パニック障害のある方の中には、症状とうまく付き合いながら理想の職場で働いている方と、逆に、仕事に悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
たとえば、
・満員電車に乗るのが怖いから出勤時間を変えたい
・一人になる職場は不安
・パニックの症状が出たときは職場の同僚に対応をお願いしてもよいのか
など、パニック障害ならではの悩みや不安を感じることはありませんか?
そんなときは、同じパニック障害のある方々の声に耳を傾けてみましょう。
今回のコラムでは、330人のパニック障害の方の口コミをもとに、仕事での悩みやその解決策、仕事探しの方法をご紹介していきます。
また、障害者雇用の専門家みちしたさん(社会福祉士、精神保健福祉士)にもアドバイスをいただいています。
これから就職や転職を考えている方は、ぜひお役立てください。
パニック障害はストレスにより悪化します。人間関係も劣悪であったためストレス過多で不眠・食欲不振が生じ、3ヶ月ほどで10kg痩せてしまいました。
医療・介護・福祉、女性
ストレスがかかると過呼吸になり、手足のしびれや寒気がします。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、接客、女性
どんなことでも頑張りすぎるとストレスになって、心身に症状が出て日常生活も難しくなる。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、接客、女性
物事を考えすぎないよう、今に集中して仕事を行うようにしている。
建築・建設・設計・土木、接客、男性
ストレスがあると感じたら、無理せずに休むことです。
アパレル・日用品、仕分け・商品管理、女性
ストレスがたまっていると感じたら習得したオフィスの椅子に座りながらでもできる自律訓練法で緊張をほぐします。
専門店、一般事務、女性
ストレスがたまると発作が起きやすかったため、規則正しい生活を心がけていました。立場上、移動を伴う業務があるときは時間に余裕をもち、パニック発作が出てしまったとき用の薬などを持ち歩くようにしていた。
専門店、女性
朝はとにかく早く出かけ、発作が起こってもすぐに止まれる道で通勤しました。
医療・医薬、女性
できるだけ朝早く出勤し、ラッシュを避け、途中下車してもかまわないように余裕をもって出勤する。
生命保険・損害保険、一般事務、女性
動悸、呼吸困難感、気が狂ってしまうのではないか、死ぬのではないかという恐怖(予期不安)があります。とくに緊張しやすいような場面で症状は強くなる傾向にあります。
医療・医薬、女性
予期不安が強く、いま発作が起きたらどうしようとか不安なことばかり考えてしまう。パニックを起こしたら動けなくなり、頭も真っ白になり、いろいろと症状が出て息ができなくなるなどで悩んでいます。
サービス・外食・レジャー系、女性
パニック障害の予期不安でその日によって通勤ラッシュの時間に会社に向かえない時がありました。また、会社で発作が起きそうになることや、苦しくなってくると人混みなどが怖くなるのでその場から逃げたいという気持ちになります。
専門店、女性
空き時間にはなるべくポジティブな感情を維持する、リラックスできる音楽に耳を傾けるという工夫もしてきました。
医療・福祉・介護、女性
仕事中などに発作が起こりそうな時は唇を強く噛んだり、頭の中で歌を歌ったり気を紛らわせています。それでもヤバイな~と思ったらトイレに行ったり飲み物を飲んだりしながらやっています。
農林水産・鉱業、女性
好きなアロマオイルスプレーを自分で作って持ち歩きリラックスするように心がけたりしていました。
サービス・外食・レジャー系、女性
過呼吸時に飲む薬を服用していました。服用することで不安感が和らぎますが「薬を持っている安心感」があったため過呼吸自体の回数が減りました。
不動産・建設・設備系、男性
グミやガムを噛んで唾液を出すと幾分か楽になる。
小売・流通・商社系、男性
投薬は必須ですが、ほかはあめ玉を舐めていました。メンソール系のあめは精神安定の効果があるため、少しの違和感でもすぐにあめ玉を口にいれるようにしました。「これで大丈夫」と自身に何度も言い聞かせました。
