語コミュニケーションに関する悩みとその対策

アスペルガー症候群の特性には、
・あいまいな指示を汲み取ることが苦手
・言葉を額面通りに受け取ってしまう
といったような言語コミュニケーションの難しさが挙げられます。

アスペルガー症候群の方は、実際に仕事をするにあたり、どのような場面で言語コミュニケーションの難しさを感じたのでしょうか。アンケートのコメントを見ていきましょう。

【悩み】

対人関係で比喩的な言い回し、所謂オブラートに包んだ表現が全く理解出来ない。人の目を見ると非常に緊張する。
(チェーンストア・スーパー・コンビニ、接客、女性、3714)

曖昧な指示が理解できませんでした。
専門店、女性

コミュニケーションをとることが苦手でお客様との会話を続けられなかった。
百貨店・量販店、女性

言葉の裏面や含みを理解できず字義通りに受け取ってしまいます。自分へ皮肉としてぶつけてきたとしても、私には理解できないため、誉め言葉である場合にはそのまま喜んでしまい、それが相手の更なるいら立ちに繋がっていたと思います。
教育、男性



言語コミュニケーションの難しさから、仕事上の指示を誤って認識してしまうことや、顧客への対応が上手くいかないなどの悩みがあることがわかります。意思疎通の齟齬は、職場の人間関係の悪化や顧客とのトラブルにもつながる可能性があります。こうした悩みを抱える方はどのように対処したのでしょうか。アンケートから、具体的な対応策を見ていきましょう。

【対策と工夫】

すぐにメモをとる。沢山の指示は細かく分けて考える。1つが終わるまで次は気にしないようにする。
ソフトウェア・ハードウェア開発、営業事務、女性

徹底して理解するまで人に聞く。納得して理解できるまで何回も恥ずかしがらずに聞くこと。重要なことについては、何回も同じ話しを聞く上でメモを必ず取ること。という内容を実践しております。それによって何回も怒られることはありますが、仕事を失敗するよりはマシであると言い聞かせております。
メーカー/製造系、軽作業、男性

仕事を教えてもらう時、説明で理解できない時は見本を見せてもらう。
総合電機、軽作業、男性

曖昧な指示には、「何を」「いつまでに」「どのような手順で実施すれば良いか」を細かく質問してメモを取り、ノート(タスクリスト)に書き直ししていました。作業が終わり報告をしたら、レ点チェックして完了。完了しても、次回同じような作業があった時のために、ノートは取っておいていました。
専門店、女性

言葉を字義通りに受け取る点については、反射的に返事をする前に意識して一瞬の間を置き、今の言葉はそのまま受け取ってよいかどうかのブレーキをかけました。
教育、男性



アスペルガー症候群は、文字や図形などの認識能力や理解力が優れているという点が特性として挙げられます。こうした特性を利用して、口頭で指示を受けた場合はメモを取り、文字として記録するという工夫が多く寄せられていました。

また、アスペルガー症候群の特性として、マルチタスクの遂行の難しさもあると言われています。メモを取り、手順を明確にすることで、一つひとつの仕事に集中しやすくなる効果も期待できます。

 

2-3.物事を進める手順や細部へのこだわりが強く、臨機応変な対応が難しいことに関する悩みとその対策

アスペルガー症候群には、見通しが立っている状況や決められた手順に沿って仕事を進めることが得意という特性があります。しかし、一方で、臨機応変な対応や複数の業務の同時進行が難しい部分もあると言われています。こうした特性がある場合、仕事上ではどのような困難があるのでしょうか。アンケートのコメントを見ていきましょう。

【悩み】

アスペルガーの特徴の急な予定の変更が苦手なことで自分が仕事している際に他の仕事を頼まれると計画を立て直すまでに時間がかかってしまい対応が遅れてしまうことがある。
医療・福祉・介護、女性

  ある特定のことに対してのこだわりの強さやプライドが高く、柔軟性がありません。仕事中も複数の業務を円滑に進めることができずミスを頻発していた。
医療・福祉・介護、医療関係、男性

  やる作業がいっぺんに重なってしまうと、なにが一番重要かという優先順位がうまくつけられなくなってしまうところです。なにかの作業中にかかってくる電話など、うまく対応するのに時間がかかりました。また、作業途中に”これを至急で”と言われてしまうと、途中の作業のものを途中で投げ出せないので、至急のものが至急できないケースもありました。
自動車・運輸・輸送機器、女性



