統合失調症の方が仕事を続けるために 333人から学ぶ働き方の工夫

統合失調症の方が仕事を続けるために 333人から学ぶ働き方の工夫

統合失調症を抱えながら仕事している方の中には、うまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、幻聴や幻覚に悩まされてしまう、コミュニケーションが苦手など、疾患による特有の悩みを感じることはありませんか?

そんなときは、同じように統合失調症を抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみませんか?今回のコラムでは333人の統合失調症の方の口コミをもとに

・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・仕事探しはどのように行ったのか

といったアドバイスをご紹介していきます。
仕事との向き合い方や職場について悩むこと、不安に感じることがある方は、ぜひ寄せられた声を、解決のヒントとしていただけますと幸いです。

目次

1. 統合失調症とは

2. 統合失調症の特性による仕事の悩みと対策

3.統合失調症の方が職場で抱える悩みとその対策

4.転職や就活では統合失調症をオープンにするかクローズにするか

5.転職や就活の参考に、統合失調症の方におすすめの企業・業界・職種

6.求人の見つけ方

7.企業情報の集め方

8.最後に

1. 統合失調症とは

    統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)という特徴を併せもっています。
    多くの精神疾患と同じように慢性の経過をたどりやすく、その間に幻覚や妄想が強くなる急性期が出現します。

    統合失調症の原因は、今のところ明らかではありません。進学・就職・独立・結婚などの人生の進路における変化が、発症の契機となることが多いようです。 ただ、それらは発症のきっかけではあっても、原因ではないと考えられています。

    ~中略~

    様々な研究結果を総合すると、統合失調症の原因には素因(素因:おおもとの原因)と環境の両方が関係しており、素因の影響が約3分の2、環境の影響が約3分の1とされています。素因の影響がずいぶん大きいと感じるかもしれませんが、この値は高血圧や糖尿病に近いものですので、頻度の多い慢性的な病気に共通する値のようです。子どもは親から遺伝と環境の両方の影響を受けますが、それでも統合失調症の母親から生まれた子どものうち同じ病気を発症するのは約10%にすぎません。

    【症状について】
    統合失調症の症状は多彩なため、全体を理解するのが難しいのですが、ここでは幻覚・妄想、生活の障害、病識の障害の3つにまとめてみます。

    幻覚と妄想は、統合失調症の代表的な症状です。統合失調症の幻覚や妄想には一定の特徴があります。幻覚と妄想をまとめて「陽性症状」と呼ぶことがあります。

    【幻覚とは】
    幻覚とは、実際にはないものが感覚として感じられることです。統合失調症で最も多いのは、聴覚についての幻覚、つまり誰もいないのに人の声が聞こえてくる、ほかの音に混じって声が聞こえてくるという幻聴(幻声)です。
    周りの人からは、幻聴に聞きいってニヤニヤ笑ったり(空笑)、幻聴との対話でブツブツ言ったりする(独語)と見えるため奇妙だと思われ、その苦しさを理解してもらいにくいことがあります。

    【妄想とは】
    妄想とは、明らかに誤った内容であるのに信じてしまい、周りが訂正しようとしても受け入れられない考えのことです。

    【幻覚と妄想の2つの特徴】
    統合失調症の幻覚や妄想には、2つの特徴があります。その特徴を知ると、幻覚や妄想に苦しむ気持ちが理解しやすくなります。

    第1は、内容の特徴です。幻覚や妄想の主は他人で、その他人が自分に対して悪い働きかけをしてきます。つまり人間関係が主題となっています。その内容は、大切に考えていること、劣等感を抱いていることなど、本人の価値感や関心と関連していることが多いようです。このように幻覚や妄想の内容は、もともとは本人の気持ちや考えに由来するものです。

    第2は、気分に及ぼす影響です。幻覚や妄想の多くは、患者さんにとっては真実のことと体験され、不安で恐ろしい気分を引き起こします。無視したり、ほうっておくことができず、いやおうなくその世界に引きずりこまれるように感じます。場合によっては、幻聴や妄想に従った行動に走ってしまう場合もあります。「本当の声ではない」「正しい考えではない」と説明されても、なかなか信じられません。

    参考:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」


統合失調症は、症状が現れるだけでなく、自分でもその状態に気づきにくい、また周りにも理解されづらいという特徴があるようです。
では、まず統合失調症の方の具体的な悩みを見てみましょう。

2. 統合失調症の特性による仕事の悩みと対策

統合失調症は、陽性症状、陰性症状、認知機能障害など、その症状も多岐に渡り、また症状の程度にも個人差があります。しかし、口コミに寄せられた仕事の悩みをみていくと、次のような傾向がみられました。

【統合失調症による仕事の悩み】

  • 幻覚や幻聴が起こりやすい
  • 認知機能障害により覚えることが苦手
では実際に働いている方の口コミから、具体的な悩みとその対応策をみていきましょう。

2-1. 幻覚や幻聴が起こりやすいという悩みとその対応策

口コミには、仕事中に現れる幻聴や幻覚に関する悩みが多く寄せられていました。

【悩み】

幻聴がひどく気分が滅入りやすいので集中力に欠けるので作業がはかどらない。
教育、一般事務、女性

幻覚と妄想が顕著に現れ、現実との区別がつかなくなる為、円滑なコミュニケーションが非常に難しい。
医療・福祉・介護、男性

幻聴、幻覚に悩んでいます。作業中に、突拍子もない指示が聞こえてきたりします。
コンピュータ・通信・精密機器、軽作業、男性

人によって指示が全く違い、どれが正しいのわからず困惑しました。どれが正しいのか聞いても答えてもらえず、叱られるばかりでどこで何をしても怒られている幻聴が聞こえたり 自分のことを悪く言われてるという妄想にとらわれてしまい動けなくなってしまっていました。
外食・フード、女性



