難聴などの聴覚障害がある方が仕事を続けるために 136人から学ぶ働き方の工夫

難聴などの聴覚障害がある方が仕事を続けるために 136人から学ぶ働き方の工夫

難聴などの聴覚障害を抱えながら仕事している方の中には、うまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、聞こえづらい、コミュニケーションが取りづらい、疲れやすいなど、障害による特有の悩みを感じることはありませんか?

そんなときは、同じように難聴を抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみませんか?今回のコラムでは136人の方のアンケートをもとに

・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・仕事探しはどのように行ったのか

といったアドバイスをご紹介していきます。
仕事との向き合い方や職場について悩むことや不安に感じることがある方は、ぜひ寄せられた声を、解決のヒントとして役立ていただけますと幸いです。

目次

1.難聴・聴覚障害とは

2.難聴の特性による仕事の悩みと対策

3.難聴の方が職場で抱える悩みとその対策

4.転職や就活では難聴をオープンにするかクローズにするか

5.転職や就活の参考に、難聴の方におすすめの企業・業界・職種

6.求人の見つけ方

7.企業情報の集め方

8.最後に

1.難聴・聴覚障害とは

    【難聴・聴覚障害とは】

  • 音が聞こえない、または聞こえにくい状態を聴覚障害といいます。
  • 音の大きさをデシベル(dB)という単位で表します。医学的には25dB以上の大きさの音で、ようやく聞こえる場合に、聴覚障害といいます。
  • 生まれつきの場合病気、事故などで生じる場合や加齢による場合などがあります。
  • 障害部位で、伝音難聴、感音難聴とこの両方がある混合難聴に分けられます。
  • 中耳までに障害がある場合を伝音難聴といい、音が小さく聞こえます。内耳以降に障害がある場合を感音難聴といい、音が小さく、歪んだ状態になり、ことばがはっきりとは聞き取りにくくなります。
  • 聴覚障害になると、会話が分かりにくい、情報が得にくい、コミュニケーションが取りにくいといった不便さが生じます。ただ、個人差が大きいため、その状況はまちまちです。
  • 難聴といっても障害のある部位により聞こえ方も異なってきます。
聴覚障害は、障害の程度により、国が定めた基準に従って身体障害者手帳の交付を受けることができます。

    【身体障害者手帳の取得】
     
  • 身体障害者手帳を取得すると、様々な公的制度を活用できます。
  • 聴覚障害の場合、6級、4級、3級、2級の4段階に等級が分かれています。聴力検査または語音明瞭度検査を行い、その結果で該当する等級の身体障害者手帳が交付されます。
  • 【交付基準】
     
  • 6級:両耳とも平均聴力レベルが70dB以上又は一側耳の平均聴力レベルが50dB以上、他側耳の平均聴力レベルが90dB以上の場合
  • 4級:両耳とも平均聴力レベルが80dB以上又は両耳による最良語音明瞭度が50パーセント以下
  • 3級:両耳とも平均聴力レベルが90dB以上
  • 2級:両耳とも平均聴力レベルが100dB以上
  • 【身体障害者手帳を取得するには】
     
  • 市町村の障害福祉担当課で、手帳交付の診断書の用紙等をもらいます。
  • 指定の耳鼻科にて検査を受け、診断書を作成してもらいます。
  • この診断書と必要書類を居住地の市町村障害福祉担当課に提出します。
  • 県の審査を経て、身体障害者手帳が交付されます。(政令市・中核市は独自に認定・交付)
  • 申請から交付まで、1ヶ月程度かかることもあります。
▼参考:神奈川県障害福祉課「神奈川県聴覚障害者福祉センター」

ではこのような「聴覚障害」をお持ちの方は、仕事をする上でどのような悩みを抱え、どのような工夫をしているのでしょうか?

2.難聴の特性による仕事の悩みと対策

難聴などの聴覚障害のある方は、仕事をする際にどのような悩みを抱えているのでしょうか?
アンブレに寄せられた口コミから悩みの傾向をみてみると、以下のような傾向がみられました。

 
【聴覚障害の特性による仕事の悩み】

①聞こえづらさによる悩み

 ・聴力が弱く音声を聞き取りづらい
 ・片方の耳が聞こえにくい
 ・誤解されやすい
 ・口話がわかりづらい
 ・無視していると思われる
②疲れやすいという悩み
では、これらの悩みへの対策、皆さんはどのようにしているのでしょうか?
ここからは具体的なコメントとともに紹介していきます。

2-1. 聞こえづらさよる仕事の悩みと対策

難聴などの聴覚障害のある方は、聞こえづらさによる仕事への支障を感じている方もいらっしゃいます。
例えば聴力の弱さ、片耳難聴の困り感、聴覚障害への無理解、口話の難しさ、無視していると誤解を受けるなど、その悩みは人それぞれです。

ここでは、
  • 難聴者が仕事をする上で支障を感じること
  • 自分でできる対策方法
  • 周囲へお願いしている支援
  • 周囲へお願いする時のポイント
  • 役に立つツール
などについて詳しくご紹介していきます。

①聴力が弱く音声を聞き取りづらい

難聴などの聴覚障害のある方の悩みには、個人差がありますが、それらは症状の程度や聴覚障害の分類によるところも大きいでしょう。

  • 先天的or後天的
  • 伝音性難聴or感音性難聴
  • 聴力のレベル
これらによって、症状も必要とする支援も異なってくると思いますので、別々に悩みをみてみましょう。

【伝音性難聴の方の悩み】

日常ではそう困らないが、ひそひそ話をするときに、聞こえない側に来られると困る。
小売・流通・商社系、クリエイティブ、男性

補聴器を使用しているので電話はできるが少し遠いところや、後方から名前を呼ばれたりすると反応できない。
旅行・ホテル、女性

特徴としては、補聴器がないとまったく周囲の音を聞き取ることができない。
人材、軽作業、女性



伝音性難聴の方は、補聴器の使用で聞こえの問題がかなり改善できることも多いことが特徴です。
ただ、聴力には個人差も大きく、補聴器が無くてもなんとか仕事ができる方もいれば、補聴器がないと生活できないという方もいらっしゃいます。

次に「感音性難聴」の方のコメントを見てみましょう。

【感音性難聴の方の悩み】

聴神経の障害のために、正常な音が聞き取れないと話し言葉が歪んで聞こえてしまう。相手との会話で何度も聞き返したり、言葉が歪んで聞こえるので似たようなフレーズの単語に脳内変換してしまうので、とんちんかんな会話や理解になってしまう。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、男性

突発性難聴により、聴力低下、主に高音域の音が聞き取れなくなりました。補聴器を使用しましたが、高音域に合わせると雑音を拾うし、会話に合わせると聞き取れない音もあり、補聴器の設定が難しかったです。
医療・福祉・介護、女性

補聴器を装着しても聞き取りにくい言葉がそのまま大きな音で入ってくるだけで大変で仕事中に電池が切れることもありその時は聞こえなくなり焦りだしたりしてました。
医療・福祉・介護、女性



感音性難聴の方は、特定の音域が聞こえづらいことや、音は聞こえても言葉として認識しづらい、という症状があります。
そのため補聴器をするだけで聞こえの問題が完全に解消されるわけではなく、補聴器をしていても仕事や生活に支障を感じる方も多くいらっしゃいます。

一般に、難聴の方が音を聞き取りづらい状況として以下のことがあげられました。

  • 雑音が多く騒がしい環境
  • マスクをしている人の声
  • 後ろから話しかけられる
  • 遠くから呼ばれる
  • 早口や、もごもご話す人
  • 小さい声(ひそひそ話)
  • 方言など聞きなれない言葉
  • 高音が聞こえづらい(高音難聴)
  • 低音が聞こえづらい(低音難聴)
難聴の方は、このような悩みに対してどのような工夫をしているのでしょうか?

