目次
3.てんかんの方の働き方① 突然起こる発作への対策を心がける
4.てんかんの方の働き方② 体調不良時の休憩や通院のための休みがとれるように相談する
てんかんのある人の中には、てんかんの症状とうまく付き合いながら働いている人もいれば、仕事に悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
てんかんには「突然発作が出たらどうしよう」、「通院のために休みは取れるだろうか」、「発作時の対処法を職場の同僚に伝えたほうが良いだろうか」といった特有の悩みもあります。
そんなときは、同じてんかんの人たちの体験談を参考に、悩みを解決しながら働き方を考えていきましょう。今回のコラムでは、アンブレに届いたてんかんの方280人の口コミをもとに、「悩みとその解決策」についてのアドバイスを紹介します。
また、障害者雇用の専門家ジョジョさん(社会福祉士、プロコーチ)にもアドバイスをいただきました。
仕事との向き合い方や働き方に悩みや不安がある人は、このコラムが解決の糸口になれれば幸いです
ストレスや睡眠不足が続くと、突然発作が起こったり、発作の予兆がでたりする。その発作というのが、一瞬意識を失うものからしばらく意識が戻らないものでかつ全身痙攣を伴う。意識が戻ってもすぐに意識がとぎれたりしばらくは起きられなかったりする。発作の後は大抵とてつもない疲労感があり休息を必要とする。全身痙攣も他人から見たら気味が悪いし死んだように見えるそうだ。そのため、発作がでたらどうしようと対人系の仕事は緊張するしそれがさらにストレスとなる。
教育、事務、女性
発作の前兆が倒れるギリギリまで感じることができないので困りました。小さな子どもを抱いて動き回ること、立ちっぱなしで過ごすことが多いため、発作で倒れて子どもにケガをさせないかという点で不安を抱えながら働いていました。
教育・女性
電車の中で倒れ一時的に電車を停めてしまい、大勢の方に迷惑をかけてしまったことがありました。これがトラウマとなり、発作とは関係なく、電車に乗ると不安で気分が悪くなるようになってしまいました。てんかんは、いつ発作が起きるかわからないので、通勤中や職場で発作が起きてしまったらどうしよう…という不安が大きかったです。
人材・女性
以前勤めていた会社を辞めることになり、体調が回復してきたので新しい仕事を始めました。しばらくは順調に仕事をしていましたが、電話やフロアにいる沢山の人の声、オフィスの蛍光灯の明かりなどに眩暈や息苦しさを感じるようになり、発作を度々起こすようになってしまいました。
女性
睡眠をしっかりとることと、服用している薬を飲み忘れないようにしている。
小売・流通・商社系、営業、男性
朝昼晩の食事は決まった時間にとる。 昼寝をする。 疲れたら何もしないで横になる。
メーカー・製造系、軽作業
発作が起きないように規則正しく生活するように努力しています。
医療・福祉・介護、女性
処方された薬は極力飲み忘れないようにするために、職場に必ず薬を持っていく。頓服をすぐに服用できるように用意する。仕事で失敗しても、くよくよする前に対策を考え、先輩に必ず相談する。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、接客、女性
通勤途中で動けなくなった場合でも間に合うように、少し早めの電車に乗る。薬を飲み忘れない。発作の前兆を感じたら、トイレに駆け込む。万が一発作が起きても大丈夫なように、デスク周りは綺麗にしておき、誰かが代わりに仕事ができるようにしておく。
小売・流通・商社系、女性
お客さまにダイレクトにご迷惑をおかけしてしまうので、発作が起こらないようにと誘発されるようなものは避けてきました。例えば、音に反応するため、店内のBGMは耳に残りにくい音楽などに変えたりするなど。
医療・福祉・介護、男性
人事の人しか病気を知らなかったので、通院のたびに新人のくせに…という雰囲気の中、早退した。発作の前兆を感じた時でも、自由に休めない不自由さを感じた。
小売・流通・商社系、女性
体調面で不安があり(病状が出る前)、大事をとってシフトを減らしたい時、現場にいるスタッフにはよく思われなかった。またスタッフが納得していても、マネージャーに圧をかけられた。
専門店・女性
体調悪い日に休むと、休むことが悪みたいに言われる。
建築・建設・設計・土木、接客、女性
働き方に関する理解が得られている。年次有給休暇が取得しやすい。
団体・連合会・官公庁、男性
てんかんは周りに言いづらい病気なので、社員メールで欠勤報告する場合も「風邪」等の理由で誤魔化して大丈夫、と気づかっていただきました。また、万が一業務中に倒れた場合の対処法を教えてほしいと、上司のほうから協力的に接してくださいました。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、女性
日々体調が変化することに深く理解をしめし、休憩を取らせてくださいました。働いてすぐに発作が起こり入院してしまいましたが、その後は作業内容を変更するなど気をつかって柔軟に対応してくださいました。
教育、女性
営業部から経理部へ異動していただきました。また、朝方体調が悪く仕事に行けないことがよくあったので、特別にフレックスタイム制のようなものを導入してくれました。実際に使用はしませんでしたが、体調が悪くなったときのために医務室を作っていただきました。月に1回上司が一緒に病院へ同行してくださいました。
総合電機、男性
身体の部分的な痙攣。残業が続いたりして疲労がたまると、手の指先が痙攣する。そのため、パソコンでの仕事に支障がある時がある
団体・連合会・官公庁、女性