仕事をしていると、急にかかってくる電話への応対や、上司や先輩から想定外の仕事を振られることで、自分の計画やあらかじめ決められていた手順通りにはいかない場面に出くわすことがあります。こうした状況は避けることが難しいため、工夫して乗り切ることが求められます。アンケートより、具体的な対応策を見ていきましょう。

【対策や工夫】

予定の変更に関しては時間をもらい頭の中で計画を立て直すようにしていました。
医療・福祉・介護、女性

メモ帳に1日の仕事の順番(タイムスケジュール)を書くようにし、休憩時間の時に確認するようにした。
医療・福祉・介護、医療関係、男性

あらかじめ、苦手な作業は周囲に伝えておく。自分の事を理解してくれている人に迷惑がかからない程度に協力してもらう。
食品・化粧品、技術系、女性

その時に取り掛かっている作業に全て優先順位をつけて、紙に書いてパソコンに貼っていました。電話は保留にもできるので、一回電話にでてから、気持ちがパニックにならず落ち着いてから対応をするように心がけました。
自動車・運輸・輸送機器、女性



急な予定変更は避けられない場合が多いため、一旦落ち着く時間を設けて
・自分の中で計画を立て直す
・優先順位をつける
・こまめに1日のスケジュールを見直す
など、冷静に手順を組み立て直したうえで仕事にあたるという工夫が効果的なようです。

また、周囲にあらかじめ苦手なことを伝えることで、協力を得ているケースもありました。業務が滞ってしまうことで、結果的に本人も周囲も業務負担が増えてしまう場合があります。そのような事態を避けるためにも、事前に理解と協力を仰いでおくことは仕事を円滑に進めるためのポイントと言えます。

2-4.感覚刺激に関する悩みとその対策

アスペルガー症候群の方の中には、音や気温、においなどの感覚刺激への過敏さを持っている方もいます。仕事をするうえで、感覚の過敏さはどのような悩みにつながるのでしょうか。アンケートのコメントから、具体的な悩みの内容を見ていきましょう。

【悩み】

ボディタッチされるのがひどく苦痛、音や匂いに過敏で人混みが苦手。
エネルギー・環境・リサイクル系、教師、塾講師、学童担当、女性

感覚過敏があり、視覚等敏感に感じすぎてしまい、不眠症になってしまう。
人材、接客、女性

疲れやすい。必要な音を選べず、全部の音を聞いてしまう。聴覚過敏である。感情を我慢するとしんどくなる。
メーカー・製造系、介護、女性



感覚刺激への過敏さを持っている場合、職場の音やにおい、目に見えるものなど全てをキャッチしてしまい、疲れやすくなってしまうという悩みを持っていることがわかります。しかし、職場の環境はそう簡単に変えられない場合が多いものです。感覚過敏の悩みを抱えながら働く方々が実践している工夫を見ていきましょう。

【対策や工夫】

出来るだけ静かな環境で作業できるように場所を確保してもらいました。
エネルギー・環境・リサイクル系、教師、塾講師、学童担当、女性

大きな音のする場所や騒がしい場所へできるだけ近づかない、または最小限にとどめ、ざわつき易い心を整理しています。
マスコミ・広告、イベント企画、イベント制作、男性、

疲れたら、その都度水分補給など行い、休憩を取る。ドアを閉めたり、静かな場所に移動するなど、音声を遮断させて作業を行う。
メーカー・製造系、介護、女性



自ら対応できることとしては、感覚刺激の多い場所をできるだけ避け、少しでも離れる時間を設けることが重要と言えます。また、アンケートを見ると、職場に自分の特性を説明し、理解を得ることで静かな作業環境を用意してもらっているケースもありました。

職場の理解を得たうえで合理的配慮を受けることが最も望ましいものですが、職場のスペースなどの都合上、難しい場合もあると考えられます。音やにおいなどの感覚を遮断できるスペースを見つける、こまめに休憩を取るなど、自分で出来る対策を組み合わせることが、現実的な対応策であると言えます。

3.アスペルガー症候群の方が職場で抱える悩みとその対策

アンケートのコメントを見ていくと、アスペルガー症候群の方は、職場で様々な悩みを抱えていることがわかります。その中でも、特に共通して見られた悩みは次のようなものでした。

【アスペルガー症候群の多くの方が抱える職場での悩み】
  • 仕事量が多い、期限に追われる(忙しい、残業が多い)
  • 病気や障害に対して理解がない
それぞれの具体的な状況をアンケートのコメントから見ていきましょう。

3-1.仕事量が多い、期限に追われる(忙しい、残業が多い)職場とその対策

職場に満足していない理由として最も多かったものは「仕事量が多い、期限に追われる(忙しい、残業が多い)」というものでした。より具体的な悩みの内容について、アンケートのコメントを見ていきましょう。