【対策や工夫】

筆談を主に頼んでいるが、それ以外だと言われたことを「~ですね」と確認しながら仕事をする。
教育、教師・塾講師・学童担当

聞き取れない時には筆談をお願いしています。常にボードやメモなどを持ち歩くようにしています。
銀行・信用金庫、一般事務、女性

大勢の会議の場所などは苦手ですが、その会議のキーマンを見極めその人の近くに座るようにしています。(そうすると、皆その人の方を向いて話すため音声が聞き取りやすい)
マスコミ・広告、女性

会話の中で言葉が聞き取れず不明確な時は、なるべく復唱して会話していました。例えば、「炊飯器売り場はどこですか?」に対して「○階です。」ではなく「炊飯器売り場は○階です」等です。
百貨店・量販店、女性



様々な工夫をしながら仕事をされているようですね。特に
  • 「~ですね」と復唱しながら確認することで聞き間違いを防ぐ
  • 筆談の道具を常に持ち歩く
という方法は、職場や日常生活など多くの場所で取り入れやすいアイデアではないでしょうか。

また、以下のようなコメントもありました。

常に周りをしっかり見える位置で仕事をしたり、周囲に時々目をやり、気にするようにしています。また、電話については、周囲を目視で見ながら時々受話器から耳を外して周囲を確認していました。
医療・福祉・介護、女性

目から入る情報を多く取り入れることで、展開を想像し、すばやく行動ができる。
医療・医薬、接客、女性



目から入る情報を活かしながら、聞きづらさをカバーしています。周りの人の動きや表情から感じ取れる情報もたくさんありますので、ぜひ参考にしたいですね。

さらに、聞き取れなかった場面についてのコメントもありました。

【聞き取れなかった時に心掛けていること】

聞き取れなかった時は、ちゃんと聞きなおすようにします。聞き取れなかったことをうやむやにして、後で相手に「伝えたのに」と言われないようにするためです。
ソフトウェア・ハードウェア開発、コールセンター・オペレータ



聞き返すのは気が引けることもありますが、わからないままにしておいて後から大きなトラブルにつながることは避けたいものです。仕事への真剣さが伝わるコメントです。

また、ツールを活用しているとのコメントもありました。

【ツールの活用】

UDトークのアプリを用いて、音声変換通訳ソフトに頼っておりました。しかしながら、デメリットとしては、無料版を活用していたために、きちんとした文字変換ができず、誤変換が毎回のようにあったため、正しい情報としては得られる範囲が狭かったですね。
運輸・交通、女性

ヒアリングに苦労するため、チャットやバックログやメールなどの、テキストでのやりとりをメインにした。
ソフトウェア・ハードウェア開発、エンジニア・技術職、男性



UDトークとは、主に聴覚障害者のコミュニケーションを支援するためのツールです。音声認識技術により音声を文字に変換してくれるため筆談代わりにも使えますし、以下のような使い方もあります。

  • パソコン用のソフトはもちろんスマートフォン用の無料アプリもある
  • スマホアプリでは、QRコードによりアプリ同士を接続して会話のやりとりも可能。
  • 1対1の会話や会議などの複数人の会話でも使用することができる
  • イベントや講演会でのリアルタイム字幕を提供できる
  • 記録を保存すると議事録にもなる
自分の話した音声、入力した文字や絵、手書きの文字などを、リアルタイムに相手のスマホに表示させることができます。操作も非常に簡単なので、初めての人でもトライしやすいでしょう。
完全な変換は難しく変換ミスもあるようですが、聴覚障害者と健聴者のコミュニケーションを助けるアイテムとしておすすめです。

バッグログ(Backlog)についてのコメントもありましたが、これは、メンバーの作業状況を視覚的に共有し、スムーズに業務を進めることができるプロジェクト管理ツールです。開発、マーケティング、人事、総務など様々な職種で使われているようです。

進捗情報の共有のほか、メール機能など視覚的なコミュニケーション機能が充実しているため、難聴の方が働く上でとても便利なツールです。
バックログを使用するには職場の協力が必要ですので、面接で「バックログなどの視覚的な作業管理ツールは使っていますか?」と確認してみると良いかも知れませんね。

▼参考:UDトーク
▼参考:バックログ

 

②片方の耳が聞こえにくい

難聴などの聴覚障害のある方の中には片耳だけに聞こえの問題があるという方も多くいらっしゃるようです。

片耳だけ聞こえづらいことで具体的にどのような支障を感じるのか、どのような対策が効果的か、口コミをもとにご紹介します。

【悩み】

右耳は全く聞こえないため、左耳だけでは音の鳴っていることは分かっても方角が分からず、患者さんがどちらから、呼んでいるか目視でないと分からないことです。また、電話をしながら、周囲の音や人の会話が全く聞き取れないので、途中で受話器を離さないと周囲の状況が分からないことです。
医療・福祉・介護、女性

右耳の聴力が0です。仕事自体はこなすことができるのですが、右側から話しかけられると聞こえないことが多く、常に気を張っていないとダメな状態でした。
小売・流通・商社系、管理業務・折衝業務、男性

左耳の聴力が全く無く聞こえないため、左側からの音や人の声が伝わらないということです。
生命保険・損害保険、営業・営業補佐、女性



片方の耳が聞こえづらい方の悩みとしては、以下のような内容があげられました。
  • 聞こえづらい側から話されても聞き取れない
  • 音は聞こえても音の方向がわからない
  • 聞こえる側の耳で電話していると周りの音に気付かない
では難聴の方は、このような悩みに対してどのような工夫をしているのでしょうか?

【対策や工夫】

左耳が駄目なので、人の左側に立つ、座る居るなど心がけています。
サービス・外食・レジャー系、接客、

会食等で大勢が集まる場では、右端の席を確保して聞こえる左耳側だけに人が来るようにして会話に支障をきたさないようにできた。席の電話の位置も左側に固定して受話器のもちかえなどで時間を取らないようにしていた。
医療・医薬、総務、女性

なるべく相手の左側に回り話を聞いたり、あらかじめ左の聴覚が無いことを伝えておくようにしている。
投資信託・投資顧問・商品取引、営業・営業補佐、女性

特に聴覚の悪い右耳を手で押さえ、左耳で集中して聴きとるようにしていました。相手の読唇で相手の言葉を読み取るようにしました。
不動産、清掃、女性

難聴であることを、周知した。特に右耳が悪いので、不自然な位置で話を聞くことになることを理解してもらった。
教育



片耳難聴の方は以下のような方法で聞こえの問題をカバーしていました。

  • 聞こえやすい方の耳が話し相手に近くなるように移動する
  • 聞こえづらい側に人が座らない座席を選ぶ
  • どちら側の耳が聞こえづらいかを周りの人に知らせておく
また、片耳難聴者のためのツールにはクロス補聴器というものがあり、以下のような特徴があります。
  • 聞こえない側の音を電波で聴こえる側の耳に飛ばし、片耳で両側の音を聞くという仕組み
  • 聞こえない側から話をされても聞き取ることができるようになる
  • 複数の人と話をしても聞き取りやすくなる
  • どちらの方向からの音か認識するのは難しい
これまで片方の耳が聞こえづらいことで仕事に支障を感じていた方は、就職や転職の前に、一度検討してみてもいいですね。

③誤解されやすい

難聴などの聴覚障害の症状や困りごとは、周囲の方に伝わりづらいものです。
難聴に対する知識不足や無理解や誤解から、つらい思いをされる方も多くいらっしゃるようです。

【悩み】

難聴であることを説明しても見た目は健常者なので理解されないことがある。
旅行・ホテル、女性

聴覚障害について上司に説明もしたが、完全に理解してもらえず意思の疎通が難しい場合が多かった。上司は大きい声を出せば伝わると思っているが、こちらは音は聞こえても何と言っているのかがわからない。
ソフトウェア/ハードウェア開発、購買業務・仕入れ、男性

聴覚に障害がある、ということへの理解が深まらないことが仕事の上での問題点だった。生まれつきのろう者と比べてはるかに理解力があるとの見方をされ、健常者と変わらない能力を要求されたため出来ないとも言えず困ったことがある。
人材、一般事務、女性

聴覚障碍者といっても様々な症状があるので、自分は感音難聴であることが周囲には理解できないようでした。簡単な報告連絡はできるので、本当は聴こえているのに甘えているのではないかということを遠回しに言われたことに対してはどう説明したらよいのか分かりませんでした。聾唖や難聴に対しての簡単な知識くらい得ていてほしいと感じました。
不動産、清掃、女性



伝音性難聴は、補聴器の使用や音のボリュームを上げることで聞こえづらさが少し解消されることもあるようです。
一方、感音性難聴では「聞こえづらい音域」があることや「言葉が正確に認識できない」などの症状もあるため、補聴器で音のボリュームを大きくするだけでは完全に聞こえの問題がなくなるわけではありません。

そのため「補聴器をつけているのにどうして聞き間違えるの?」といった誤解を受けていたというコメントも複数ありました。
残念ながら、当事者ではない限り難聴への正しい知識を持っている人は少ないというのが現状のようです。

では難聴の方は、このような悩みに対してどのような工夫をしているのでしょうか?