このような悩みに対して、自ら工夫や対策を講じている方もいらっしゃいます。具体的な工夫や対策についてみてみましょう。

【対策や工夫】

体調が悪い時は休むようにして無理をしない。仕事中は集中力が途切れやすいのでスイッチを入れ替えるように一旦席を外している。
教育、一般事務、女性

まずは処方されている薬を忘れず飲むことです。あとは無理をしない、ストレスを溜めない、本当にきつかったらお休みをいただく等、体と精神に負担をかけないようにしています。
専門商社、一般事務

どうしても症状が悪化してしまいそうな時は、周りの方や上司に一言告げるようにして、少し時間を頂いて休憩をとったり1人きりになれる場所で作業をさせてもらうなどの工夫をして何とかやりこなしています。
団体・連合会・官公庁、男性

外回りの仕事なので、疲れにくいスニーカーを履いて仕事をしている。多少の出費は惜しまない。
マスコミ・広告、物流、運搬、運転手、男性



幻聴や幻覚は、統合失調症の代表的な症状の一つです。仕事中に幻聴が聞こえることで、実際の指示なのか、それとも幻聴なのか混乱してしまったり、幻覚が見えることにより仕事に集中できなくなってしまったりするという悩みがあることがうかがえます。

幻聴や幻覚は、特に疲れが溜まると症状が現れやすくなることから「疲れやストレスを溜めないようにしている」と意見が多くみられました。
具体的には、仕事中に適度に休憩を取ること、離席し気分転換をすること、きちんと服薬すること、仕事上で使う道具や装備品を自分に合ったものに変えることで、心身の疲れを軽減させる工夫があげられました。

2-2. 認知機能障害により覚えることが苦手という悩みとその対策

統合失調症の代表的な特性として、認知機能障害が挙げられます。認知機能障害によって、過去の記憶を上手く照合することが出来なくなってしまったり、手順に倣って作業を行うことが難しくなってしまったりする場合があります。
こうした特性のある方は、仕事でどのような悩みを抱え、どのような工夫や対策を行ったのでしょうか。口コミに寄せられたコメントをみていきましょう。

【悩み】

同時にいくつもの仕事をこなさなくてはならない事や、覚える事が沢山ある事が、認知機能障害がある為に苦痛でした。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、女性

物事をすぐに覚えられず、一度に多くの仕事を覚えなければならないことには苦労しました。何度も失敗してしまうので、自分自身に苛立ちを覚えストレスを感じていました。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、女性

自分の記憶力や行動に自信がなく、常にそわそわしていた。戸惑う事があったりすると上手く頭の中で処理出来なかった。お客さま、スタッフのみんなからマイナスの感情を抱かれていると思い込んで仕事どころではなくなってしまった。
百貨店・量販店

ストレスが多いと記憶が飛んでレジの行程がわからなくなってしまったり、作業の前後の記憶が抜け、自分が何をしていたのかわからなくなり困りました。
専門店、女性



仕事の場面でのこのような悩みに対して、どういった対策をすることができるのでしょうか。具体的な対策を行った方々の口コミをご紹介します。

【対策や工夫】

もの覚えの悪さや、手際の悪さなどには、その日に覚えた事は全てメモしていく事で対応しました。最初はメモを手元に置き仕事をしました。後は解らない事があると、内心パニックになってしまうので、自宅でネットで事前に調べておくといった事もしました。後は、煩わしい位に回りに質問をしました。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、女性

記憶力に関してはメモをとり、家でもメモの見直しと清書するなどを繰り返して行なっていた。
百貨店・量販店

あまり記憶力が良くなかったので、指示は一度きりに全ての内容を伝えられるのではなく、小出しに指示された。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、軽作業、男性



認知機能障害により、仕事の手順そのものを覚えづらい、一度覚えた手順もストレスやパニックで記憶が飛び手順がわからなくなってしまうことがあるようです。

こうした悩みに対しては「メモを取る」という対策を取っている方が多くいることがうかがえました。更に、職場でメモを取るだけでなく、家でメモを見やすく整理することや、わからない点を自宅で調べておくなどの対策をとっている方もいます。
また認知機能障害がある方は、一度に多くのことを覚えることを苦手とする傾向があります。その場合は指示の仕方を「一度に全ての指示を出す」のではなく「小出しで指示を出す」やり方に変えてもらうことで、仕事がしやすくなることもあるようです。指示出しの工夫については、上司や周囲の方々に相談してみることも有効な対策といえるでしょう。

ここまでは、統合失調症の方が仕事をするうえで抱える悩みとその対策について紹介しました。
次に、統合失調症の方が職場で抱えやすい悩みとその対策や工夫についてご紹介します。

3.統合失調症の方が職場で抱える悩みとその対策

口コミをみていくと、統合失調症の方が職場で抱える悩みには以下のような傾向がみられました。

【統合失調症の方が抱える職場での悩み】
  • 幻聴や幻覚で仕事に支障がでる
  • 統合失調症の特性により苦手な業務がある
  • 体調が崩れやすく、休暇や出勤時間の調整が必要
これらの悩みをより具体的に、そして、その悩みに対する職場の配慮やサポート内容を口コミからみてみましょう。

3-1. 幻聴や幻覚があり仕事に支障がでるという職場での悩み

幻聴や幻覚があるという悩みについては「2. 統合失調症の特性による仕事の悩みと対策」の中でも取り上げた通りですが、ここでは、特に職場で幻聴や幻覚が起こることで周囲の従業員との関係性や顧客対応が上手くいかなくなってしまい、仕事に支障が出てしまうという悩みに着目していきます。

【職場の悩み】

特徴は幻覚、被害妄想、認知機能障害です。幻覚の種類に幻聴が有り、同僚などから悪口を言われていると思うことが多く、対人関係が上手くいきません。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、軽作業、男性