医療・福祉・介護、女性
会社の近所に引っ越し、徒歩か自転車で通勤していた。
ソフトウェア・ハードウェア開発、女性
電車の場合はすぐ何かあっても出られるように各駅停車の電車に乗る。車での移動の時は高速道路を使わずに下道、一般道路を使うようにする。
小売・流通・商社系、技術系、男性
苦手なことをことごとく排除した仕事を選ぶこと。これに尽きると思います。たとえば、混んでいる電車が嫌なら、職場と家が自転車や徒歩で行ける近さのところを探すとか、オフィスが狭いのが嫌なら、人が少ないか、オフィスが広々した会社を選ぶとか。
生命保険・損害保険、女性
電車については、とにかく朝早い電車に乗ることを心がけました。ほとんど始発に近いくらいの電車です。業務開始の2時間前くらいに、会社には到着してしまうのですが、それでも混んでいる電車に乗るよりは断然心身が楽でした。
生命保険・損害保険、女性
出社時間を遅らせてもらっている。これにより混んでいる電車を回避することができる。
一般事務、男性
唯一工夫したのは通勤手段をいろいろ変えてみたこと。発作が起きたらすぐ降りられるように出入口扉の近くに立つ。
百貨店・量販店、女性
病気に対して理解をしてくれて、電車に乗れなくなった時期は自宅での作業に変更してくれ、給料も変わらず頂いています。
ビジネスコンサルティング、デザイナー、男性
会議などは事前に上司に知らせておき、いつでも抜け出せるようにしていました。~中略~閉鎖空間(会議室、朝礼の場)などに居合わせようとすると強い不安に襲われ吐き気や腹痛、寒気といった症状が出る。具合の悪くなる条件をあらかじめ確認し、その条件を満たさないように行動する。満腹感があると不安なので、食事は少なくする。
専門商社、一般事務、男性
人が多い所や緊張する場面、運転をする、遠出をするなどをすると、具合が悪くなってしまうのではないかという恐怖から、冷や汗や動悸・口喝などが現れます。
住宅・建材・インテリア・エクステリア、受付・窓口業務、女性
伝票の入力などは全く問題がなかったのですが、電話での応対や急な注文など『予想外』なことが起こるたびにドキドキしてしまいました。
食品・化粧品、女性
仕事のタスクが複数になると、どうしても「焦る気持ち」からアドレナリンが出てきて「手が震える」「死ぬのではないのか」って感覚に襲われます。
ソフトウェア・ハードウェア開発 コールセンター、オペレータ、男性
何事もそうですが、調理に関する仕事でしたので、とくに時間に追われる意識が強くパニックや不安を感じることが多くありました。
医療・福祉・介護、女性
高圧的な話し方をされると萎縮してしまい、混乱してしまいます。
ソフトウェア・ハードウェア開発、一般事務、女性
感覚過敏により、明るい電気の職場にいられない(まぶしくて目を開けていられない、吐き気と頭痛がしてくる)。聴覚過敏により、何も無いのに気配を常に感じ、誰かがそこにいるような気がして恐怖感でいてもたってもいられずにパニックになる。
専門店、接客、女性
過去の出来事が頭をよぎり、不安になると思います。
半導体・電子・電気機器、男性
なるべく店舗が混まない時間帯にシフトを組んでくれ、休憩時間も他の従業員と重ならないようにしてくれました。店舗が混んできたら、レジ打ちから商品整理に回し、負担を軽くしてくれました。出勤したら必ず体調の様子を聞いてくれてその日の業務を決めていました。
小売・流通・商社系、販売・接客・サービス、女性
幸いにも、症状が出てくるシチュエーションに、一定の条件のようなものがあったので、ある程度周囲が気にかけてくれていました。
メーカー・製造系、軽作業、男性
接客や電話対応など不安に駆られそうな仕事からは外してくださいました。また、通院などの都合上、早退するときが多かったのですが、その際にもやりかけの仕事をスムーズに引継いでくださるなどの支援を行ってくれました。さらに、病気のことを勉強し、私を理解しようとしてくれる方もおり、とても嬉しかったです。
団体・連合会・官公庁 その他、男性
仕事が行き詰まっていることを感じ取って、代わりにタスクを進めてくれ、体調が優れない際の会議を代わってもらうなど、周りのメンバーには多大なサポートをしていただきました。