【仕事量が多い、期限に追われる(忙しい、残業が多い)職場の状況】

仕事量が多く困ったときは相談にのってくれたり時々手伝ってくれたのはありがたかった。しかし、アスペルガー症候群が苦手とする接客やマルチタスクを窓口業務でやらなければならなかった。窓口の人数が足りないので苦手ながらやるしかなかったしプレッシャーをかけられた。
団体・連合会・官公庁、一般事務、女性

体の調子があまりよくなかったため、毎日、定時で帰宅したかったが、毎日のように残業があり、それが半強制状態だった。
デザイン・出版・印刷、軽作業、男性

残業が異常に多く、夜勤明けもその日の夕方まで働かされることがざらにあった。案の定体を壊し、辞めることになった。
医療・福祉・介護



一般的に、アスペルガー症候群の特性として、マルチタスクが苦手であることが挙げられます。仕事量が多く期限に追われるような職場では、複数の業務を同時にこなさなければいけない状況となったり、本来業務ではない仕事も担わなければならない状況となったりする場合があり、それが職場への不満や悩みにつながっていることがうかがえます。

また、残業が多く有給休暇の取得もままならないような職場は、仕事をしながら通院している方や、体調に波がある方にとっては、非常に働きにくい状況と言えます。

それでは、反対に「仕事量が適度で、期限に追われることがない」職場で働く方は、職場に対してどのようなコメントを寄せているのでしょうか。具体的な意見を見ていきましょう。

【仕事量が適度で、期限に追われることがない職場の状況】

休みたい時に休ませてくれる。
WEB・インターネット、デザイナー・クリエイティブ、男性

時短勤務のため、早めに帰宅して疲れを取ることが出来る。 一日の流れが一定している。勤務日が固定されているため、有休など休みを取りやすい。
メーカー・製造系、介護、女性

休憩を挟んで作業をするのを許してもらえました。体調に異変を感じたら、できるだけシフト調整をしてもらって、休めるような体勢を整えていました。
メーカー・製造系、介護、女性

仕事量が適度で、期限に追われることがない職場の状況と、仕事量が多く、期限に追われて残業が多い職場の状況のコメントを比べると、次のようなことが見えてきます。

仕事量が適度で、期限に追われることがない職場は

  • 病気や障害に理解があり、体調を気遣ってくれる
  • 自分のペースで仕事を進められる
  • 休憩や有給休暇が取りやすい
  • 時短勤務やシフト調整など、本人の状況に合わせて柔軟に勤務形態や勤務スケジュールの変更ができる
こうした職場に巡り合うのは、なかなか難しいように感じられます。しかし、転職や就職の際にいくつかのポイントに気を付けることで、理想の職場を見極めるヒントとなり得ます。

【仕事量が適度で、期限に追われることがない職場で働くための対策】

  • 企業としてアスペルガー症候群を含む病気や障害についての理解を促進しているかチェックする(支援員の配置有無、従業員研修の実施有無など)
  • 自分が担う業務に十分な人員が配置されているか確認する
  • 有給休暇消化率や産休・育休取得率、その他休暇制度の有無を聞き、従業員の休みの取得状況を確認する
  • 自分が応募する勤務形態の他に、どのような勤務形態で働いている人がいるのかを確認する
求職活動を行う際は、是非こうしたポイントをチェックしてみて下さい。

3-2.病気や障害に対して理解がないという悩みとその対策

アスペルガー症候群の特性について理解がない職場で働く場合、能力を適切に発揮できず、本人も職場も疲弊してしまうことになりかねません。アスペルガー症候群の方で仕事をしている(していた)方は、どのような場面で職場の無理解を感じたのでしょうか。アンケートのコメントを見ていきましょう。

【病気や障害に対して理解がない職場の状況】

私は障害を告白していたつもりですが、「仕事上そんなこと関係ない」と言われていました。せめてそのような言葉は軽はずみに言ってほしくないと思っていました。
医療・福祉・介護、医療関係、男性

発達障害や鬱に関しての理解度が低く、退職するまで怠けているだけだと思われていたから。
団体・連合会・官公庁、女性

病気に関して配慮されていません。むしろ何かあったら責任が取れないので辞める事を考えて欲しいと言われた。
団体・連合会・官公庁、接客、女性



コメントを見ると、本人から職場に相談した場合においても、職場は理解をする姿勢を持っていないことが垣間見えます。また、アスペルガー症候群の特性への理解が乏しいがゆえに、本人の気質の問題として捉えられてしまうという課題もあります。