作業中に幻聴幻覚症状が発生してしまい、パニックに陥って周りの方や利用者様にご迷惑を掛けてしまった。
団体・連合会・官公庁、男性

私の統合失調症の症状の特徴としては、幻覚幻聴、他とのコミュニケーションがうまくとれず、一つの目的に沿って考えがまとめていく力が低下するというものでした。強いストレスを感じやすく、人とのコミュニケーションがとれないときが多いことが仕事をする上での困りごとでした。
物流・倉庫、受付、窓口業務、女性

デスクワークに集中できず、何度もトイレに行くなど落ち着かない行動が目立ちました。幻聴や幻覚もあり、人とのコミュニケーションも上手く取れなかったです。
男性



幻聴によって、職場の人が自分の悪口を言っているのではないかと感じてしまい、職場の人間関係が上手くいかなくなってしまう場合があることがうかがえます。また、仕事中に幻聴や幻覚が現れることで、パニックになったり、落ち着きがなくなってしまったりして顧客対応が難しくなったり、作業が続けられなくなったりすることに悩む方も多いようです。

こうした幻聴や幻覚の悩みを抱える統合失調症の方に対して、職場としてはどのような工夫でサポートすることができるのでしょうか。口コミに寄せられたコメントをみていきましょう。

【職場の対策】

私の場合はとにかく幻聴が酷く、その幻聴と現実の声の判別をすることが難しかった為、現実の出来事に関しては必ず上司と私の自筆で紙に書き見える位置に貼りました。また、幻聴が酷く不安が強い時は迷わず周囲の人に助けを呼び、上司の元へ行き話を聞いて頂く時間を設けて頂きました。
医療・福祉・介護、男性

発作を起こらないようにと誘発されるようなものは避けてきました。例えば、他の社員への叱りに幻覚反応するため、店内のうるさい他の社員への叱りは私のそばでしないなど。
百貨店・量販店、接客、男性

他者とのコミュニケーションが難しいのでとにかくメモをたくさん取ることにしました。また、私に対する指示もできるだけ細かく的確にして頂けるようにお願いしました。
人材、男性



本来の指示と幻聴とを区別する工夫としては、ご自身がメモを取るだけでなく、指示を出す側である上司等も一緒に確認しながらメモによる指示出す方法があげられました。br> 幻聴や幻覚による不安が強い時は、落ち着きを取り戻すための工夫もあるようです。例えば、話を聞く時間を設ける、別室に移動させてくれるなどの配慮がある職場は、幻聴や幻覚の特性のある統合失調症の方にとっても働きやすい環境といえるでしょう。
また、幻覚や幻聴が現れることを避けるための工夫として、幻聴や幻覚を誘発する可能性のある事象を本人からできるだけ遠ざけるという工夫も有効といえるでしょう。

幻聴や幻覚の特性のある統合失調症の方が、上記のような配慮を行ってくれる職場で働くためには、どのような対策が可能なのでしょうか。口コミを整理していくと、次のような対策が考えられます。

【理解のある職場で働くための対策】
  • 特定の上司だけでなく、職場全体として病気や障害への理解があるか確認する
  • 幻覚や幻聴が起こった時、どのようなサポートが必要か職場に伝えておく
  • 幻覚や幻聴か自分でわからないこともあるので、予め指示の出し方などを相談しておく
幻聴や幻覚について、本人以外の人は「どのような物事が幻聴や幻覚を誘発する可能性があるのか」「幻聴や幻覚があるときは、どのような状態なのか」ということがなかなか理解できない場合が多いことでしょう。そのため、必要なサポートを受けるには、ご自身の症状について職場に伝えておくことが望ましいですね。

  また、幻聴や幻覚は日々の業務のなかで起こり得ることから、職場の一部の上司だけが統合失調症の特性について理解していたとしても、必要なサポートが受けられない可能性があります。
こうした点を踏まえて、一部の上司や従業員だけでなく、職場全体として病気や障害への理解があるかどうかを確認することが大切です。職場としての姿勢や取組みを知るためには、障害者雇用率や職場のバリアフリー化について確認しておくことが、一つの目安となるでしょう。

メモを活用したり、細かな指示に分けてくれたりするなど、従業員の特性に合わせた指示の出し方をしてくれる職場は、統合失調症のある方にとって働きやすい職場といえます。職場見学等の機会がある場合、上司やリーダーがそれぞれの従業員にどのように指示を出しているかを見ておくことも、理想的な職場を見つける手がかりとなるでしょう。

 

3-1.統合失調症の特性により苦手な業務がある

統合失調症の方の中には、その症状や服用している薬の種類により、苦手とする業務や薬の副作用の影響を受ける業務があり、業務遂行に悩みを抱えている方がいます。苦手な業務や薬の副作用の影響を受ける業務がある場合、職場では具体的にどのような悩みが発生するのでしょうか。

【職場の悩み】

主治医から車の運転を禁止させられていること。(幻聴や幻覚により注意散漫になるため)
専門店、一般事務、男性

精神面では感情の波をコントロールできず、TPOに対し不適切な態度や行動になってしまう。電話応対ができない、苦手。対人折衝・交渉・説得など高度な駆け引きが困難で仕事の役に立たない。
通信、受付、窓口業務

薬の副作用の遅発性ジスキネジアで日常生活に支障があります。他人とうまくコミュニケーションが取れなかったり、うまく字が書けなかったりします。
医療・福祉・介護



コミュニケーションが苦手という特性が、電話応対や対人折衝業務への困難につながっていることがうかがえます。また、服用している薬の副作用により、字を書くことや車の運転に支障が出る場合もあることがわかります。

こうした悩みを抱える方に対して、職場としてはどのような工夫や対策を取ることができるのでしょうか。アンケートに寄せられた、具体的な職場のサポートについて、口コミをご紹介します。

【職場の対策】

普通のアルバイト店員ならレジ打ちという作業があるが、私の場合は免除された。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、軽作業、男性

できない物は理解してくれていますが できない物以外は普通にできる為、学生バイトとかには障害を隠していましたが、学生バイトが多い日は苦手な作業は避けてくれるので気持ち的に嬉しかったです。
外食・フード、接客、女性