【対策や工夫】

職場にてどのような声が聞きやすいかや、ゆっくりと話して欲しいなど細かく伝えました。
団体・連合会・官公庁、女性

とにかく、仕事上直接関わりのある方に対して、感音性難聴であること、人の会話が聞き取れないことが多々あり、自分の努力では限界があることを伝えました。また、私に対しては少し大きめの声で発音してもらうようお願いしました。
医療・医薬、女性

入社して、自己紹介をする時は必ず、左耳は聞こえませんと言っています。極力会話を聞き取ろうとはしますが、反応がない時は聞こえていないので、大きな声でゆっくりと話し掛けていただけると聞き返す事も少なくなると思うので、最初に全てお話します。
コンピュータ・通信・精密機器、女性



これらのコメントから、難聴を正しく理解してもらうためには、以下のようなポイントがあげられました。
  • 難聴であることをオープンにする
  • 自分の症状について丁寧に説明する
  • 支援や配慮を細かく具体的に伝える
「全く理解してくれない」と感じる相手も、実は「これまで難聴について知る機会がなかった」ということもあります。
出来るだけ具体的に「こういう症状がある」「こういう時はこうして欲しい」とお願いすると、周囲の人たちもサポートしやすくなるでしょう。

④口話についての悩み

難聴などの聴覚障害のある方にとって、相手の唇の動きを読み取って会話をする「口話」も重要なコミュニケーション方法のひとつです。
しかし、口話をする時にも悩みはあるようです。

【悩み】

メモ、または読唇術での会話となるので、発話のアクションが小さいと読唇できず、仕事の理解ができなかったです。
銀行・信用金庫、女性

情報伝達を口頭で行うが、マスク着用なので他人の唇が読めず、情報を受け取りにくい。
外食・フード、調理スタッフ・調理補佐、女性

言葉を聞き取るために「口読み」をするため、相手の目から視点がそれる形になるので、時には相手に不快感を与えてしまうこともあります。マスク着用が多くなると会話のやりとりのスムーズさが落ちてきます。
医療・医薬、接客、女性



口話が難しくなる条件として挙げられたのは以下の通りです。

  • 口の動きが小さくはっきりしない
  • マスクをしている
衛生管理上仕方がない場合も多いですが、マスク着用が義務付けられるような職場での口話は、不便だと感じるようです。

では難聴の方は、このような悩みに対してどのような工夫をしているのでしょうか?

【対策や工夫】

補聴器していることを理解してもらい会話するのも口の動きが分かるようにしてもらう。
銀行・信用金庫、その他、女性

職場の人、接客する相手の目をみて口をみてしっかり読み取るように務めました。また仕事中だとだいたいの流れがあるのでその流れと会話を把握し理解して仕事をしてきました。
医療・福祉・介護、女性

指示をもらうような場合は、相対する位置で読唇するようにしました。
銀行・信用金庫、女性



これらのコメントから、口話をしやすくするための対策としては、以下のことがあげられます。
  • 口を大きく開けて話してくれるようにお願いする
  • 正面に立って口元を見る
感染症対策のために着用が必要なマスクも、透明のフェイスシールドに変えることで口話ができるようになります。代用品を使うというアイデアは、他にも取り入れられそうですね。

⑤無視していると思われる

難聴などの聴覚障害のある方は、見た目ではわからないことが多いですよね。先にも述べましたが、それゆえの誤解を受けることもありますが、その中でも「無視している」と誤解されることへの悩みが多くあげられましたので、少し詳しくみていきましょう。

【悩み】

耳穴式の補聴器のため、気づかれにくいため人事担当者に相談上採用されましたが、やはり電話応対、遠方からの声掛け等への反応ができず、初めは上司、グループ長に怪訝な顔をされました。無視された、話を聞いていない等、「できない奴」のレッテルを貼られてしばらくは辛かったです。
マスコミ・広告、女性

左側から小さな声で喋りかけられると反応することが出来ません。そのため無視をしていると思われてしまうことがあります。
専門店、男性

右耳の聴力がまったくないため、呼ばれても気づかず、無視しているのかと勘違いされることがあります。
アパレル・日用品、接客、女性



難聴の方は、見た目は健聴者と変わらず、ある程度普通に会話できることもあります。特に初対面の相手やあまり親しくない相手には、自分から「聴覚障害がある」と伝えない限り、全く気付かれないことも多いようです。

そのため、呼ばれても聞こえず反応できないと「無視している」「人の話を聞かない」と誤解され、トラブルになってしまうことが悩みにつながっています。
特に、接客のある仕事の場合、クレームの原因にもなる可能性もあり誤解による仕事への支障が生じることもあるようです。

では「無視している」という誤解を防ぐためには、どのような工夫が効果的なのでしょうか?

【対策や工夫】

事前に耳が悪いという事を話した上で接客しました。
専門店、女性

自分が聞こえないということをアピールするために補聴器が見えるように髪の毛をくくったりしていた。声かけたのに無視されたと誤解が生まれないようにするためにも気をつけていた。
女性

なるべく人にそれとわかりやすい、ザ・補聴器みたいな普通のデザインの補聴器をつけ、聞き返してもクレームにならないように努めました。
外食・フード、男性

名札に「耳が聞こえにくいのでご迷惑をおかけするかもしれません」とポップをつけて、お客さんに分かるようにしました。またお客さんに答えてもらわないといけないようなときは、イエス、ノーで言いように、詳しく訪ねることにしました。(おはしいくつご利用ですか?→おはし一膳でよろしいですか?など)
チェーンストア・スーパー・コンビニ、女性



「無視している」と誤解されるのを避けるためには、初対面の人にも聴覚に障害があることを気付いてもらえる工夫が大切ですね。

口コミには、次のような方法がいくつか見られました。

  • 「耳が悪い」と最初に言っておく
  • あえて気付かれやすいような補聴器をする
  • 名札などに「耳が聞こえにくい」と書いておく
中には「自分から障害をアピールしているようで気が引ける」と感じる方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、特に接客の仕事など初対面の人と関わる機会が多い職場では、不必要なクレームの防止にもなるので、開示することを検討してみると良いでしょう。

 

2-2. 疲れやすいことによる仕事の悩みと対策

難聴などの聴覚障害のある方は、耳が聞こえづらいことにより「疲れやすい」という悩みを抱える方も多いようです。また、耳鳴りやめまい、難聴の悪化を防ぐためにも、体調管理に気を配る必要があります。

口コミに寄せられた事例とともに、難聴の方が体調管理のためにしている工夫や対策をご紹介していきます。

【仕事の悩み】

2年前に発症しましたが難聴に伴う耳鳴りやめまいに今だに悩まされて聞こえていた時にはない体調の不安が多々あります。
物流・倉庫、女性

コールセンターのため常に音に溢れている環境で、耳にストレスを感じる毎日。担当していたのは電話にでる仕事ではなく、オペレーターの通話を聞き起こして、評価する仕事。イヤホンで聞くため耳には相当のストレスで、不定期に起こる耳鳴りや頭鳴とめまいとの戦い。オフィスワークなのでずっと座っているが、その状態でもめまいで椅子から転げ落ちることも。
サービス・外食・レジャー系、女性

両耳の聴力がまったくなくなり、右耳のみ人工内耳をしています。人工内耳をつけていれば対面での会話はできますが、複数人での会話になると聞き取りづらくなります。わたしは電話での会話はまだ無理です。最近は慣れてきましたが、聴くことで脳が疲れてしまうのか自宅に帰るとドッと疲れました。
大きい音や断続的な音(プリンターなどで紙が連続して出る音など)も響いて聞こえるため苦手です。
銀行・信用金庫、一般事務、女性

工場内勤務の後だと耳鳴りがひどく頭が痛くなり、しばらくはすごくきになった。耳栓をしててもあまり変わりない感じだった。また人の声も聞こえず 気配も感じないで常に周囲を 気にしながら仕事をしていたので必要以上に疲れた。
金属・鉄鋼、男性



口コミからは、難聴の方が多くの不調や疲れを感じながら働いていることがうかがえました。難聴の方の悩みとして、聞こえづらさ以外にも以下のようなことがあります。

  • 口話で唇の動きを読み取るのは集中力を使うため神経が疲れる
  • 音を聞き逃さないように常に気を張っているので脳が疲れる
  • 耳鳴りやめまいが起こりやすい
  • 体調や天気により聞こえ方が変化する
聴覚障害のある方は、聞こえづらさをカバーするため常に気を張っているため、健聴者よりも脳が疲れやすいと言われています。

また、疲労や雨の影響で普段より耳が聞こえにくくなったり、台風の気圧の変化で耳鳴りが起きたりする方もいるようです。
「難聴が悪化する不安」についてのコメントもありました。

僕の場合片耳が全く聞こえない上に印刷の機会が稼働してるので騒音で周りの人の指示とかが全く聞こえなかったです。それにあまり騒音のとこで長時間いると聞こえてる方の耳が悪くなってしまうのではないかという不安もありました。
デザイン・出版・印刷、男性



騒音の多い職場では鼓膜に負担がかかりやすくなります。
では、疲れや耳への負担を減らすため、難聴の方はどのような工夫をしているのでしょうか?