高校生くらいからてんかんで何度か検査入院していたことがあり、現在通院中。現在も発作は出ている。内勤の仕事でクリアできている面もあるが、車を使わなければならない時、人に頼まないといけないということが困ると言うより申し訳ない気持ちになる。
運輸・交通、事務、女性
発作の危険性があるため高所はできるだけ避けることが望ましいが、脚立にのぼる作業がある。
ビジネスコンサルティング
てんかん発作があるので、抗てんかん薬を服薬しています。面接時にお話をして正規職員として働いています。業務で車両を運転する機会がありますが、運転禁止のため周囲に気を遣わせてしまい、毎回気持ちが落ちてしまう。
(医療・福祉・介護、男性
体調がその日によって異なる。頭痛のタイプでは嘔吐やめまいで動けない時間がある。精神的に他人の対応などに敏感で、怒ったり泣いたりしたあとに無意識に倒れることもある。健康に過ごせたときは、翌日、翌々日それ以上の疲れで寝込んだりする。
軽作業、女性
ストレスを溜めないために、休憩時間は全力で休む。業務が手に負えないときは手が空いている人に助けを求める。わからないことや不安なことはすぐ聞く。自分一人で対処しない。
教育、介護、女性
働く際に自分が発作を起こしたら会社に迷惑をかけますから、自分の病気の詳細をなにもかもさらけ出した上で雇用していただきました。子どもたちを送迎する車には乗らない、運転しない、一人で子どもを見ないなど、常に私は正社員のサポートに回るようにしました。
医療・福祉・介護、女性
発作が起こらないために、できるだけ夜勤に入らないようにし、連勤も避けていました。揚げ物関連は怖いので近寄らないようにし、極力品出しや、レジ、掃除を率先して行っていました。ストレス、疲労によるものなので、疲れが溜まっている日は代わってもらうこともありました。
専門店、女性
腫れ物にさわるかのような対応ではなく、私のよさを認めてくれ、フォローしてくれます。特別扱いをすることはなく、私の仕事上での要望もしっかりきいてくださいます。
教育、女性
ライン作業で工程が細かく分かれているため、自分の周りに何人もの作業員がいます。途中で倒れるなどの、不慮の事故と言われるものが発生すれば、即ラインを停止し、周りが集まって救助にきてくれます。常時リーダー級の方が数名、何かあった時に備えて巡回してくれています。
家電、軽作業、男性
障害者の人でも働ける環境を作ってくれて、なるべく多くの人がいる場所にしてくれていた点は配慮をしてくれていたと思います。何かあった時に、すぐ対応できるようにと考えてくれていました。私の場合は、給料も同じでした。迷惑などもかけていたと思うのですが、ちょっとしたことが認めてくれているように感じました。
外食・フード、接客、女性
通院しなければならなくなったが、こちらの都合に合わせてシフトを組んでくれた。また、たびたび病状や仕事に支障が出ているか、確認をしてくれた。
団体・連合会・官公庁、受付・窓口業務
病名がわかる前も、わかってからもきちんと理解をしてくれた所。定期的に行かなければならない病院の日でも、有給とは別に休みをくれました。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、女性
スタッフが女性だったこともあり、体調については何でもオープンに話ができました。とても感謝しています。病名もスタッフ全員が理解してくれていたので、常に私の発作のことを気にかけてくれたり、業務中も棚卸等体力の使う仕事は他の方も一緒に手伝ってくれたりと、とにかくいろいろと助けてくれました。
専門店、女性
言葉では「理解する」と言ってくれたものの、実際はお荷物扱いされたからです。
物流・倉庫、軽作業、男性
私の体調を配慮して配属を考えてくれていると思ったが、現場で働きたいという意向を考えてくれなかった。
医療・福祉・介護、女性
配慮がある面は、同情の目をしてこないところ、必要以上の心配をしてこないところです。配慮がない面は、障害者の目の前で「障害者になりたい」「障害者はいいなー」「障害者手帳があると、レジャーで安くなるなんて、めっちゃ得やね」など軽率な言葉が飛び交う時があるとこです。
運輸・交通、事務、女性
女性ばかりの部署だったが、理解があった反面、女性特有の「私さんは病気だからね」という発言もあった。
総合電機、受付・窓口業務、女性
過去に勤めていた企業でもてんかんはオープンにしていませんでしたので、純粋に企業として満足していました。
ソフトウェア・ハードウェア開発、男性
お給料のよさ、仕事の内容は自分の性格にもあっていてとても楽しい職場でした。責任の大きい仕事が多かったので病気で離れたことがいつも悔しく感じます。
女性
健常者だった時は、もう少し広い範囲で勤務させてもらった。
軽作業・男性
私はてんかんのことを内緒で働いていたので、特に特別な配慮等は受けていない。派遣社員だったが、本当の社員のように扱ってくれたことは印象深い。
教育、事務、女性
今までは、私自身があまりてんかんのことをオープンに話していませんでした。ですので、仕事内容によっては「大丈夫かな?」と思うものもありました。しかし、それは私がきちんと病気のことをオープンにしていれば、理解してもらえたと思います。
専門商社、女性
いつ症状がでるかなどでの、仕事勤務する上での不安がいつもあること。
メーカー・製造系、エンジニア・技術職、男性
面接の時に、言ったら採用されない…と思ってしまって伝えてなかったのですが、1回勤務中に倒れてしまいました。その日から、上司は常に気遣ってくださるようになったのですが、その更に上の方には伝わっておらず、もっとシフトを入れろと言われました。
百貨店・量販店、接客、女性
周りに隠しているので、救急車を呼ばれてしまい、大変な思いしかありません。
ソフトウェア・ハードウェア開発、男性
障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。