対して「病気や障害に対して理解がある」職場も存在します。病気や障害に対して理解がある職場とは、具体的にどのような状況であるのか、アンケートのコメントを見ていきましょう。

【病気や障害に対して理解がある職場の状況】

障がいや病気に関してしっかりと教育がなされていて、こちらから言い出すことなく合理的配慮をしていただけることになったから。
百貨店・量販店、女性

会社全体が障害に対して理解をしてくれて困った時や悩み事があった時に気軽に相談して一緒に考えてくれるから。
コンピュータ・通信・精密機器、男性

私の病気に対する理解が深く、特性をよく理解しているので、対応の仕方などが定例化している感じがあります。仕事内容もしっかりと吟味された上で割り当てられるし、必ず何か重要な仕事やポジションを割り当ててくれます。何が苦手で、何が得意なのかはよく話し合って、聞き込みしてくれます。定期的に状況の確認をしてくれるので、とても助かっています。
自動車・運輸・輸送機器、技術系、男性

精神障害に関する事前面談を行っており、これまでの仕事で苦労したポイントを具体的に聴取してくれました。
ビジネスコンサルティング、ゲーム、デバック、男性



アスペルガー症候群に理解がある職場の状況と、理解がない職場の状況のコメントを比べると、次のようなことが見えてきます。

アスペルガー症候群に理解がある職場は
  • 研修を実施するなど、企業としてアスペルガー症候群を含む病気や障害についての理解を促進している
  • 個別面談などの機会を設け、本人のニーズに耳を傾けている
  • 困ったことを気軽に相談できる雰囲気がある
  • アスペルガー症候群の特性を把握し、適材適所の配置を行っている
アスペルガー症候群に理解がある職場のポイントを踏まえ、現在働いている職場の理解を得るため、もしくは理解のある職場を見つけるための対策について整理してみましょう。

【アスペルガー症候群への理解のある職場で働くための対策】

  • 自分の得意なこと、不得意なことを把握する
  • 職場に配慮して欲しい点について、適切に説明できるようにする
  • 障害者の雇用実績について確認する
  • 病気や障害への理解をどのように推進しているか確認する(研修の実施有無、支援員の配置有無など)
  • 個別面談など、職場が個人の困りごとを受け止める機会を設けているか確認する
病気や障害への理解がある職場を探す際は、是非これらのポイントに注意してみて下さい。

 

4.転職や就活ではアスペルガー症候群をオープンにするかクローズにするか

アスペルガー症候群の方の多くは、障害をオープンにするか、クローズにするかということで悩むのではないでしょうか?
  それは、伝えるか伝えないかで、働き方が大きく異なるからです。
 
  では、オープンにした方(障害者雇用枠で働いている方)、クローズにした方(一般雇用枠で働いている方)では何が違うのでしょうか?
 

4-1.アスペルガー症候群をオープンにした方の体験

まずはアスペルガー症候群であることをオープンにした方のコメントです。オープン就労で良かったと感じること、逆に悩んだことはどのようなことでしょうか?

【オープンで就労して良かった点】

A型事業所なので以前勤めていた一般企業と比べて自分のペースで働かせてくれました。
(医療・福祉・介護、デザイナー・クリエイティブ

自分自身の障害の特性を事前に迷惑をかけてはならないと思い、マネージャーに相談できたことが良かったと思います。そこからは、配慮ある場所への柔軟なポジションチェンジ等をして頂きました。
外食・フード、接客、女性

色々な事を相談しやすい職場でした。得意な事、苦手な事、体調によるシフトの微調整など、きちんと相談する時間を作ってもらえ、それについての対応もきちんとして頂きました。
専門店、女性

障碍者雇用率が2%以上なので他部署になら同じ障碍者がいてお互い仕事の悩みを相談できたことです。健常者にはわからないことも同じ仲間なら理解しあえました。
デザイン・出版・印刷、技術系、男性



【オープンで就労して悪かった点】

障害特性を発信してもしばらくすると周囲は忘れてしまい苦しむことが多かった。オープンで働いているはずがクローズと同じ働き方になってしまう。
サービス・外食・レジャー系、男性

障害があるとは、最初は隠して入社したのですが、業務上お客様の予約の手続きの接客があり、その当時は、言葉遣いが難しく、クレームも出てしまい。その結果、カミングアウトしたのですが、その後の対応が、掃除ばかりさせることや、邪魔者扱いされてなどの扱いを受けて辞めてしまいました。
リース・クレジット・信販、清掃、男性