【対策や工夫】

できるだけストレスをためないように、温かくして体を冷やさないように、常に首をマッサージしながら過ごしました。
医療・福祉・介護、女性

とにかく、体に余計なストレスを与えないように、よく寝ること。 薬は絶対に飲み忘れないこと。 イヤホンは調子の悪い左耳には入れないこと。 帰宅後は極力音をシャットアウトして休ませる。 同僚に倒れたときの対処法と薬の入っているポーチを伝えておくこと。
サービス・外食・レジャー系、女性

不調の日は就業時間中に休憩を取ることを許してもらって、保健室のような部屋へ行き、短時間だが横になることができた。
総合電機、技術系、女性



疲れや不調への対策として口コミに挙げられたのは、以下の通りです。
  • こまめに休憩をとる
  • ストレスをためない
  • 睡眠をしっかりとる
  • イヤホンの使用を避ける
  • 音を遮断して耳を休ませる時間を作る
  • 体を冷やさないようにする
  • 首をマッサージする
やはり、基本は「心と身体と耳をしっかり休ませる」こととも言えますね。

長時間連続して手話や口話でコミュニケーションをとっていると、疲労やストレスがたまり理解力も低下してしまいます。

就業時間内でも、疲れを感じたら途中で休憩が取れるように、上司に相談しておくと良いでしょう。
耳への負担を減らすための工夫について、こんなコメントもありました。

苦手な音がする時には人工内耳を外します。 その際には一緒に仕事をしている人に一言断ってから外し、用事がある時には肩などをトントンとしてもらうようお願いします。
銀行・信用金庫、一般事務、女性

耳栓ができる時はする(難聴対策)
医療・福祉・介護、医療関係、女性



難聴の悪化を防ぐためにも、なるべく音を避け耳を休ませることはとても大切です。
耳にストレスがかかる状況としては、以下のようなものがあげられます。

  • 騒音の多い環境
  • イヤホンなどを使う仕事
  • ビルの高層階での気圧
就職先、転職先探しの時には、なるべく耳にストレスがかからず、こまめに休憩が取れる場所があるかどうかも確認しておくことも大切なポイントの1つです。

3.難聴の方が職場で抱える悩みとその対策

体験談をみると、難聴などの聴覚障害のある方は様々なお仕事をしていらっしゃいます。しかし、職場で感じる悩みには共通することも多いようです。中でも目立った悩みは以下の通りです。

【難聴の多くの方が職場で抱える悩み】

① 聞こえづらい
 ・電話対応が難しい
 ・接客が難しい
 ・放送や指示などが聞こえない
② コミュニケーションが取りづらい
③ 会議などで話についていけない
これらについて、口コミを交えながら
  • 難聴のある方が職場で抱える悩みの具体的な内容
  • 職場のサポートや支援、配慮事項
  • 役に立つツール などを紹介していきます。

3-1. 聞こえづらさによる職場での悩みと対策

難聴などの聴覚障害のある方は、聞こえづらさが原因で仕事に支障を感じることも多いようです。実際、どのような場で仕事のしづらさを感じるのでしょうか?

①電話対応が難しい

電話対応は耳を頼りに情報を得ていくため、支障を感じる方も多いようです。

【職場で抱える悩み:電話対応】

たまに片方の耳にイヤホンをつけて無線機を使ってやり取りをしなければいけないので、片耳が聞こえない私には不便だった。
サービス・外食・レジャー系、接客、男性

インカムが必須な仕事場でした。インカムをつけてしまうとONで音声が入っているときはお客様との会話すらまともにできない状態になりました。
専門店、男性

左耳が全くきこえないため、電話対応の際は左手で受話器を持ち右耳にあて、右手でペンを持ってメモをとります。コードレスではない卓上電話の場合、電話コードが自身の体の前をまたぐ形になり不便でした。
医療・医薬、接客、女性

電話をとっている時に横から話しかけられても聞こえない、ということで結構困りました。
シンクタンク・リサーチ・マーケティング、女性



難聴の方は電話対応の他にも、インカムや無線機が必要な仕事も難しいと感じる方が多いようです。
さらに、イヤホンで長時間大きな音を聞いていると難聴になる「イヤホン難聴」という問題もあるため、あまり鼓膜に負担はかけたくないのが本音ではないでしょうか。
【職場の配慮や工夫】

電話応対の際、上司からの指示がある場合、紙に記載してもらい対応していただきました。(他の方にはしておりませんでした)
生命保険・損害保険、営業・営業補佐、女性

なるべく電話対応が必要でない仕事を担当させてもらった。
サービス・外食・レジャー、女性

電話で聞き取りができないときに替わってくれたり、音声が必要なものや聞こえてないものについては教えてくれる。
レジャー・アミューズメント・フィットネス、男性

電話のヘッドセットを導入していただいたり、話が聞こえるように対応していただける。
投資信託・投資顧問・商品取引、営業・営業補佐、女性



電話対応について職場から受けた配慮の内容としては、以下のことがあげられました。
  • 電話対応は他の人にお願いする
  • 聞き取れない時、困った時には対応を代わってくれる
  • ヘッドセットを導入してくれた/li>
  • 電話中に話しかけられても聞こえないので、紙に書いてもらった
  • できれば、耳に負担がかかる業務や難しい業務は他の人にお願いするのが理想ですが、それが無理な場合もあります。その時は、難聴者向けヘッドセットを使用するのも1つの方法です。

    「難聴者向けヘッドセット」とは、難聴の方がコールセンターなどの電話対応業務での仕事をするためのものです。骨伝導ヘッドホンなので、鼓膜に負担をかけずに骨に振動を与えることで直接聴覚神経に伝え、音声を明瞭に聞き取ることが出来ます。

    他にも、難聴者向けの電話補助ツールとして、受話器に取り付けるだけで相手の声を大きくする拡声器などもあります。長時間使用しても聴覚に影響せず、耳をふさがないので疲れにくいのが特徴です。

    同様に、耳にやさしいインカム(騒音化でも聞き取りやすい、耳をふさがず鼓膜への負担を軽減)なども販売されているので、職場で導入できるように相談してみるのもいいですね。

    ②接客が難しい

    難聴などの聴覚障害のある方は、聞こえづらさから接客の仕事に支障を感じる方も多いようです。

    【職場で抱える悩み:接客】

    お客様との接客、販売が仕事でしたので、コミュニケーションが大事でした。体調が優れない時や周りが騒がしいとお客様やスタッフの声が聴き取りにくく、何度も繰り返し聞き返すことがあり不愉快に思われることがあったので、辛かったです。
    食品・化粧品、女性

    来客が多い店舗だったので、注文が聞き取れず、待たせてしまうとお客さんの機嫌を損ねてしまうことがあった。
    外食・フード、女性

    慣れた感じや急ぎの方も多く、 早口の小さい声でタバコを頼まれると聞こえづらくて困りました。
    チェーンストア・スーパー・コンビニ、女性

    高音難聴は主に女性の声を聞き取ることが難しく、また周りの騒音があると更に聞き取りが難しくなります。何度も聞きなおしてしまい相手の機嫌を損ねてしまうことも多かったです。
    レジャー・アミューズメント・フィットネス、女性



    難聴の方が接客で抱える悩みとしては、以下のようなことがあげられました。
    • 聞き間違いなどにより迷惑をかけてしまった
    • 聞き取りづらい話し方をされると困った
    • 店内が騒がしいと客の声が聞こえづらい
    • 女性客の声が聞こえづらい(高音難聴)
    接客で対応する相手の多くは初対面ですから、難聴へ理解や配慮を期待できないことのほうが多いでしょう。その点、職場にいる周囲の方のサポートがより必要になります。
    では、接客の仕事を続けている難聴の方は、職場からどのようなサポートを受けているのでしょうか?

