身体障害のある人に向いている仕事の探し方

身体障害のある人に向いている仕事の探し方

身体障害を抱えながら仕事している方の中には、障害とうまく付き合いながら働いている方もいらっしゃれば、仕事ができない、続かないという悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

身体障害といっても、障害のある部分や程度は一人ひとり異なります。ここでは、同じように身体障害を抱えながら仕事をしている方々の状況について、

・身体障害のある人に向いている「業界」や「職種」の傾向
・働くうえで役立つアドバイス

を紹介していきます。

障害者雇用の専門家みちしたさん(社会福祉士、精神保健福祉士)にもアドバイスをいただきました。

仕事に悩みや不安がある方は、今後の働き方のヒントとして口コミやコラムをご活用ください。

*この記事はみちしたさんに監修していただきました
みちしたさん

社会福祉士・精神保健福祉士(ソーシャルワーカー、精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)の資格を持つ。障害者支援施設にて支援員を8年経験した後、福祉資格を持つ地方公務員として採用され、ソーシャルワーカーとして活躍。


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目次

1.身体障害のある人が働いている業界

2.身体障害のある方が働いている職種

3.どのような障害がある方が身体障害者手帳を取得しているのか

4.口コミ投稿者645人の身体障害の内訳

4.障害別の傾向の紹介

5.専門家からのアドバイス

6.まとめ

1.身体障害のある人が働いている業界

最初に、身体障害のある人が多く働いている業界をみていきましょう。
身体障害者手帳をお持ちの方の口コミを集計し、働いている業界をまとめたものが以下のグラフです。

身体障害のある方の業界グラフ


身体障害のある人が多く働いている業界は以下でした。
  • サービス・外食・レジャー系業界 24.4%
  • メーカー・製造業界 17.3%
それぞれの業界で働いている方の口コミを紹介します。

【サービス・外食・レジャー系】

時給は高く、パートでもガソリン代や賞与がもらえる。有給休暇や夏季休暇もある。体調が悪い時は勤務を交代できる。仲が良く、皆が協力し助け合っている。また、午前中の勤務なので午後から用事を済ませることもできる。
(心疾患、サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、女性)

透析のために通院していますが、勤務時間の変更を快諾してくれた。夜勤が必要な職場だったが、日勤だけにしてくれた。体のことを気づかい、業務も肉体的負担が少ないものに変更してくれた。
(腎機能障害、サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、男性)

意見を言える環境です。現在の仕事を任されており、職員やお客様から必要とされていると感じられます。
(目に関する疾患、サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、男性)

口コミの内容をまとめると、身体障害のある方にとって、サービス・外食・レジャー系の業界が働きやすいと感じる理由には以下の特徴があることがわかります。

  • 各種休暇制度が整備されていて、気軽に活用できる
  • 他の人とシフトの交代が可能で、急な休みにも対応してもらえる
  • 多様な仕事があるので、身体的に負荷の大きい仕事を代わってもらえる
  • 上司や同僚が身体障害を理解しており、配慮のある安心した雰囲気で働ける
会社の制度や勤務体制、仕事内容や周囲のサポートの有無は、身体障害のある方が働くうえで確認しておきたいポイントです。アンブレに届く口コミには、職場の様子がリアルに書かれていますので、ぜひ参考にしてみてください。

▼アンブレの口コミは、こちらから。


続いて、2番目に多くの方が働いている「メーカー・製造系」の業界について、寄せられた口コミをみていきましょう。

【メーカー・製造系】

トイレも車いすの方の使いやすさを考えているし、出勤時間もフレックス制を採用してくれるなど細やかな配慮がなされている。
(脊髄・脊柱に関する疾患、メーカー・製造系、人事・経理・総務・企画、男性)

駐車場を社内の配置ルールから外し、勤務場所から近い場所にしてもらえました。
(肢体の機能障害、メーカー・製造系、エンジニア・技術職、男性)

自分の力が発揮できる部署におり、技術的な分析解析をして結果を求めることができる。
(肢体の機能障害、メーカー・製造系、軽作業、男性)

口コミをみていくと、メーカー・製造系の業界において、身体障害のある方からの満足度が高い職場には、以下のような特徴があることがわかります。

  • 勤務時間や出勤時間などの融通が利く
  • 職場のバリアフリー化が進んでいる
  • 自分の能力を発揮できる
メーカー・製造系の業界では、毎回同じ職場に出勤し、仕事内容がルーティン化している場合が多くあります。そのため、バリアフリーが進んでいるなど、仕事をしやすい環境が整っている職場の満足度は高い傾向がうかがえました。

また、職場の施設のバリアフリーは進んでいなくとも、身体障害のある方が働きやすいようルールを変更するなど、柔軟な対応が望める職場の満足度は高くなる傾向にあることもわかります。

加えて、メーカー・製造系の業界では、技術を身につけ、能力を発揮することで昇給や昇格などのステップアップが望めるという声もありました。将来の姿を思い描けるということは、その職場で長く働くうえでの希望や期待につながりますね。

口コミをみていくと、業界によって様々な特色があることがわかります。その特色が身体障害のある方の働きやすさに影響を与えているといえるでしょう。

仕事探しの大切なポイントは、興味のある業界の特色を把握し、ご自身の症状と照らし合わせて見極めることだといえそうです。

2.身体障害のある方が働いている職種

身体障害のある方は、その症状により、どうしても遂行が困難な仕事内容もあります。そのため、仕事探しにおいては、日々の仕事内容に密接に関わる「職種」の選択が重要になってきます。