病気があると申告しても、そのことは他の職員には言わないといわれました。ほかの職員に言うと気を遣って普通に仕事ができないからとのことでした。なかなか仕事がうまくいかないから申告をしたのに、配慮はしないというのはサポートをする気はないのだと感じました。
医療・福祉・介護、男性

ハローワークの障がい者担当の方とケースワーカーの方が来られて私の障がいを説明してくださいましたが、聞く耳を持たずかえって職場で悪影響となった。
教育、接客、男性



オープンにして就労した人や、仕事をしていく中で必要性を感じてアスペルガー症候群について相談した方のコメントを見ると、職場の受け止め方に違いがあることがわかります。

オープンにすることの良い点としては、適材適所へのポジションチェンジや体調を鑑みたシフトの調節など、合理的配慮が得られるようになったことが挙げられます。また、同じアスペルガー症候群を持つ人や障害者雇用で働いている人がいる職場の場合、互いにオープンにしていることで悩みの共有や相談がしやすいというメリットもあります。

対して、オープンにすることの悪い点としては、オープンにしても理解が得られなかったことや、能力が発揮できないポジションに不当に配置転換されてしまったなどのコメントがありました。また、病気や障害への理解が乏しい職場であるがゆえに、オープンにしたものの、その理解が定着しない場合もあるようです。

【アスペルガー症候群をオープンにして働くことのまとめ】

アスペルガー症候群をオープンにして働くことで、その特性への理解が得やすくなることや適材適所への配置、勤務時間の融通など合理的配慮が得られる可能性が高くなると言えます。しかし、残念ながら必ずしも全ての職場が病気や障害への理解があり、合理的配慮を実施できるとは限りません。そのため、アスペルガー症候群の方にとっては、病気や障害に対する職場の理解の有無を就労前に確認しておくことが重要になってきます。

4-2.アスペルガー症候群をクローズにした方の体験

次に、アスペルガー症候群であることをクローズにした方がクローズ就労で良かったと感じた点、逆に悩んだ点について見ていきましょう。
【クローズ就労して良かった点】

私は、やはり昔から好きな職場で働くことができましたので、障害に対して配慮がない職場でも上手くやっていけるような感じであったと思います。大好きな仕事をさせて頂いていると言う使命感みたいなもので、職員さんの中に溶け込むことはできませんでしたが、それなりに満足して働くことができたと思っております。
サービス・外食・レジャー系、営業事務

障害に対してオープンにしないで働いていました。それでも特に支障が出ず、作業できました。社長も、早く覚えようとしないでいいよ、と言ってくれました。
専門店、女性



【クローズ就労して悪かった点】

以前、障害のことをクローズにして(明らかにせず)一般枠で大学の契約職員として働いていたことがありました。その際、議事録の作成をする仕事が苦手でした。発言者の会話を聞きながら、内容の記録をとるというマルチタスク作業が難しかったです。
教育、女性

健常者枠で就職することは採用の枠は広がるが求められるハードルが高すぎて結局止めることになるのでお勧めしない。障碍者枠の中で自分に合った仕事を探して地域のセンターの支援を受けつつ自分の障害の特性をしっかりと会社側に伝えて長く勤められそうなところを探していく方が絶対に良い。
医療・福祉・介護

自分に障害があるということは隠していた。事務の仕事なら、パソコンでデータを打ち込むなどすればいいだけだし、なんとかなると思っていたのだが、事務所内での連携や、作業に入っている社員との関係など、人間関係の調整力が必要な仕事で、自分の悪いところがすべて出ていたと思う。それに対して、職場の人は真摯に向き合ってくれて、毎回怒られたり、こうしてみて、という指示をくれた。でも、わたしの行動は障害由来のものだったと思うので、なぜわたしがそんな行動をするのか、理解できないようで、適切な指示や改善策はもらえていなかったと思う。そのため、どれだけ怒られても、わたしの苦手分野の仕事ぶりに関しては、一向に改善しないままで、あまりにいたたまれなくて、仕事をやめてしまった。
環境・リサイクル、女性



クローズ就労のメリットは、職業選択の幅が広がることであると言えます。興味のある分野が明確である場合、障害者雇用枠での求人がなかったとしても、クローズ就労であれば応募できる可能性があります。また、アスペルガー症候群の特性にマッチした仕事内容であれば、アスペルガー症候群であることを明らかにしなくても仕事をスムーズに行える場合もあります。