    【職場の配慮や工夫】

    片耳が全く聞こえない為、上司の方がなるべく付き添って営業先を回りました。
    生命保険・損害保険、営業・営業補佐、女性

    同僚は、私が接客をするときは、近くにフォローにきてくれたり、常連のお客さんも、他のお客さんに「この子は耳が聞こえにくいから、大きな声でゆっくりしゃべってやらんといかんよ」と声をかけてくださったりしました。
    チェーンストア・スーパー・コンビニ、女性

    片耳が聞こえないので聞こえる側から話しかけるように配慮して頂いてたと思います。また、お客様の問いかけに対して自身が聞こえてない時は代わりに接客してもらったりとフォローしてくれる仲間がいましたのでさほど苦ではなかったです。
    専門店、男性



    上司や同僚が付き添ってくれたり、近くでフォローしてくれたりという配慮を受けたというコメントが複数ありました。一人だと不安だと思うことも、困った時に対応を代わってくれる人やサポートしてくれる人が見守っていると思うと心強いですね。

    また、高音難聴に対する配慮としてこのようなコメントもありました。

    担当するお客様を男性になるように回してくれていました。
    専門店、女性



    高い音が聞こえにくい高音難聴の方は、特に「女性の声が聞き取りにくい」という場合も多いようです。そのような症状に合わせて、男性など声の低い客を優先してくれるという配慮はうれしいですね。

    ③放送や指示などが聞こえない

    難聴などの聴覚障害のある方は、職場の放送や業務上の指示が聞こえづらいことで支障を感じる方も多いようです。

    【職場で抱える悩み:放送や指示が聞こえない】

    機械の音が大きく調子の悪いときはかなり会話に苦労しました。
    アパレル・日用品、男性

    聴覚障害者の特徴として、音声による情報が得にくいため、放送内容がわからず、また上司の集合説明がわからず戸惑うことが多かった。
    女性

    補聴器はつけているものの、指示や伝達が1回で聞き取れなかったりすることがあり、困りました。
    マスコミ・広告、経理、男性



    難聴の方が職場で抱える悩みとしては、以下のような内容があげられました。

    • 騒音が大きくて声が聞き取れない
    • 放送の内容が聞き取れない
    • 指示などが聞き取れない
    「放送が聞こえない」ということは災害時の避難の情報も聞こえず、逃げ遅れてしまうなどの心配もあります。また仕事の指示がわからずそのたび確認するのは、自分にも、そして周囲の方にとっても大変に感じるかもしれません。
    では、このような問題を解決するために、職場でどのような配慮があったのでしょうか?

    【職場の配慮や工夫】

    放送時にその内容をチャットなどで連絡してくれるのはありがたかった。
    総合電機、エンジニア・技術職、男性

    なるべくはっきりしゃべるように(発話のアクションが大きくなるように)、下を向いて話さないようにしてくれました。
    銀行・信用金庫、女性

    私と話しかける場合はマスクを外して話しかけるようにしてくれてます。
    医療・福祉・介護、女性

    大きめの声で話したり、後ろから声をかける際には肩を叩くなどして気づきやすいようにしてくれていた。
    教育、女性

    座席の配置など左耳が聞こえないことを配慮した座席配置だったり、何かを伝えるときも右側から話しかけることを意識してくれたからです。
    生命保険・損害保険、営業・営業補佐、女性



    放送や仕事の指示に関する聞こえづらさに対して職場でとられた配慮としては、以下のような内容があげられました。

    • 放送の内容をチャットで教えてくれた
    • 大きめの声で話すようにしてくれた
    • 話す時に大きめのジャスチャーをつけてくれた
    • 後ろから話しかける時は、気付きやすいように肩を叩いてくれた
    • 口の動きが見えるようにマスクを外して会話してくれた
    • ハッキリゆっくり下を向かずに話すようにしてくれた
    • 聞こえやすい耳の側から話しかけてくれた
    • 聞こえる側の耳を意識した座席の配置にしてくれた
    このように、聞こえづらさをカバーするために周囲の人たちが様々な工夫をしてくれたら、本当に嬉しいですね。

    また、ツールの使用に関するコメントもありました。

    私の耳の状態を考慮して携帯のイヤホン(Bluetooth)を準備してくれていました。
    サービス・外食・レジャー系、男性



    補聴器機能がついたワイヤレスイヤホンは様々なメーカーでも販売されています。その特徴は以下の通りです。

    • 骨伝導タイプで鼓膜への負担をかけない
    • 見た面は普通のイヤホンで補聴器より低価格
    • 自分の聴力に合わせた設定がアプリでできる
    このように、補聴器よりも手軽に聴力を補うことが出来ます。

    また、災害時に備えて光で合図をする「フラッシュライト」を導入する職場もあるようです。災害の警報だけではなく、始業や終業も光で知らせてくれます。

    3-2. コミュニケーションのとりづらさによる職場での悩みと対策

    難聴などの聴覚障害のある方は、聞こえづらさから職場でのコミュニケーションに支障を感じる方もいらっしゃいます。

    聞こえづらさから生じる「意思の疎通」「心の通い合い」において具体的にどのような問題があり、どのような配慮がされていたのでしょうか?
    口コミに寄せられたコメントとともに紹介していきます。

    【職場で抱える悩み】

    コミュニケーションを必要とするとどうしてもエラーになりやすい。情報のズレが生じやすい。
    女性

    中途失聴で耳が聴こえません。職場でのコミュニケーションは筆談以外の方法がありませんでした。
    建築・建設・設計・土木、技術職、女性

    人とうまくコミュニケーションを取るのが非常に難しく、メールやチャットでやりとりをしている
    総合電機、エンジニア・技術職、男性



    難聴の方が職場でのコミュニケーションで抱える悩みとしては、以下のよう内容があげられました。

    • 情報が正確に伝わらない
    • コミュニケーション方法が限られている
    コミュニケーションの取りづらさがあると、仕事の上での不便だけではなく、休憩中の雑談に入れないなど職場で疎外感を抱く原因にもなりかねません。
    難聴の方が職場で疎外感を抱かないために、より手軽で確実なコミュニケーション方法を日常化することが理想です。

    【職場の配慮や工夫】

    難聴で耳が聞こえずらいことを配慮して頂き、基本的には「筆談」や「メール」で業務指示をして頂きました。
    専門商社、一般事務、女性

    ほとんどの同僚が筆談対応してくれ、メモ書きを残してくれるなどの気遣いをしてくれました。また、手話を覚えてくれた同僚もいました。
    コンサルティング/専門サービス系、男性

    プリントアウトされた書類で説明をしてくれたり、オーバーリアクションやジェスチャーを付けてくれる方も多く助かりました。
    食品・化粧品、女性



    難聴の方が職場でコミュニケーションを取りやすくするために受けた配慮としては、以下のような内容があげられました。
    • 筆談やメールを活用
    • 手話を覚えてくれた
    • 話す時ジェスチャーをつけてくれた
    様々な方法がありますが、やはり文字でメッセージをやりとりすることが最も手軽で正確なコミュニケーション方法ですね。
    特に重要な連絡は、なるべく筆談やメールなどの文章で行うようにすると認識のズレも起こりづらく安心でしょう。

    筆談の際に気を付けるポイントもあります。
    • 読みやすい文字で書く
    • 短く簡潔な文章で(二重否定は避ける)
    • 5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように)などポイントをはっきり伝える
    • 具体的な表現を使う(比喩やあいまいな言葉を避ける)
    • ひらがなだけより漢字も使ったほうが理解しやすい
    また、筆談には以下のようなツールを使うと便利です。

    • 電子メモパッド
    • 小型ホワイトボード
    • 簡易筆談器
    • 筆談用スマホアプリ
    もちろんメモ用紙とペンでもOKですが、上記のように何度も消したり書いたりできるタイプは便利ですね。
    いつでも筆談できるように、職場の中で持ち歩けるサイズのものを選びましょう。

    3-3. 会議などで話についていけないことへの対策

    難聴などの聴覚障害のある方は、会議や打ち合わせなど複数の人との話し合いで話についていけない場合が多いようです。
    【職場で抱える悩み】

    複数人が話している場にいるとそれぞれの会話が聞き取れないことがあり話の流れについていけないことがある。
    旅行・ホテル、女性

    特に周りが雑音だらけだと余計に聞こえず、何度も聞き返したりするので、ミーティングなどでは一人だけ内容が分かっておらず、注意されることがよくありました。
    医療・医薬、女性

    難聴なので補聴器をしているが、話し声が聞こえていも、聞き取れないときがある。 周りがさわがしいとほとんど聞こえない。 打ち合わせとか会議で聞き取れなくて、後で問題になる。
    エンジニア・技術職、男性

    聴覚障害者でも仕事はできるような環境にはなっているが、皆でワイワイ喋ったり、スピーチしたりというイベントごとの際は、放置されてしまうので、暇でしょうがないと言った面もありました。
    コンピュータ・通信・精密機器、女性



    難聴の方は、会議や打ち合わせなど複数人で話し合う場面で次のような支障を感じているようです。
    • 大人数の会議で遠くに座っている人の話が聞こえづらい
    • 大勢が同時にワイワイ話していると聞こえず置いてきぼりになる
    一対一での会話は比較的口の動きも見やすく、聞こえやすい方の耳を傾けることもしやすいので、会話がしやすいものです。
    ただ、複数の人と話し合いをする場面では、発言者との間に距離があることも多く、発言者の声を聞きとることや、口元を読み取ることも難しく感じてしまいます。

    また、仕事上の話し合いだけではなく休憩時間や昼食時の雑談にも参加できず、職場で疎外感を感じてしまう方もいらっしゃるようです。
    しかし、適切な配慮やサポートがあれば、会議や雑談に参加することも可能です。