苦手と感じる業務があり、仕事が思うように進まないことも、申し出る前に上司の方が気付いてくださり、業務変更をしてくれました。また私の病気を回りに伝えておくかどうするかを一緒に考えてくださり、結果伝えることにしたため、急な体調不良にも対応してくださりたすかりました。
物流・倉庫、受付、窓口業務、女性



統合失調症の特性を理解し、苦手な業務を担当せずに済むように配慮をしてくれる職場は、統合失調症の方にとって働きやすく、満足度が高くなる傾向がうかがえました。しかし、1人が業務を変更するためには、他の従業員がその業務にあたる必要があります。周囲の従業員が本人の統合失調症について知っている場合は、サポートに入る従業員も事情を理解できているため、職場としても合理的配慮を実施しやすいものです。

しかし、多くの従業員が本人の統合失調症について知らない場合、職場としては、業務変更にあたっても一段と慎重な配慮が求められます。こうした点を踏まえると、周囲の従業員に統合失調症について知らせるかどうかは、本人のみの悩みではなく、職場とともに考えていくことが理想的といえるでしょう。

コメントをみると、統合失調症の方にとって満足度の高い職場は、単に苦手な業務にあたらずに済むように業務変更や配置換えをするだけでなく、周囲の従業員に統合失調症について知らせるかどうかについても本人と相談し、最善の方法を共に模索するという姿勢があることがうかがえました。こうした配慮の視点ある職場は、統合失調症の方にとって働きやすい環境であるといえるでしょう。

こうした合理的配慮を実施してくれる職場で働くための対策について、口コミからみえてくる点を整理したものが次の通りです。

【理解のある職場で働くための対策】
  • 上司が従業員の得意なこと、不得意なことを把握しているかどうか確認する
  • 不得意な業務や苦手な業務を交代したり、サポートしあったりできる環境か確認する
  • 職場に人員は充分に配置されているか確認する
障害や病気の有無に関わらず、多くの人は苦手とする業務や不得意とする業務があるものです。そのため、周囲の従業員が自らサポートしあい、不得意な業務や苦手な業務を互いにカバーできる環境は、どんな人にとっても働きやすい環境といえるでしょう。
職場見学等の機会があれば、従業員同士がどのようにコミュニケーションを取って業務を進めているか、互いにサポートし合っているかについて確認してみると良いでしょう。

また、こうした従業員間のサポートも、人員不足の課題を抱えた職場では実現が難しいものです。職場の従業員数を確認するほか、業界全体として慢性的な人手不足の課題がないかなどについて事前に調べてみることも有効でしょう。

職場として、従業員の得意なことや不得意なことが把握できていなければ、適切な配置転換を実施することも難しいものです。定期的な個別面談等、従業員の状況を把握する機会を設けているかどうかについて、面接時に直接尋ねるか、もしくは求人サービスの担当者などを通して確認してみることも、理想的な職場に出会うためのヒントとなるでしょう。

3-3.体調が崩れやすく、休暇や出勤時間の調整が必要

統合失調症の方の中には、薬の副作用などにより疲れやすくなってしまったり、睡眠障害を併発したりしている場合があります。こうした特性のある方は、職場でどのような悩みがあるのでしょうか。

【職場の悩み】

精神的に神経が繊細なので、会社で気を使っているとすぐ体調を崩しやすいです。特に会社に入って、1週間以内に、まだ慣れないので、緊張してしまい、欠勤や遅刻をどうしてもしてしまう。通勤等も含めて体調の管理が難しいです。
ソフトウェア・ハードウェア開発、技術系

陰性症状により、朝起きられなくなる事があります。それにより、遅刻、欠勤になる事で困っております。
人材、介護、女性

体調がその日によって違う、疲れが出てしまい、朝起きられない日がある。集中力が持続できない。
一般事務

疲れやすいこと、普通のシフトでは身体も心も疲れてしまい体調不良で休みがちになってしまうこと、あまり休んでしまうと印象が悪くなってしまうこと、臨機応変な対応が出来なかったり疲労感で頭が働かずに利用者様の安全管理が出来なかったり職員同士のコミュニケーションが思うように取れないことが困りました。
医療・福祉・介護、女性



統合失調症の特性として、朝起きることが苦手であったり、疲れやすく体調に波があったりするという点が挙げられます。こうした特性のある方は、遅刻が増えてしまうことや欠勤が増えてしまうことが、職場での悩みにつながっていることがうかがえます。

口コミには、こうした特性を理解し、統合失調症の方が働きやすい環境を整えている職場の工夫も挙げられていました。具体的な対策や工夫についてみていきましょう。

【職場の対策】

睡眠導入剤を服用しているため、早い時間の出勤に影響が出るかもしれないという旨を話したところ、出勤の時間を調整してくれたこと。体調面に異変があった時にすぐに休憩をくれたこと。病気を明かしても差別せず接してくれたこと。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、接客、女性

上司に病気の事を相談して、「リハビリ出勤」という形で、午前だけの就労をさせていただきました。
男性

最初は時短勤務から始められた。また、体調が悪くなった際、主治医に電話するのも許可されている。症状を具体的に説明すれば、それに沿ったサポートを受けられる(認知能力が落ちているので、todoの形で指示を出して欲しい、など)
ソフトウェア・ハードウェア開発、エンジニア・技術職



体調が崩れやすいという統合失調症の特性を理解し、出勤時間や勤務時間の調整を実施している職場は、統合失調症のある方にとって働きやすいといえます。また、体調に応じて医師に連絡を取れるよう配慮を実施している職場もありました。