クローズ就労のデメリットは、病気や障害についての職場の理解を得ることができず、合理的配慮が受けられない点であると言えます。クローズ就労の場合、職場としてもアスペルガー症候群の特性を把握する機会がないため、本人の気質の問題として捉えられてしまったり、適性を発揮できないポジションに配置されてしまったりするケースがあります。

【アスペルガー症候群をクローズにして働くことのまとめ】

希望する業界が決まっており、障害者枠での採用がない場合はクローズ就労としてチャレンジすることで興味のある分野での仕事の道が拓ける場合があるでしょう。
しかし、希望した業界に就労できた場合でも、就労後の配置転換でアスペルガー症候群の特性に合わないポジションに配置されてしまう可能性もあります。
また、クローズにして就職活動をする場合、障害や病気のある従業員に対する職場のスタンスを事前に確認するチャンスがなくなってしまうとも言えます。


5.アスペルガー症候群の方におススメの企業・業界・職種

5-1. おすすめの会社、企業名

・株式会社エアーポートカーゴサービス
ほかの会社にない素晴らしい理解をしていただきました。 また、スケジュールを視覚的に把握しやすい場所に置いたり、朝起きてからの準備をルーティンワークにして紙に書いていただいたりとてもサポートしていただけて良かったです。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・株式会社サウンズグッド
オススメポイントとしては、一度仕事を教わってしまえばあとは黙々と一人で集中して作業でき、基本的にマルチタスクにはならない点です。またイヤホンを装着しての仕事となるので、外部の話し声が気になることもありません。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・凸版印刷株式会社
障碍者雇用率が2%以上なので他部署になら同じ障碍者がいてお互い仕事の悩みを相談できたことです。健常者にはわからないことも同じ仲間なら理解しあえました。 また、大企業なだけあってコンプライアンスが徹底されておりいじめや差別はほとんどなかったです。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★★
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・日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社
やはり、いっぱいいっぱいになってきたなと上司が判断して頂き、適材適所と言う形で、場所を変更して頂ける部分が本当に嬉しく思いました。また、それに甘んじてはいけないと言う自分自身の気概も芽生える形となりました。
閉店後は、ミスのことを忘れる形でみんなでお店一丸となって盛り上がれる所が良かったです。「また明日頑張りましょうよ!」と言う上司の声の一言で様々な場面で助けられました。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社
客として利用している時の視点と違った視点に気づけるところが楽しいなと思えます。 お客さんが入ってこない時間帯には、自分でできることを探しあてて行動するのが基本なので視野が広がり、日常生活でも気づけなかった部分を発見できます。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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5-2. おすすめの業界・業種

では次に、アスペルガー症候群の方におすすめの業界や業種について考えてみます。 といっても、業種や業界も様々、そして麻痺の症状や特徴もそれぞれ異なりますよね。
そこで1つの手がかりとして、アンブレに届いた130件近い麻痺のある方からの体験談をもとに、統計をとり傾向をみてみました。

まずは業界です。

アスペルガー症候群の方が働いている業界の割合


アスペルガー症候群の方が働いている業界別満足度グラフ


多くの方が勤めている業界は「サービス・外食・レジャー系」「メーカー・製造系」でしたが、満足度が最も高い業界は「小売り・流通・商社系」「IT・通信・インターネット系」でした。
人気のある業界が、必ずしも満足度が高いとは言えないようです。

次は職種です。

アスペルガー症候群の方が働いている職種の割合


アスペルガー症候群の方が働いている職種別満足度グラフ


多くの方が勤めている職種は「軽作業」「事務」でした。そして満足度が高い職種も同じく」「軽作業」「事務」という結果になりました。

皆さんの予想はどの業界と職種でしたか?
業界と職種に関する詳しい調査結果は以下のコラムでご覧いただけます。ぜひ参考にしてみてください。
【アスペルガー症候群 転職】 アスペルガー症候群の方が実際に就いている職種や業界は? 転職前に見るべき!136人のアンケート結果から見るリアルな本音

また、アスペルガー症候群の方が働いている企業が一覧で確認できます。
満足度の高い企業や気になっていた企業の口コミをぜひこちらでチェックしてみましょう。


では、このような企業はどのように探せばよいのでしょうか?
次は仕事の探し方を確認していきましょう。

6.求人の見つけ方

6-1. 働き方によって選べる採用枠「一般枠」と「障害者雇用枠」

求人には一般枠(クローズ)と障害者雇用枠(オープン)があり、障害者手帳を所持している方は、「一般枠」「障害者雇用枠」のどちらにも応募することができます。

先にも述べたように、不安障害をオープンにするか、クローズにするかといった悩みは応募できる雇用形態にも影響してきます。
少し重複する部分もありますが、もう一度簡単に説明します。