ビジネスコンサルティング、男性
人事の方に相談し 細かい休憩を取ることを許可してもらい、シフトを緩やかに入れ、自分を追い込まないようにしました。
教育、女性
淡々とこなす業務は得意なので、それができるように環境を整えていただいたことに感謝しています。
専門店、経理、女性
現在働いている職場では、機械音や線路が近くにある場所だったので、音が大きく、上司の方に聴覚過敏だからとイヤホンをしての作業許可を出してもらった。
医療・福祉・介護、女性
一番の不安要素が何なのかを明確にすることです。それがわからないまま仕事を探し、採用され、いざ仕事をしてもまた同じことを繰り返すことになります。まずはよく考え、不安要素の回避方法を作っておくことが大事です。
半導体・電子・電気機器、男性
メンタルが少しでも安定するように、できることなら怖いものには近寄らない 過去がフラッシュバックする状況から避ける。
外食・フード、女性
苦手なことを明確にして、企業分析をしっかりしたうえで求人を探した方がよいと思う。
医療・福祉・介護、女性
この病気は逃げ出せない環境下にあるといきなり発症するといった病です。そのことから、いつ恐怖が襲ってくるかで悩みました。
医療・福祉・介護、男性
満員電車に乗れない。狭い所が苦手。集団会場が苦手。
設備・プラント、経理、男性
緊張や疲れで過呼吸が起き、死ぬという恐怖に襲われる。とくに会議は薬を飲まないと出席できない。
自動車・運輸・輸送機器、総務、女性
一人の勤務だったので、プレッシャーがあって半年で辞めました。
医療・介護・福祉、女性
一人では絶対に働くのは困難だったと思います。病気を理解したうえで時間をずらしてくれるなどとても感謝しきれません。
専門店、女性
なるべく一人になるような仕事をもらわないようにして、複数でやる仕事を選び、迷惑のかかることがないようにうまく調節するようにしていました。
専門店、女性
本社の総務部の方からも上司に言いにくいことがあれば直接話を聞くとも言ってくれました。
サービス・外食・レジャー系、清掃、女性
症状が出てしまったときに代わってもらえるよう、上司の手が空いているときは遠隔でモニタリングをしてくれていました。
IT・通信・インターネット系、コールセンター・オペレータ、女性
通話中に症状が出てしまったときは、別の担当に代わる旨だけはきちんと説明して、上司が対応を代わってくれています。どうしても理不尽なお客様に当たるとそういう症状が出やすくなってしまうため、手が空いているときは遠隔モニタリングしてくれています。
症状が出ても少しゆっくりすると落ち着くので、小さな個室のような休憩室を使わせてもらえるようになりました。
IT・通信・インターネット系、女性
仕事を続けていくのが難しくなったので、最終的に店長に相談したところ、発作が起きても恥ずかしいことではないから大丈夫。不安に思う気持ちがさらに症状を悪化させるのだから周りの人に助けを求めればきっと大丈夫。と言葉をかけてもらい気持ちが少し楽になりました。
小売・流通・商社系、女性
発作が起きそうなときは、一人になると余計出てしまうので一緒にいて、話しをそらして、とにかく明るい話やゲームの話をひたすらしてくれました。
総合電機、女性
体調が悪くなりやすい、少しのことでも不安になる、過呼吸を起こすと迷惑がかかる。
医療・医薬 その他、事務、女性
過度なストレスにより、クラクラしたり気持ち悪くなり、過呼吸になったり。急に不安が襲ってきて、起きていられなくなり、寝ていても治らない。
小売・流通・商社、販売・接客・サービス、女性
突然のしんどさ、心拍数の上昇、動悸、めまい、吐き気、逃げ出したくなる気持ち、不安感。 先の予定が入っていると、プレッシャーになり、体調を崩しやすい。
不動産・建設・設備、人事・経理・総務・企画、女性
緊張度が高い、パニック発作、離人感、手の震え、睡眠障害(不眠)、摂食障害(嘔吐なし過食拒食)、風邪を引きやすい、ストレスが蓄積されると朝動けなくなる、吐き気やめまいなどで身体の自由がきかない、胃痛や頭痛。
メーカー・製造系、事務、女性
就業時間中に具合が悪くなったら、別室で休んでも大丈夫だった。仕事量を減らしてもらえた。
事務、女性