    【職場の配慮や工夫】

    自分に対する質問の場合は、近くにいる人に内容を耳打ちしてもらって答えていました。それ以外の発言や会議全体の内容は、後にメール配信される議事録を必ず読んで、チェックしていました。
    コンピュータ・通信・精密機器、女性

    会議の時など、発言者の話が聞こえやすいように位置取りしてもらえる。
    団体・連合会・官公庁、事務系、男性

    ミーティング後に、何か聞き取れなかったことはないか、不明な点はないかなど聞いて下さり、非常に助かりました。
    医療・医薬、女性

    周囲の方は、UDトークでうまく変換されていなかった部分を修正いただいたり、隣の席でノートテイクを簡単にしてくださったり、手話を覚えていただくなどのご支援をいただいておりました。
    運輸・交通、女性



    難聴の方が会議などの打ち合わせに参加できるように、職場から受けた配慮の例は以下の通りです。
    • 会議室を外からの騒音が少ない場所に変更してくれた
    • 近くの人が耳打ちで教えてくれた
    • 発言者の声が聞こえやすい位置に席をとってくれる
    • ノートテイクやUDトークの使用で文字通訳してくれた
    • 会議の後に個別に内容を説明してくれた
    ポイントは「静かな場所」「聞こえやすい席」「文字通訳」「会議後の再確認」ですね。

    配慮に加えて、以下のツールを活用する方法もあります。

    ■ノートテイク
    「ノートテイク」とは、隣に座った人が会議の内容の要約を手書きやPCなどで文字にする通訳のことです。特に新しい道具を準備する必要もなく、手軽にできる方法かも知れませんね。

    ■UDトーク
    「UDトーク」は、会議の参加者全員がUDトークのアプリに登録し、同じトークグループに参加することで利用できます。音声をリアルタイムで文字に変換してくれるので難聴の方も会議に参加しやすく、保存すると議事録にもできます。

    無料のアプリで操作も簡単なので、事前に「UDトークの使用に協力して欲しい」と会議の出席者にお願いしておくといいですね。
    会議はもちろん休憩中の雑談にも使えるので、職場でのコミュニケーションを支えるツールとしてかなりおすすめです。

    ■FM補聴システム
    「FM補聴システム」とは、音声をマイクで拾って補聴器に送るシステムです。講義など発言者が一人の時はもちろん、大人数の会議などで使用できる置き型のマイクもあります。
    マイクで拾った音声をFM電波を使って、補聴器に接続された受信機に直接送信するというシンプルな仕組みです。

    離れたところにいる人の声も聞き取りやすくなります。職場での導入を検討してもらうよう上司に相談してみるのもいいでしょう。

    4.転職や就活では難聴をオープンにするかクローズにするか

    難聴などの聴覚障害のある方の多くは、障害をオープンにするか、クローズにするかということで悩むのではないでしょうか?

    それは、伝えるか伝えないかで、働き方が大きく異なるからです。

    では、オープンにした方(障害者雇用枠で働いている方)、クローズにした方(一般雇用枠で働いている方)では何が違うのでしょうか?

    4-1. 難聴をオープンにした方の体験

    まずは難聴であることをオープンにした方のコメントです。オープン就労で良かったと感じること、逆に悩んだことはどのようなことでしょうか?

    【オープンで就労して良かった点】

    現職では、左耳の聞こえが悪いことをオープンにしていますが、今までは隠してきていました。カミングアウトしたことで理解していただき、声のボリュームや、話す場所、聞きにくそうにしていると繰り返し話してくれたりと心遣いに感謝しています。
    教育、女性

    障害者雇用枠2.2%を達成しているので、就労には理解がある。 障害者になっても給与は下がっていない。
    エンジニア・技術職、男性

    もともと、障害者採用枠があるので、私の症状に対しても理解を示してくれました。私は片耳だけが聞こえかったので、いわゆる障害者には該当しませんが、たまたま同じフロアに障害者採用枠で入社した耳の聞こえない社員の方がいて、色々とアドバイスもいただけました。産業医もいるので、相談にも乗ってもらました。
    コンピュータ・通信・精密機器、女性

    会議や説明会など複数の場ではパソコンを使ってノートテイク、もしくは後日に別途説明。電話は頼めば快く引き受けてくれる。特別に困っていることはないか悩み事はないか、ためこんでしまわないように何でも話してもらえるようにと定期的にメンターの時間を作ってくれている。
    不動産、営業事務



    【オープンで就労して悪かった点】

    人間関係は良好なほうだと思うが仕事柄障碍者雇用であっても配慮はほとんどなく健常者と同程度・同量以上の仕事をかなさねばならず、心身への負担が大きい また、残業が多い分自分の時間がない シフト制なので連休が少ない 看護研究や委員会の仕事など本来の業務以外で休日の時間を費やすことも多い。
    医療・医薬、医療関係

    右耳が聴こえず、右側から話しかけられると聴こえないためデスクの配置を変えてほしかったのですが最後まで変わることはありませんでした。その点早急に対応してもらえれば非常に助かりました。採用面接時にも伝えていたのですが、残念だった点です。
    小売・流通・商社系、管理業務・折衝業務、男性

    比較的負担の少ない状況で就労できるよう配慮されているが、特別扱いされていると批判をしている人たちもいる。
    マーケティング・広報・宣伝、男性

    仕事に関して丁寧な説明をしてくれる方もいましたが、筆談をお願いすると嫌な顔をされる方もいらっしゃいました。無理のない仕事をさせていただいていたと思いますが、やることがなくて席に座っているだけの時間も多かったです。
    銀行・信用金庫、一般事務、女性



    では、オープン就労の「良かった点」と「悪かった点」についてまとめてみます。

    オープンで就労して良かった点は以下の通りです。
    • 聞き取りやすいように話し方を工夫してくれるようになった
    • 障害の特性に合った業務を任せてもらえた
    • 障害をオープンにしても健聴者と同じ給料をもらえた
    • 差別せず普通に接してくれた
    • 困っていることはないか、いつも気にかけてもらった
    障害をオープンにしたことで難聴についての理解や配慮が得られた、というコメントが多く見られました。障害者雇用の実績があり他にも難聴者が働いている職場なら、支援や配慮の話もスムーズに進みそうですね。

    一方、オープン就労して悪かった点は以下の通りです。
    • 障害者雇用で就職したのに全くサポートがなかった
    • 簡単な作業ばかり与えられやりがいが持てなかった
    • 配慮について「特別扱い」と批判する人がいた
    障害をオープンにして就職し、具体的な配慮をお願いしたにも関わらず全く配慮がなかった、というコメントが複数ありました。「差別もないが配慮もなかった」というコメントもあり、職場の余裕のなさや、聴覚障害への無関心さがうかがえます。
    また、配慮のつもりで簡単な作業しかさせてくれないなど、本来の能力とのミスマッチが起こるのも残念なことですね。

    ただ、これは「オープン就労だから」という問題ではなく、その職場の障害者雇用への勉強不足などが影響しているだけのように思います。

    「オープン就労して良かった」というコメントにもあるように、職場に難聴のことを知ってもらうことにより適切な理解と配慮を得て、無理なく働き続けていけるという人も多くいらっしゃいます。

    難聴などの聴覚障害は、見た目では全くわからないことも多く、少しの会話なら問題がないように見える場合もあります。症状についても社会で十分に知られているとは言えません。難聴であることをオープンにし、難聴者の側から具体的な配慮を申し出ることが、働きやすい職場への近道とも言えます。

    【難聴をオープンにして働くことのまとめ】

    難聴をオープンにすることは、職場での理解と配慮を得るためのスタートラインです。無理せず安定して働き続けるためにも、難聴をオープンにして受け入れてくれる職場を選びましょう。

    さらに、事前に面接や見学の機会を活用して、以下のことを確認すると良いでしょう。
    ・これまでの障害者雇用の実績
    ・具体的に受けられる配慮
    ・配置される予定の仕事の内容

    4-2. 難聴をクローズにした方の体験

    つぎは難聴であることをクローズにした方のコメントです。クローズ就労で良かったと感じること、逆に悩んだことはどのようなことでしょうか?
    【クローズで就労して良かった点】

    障がいをカミングアウトして就職できればいいですが、障がい者枠で就職してもやることは同じなのに給料に差がでます。また、聴覚障害は伝えても理解してもらうのは難しく、コミュニケーションの面で大変です。
    医療・福祉・介護、医療関係