「一般枠」は、障害であることを伝えず(クローズ)仕事をすることになります。障害のない方と同じように働くことため、広い職種から選べ、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、不安障害への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

「障害者雇用枠」は、障害であることを伝えて(オープン)仕事をにすることになります。そのため、職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながることも考えられます。

▼障害者枠(オープン)や一般枠(クローズ)についてはこちらでもご紹介しています。
障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説


5-2. 求人の見つけ方

ハローワーク
障害のある方専門の窓口があるため、相談やアドバイスを受けることができます。求人数や障害のある方への求人情報も多く扱っています。

ハローワークは、障害者用の求人窓口に相談しながら仕事探しをした。障害者職業センターを紹介され、センターで1か月ほど職業訓練を受けた。ジョブコーチ制度を利用し、職場見学、面接に付き合ってもらい、スムーズに職場に入れたと思う。
旅行・ホテル、調理スタッフ、調理補佐、女性

ハローワークと発達障害者支援センターが一体となって、面接に同行してくださるなどサポートがありました。
ソフトウェア・ハードウェア開発、エンジニア・技術職、女性

ハローワークへ行くと、障害担当の方がいます。障害の特徴に照らし合わせ、どういう仕事、職場に行くのがよいのかアドバイスが頂けます。その障害担当の方から数社紹介してもらったら、面接の仕方から面接日のセッティングまでしていただきました。
医療・福祉・介護、男性



▼参考: 厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

人材紹介会社
障害を抱えることで、働くことに不安を覚えている方の就職活動を応援してくれる専用の人材紹介会社をご存知でしょうか?

具体的には、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など、全面的なサポートなどを行ってくれます。

ハローワークなどでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

ひとりで1からはじめる就職活動との違いは、専門のアドバイスやサポート、自分にあった企業の紹介を受けられるため、担当者と一緒に不安を取り除きながら活動を進めていくことができます。

体験談にも専用の人材紹介会社を活用したという声が多くありますのでご紹介します。

派遣会社に登録して障害のことを伝えて適応できる職場を紹介されました。
金属・鉄鋼、軽作業、男性

派遣や短期スタッフが多く在籍しており、正規雇用の社員さんはスタッフに対し多くを求めません。責任を負うプレッシャーから相当解放されました。
ソフトウェア・ハードウェア開発、デザイナー・クリエイティブ、男性



しかし、人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

次は、気になる企業を見つけたら、その企業の情報をどのように集めると良いのか、紹介していきます。


▼障害者雇用の求人サービスについてはこちらでもご紹介しています。
ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介

7.企業情報の集め方

会社紹介の採用ページや企業サイトだけでは、あなたが実際に働くことになるであろう職場の雰囲気はつかめないかもしれません。できるだけ自分の目で確かめてみましょう。

7-1. 事前に見学して企業の雰囲気を確認

会社紹介の採用ページや企業サイトだけでは、あなたが実際に働くことになるであろう職場の雰囲気はつかめないかもしれません。できるだけ自分の目で確かめてみましょう。

【就職する前に職場見学をした方からのアドバイス】

説明会だけでなく、会社見学に行くと会社の雰囲気がよくわかります。自分の障害、病気について、出来ることと出来ないことを手帳を交えて、人事の人と話し合う必要があります。無理せず出来ることを一緒に考えることが大事です。
メーカー・製造系、介護、女性

会社見学は、必ずしておいたほうが良いと思います。経営者のおもい、上司となるであろう人の価値観をよむことは、非常に大切だと感じました。
教育、接客、男性

やはり、会社見学の際に、障害を持っていればその障害を受け入れてくれるような職場環境であるのかどうか、もし、インターンシップ等が実施されているようであれば、受けてみて、その企業風土を知ることが大切であると思います。
専門店、接客、男性



7-2. 面接はその企業を良く知るチャンス

面接は、企業側があなたを審査するだけの場ではありません。大事なのは、あなたが企業に求めるものと、企業があなたに求めるものがマッチングすること。

不安や疑問がある場合は、面接時の質問タイムなどでクリアにしておきましょう。具体的に聞いておきたい内容については、以下の経験者さんの声を参考にしてみてください。

【面接で企業の情報や職場の様子、自分に対する配慮などの情報を得るための工夫】

第一には職場の支援体制が重要です。支援員が常駐しているかどうかなら、面接でも聞きやすいんじゃないでしょうか。
専門店、一般事務、女性

特に職場の環境などをよく見ておいたほうが良いと思います。仕事の知識や能力があったとしても職場の環境次第で物凄く疲れたり鬱になったりする可能性も0%ではないのでそこは慎重に選んだ方が良いです。履歴書を送ったり提出する際には「私の障害について」などの障害についての説明書のようなものを自分で作って入れることも良いと思います。
医療・福祉・介護、デザイナー・クリエイティブ