体調が崩れやすいという統合失調症の特性を理解してくれる職場で働くために確認すべき点について、口コミをもとに整理すると、次のようになります。

【理解のある職場で働くための対策】

  • 出勤時間の調整やフレックスタイム制など、柔軟な勤務時間を採用しているか確認する
  • 時短勤務など、多様な勤務形態が確保されているか確認する
  • 従業員の個別的な事情に配慮する姿勢があるか確認する
従業員の個別的な事情を汲み、一人ひとりが働きやすい環境を整えようという姿勢のある職場は、障害や病気の有無に関わらず、誰もが働きやすい理想の職場といえるでしょう。介護中や育児中の従業員、病気や障害のある従業員など、多様な人材を受け入れ、ダイバーシティを推進している職場は、従業員はそれぞれ個別の事情を抱えていることが当たり前という前提に立っている場合が多くあります。そのため、職場に従業員の個別的な事情に配慮する姿勢があるかどうか知るにあたっては、多様な人材の受け入れについて確認してみることが一つのヒントとなるでしょう。

また、時短勤務制やフレックスタイム制などがそもそも職場の制度として整っていない場合、勤務時間に関する配慮を実施することも難しくなっていまいます。そのため、時短勤務やフレックスタイム制などが職場で活用可能な制度として整っているかどうかを確認しておくことも重要です。

4.転職や就活では統合失調症をオープンにするかクローズにするか

統合失調症の方の多くは、障害をオープンにするか、クローズにするかということで悩むのではないでしょうか?
それは、伝えるか伝えないかで、働き方が大きく異なるからです。

では、オープンした方(障害者雇用枠で働いている方)、クローズにした方(一般雇用枠で働いている方)では何が違うのでしょうか?

4-1. 統合失調症をオープンにした方の体験

まずは統合失調症であることをオープンにした方のコメントです。オープン就労で良かったと感じること、逆に悩んだことはどのようなことでしょうか?

【オープン就労して良かった点】

病気のことをオープンにして働いているが、上司は理解してくれており、体調が悪くなった時に休ませてもらったり、病院に行きたい時も休みをもらったりしていた。
医療・福祉・介護、女性

上司の対応が、とても良い企業が多かったです。病気をオープンにしたとき、様々な配慮をしてくださいました。
メーカー・製造系、女性

現在の会社は、オープンにしているので、体調を崩して、休んでも、結構、大目に見てくれています。
運輸・交通、男性



【オープン就労して悪かった点】

上司に疾患を告白しても変わることなく接してくれた。しかし、体調不良を訴えても休ませてはくれなかった。
サービス・外食・レジャー系、接客

病気と知れたら、休暇をとらせずに、むしろよりひどく勤務させ自主退職に追い込まれた。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、軽作業

私の他にもメンタル疾患や病気で治療中の方が数名いましたが、気遣うどころか病気をからかったりいじることが多々ありました。私自身も薬漬けと言われたこともあります。体調管理も仕事のうちという割に、実際治療している人に対する風当たりは強かったです。特定疾患の方すら笑い者にし、最後まで罵倒とからかいの果てに退職に持ち込むということが多くありました。
人材、管理業務、折衝業務、女性



オープン就労をする良い点と悪い点について、これらのコメントをもとに整理してみましょう。

コメントをみていくと、オープンにすることで、合理的配慮が受けやすくなり、体調に合わせて働けるようになることがオープン就労のメリットとして挙げられていることがわかります。

例えば、統合失調症の特性として、朝起きることが苦手であったり、体調に波があること、不眠の症状があったりすることがあります。こうした特性がある場合、統合失調症をオープンにして出勤時間を調整してもらうなどの合理的配慮を受けることで、遅刻や欠勤を心配するストレスが大きく軽減されるでしょう。

また、職場の従業員も統合失調症の特性について理解がある場合、遅刻をしてしまった場合の理解も得やすい傾向があると考えられます。そのほか、幻聴や幻覚がある際も休憩を取りやすくなるなどのメリットも考えられるでしょう。 オープン就労の悪い点として寄せられたコメントをみると、オープンにしても合理的配慮が受けられないばかりか、むしろ風当りが強くなり、退職に至ってしまったケースもあることがうかがえます。

しかし、そもそも病気や障害への理解が乏しく、多様な人材を受け入れる土壌のない職場であれば、クローズ就労をした場合であっても、統合失調症について気づかれないように常に気を張って過ごさなければいけなくなってしまいます。

こうした職場では、働くにあたって多大なストレスを抱えてしまうことが予想されます。オープンにしたことによって職場での風当りが強くなってしまうことは、オープン就労のデメリットというよりは、むしろ病気や障害を理解する土壌がないという職場側の課題が表出した結果であるといえます。

【統合失調症をオープンにして働くことのまとめ】

オープン就労の良い点は、休憩や勤務時間の融通などの合理的配慮を受けやすい点です。体調に波がある方にとって、通院などのための休暇が取りやすいことは非常に重要といえます。
一方、病気や障害への理解が乏しい職場では、オープンにすることで職場内の風当りが強くなってしまう場合があります。しかし、多様な人材を受け入れる姿勢のない職場は、そもそも統合失調症のある方にとって働きやすい環境とは言い難いものです。就職する前に統合失調症について職場に話し、その反応を確かめるなどして、職場が病気や障害のある方に対してどのような考え方でいるのかを事前に確認しておくことで、就職後のミスマッチをある程度避けることができるでしょう。

4-2. 統合失調症をクローズにした方の体験

続いて、統合失調症をクローズにして働いた方の体験について、アンケートに寄せられたコメントを、良かった点と悪かった点に分けてそれぞれご紹介します。

【クローズ就労して良かった点】

様々な年齢や性格や立場の人が働いていたので、認知機能障害も、多少不器用な人という事でクローズで働けて馴染めた事が嬉しかったです。アットホームな店だったのが満足の理由です。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、女性

障害はクローズ就職だったので特に職場には伝えなかった。ただ車の運転が苦手な点を伝えると渋々ながら?細かい所まで教えてくれた。またシフト自由なので体力的に厳しい時には減らすことも出来て体調に配慮してくれる。
サービス・外食・レジャー系、警備、男性