    片耳の難聴程度だと、全然、ハンデにならないです。 健常者と同じくくりの中で、転職活動しています。
    小売・流通・商社系、クリエイティブ系、男性



    【クローズで就労して悪かった点】

    配慮はない。自分が体が悪いということは隠していたから。言ってもしょうがない。
    医療・福祉・介護、医療関係、女性

    耳が聞こえないことを公にしていないので、それに対して恩恵を受けることはない。できるだけ耳を使わない仕事をしたいが、それができているとは言えないから。
    投資信託・投資顧問・商品取引、コールセンター・オペレータ、男性



    では、クローズ就労の「良かった点」と「悪かった点」についてまとめてみます。
    クローズで就労して良かったという方の意見を見ると、次のような傾向がうかがえました。

    • 難聴だと伝えても正しい理解や配慮を期待できないから
    • 聴覚障害の程度が軽く、仕事する上であまり不便を感じない
    実際に、周囲へ配慮を求めずとも、自らの工夫でカバーしながら働けるという方もいらっしゃるかと思います。
    障害の程度や職場の環境、仕事の内容などによっては、聞こえづらさがそれほどハンディにならない場合もあるかも知れません。

    ただ、難聴がハンディにならないような条件の職場かどうかは、働いてみないとわからないというのも事実です。配慮を求めず自分の努力だけで聴こえづらさをカバーしようと頑張るあまり、心や体に負担がかかり体調を崩してしまう心配もあります。

    また、「障害者枠での就労は給料が安い」というイメージを持たれがちですが、必ずしもそうとは言い切れません。職種や雇用形態、労働時間の短さによって月収が低くなることはあっても、「障害者だから」という理由だけで給料を減額することは違法とされています。

    就職先、転職先探しの際は、給料についてもしっかり確認しておきましょう。

    一方、クローズ就労して悪かった点としてあげられたのは、やはり「配慮を受けられないこと」です。

    • 耳に負担がかかる仕事を任されても断りづらい
    • 聴こえづらさを自分の努力だけでカバーすることで疲れを感じやすくなる
    など、健康に働き続けることが難しくなる可能性もあります。

    【難聴をクローズにして働くことのまとめ】

    今回のアンケートでは、難聴をクローズにして働いていたという方はかなり少数派でした。難聴などの聴覚障害をクローズにして働く場合、配慮を受けることはあまり期待できません。

    難聴の程度や職種によっては、聴こえづらさを自分の努力でカバーしながら働くことも可能ですが、耳や心身への負担は大きくなってしまいます。無理なく仕事を続けるためにも、オープンでの就労が安心かもしれませんね。
    難聴をオープンにして働く働き方(障害者雇用)、クローズにして働く働き方(一般雇用)どちらがご自分の理想とする働き方なのかを考えたうえで、気になる企業の障害者雇用に対する取り組みを十分に確認すると良いでしょう。

    5.転職や就活の参考に、難聴の方におすすめの企業・業界・職種

    5-1. おすすめの会社、企業名

    ■株式会社アルプス技研
    面談時に筆談してくれた。聞こえる方の耳で対応できる位置に机を配置してくれた。~中略~私を妬んで仕事を教えてくれないというトラブルがあった。そういう時でもうまく間に入ってくれて私をその部署から外し、違う仕事を与えてくれた。
    満足度:★★★★
    配慮  :★★★★
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    ■株式会社東海企画設計
    医療関係のためメニエール病が発覚した際にも病気についての説明の必要がなく、すんなりとうけいれてもらうことができた。また、聴覚障害者の立場としてどう感じるか等の意見を軽んじることなく聞き入れてもらえた。
    満足度:★★★★
    配慮  :★★★★
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    ■株式会社リクルート住まいカンパニー
    特別な扱いではなく、健常者と同じように扱って同じだけの仕事を任せてもらう事ができる。 逆に障害者だからという特別な配慮も多いわけではないが、マネージャーやスタッフ、上司と近い距離で仕事ができるのでどうしても難しいことや、体調の相談などはいつでも行うことができる。
    満足度:★★★★★
    配慮  :★★★★
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    ■京セラ株式会社
    京セラは有名な会社で、障害者・健常者、平等な給料なので安心です。 最近は手話条例も制定されているので聴覚障害者の人たちが入社したら、手話で対応してくれると思います。 福利厚生もあり安心ですよ。 でも細かい手作業なので疲れると思います。
    満足度:★★★★
    配慮  :★★★★
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    5-2. おすすめの業界・業種

    では次に、聴覚障害のあるの方におすすめの業界や業種について考えてみます。 といっても、業種や業界も様々、そして症状や特徴もそれぞれ異なりますよね。
    そこで1つの手がかりとして、アンブレに届いた聴覚障害のある方からの体験談136件をもとに、統計をとり傾向をみてみました。

    まずは業界です。

    聴覚障害のに人気の業界グラフ
    聴覚障害の方の業界別満足度グラフ


    多くの方が勤めている業界は「サービス・外食・レジャー系」「メーカー・製造系」、そして満足度が最も高い業界は「不動産・建設・設備系」「小売・流通・商社系」でした。 満足度が高い業界と人気のある業界には少し違いがあるようです。

    次は職種です。

    聴覚障害の方の職種割合グラフ
    聴覚障害の方の職種別満足度グラフ
    多くの方が勤めている職種は「事務」「販売・接客・サービス」でした。そして満足度が高い職種は「事務」「販売・接客・サービス」という結果になりました。職種については、満足度の高い職種が人気の職種となっているようです。

    皆さんの予想はどの業界と職種でしたか?
    業界と職種に関する詳しい調査結果は以下のコラムでご覧いただけます。ぜひ参考にしてみてください。

    聴覚障害の方の転職、136人の実体験を調査、向いている仕事は?

    また、難聴など聴覚障害のある方が働いている企業が一覧で確認できます。
    満足度の高い企業や気になっている企業の口コミはこちらから。

    では、このような企業はどのように探せばよいのでしょうか?

    次は仕事の探し方を確認していきましょう。

    6.求人の見つけ方

    6-1. 働き方によって選べる採用枠「一般枠」と「障害者雇用枠」

    求人には一般枠(クローズ)障害者雇用枠(オープン)があり、障害者手帳を所持している方は、「一般枠」「障害者雇用枠」のどちらにも応募することができます。

    先にも述べたように、聴覚障害をオープンにするか、クローズにするかといった悩みは応募できる雇用形態にも影響してきます。
    少し重複する部分もありますが、もう一度簡単に説明します。

    「一般枠」は、障害であることを伝えず(クローズ)仕事をすることになります。障害のない方と同じように働くことため、広い職種から選べ、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、聴覚障害への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

    「障害者雇用枠」は、障害であることを伝えて(オープン)仕事をにすることになります。そのため、職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながることも考えられます。

    ▼障害者枠(オープン)や一般枠(クローズ)についてはこちらでもご紹介しています。
    障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説

    6-2. 求人の見つけ方

    ①ハローワーク

    障害のある方専門の窓口があるため、相談やアドバイスを受けることができます。求人数や障害のある方への求人情報も多く扱っています。

    ハローワークの障害者の窓口を利用し、相談させていただきました。受付の方は困ったことがあったらいつでも相談に来てねと優しく声をかけてくださいました。
    銀行・信用金庫、一般事務、女性

    とくに障害についてのサポートはありませんでした。応募する際に企業側にハローワークの職員自身が感じた雰囲気(対話のレベルなど)を電話でお伝えしてくれたぐらいでした。
    医療・医薬、接客、女性

    電話出来ないので会社に面接の日にちなど電話をしてくれた。
    団体・連合会・官公庁、一般事務、女性

    知り合いの紹介や、ハローワークでの身障者雇用を積極的に活用しました。ハローワークは企業側に対してその障害に対してどれくらい配慮出来るのか確認してくれていました。
    団体・連合会・官公庁、接客、女性



    ▼参考: 厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

    ②人材紹介会社

    障害を抱えることで、働くことに不安を覚えている方の就職活動を応援してくれる専用の人材紹介会社をご存知でしょうか?