自分の譲れない条件を書き出して待遇面と照らし合わせて少しでもやりたいと思った求人には応募する、自分の弱みを把握して強みと合わせて配慮して欲しい点もオブラートに伝えられるようにする、自分の興味があることを伝える。
(ソフトウェア・ハードウェア開発、女性



面接で緊張しすぎて質問できなかったということが無いように、予め知りたいことをまとめておきましょう。予め準備をしておくだけで心に余裕ができ、面接にものぞみやすくなります。

働きはじめてから大変な思いをすることは、大きな負担になってしまいます。心地よい職場環境で病気と上手に向き合っていくためにも、面接時での質問のチャンスは大事にしましょう。

8.最後に

これまでの内容をまとめます。

・アスペルガー症候群の特性による仕事の悩みは、大まかに
  1. 人間関係の構築に関する悩み
  2. 言語コミュニケーションに関する悩み
  3. 物事を進める手順や細部へのこだわりが強く、臨機応変な対応が難しいことに関する悩み
  4. 感覚刺激に関する悩み
の4つに分けられます。

人間関係の構築に関する悩みは、他従業員との交流を業務上の質問を除いて極力減らすことや他人を観察し同様に振る舞うなどの対策をとっている方がいました。職場の人間関係は改善が難しい場合が多いことから、ストレスを感じる場合は人間関係の構築の必要性が低い仕事への転職を視野に入れることも対策の一つと言えます。

言語コミュニケーションに関する悩みについては、口頭の指示をメモに書き出して確認するという対策が有効です。文字や図形など、自分が覚えやすいと感じる形式で指示を書き出せるようにすると良いでしょう。また、周囲にお願いできそうな状況であれば、文字や図形を用いた説明をお願いしてみるのも良いかもしれません。

物事を進める手順や細部へのこだわりが強く、臨機応変な対応が難しいことに関する悩みについては、柔軟な対応を求められた際に自分の中で計画を立て直したり、落ち着いて考える時間を設けたりすることが役立ちます。そうした時間を設けるためにも、事前に周囲に自分の不得意なことについて伝え、協力を仰いでおくと良いでしょう。

感覚刺激に関する悩みについては、職場に説明をして合理的配慮を受けることが最も望ましい対策であると言えます。自ら実践し得る対策としては、静かなスペースを確保することやこまめに休憩を取るなどの方法を取っている方もいました。

・アスペルガー症候群の方にとって理想の職場は「仕事量が適度で、期限に追われることがなく、病気や障害に対して理解がある」職場です。企業としてアスペルガー症候群を含む病気や障害についての理解を促進しているかをチェックすることや、企業の人材の充足状況や障害者雇用の実績を確認すること、職場に配慮して欲しい点について、自ら適切に説明できるようにするなどの対策を実践することで、理想の職場を見つけることができる可能性が高まるでしょう。

・転職や就活を行う上で、アスペルガー症候群をオープンにするか、クローズにするかも多くの方が悩むポイントです。まずはご自分の症状を一番に考え、どのようなスタイルで仕事を行うことがベストなのかを考えましょう。通院や急な体調不良による休みを必要とする場合、配慮やサポートをお願いしたい時は、サポートを受けやすいクローズ就労=障害者雇用も検討すると良いでしょう。

・アスペルガー症候群と付き合いながら、理想の仕事や職場で働いている方も多くいらっしゃいます。アスペルガー症候群の方におすすめの企業や業界、職種には傾向がみられますので、同じアスペルガー症候群をお持ちの方の意見も参考にしてみましょう。


これまでにご紹介した体験談は、ほんの一部です。症状も人それぞれ、企業の対応もそれぞれ異なります。
まずはご自分の症状や、できることできないことについてまとめてみましょう。そして、自分にあった職場を自分のペースで見つけてください。

そして気になる企業の様子やサポート状況は、事前に自分の目で確かめることが理想的です。求人票ではわからない企業の様子を知るためにも、ハローワークの専門スタッフに相談したり、人材紹介の専門アドバイザーと一緒に就職活動を進めたりするのも良いですね。

さまざまな企業の中で、あなたが幸せに働ける環境に出逢えることを、私たちは心から願っています。


※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
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