発達障害×仕事のヒント1「上手に会話を続けるための心がけ」

発達障害のある方の仕事のヒント 会話を続ける心がけ

発達障害のあなたは、仕事をする時に「苦手だな」「できれば避けたいな」と思うことはありますか?

このコラムは、苦手なことを少し「できるかも」に変えるためのヒントを紹介していきます。

今回のテーマはコミュニケーション&会話の方法
どのような仕事でもコミュニケーションを必要とする場が出てきますが、

・どうやって会話をすればよいの
・会話が続かなかったらどうしよう

という不安から会話に踏み出せなくて、仕事がしづらいと感じることはありませんか?

そんな時は、ちょっとしたコツを知ることで、一歩前へ踏み出せるかもしれません。

周りの発達障害のある方は、どんな風に会話をしているのでしょうか?
ここでは、当事者に教えてもらったおすすめの解決法をご紹介していきます。

シリーズ化したコラムで、色々な方法をご紹介しますので、自分に合いそうな方法を試してみてください。

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目次

悩み「会話が続かない」

対策1:「ありがとう」と「ほめる」で会話を乗り切る

対策2:「同意」しておく

対策3:「苦労」と「努力」に理解を示して「共感」する

事例

悩み「会話が続かない」

【今回の悩み】

人と話すのがちょっと苦手です。雑談していても、相手の話にどう返したらいいかわからないのです。口ごもってしまったり、話題が続かなかったり。上手にコミュニケーションをとるには、どうしたらいいでしょう?

対策1:「ありがとう」と「ほめる」で会話を乗り切る

ポジティブなワードは、コミュニケーションの不器用さを隠してくれます。話すことや、相手の意思をくみ取るのが苦手だったとしても大丈夫。「ありがとうございます」と「ほめる」この2つを心がけるだけで、ほとんどはうまくやれます。

相手を「気持ちよくさせる」ことは、コミュニケーションおいて万能です。上手にほめることで、結果的に自分にとっていいように回っていきます。

対策1-1.「ありがとう」と「ほめる」を身につけるコツ

・あたりまえのことにこそ、「ありがとうございます」を言う
仕事のやり方を教えてもらったり、資料をコピーしてもらったり。
職場での「あたりまえ」にも、「ありがとうございます」と言えるようにしましょう。それだけで、人間関係はかなりうまくいったりします。「お礼」をしておくと、良いことだらけです。

・嘘はつかない
嘘をついてほめると、伝わってしまいます。だから、嘘をついてまでほめようとする必要はありません。ただ、「なるべくいいところを見つけたい」という気持ちで、相手と接することは重要です。

・興味のない話題でも、相手の「すごい」をほめてあげる
自分が興味のないことを、自慢してくる人もいるかもしれません。
例えば「家を買った」だとか「車を買った」だとか、そういう話題についていけないこともありますよね。「すごい」の価値観はそれぞれ違います。だけど相手自身が「すごい」と思っていることを達成しているのであれば、それを認めてあげるのもひとつの方法。あなたの「すごい」とは少し違うかもしれません。けれど、その人にとっては「すごい」こと。なので、その部分でほめてあげればいいのです。

・「○○と比べてすごい」の使い手になる
「すごい」というのは、比較の話です。「○○より優れている」から「すごい」。「何と比べて」すごいのかを使いこなすことで、ほめ上手になれます。

いちばん簡単なほめ方は「自分」を基準にして、「私より○○ができて、すごい」というスタイル。このとき注意したいのは、過度に自分のことを低くしすぎないしないこと。ほめられた相手も、喜びづらくなってしまうからです。

また「自分」以外の「すごい」の基準として、「年齢に対して」「業界の中で」「社会一般的に見て」などがあります。
「若いのに、こんな仕事を担当してすごい!」とか、「業界の中で、トップ層で活躍されていてすごい!」とかです。

これらの「起点」をうまく使うことで、「すごい」のバリエーションはかなり広がります。

対策2:「同意」しておく

何気ない雑談では「同意」をしておけば大丈夫。
「そうなんですね」や「そうですね」でコミュニケーションはスムーズに。
中身が重要ではない雑談においては、「不同意」や「否定」は前提とされていません。「議論」と「雑談」が別であることは知っておきましょう。

対策2-1.「オウム返し」をつかう

上手に話題をつくれない場合は「オウム返し」をしましょう。
話している相手の言うことをそのまま返すだけで、会話は上手く進みます。
応用編として言い回しを変えるなどの工夫をすれば、「同意」だけで雑談は成立します。

相手「最近、寒いですね。」
自分「そうですね、本当に寒いです。」
相手「コートとマフラーがないと、しんどいですよね。」
自分「厚着してないと、冷えますもんね。」
相手「そうですね。だけど電車の中だと意外と暑かったりして…。」
自分「分かります。温度差があるときついですよね。」

対策2-2.「同意」→「質問」で相手に話してもらう

中身のない話を続けるのは、お互いに辛いはず。
そんな時は、「同意」だけでなく質問をすると話がより進みやすく。
天気の話から始まった会話も、具体的な質問へと話題を変えていけば話しやすくなります。

相手「最近、暑いですね。」
自分「暑いですよね、汗が出るとすぐ化粧が崩れちゃって…。」
相手「わかります、朝メイクしてもすぐヨレちゃいますよね。」
自分「お直しに、何持ち歩いてますか?」
相手「コンシーラーとリップは必須、あとはにじんだ時用の綿棒も持ってます。」
自分「コンシーラー、どこの使ってます?」
相手「○○のです。」
自分「へー、使いやすいですか?」

対策3:「苦労」と「努力」に理解を示して「共感」する

会話で求められているのは、「共感」です。
相手に本当に共感できることなんて、めったにありません。
だけど、重要なのは「わかるよ」と言ってあげること。なぜなら、人は理解されると嬉しいからです。

人は、自分の「苦労」や「努力」を理解されたいと思っています。たとえ相手の話の「内容」に共感できなかったしても、そこに至るまでの「苦労」「努力」に理解を示してあげることが大事。これが「共感する」ということです。

対策3-1.「大変だったでしょう」を上手につかう

「大変だったでしょう」は、会話が続く万能の言葉。
もし相手に「そんなことない」と言われたとしても、「でも、大変だったでしょう?」とさらに続ければ話が展開したりします。どんな出来事にも、「苦労話」は必ずあるからです。「大変だったでしょう」を上手に使って、会話を乗り切りましょう。

相手「この前○○の案件があってさ~」
自分「大変だったでしょう」
相手「いやいやまあ大した来ないんだけどさ」
自分「でも、大変だったでしょう?」
相手「まあそうだね、プレゼンの前は徹夜したかな…。やっぱり気合入ってたしどうしてもうまくいかせたくて…」

事例

新人のころ上司が業務を教えてくれるのは、あたりまえだと思っていました。教え方も上手じゃないし、いちいち「ありがとうございます」と言う必要も感じられませんでした。

しかし仕事がそれほどできなくても愛想のよさで乗り切っている同僚を見て、とりあえず何か教えてもらった時は「ありがとうございます」と言っておくことにしました。

相手の教え方が分かりづらいなと思った時は「あの、もう一度伺いたいところがあって…」と丁寧に聞いてみて最後は「勉強になりました!」でしめます。

すると周囲の人たちが、みるみる優しくなって以前よりも職場での居心地がよくなりました。
「ありがとう」と「ほめる」は、コミュニケーションの潤滑剤なのだと知りました。

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著者

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