私は自分の病気の事は内緒で働いてるので配慮はないと思っていますが自分のペースで仕事ができて嬉しいです。
IT・通信・インターネット系、清掃



【クローズ就労して悪かった点】

会社、社員、従業員には病気のことを伝えていませんでした。その為、仕事中はストレスや症状を吐き出すことが出来ませんでした。症状が軽くなることはなかったので、薬を多めに飲んで副作用で眠くなったりするのが辛かったです。
食品・化粧品、男性

病気を隠して働いていたので、通院の際も嘘をついて午前休などをもらっていました。残業が多く過労になって体調を崩した際も相談できませんでした。
マスコミ・広告、女性

複数の仕事に優先順位をつけて作業をすることが苦手でした。特に、障害についてはクローズで働いていましたので、障害に対する配慮もなく甘えも許されませんでした。とにかく仕事の正確さと迅速さが要求される業務でしたのできつかったです。
男性



クローズ就労の良い点と悪い点について、コメントをもとに整理してみましょう。

クローズ就労の良い点として挙げられたコメントをみていくと、クローズにしていても配慮が受けられたことや、自分のペースで仕事ができることなどが挙げられています。こうしたメリットは、クローズ就労だからこそ得られたものというよりは、職場として個々の従業員に寄り添った指導の仕方を実践しているなど、職場の姿勢に拠るところが大きいといえます。

クローズ就労して悪かった点としては、統合失調症の症状や特性について隠さなければならないため、薬の量が増えてしまったり、体調が悪い時に休みを取りづらかったり、特性や薬の副作用などの影響により苦手な作業がある場合も対応しなければいけない点が挙げられます。

【統合失調症をクローズにして働くことのまとめ】

クローズ就労した方の中には、自分のペースで仕事ができる職場を見つけたり、オープンにせずとも配慮を実施してくれる職場に巡り合えたりした方もいます。しかし、クローズで就労した場合、事前に職場の姿勢を確かめることが難しいため、就労してから病気や障害に理解のない職場であることが判明するケースもあることでしょう。

また、クローズ就労の悪い点にも挙げられていたように、症状を隠して働くことで体調が悪化したり、薬の量が増えてしまったりする場合もあります。加えて、過度なストレスがかかり続けると、働くことそのものが難しくなってしまう場合もあると考えられます。

そのため、自らの体調を鑑み、また長く働くことを見据えて、統合失調症の症状や特性、具体的に配慮して欲しい点、得意なことや可能な業務、逆に苦手とする業務などについて事前に職場に伝えておくことが、就労後のストレスの軽減に役立つといえるでしょう。

5.転職や就活の参考に、統合失調症の方におすすめの企業・業界・職種

5-1. おすすめの会社、企業名

医療法人社団清流会
土日のみの休みですが、平日に休みがほしいときに、土日出勤して 代わりに平日にお休みをもらえるので、臨機応変に対応してもらえて 都合がつきやすいです。 上司との距離が近く、また上司も踏ん反り返った上司ではなく、 相談がしやすいところがオススメポイントです。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
→口コミの続きはこちらへ

株式会社クスリのアオキ
とにかくみんな良い人達でした。結婚されている30代の女性が多かったのですが、みんな優しく、あまり人と接するのが得意でなく、話もろくにできない私に対して温かく接してもらいました。清掃や商品の陳列などの簡単な作業を任されていました。これは単純作業の方がやりやすいだろうとの配慮で、店長は徐々に難しい仕事を任せていこうという考えでした。パートリーダーの先輩も、私に与える仕事は徐々に複雑なものにしていくという形をとってくれました。そのおかげで、少しづつ店の業務を任さられるようになり、やりがいも感じるようになりました。またお客さんも良い人ばかりで、商品案内などをした際には感謝の言葉を言われ、とても嬉しかったです。他人に奉仕できる喜びを教えてくれる職場でした。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★★
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株式会社ジュピターテレコム
概ね体力があって明朗に会話を楽しむ元気な方が多かったです。講習が充実していて、こちらがノートを取りながらきちんと教えていただけました。オフィスといってもかなり接客の要素があったため事務所内での靴を別個に用意したり、握りボールや肩たたきのような日用雑貨を駆使して上手に疲れないようにされていて、和気藹々とした人間関係が魅力的なところでした。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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株式会社マツモトキヨシ甲信越販売
お店の雰囲気は、店長次第で決まるように思います。 去年の店長は、障害に理解のあるふりをされ、最後は嫌な思いをしました。 今年の店長は、そういうこともなく、差別もなくやりやすいです。 他のパートさんに、無理しないでいいよって、この前初めて言われました。 表だって、言わないですが、心にとめてくれていることが嬉しかったです。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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株式会社ロッテリア
障害があってもほかの人と変わらない対応 責任も持ってできるようにしてもらえたので自身がつきました でも他の仕事では自信がないので、ここの職場は本当に良かったです。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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京セラ株式会社
障害者の配慮があり、病院にも通うために休みがもらえます。症状がひどいときは、医務室で休むこともできました。定期的に産業医との面談があり、無理のない仕事になる様に職場に指示を出して貰いました。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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味覚糖株式会社
上下関係もなく、覚えてしまえば業務内容は簡単な作業なので誰でも働くことができます。 また小休憩など休みもしっかりと取れるので体に負担がかかりにくかったです。 アットホームな職場で女性が活躍している職場なので、病気や障害の事も話しやすかったのが良いところだと思います。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★
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5-2. おすすめの業界・業種

では次に、統合失調症の方におすすめの業界や業種について考えてみます。 といっても、業種や業界も様々、そして症状や特徴もそれぞれ異なりますよね。
そこで1つの手がかりとして、アンブレに届いた統合失調症のある方からの体験談約330件をもとに、統計をとり傾向をみてみました。

まずは業界です。

統合失調症の方が働いている業界の割合


統合失調症の方が働いている業界別満足度グラフ


多くの方が勤めている業界は「サービス・外食・レジャー系」「メーカー・製造系」でしたが、満足度が最も高い業界は「マスコミ・デザイン・ゲーム系」「コンサルティング・専門サービス系」でした。
人気のある業界が、必ずしも満足度が高いとは言えないようです。

次は職種です。

統合失調症の方が働いている職種の割合


統合失調症の方が働いている職種別満足度グラフ


多くの方が勤めている職種は「販売・接客・サービス」「軽作業」でした。そして満足度が高い職種は「販売・接客・サービス」「清掃」という結果になりました。

皆さんの予想はどの業界と職種でしたか?
業界と職種に関する詳しい調査結果は以下のコラムでご覧いただけます。ぜひ参考にしてみてください。

統合失調症の方の転職、333人の実体験を調査、向いている仕事は?