外出できない時期がありましたが、内勤にしてもらえたりしました。
IT・通信・インターネット系、事務、女性
急遽、仕事中に体調が悪くなった際に嫌な顔せずに早退していいと言ってくれた。
サービス/外食/レジャー系、軽作業、女性
顔色が悪そうなときには、ピーク時でなければポジションを裏方と変わってくれ、少し座ってできる仕事(チラシ折りなど)をさせてもらえることもありました。
サービス・外食・レジャー系、女性
パニックになったときに、どのようにしてほしいかをあらかじめ紙に書いて伝えておいたため、落ち着いて対処してもらいました。また、体調の悪いときは無理をせず休んでもいいよと声をかけてくれ、月に2、3回は休んだり別室で仕事をしたりしていました。
コンサルティング・専門サービス系、女性
急に発作が起きたときも慌てず椅子や横になれるようにすぐに準備してくれた。
小売・流通・商社系、女性
理解者や配慮をしてくださった支援者の方が多くて助かりました。参考になれば幸いです。
チェーンストア・スーパー・コンビニ、男性
障害をオープンにして受けられる支援を最大限に活かせば就労支援員の方や人事担当の方が打ち合わせをしていろいろな問題解決に向けて取り組んでもらえますし、環境を改善してもらえます、そして、就業できた、という自信にもつながる。
団体・連合会・官公庁、女性
職場でパニック障害があることを、オープンにして働いてきましたが、理解のある上司だと発作が出そうな状況を避けてくれるようになり、かなり気にかけてくれるようになりました。
専門店、女性
パニック障害と聞いた瞬間、精神的な病気なので腫れ物にでも触るかのように扱われるので、発作が起きたときのために、ある一部の人にしか話してなかったのですが、パニック障害と知らない人の前で発作が起きた時が大変でした。
総合電機、女性
私は今回、クローズで決めていたのに、結局、上司には障害のことを話しました。でもまわりの人達は私の障害のことは知らなかったので、結局、中途半端でした。
サービス・外食・レジャー系、女性
職場の同僚からは、普通に接してもらえました。自分は障害のことを隠したりしました
チェーンストア・スーパー・コンビニ、男性
職場ではクローズでしたが、事情を知る身近な友人や家族が常に気にかけてくれていました。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、女性
職場でオープンにしていなかったので、とくに対応はありませんでした。
医療・福祉・介護、女性
私の場合、面接で病気のことを言ってしまうとほとんどの会社の面接で落ちます。なので、面接では病気のことを隠し働きなれた頃に、相談として病気のことを打ち明けたりもしましたが、その時点でクビです。
団体・連合会・官公庁、女性
病院から安定剤をもらってやり過ごしていましたが、人間関係が良くても、会社の人手不足などに気をもまれやすく、できないところにも手を伸ばしては自責の念を感じていました。クローズでの勤務でしたが、やはり理解してもらうよう努めるほうが良かったかもと今は思います。
医療・福祉・介護、女性
ハローワークの相談員の方には、職務経歴書や履歴書の添削まで、丁寧に対応していただきました。
物流・倉庫、一般事務、女性
障害の状態を伝えて働けるか相談をして、就労できるようにしてくれました。
小売・流通・商社系、接客 女性
応募する際に事前に自分が抱えている障害を告げ、勤務可能な環境かを確認してくれた。
ソフトウェア・ハードウェア開発、コールセンター・オペレータ、女性
人材紹介会社の担当者と自分の体調について細かく面談をして今の自分にできる範囲での仕事選びをしてくれた。また入社した後も再々連絡をしてくれて困ったことがないかなど気にかけてくれている。
専門商社、仕分け・商品管理、男性
もし、今から職場を探すのでしたら、自分の通勤ルートの確認と可能でしたら職場見学をしたうえで安心して働けそうな会社を選ぶといいかと思います。
通信、女性
受かるために病気のことは伏せておきましたが、発作が起きたら困るから、きちんと理解してもらってから面接したほうがいい。 今の職場の人には、伝えたので安心して勤めています。ポケットの中には、頓服忍ばせていますが…。
医療・福祉・介護、女性