    具体的には、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など、全面的なサポートなどを行ってくれます。

    ハローワークなどでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

    ひとりで1からはじめる就職活動との違いは、専門のアドバイスやサポート、自分にあった企業の紹介を受けられるため、担当者と一緒に不安を取り除きながら活動を進めていくことができます。

    体験談にも専用の人材紹介会社を活用したという声が多くありますのでご紹介します。

    人材紹介会社のテンプスタッフのパーソルチャレンジを利用しました。コンサルタントに希望を伝え、希望に沿った求人を紹介して頂きました。また、採用過程では、提出書類の書き方や面接対策なども事前にサポートして頂きました。
    専門商社、一般事務、女性

    障害者、中途向けの就職説明会に参加しました。確かウェブサーナ企画だったと思います。 説明会の場では特にサービスは受けていません。
    ソフトウェア/ハードウェア開発、購買業務・仕入れ、男性



    しかし、人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

    次は、気になる企業を見つけたら、その企業の情報をどのように集めると良いのか、紹介していきます。

    ▼障害者雇用の求人サービスについてはこちらでもご紹介しています。
    ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介



    7.企業情報の集め方

    会社紹介の採用ページや企業サイトだけでは、あなたが実際に働くことになるであろう職場の雰囲気はつかめないかもしれません。できるだけ自分の目で確かめてみましょう。

    7-1. 事前に見学して企業の雰囲気を確認

    企業によっては職場を事前に見学させてくれるところもありますし、人材紹介会社に登録している方は、アドバイザーを通して見学をお願いすることもできます。まずは確認してみるといいでしょう。体験談にも、事前に見学を行うことで、面接だけではわからない職場の雰囲気が伝わるとの意見が多くみられます。

    【就職する前に職場見学をした方からのアドバイス】

    過去言った最悪現場のひとつは、若い女の子(社員)が皆暗い顔して、辞めたがってましたね。 見学出来るなら、入って様子を見れたら良いですね。工場見学とか有るならする、とか。 働いてる人捕まえて良い会社か聞いてみるのも良いかと。 割りと正直に答えてくれそうな気がします。
    サービス・外食・レジャー、接客

    職場見学での職場の雰囲気の直感はある程度信じていいと思います。 風通しの良い職場とそうでないところとでは、明らかに雰囲気が違います。
    サービス・外食・レジャー系、経理、女性

    現場系で探すなら、必ず現場を見学させてもらうこと、です。さらに、お試し期間を設けてもらうことです。見るとやるとでは感覚が全く違いますから、進んでいろんなことをやってみてください。
    外食・フード、調理スタッフ・調理補佐



    7-2. 面接はその企業を良く知るチャンス

    面接は、企業側があなたを審査するだけの場ではありません。大事なのは、あなたが企業に求めるものと、企業があなたに求めるものがマッチングすること

    不安や疑問がある場合は、面接時の質問タイムなどでクリアにしておきましょう。具体的に聞いておきたい内容については、以下の経験者さんの声を参考にしてみてください。

    【面接で企業の情報や職場の様子、自分に対する配慮などの情報を得るための工夫】

    自分が入社したら、具体的にどんな仕事を担当したいのかを明確にしておくべきだと思います。また、会社が自分にどんな業務を担当させるのかを確認することも必要かと思います。
    専門商社、一般事務、女性

    自身ができること・できないことを明確にして、きちんと伝えること。また、フォローの仕方や「こうしてもらえれば私にもできる」というような、前向きなやる気はきちんとアピールした方がいいと思います。
    医療・福祉・介護、女性

    同じ障害を持っている人がいるか? できること、できないことをはっきり伝える。 聴覚障害の場合は、どの程度の難聴か、文章はきちんと書けるか? 電話対応の可否も伝えたほうが良い。 また、聴覚障害は見えづらい障害のため、何度も説明したほうが良い。
    百貨店・量販店、接客、女性



    面接で緊張しすぎて質問できなかったということが無いように、予め知りたいことをまとめておきましょう。予め準備をしておくだけで心に余裕ができ、面接にものぞみやすくなります。

    働きはじめてから大変な思いをすることは、大きな負担になってしまいます。心地よい職場環境で病気と上手に向き合っていくためにも、面接時での質問のチャンスは大事にしましょう。

    8.最後に

    これまでの内容をまとめます。

    ■難聴や聴覚障害の特性による仕事の悩みとその対策

    ① 聞こえづらさによる仕事の悩みの中でも目立ったのが以下の5つでした。しかし、それぞれの悩みをご自身による工夫により緩和している方も多くいらっしゃいました。

    ・聴力が弱く音声を聞き取りづらい:難聴にも様々な症状があり、悩みも症状により異なりますが、雑音の中での会話、しゃべり方や声の大きさによるもの、声を掛けられる方向によるものなど、特に聞こえづらい状況があるようです。
    それらに対し、聞き返す方法として復唱しながら確認することや、筆談の道具を活用する、目から入る情報を大切にする、UDトークやバックログなどのツールを使用するという工夫がみられました。

    ・片方の耳が聞こえにくい:片側だけ聞こえない方の悩みには、方向がわかりづらい、聞こえづらい耳から話されると聞こえないなどがありました。
    それらに対し、聞こえやすい方の耳を話し相手側になるように移動することや、座席を選んで着席する。予め聞こえづらい方の耳を周囲に知らせておく、クロス補聴器を使用するなどの工夫がみられました。

    ・誤解されやすい:難聴などの聴覚障害は見た目のわかりづらさからだけでなく、補聴器があれば普通に聞こえるのではないかといった誤解を受けやすく、悩みにもつながっています。
    それらに対し、難聴であることを予め告げることが大切だという意見が多く見られましたが、特に伝え方として大切にしたいことは、自分の症状についての詳しい説明に加え、配慮してほしいことやあるとうれしいサポート事項なども一緒に伝える工夫がみられました。

    ・口話についての悩み:口話は話を理解する手段の1つですが、口の動きがはっきりしない、マスクをしているなどといった状態での口話は分かりづらく、悩みにつながっていました。
    それらに対し、口を大きく開けて話してくれるようにお願いする、正面に立って口元が見やすい位置を確保するという工夫がみられました。

    ・無視していると思われる:先にも述べたように、見た目から聴覚障害があることがわかりづらいことで誤解を受けることも多いようです。その中でも「無視をしている」と勘違いされることによる悩みが多く見られました。
    それらに対し、難聴があることを予め伝える、補聴器をつけていることを見せる、名札などのわかりやすい場所に聴覚障害があることを表示するなどの工夫がみられました。

    ② 疲れやすいことによる仕事の悩みには、こまめな休憩や静かな場所で耳を休ませること、睡眠をしっかりとるなどの体調管理、イヤホンを避けるなどの工夫がとられていました。

    ■難聴などの聴覚障害の方が職場で抱える悩みとその対策

    ① 電話対応などが難しい:電話応対については、聞こえづらさにより業務が難しく感じるという悩みの他にも、聞こえる方の耳だけを使うことでより疲れやすくなるといった悩みがあげられました。
    これらに対して、理解のある職場では、電話対応をしなくてよいようにする、聞こえづらいときは交代してくれる、ヘッドセットを用意してくれるなどの対応がなされていました。

    ② 接客が難しい:初めて接するお客様が多い職場では、特に難聴であることを理解していただくことが難しい業務になります。要望が聞きとりづらい、誤解されやすいことが悩みとしてあげられました。
    これらに対して、理解のある職場では、同僚が近くでフォローしてくれるなどのサポート体制が整っている様子がうかがえました。不安な気持ちを和らげる、配慮ある職場だと言えます。

    ③ 放送や指示などが聞こえない:騒がしい職場などでは特に仕事での指示や社内放送などが聞きづらいという悩みもあげられました。
    これらに対して、理解のある職場では、チャットなどのツールを利用して知らせてくれる、ゆっくり話しジェスチャーもつけてくれる、口元をよくみせて話してくれるなどの対応がなされていました。また、重要な指示は筆談やメールなどの視覚情報にしてもらい、確実に情報伝達が出来るようにしている職場もありました。

    ■難聴や聴覚障害であることをオープンにするかクローズにするか

    転職や就活を行う上で、難聴などの視覚障害をオープンにするかクローズにするかも多くの方が悩むポイントです。まずはご自分の症状を一番に考え、どのようなスタイルで仕事を行うことがベストなのかを考えましょう。通院や急な体調不良による休みを必要とする場合は、配慮やサポートを受けやすいクローズ就労=障害者雇用も検討すると良いでしょう。


    難聴と付き合いながら、理想の仕事や職場で働いている方も多くいらっしゃいます。難聴の方におすすめの企業や業界、職種には傾向がみられますので、同じ難聴をお持ちの方の意見も参考にしてみましょう。

    これまでにご紹介した体験談は、ほんの一部です。症状も人それぞれ、企業の対応もそれぞれ異なります。
    まずはご自分の症状や、できることできないことについてまとめてみましょう。そして、自分にあった職場を自分のペースで見つけてください。

    そして気になる企業の様子やサポート状況は、事前に自分の目で確かめることが理想的です。求人票ではわからない企業の様子を知るためにも、ハローワークの専門スタッフに相談したり、人材紹介の専門アドバイザーと一緒に就職活動を進めたりするのも良いですね。

    さまざまな企業の中で、あなたが幸せに働ける環境に出逢えることを、私たちは心から願っています。

    ※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
    皆さんの貴重な体験談は多く方へ届き役立ちます。ぜひ体験したこと、感じたことを教えてください。

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