また、統合失調症の方が働いている企業が一覧で確認できます。
満足度の高い企業や気になっている企業の口コミはこちらから。

では、このような企業はどのように探せばよいのでしょうか?
次は仕事の探し方を確認していきましょう。

6.求人の見つけ方

6-1. 働き方によって選べる採用枠「一般枠」と「障害者雇用枠」

求人には一般枠(クローズ)障害者雇用枠(オープン)があり、障害者手帳を所持している方は、「一般枠」「障害者雇用枠」のどちらにも応募することができます。

先にも述べたように、不安障害をオープンにするか、クローズにするかといった悩みは応募できる雇用形態にも影響してきます。
少し重複する部分もありますが、もう一度簡単に説明します。

「一般枠」は、障害であることを伝えず(クローズ)仕事をすることになります。障害のない方と同じように働くことため、広い職種から選べ、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、不安障害への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

「障害者雇用枠」は、障害であることを伝えて(オープン)仕事をにすることになります。そのため、職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながることも考えられます。

▼障害者枠(オープン)や一般枠(クローズ)についてはこちらでもご紹介しています。
障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説

5-2. 求人の見つけ方

①ハローワーク

障害のある方専門の窓口があるため、相談やアドバイスを受けることができます。求人数や障害のある方への求人情報も多く扱っています。

ハローワークにて求人検索をして、紹介してもらいました。ハローワークは履歴書の添削や個別に面接対策もしてくれます。
食品・化粧品、営業事務、女性

精神障害をハローワークで告げていたので、適職診断を受けました。筆記やパソコン、作業的な検査をして、後日それをもとにハローワークの職員、適職診断の職員、通院していた病院のスタッフと私の4人で私の就職についての話し合いの機会をもうけてもらいました。
銀行・信用金庫、一般事務、男性

前の会社を病気で辞め、悪化して障害年金をもらっていることもあり、障害者専用の窓口にて、希望するお仕事の内容などを、担当の方から直接電話して聴いていただいて、それを踏まえた上で、僕が出来るのかを検討し、出来そうだと思ったら、病気や障害の事を隠さずに伝えてもらい(僕の要望で)、先方様から面談なり、書類面談送付なりと、丁寧に数件取り次ぎをしていただきました。
住宅・建材・インテリア・エクステリア、軽作業、男性



▼参考: 厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

②人材紹介会社

障害を抱えることで、働くことに不安を覚えている方の就職活動を応援してくれる専用の人材紹介会社をご存知でしょうか?

具体的には、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など、全面的なサポートなどを行ってくれます。

ハローワークなどでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

ひとりで1からはじめる就職活動との違いは、専門のアドバイスやサポート、自分にあった企業の紹介を受けられるため、担当者と一緒に不安を取り除きながら活動を進めていくことができます。

体験談にも専用の人材紹介会社を活用したという声が多くありますのでご紹介します。

人材派遣会社からいろんなお仕事(主にテレマーケティング中心)を紹介して頂いた。
コンサルティング・専門サービス系、コールセンター、オペレータ、男性

人材紹介会社を活用しました。病状など面接前にアポイントをとり、企業に説明して頂きました。
シンクタンク・リサーチ・マーケティング、一般事務、女性

履歴書の書き方や面接官によるシミュレーションをしていただいた。
総合電機、接客、男性



しかし、人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

次は、気になる企業を見つけたら、その企業の情報をどのように集めると良いのか、紹介していきます。

▼障害者雇用の求人サービスについてはこちらでもご紹介しています。
ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介

7.企業情報の集め方

会社紹介の採用ページや企業サイトだけでは、あなたが実際に働くことになるであろう職場の雰囲気はつかめないかもしれません。できるだけ自分の目で確かめてみましょう。

7-1. 事前に見学して企業の雰囲気を確認

企業によっては職場を事前に見学させてくれるところもありますし、人材紹介会社に登録している方は、アドバイザーを通して見学をお願いすることもできます。まずは確認してみるといいでしょう。体験談にも、事前に見学を行うことで、面接だけではわからない職場の雰囲気が伝わるとの意見が多くみられます。

【就職する前に職場見学をした方からのアドバイス】

自分にできる範囲の、出来る可能な仕事を選ぶべきです。そのためには、職場を見学させてもらい、どんな仕事をいつまでに仕上げているのか、ノルマを確認すべきです。できそうもなかったら、すぐやめる羽目になるので、断ったほうがましです。また、体調が悪くなった時、どう対応してくれるか確認すべきです。
コンピュータ・通信・精密機器、エンジニア・技術職

仕事内容や担当の喋る綺麗ごとではなく、職場の人をよく見ること。仕事なんて内容ではなく結局のところ「人関わり」である。見学の際には社員がどんな表情で目つきで仕事しているか、見学者への関心は、職場のモラル感は、等、人の様子をよく観察したらよい。
通信、受付、窓口業務

面接だけでは会社の雰囲気がわからないので、できるだけ1分でも長く会社内部を見学させてもらい、その雰囲気を感じ取れるだけでもいいだろう。特に精神系の方には、雰囲気と自分の働く気持ちとのミスマッチさ左右されるだろうと思われるので、ゆとりのあるところが重要かもしれない。
サービス・外食・レジャー系、コールセンター、オペレータ



7-2. 面接はその企業を良く知るチャンス

面接は、企業側があなたを審査するだけの場ではありません。大事なのは、あなたが企業に求めるものと、企業があなたに求めるものがマッチングすること。

不安や疑問がある場合は、面接時の質問タイムなどでクリアにしておきましょう。具体的に聞いておきたい内容については、以下の経験者さんの声を参考にしてみてください。

【面接で企業の情報や職場の様子、自分に対する配慮などの情報を得るための工夫】

面接だけでは100パーセント会社の事がわかりません、面接官に事細かく聞いてみるのもいいでしょうし、そうしなきゃだめだと思います。その時に、「自分の障害」を詳しく説明するのも忘れてはいけませんし、 企業側も、障害を知っていたほうが後から自分にも有利になります。詳しくはその時に話してください。
ビジネスコンサルティング、接客

自分の障害や病気を、まず自分が認めて受け入れた上で 業務内容が自分のキャパシティを超えていないかを知っておく必要があると思います。 入社前では分かりにくいかもしれませんが、入社の面接のときなどでも 面接官の人柄をみて、一緒に仕事をやっていけるような人なのか 見極めるべきだと思います。
医療・福祉・介護、物流、運搬、運転手

面接にて、自分の希望や障害の状況などを細かく詰めた方がよろしいかと思います。 自分も長く働きたいですし、会社の方も長く働いて欲しいのは一緒かと思いますので、出来る事、出来ない事をはっきりとさせた方がよろしいかと存じます。 障害によって人それぞれですので、自分の症状と仕事に支障があることについては、明らかにしておいた方が、長く働けると思います。
人材、接客



面接で緊張しすぎて質問できなかったということが無いように、予め知りたいことをまとめておきましょう。予め準備をしておくだけで心に余裕ができ、面接にものぞみやすくなります。

働きはじめてから大変な思いをすることは、大きな負担になってしまいます。心地よい職場環境で病気と上手に向き合っていくためにも、面接時での質問のチャンスは大事にしましょう。

8.最後に

これまでの内容をまとめます。

■統合失調症の特性による仕事の悩みと対策
統合失調症の特性による仕事の悩みの1つ目は、幻覚や幻聴が起こりやすいことでした。それにより、仕事中に混乱してしまったり、幻覚が見えることにより仕事に集中できなくなってしまったりすることに不安を感じることがあるようです。
この悩みへの対策としては、疲れやストレスを溜めないように服薬管理を徹底すること、仕事中に適度に休憩を取ること、離席し、気分転換をすることなどが挙げられていました。

統合失調症の特性による仕事の悩みの2つ目は、認知機能障害により覚えることが苦手<ということでした。それにより、ストレスやパニックで記憶が飛んでしまうことにより作業手順がわからなくなってしまうという不安を感じることがあるようです。
この悩みへの具体的な対策としては、メモをとって仕事内容を忘れないようにするほか、一度に全ての指示を出すのではなく、細かく小出しで指示を出してもらうよう職場に依頼するということも有効な対策ということがうかがえました。

■統合失調症の方が職場で抱える悩みと対策
統合失調症の方が職場で抱える悩みの1つ目は、幻聴や幻覚があり仕事に支障がでることでした。
この悩みに対して職場では、メモを用いて指示を出すことで、幻聴や幻覚と本来の指示を区別しやすいようにするほか、幻聴や幻覚により不安が強くなった際は落ち着きを取り戻せるよう、話を聞く時間を設けることや、休憩する時間を設けるという工夫が取られていました。

統合失調症の方が職場で抱える悩みの2つ目は、統合失調症の特性により苦手な業務があることでした。
この悩みに対して職場では、統合失調症の特性を理解し、苦手な業務を担当せずに済むように業務を交代することと、併せて、こうした合理的配慮を円滑に行えるようにするため、周囲の従業員へ統合失調症について知らせるかどうかについて、本人と相談しながら決めていくというサポートも行われていました。

統合失調症の方が職場で抱える悩みの3つ目は、体調が崩れやすく、休暇や出勤時間の調整が必要になるということでした。
この悩みに対して職場では、出勤時間やシフトを柔軟に調整したり、体調に応じて医師に連絡を取れるように配慮を実施したりしている工夫がみられました。

■統合失調症をオープンにするか、クローズにするか
転職や就活を行う上で、統合失調症をオープンにするかクローズにするかも多くの方が悩むポイントです。まずはご自分の症状を一番に考え、どのようなスタイルで仕事を行うことがベストなのかを考えましょう。特性にあわせた働き方や、通院や急な体調不良による休みを必要とする場合は、配慮やサポートを受けやすいクローズ就労=障害者雇用も検討すると良いでしょう。

■統合失調症の方におすすめの企業、業界、職種
統合失調症と付き合いながら、理想の仕事や職場で働いている方も多くいらっしゃいます。統合失調症の方におすすめの企業や業界、職種には傾向がみられますので、同じ統合失調症をお持ちの方の意見も参考にしてみましょう。

これまでにご紹介した体験談は、ほんの一部です。症状も人それぞれ、企業の対応もそれぞれ異なります。
まずはご自分の症状や、できることできないことについてまとめてみましょう。そして、自分にあった職場を自分のペースで見つけてください。

そして気になる企業の様子やサポート状況は、事前に自分の目で確かめることが理想的です。求人票ではわからない企業の様子を知るためにも、ハローワークの専門スタッフに相談したり、人材紹介の専門アドバイザーと一緒に就職活動を進めたりするのも良いですね。

さまざまな企業の中で、あなたが幸せに働ける環境に出逢えることを、私たちは心から願っています。

※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
皆さんの貴重な体験談は多く方へ届き役立ちます。ぜひ体験したこと、感じたことを教えてください。

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