身体障害のある方が多く働いている職種には、どのような傾向があるのでしょうか。身体障害のある方が働いている職種の割合を表したグラフをご紹介します。

身体障害のある方の職種グラフ


最も多くの人が働いている職種は、以下のとおりでした。

  • 事務 23.1%
  • 人事・経理・総務・企画 14.8%
グラフをみると、内勤など、移動が少なく身体的に負荷の少ない職種が人気であることがわかります。

それぞれの職種で働いている方の口コミをみていきましょう。

【事務】

テレワークや時短など最新の労務環境で働ける。また、病気への人事部の配慮ができている。
(腎不全、不動産・建設・設備系、事務、男性)

休暇制度がしっかりしていて、急な休みもとれるし、病気休暇制度もあり、働きやすい環境にある。自分のペースで仕事ができる。
(筋骨格系疾患、サービス・外食・レジャー系、事務、男性)

通院日には必ず退社時間に退社できている。体力を使うような仕事をしなくて済むように配慮してもらっている。
(腎不全、金融・保険系、事務、男性)

  口コミをみていくと、身体障害のある方にとって満足度が高くなっている事務の職種には、以下のような特徴があることがわかります。

  • 在宅勤務の活用や休暇制度が整備されていて、労働環境が整っている
  • 人事部と連絡が取りやすく、働く環境について第三者に相談しやすい状況がある
  • 残業が少ない
続いて、2番目に働いている人が多かった「人事・経理・総務・企画」の職種で働いている方から寄せられた口コミをみていきましょう。

【人事・経理・総務・企画】

それまでは別の職種にいた為、まずはタイピングなどパソコンに慣れる所から丁寧にスタートしてくれた。障害への理解度は最初低かったが、だんだん理解してもらえて、何が出来て何が不得意なのか対応してもらえた。経理業務に携わってからは本社では雑務的に書類の整理などもして、本社の雰囲気に触れ障害者のオフィスと健常者もある普通のオフィスの両方を知ることができた。
(難聴、サービス・外食・レジャー系、事務、女性)

自分のペースでストレス少なく仕事が遂行できていることが、満足している理由である。
(脊髄・脊柱に関する疾患、メーカー・製造系、人事・経理・総務・企画、男性)

足に負担がかかる事は一切させず、慰労会などの場所もお座敷ではなく掘りごたつや椅子に座る場所を選んでくださいました。体調がいつ悪くなっても他の人がフォローできる体制でした。有給の取得に関しても通院などは特に優先して取得させてくださいました。
(肢体の機能障害、人事・経理・総務・企画、女性)

人事・経理・総務・企画の職種における満足度の高い職場には、以下のような特徴があることがわかります。

  • 時間に追われることがなく自分のペースで作業できる
  • 休暇を取りやすい雰囲気がある
  • 身体的に負担がかからないよう他の従業員からの配慮がある
人事・経理・総務・企画の職種では、複数の人が同様の業務にあたっているケースが多いことから、お互いの様子が見えやすいという特徴があります。そのため、他の従業員が身体的に負担のある業務を代わってくれるなど、合理的な配慮を受けやすいというメリットもあるようです。

さらに、仕事を計画的に進めていくことが求められる場合が多いことから、緊急的に何かに対処する場面が少なく、時間に追われることなく仕事ができるという点も、身体障害のある方にとって働きやすいポイントといえるでしょう。

3.どのような障害がある方が身体障害者手帳を取得しているのか

そもそも、身体障害のある方とは、どのような障害がある方のことなのでしょうか。ここでは、身体障害者手帳の取得対象となる障害についてご紹介します。

    【身体障害者手帳の取得対象となる障害】※
  • 視覚障害
  • 聴覚障害
  • 平衡機能障害
  • 音声・言語機能障害
  • そしゃく機能障害
  • 肢体不自由
  • 心臓機能障害
  • じん臓機能障害
  • 呼吸器機能障害
  • ぼうこう又は直腸機能障害
  • 小腸機能障害
  • ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
  • 肝臓機能障害
さらにこれらの障害を1級から7級の区分に分けたうえで、障害認定基準に照らし合わせて障害認定を受けることで、身体障害者手帳の取得対象となります。

※参考:東京都福祉保健局 東京都心身障害者福祉センター


4.口コミ投稿者645人の身体障害の内訳

前項では、身体障害者手帳の取得対象となる障害についてご説明しました。それでは、今回口コミを寄せてくださった方々は、どのような身体障害がある方なのでしょうか。その内訳をご紹介します。

身体障害のある方の病気障害内訳


今回の調査における身体障害の内訳で最も多かったものは「肢体の機能障害」で47.9%、次いで、「内部障害」が32.4%という結果でした。

この内訳について、身体障害者手帳をお持ちの方が多く働いている業界や職種と照らし合わせてみましょう。

「1.身体障害のある方が働いている業界」でご紹介したとおり、身体障害のある方が最も多く働いている業界は以下の通りでした。
  • サービス・外食・レジャー系
  • メーカー・製造系

これらの業界は、シフト制の勤務形態である場合が多いことや、同じ業務内容を担当している従業員が複数いる場合が多いことから、急な休みを要する場合でも代務を立てられる可能性が高いといえるでしょう。

身体障害者手帳をお持ちの方は、定期的な通院が必要な方もいらっしゃいます。なかでも内部障害は、突発的な受診が必要になるケースもあることでしょう。こうした状況を踏まえると、急な休みへの対応が可能な業界が人気であることにも納得がいきます。

「2.身体障害のある方が働いている職種」でご紹介したとおり、身体障害のある方が最も多く働いている職種は以下の通りでした。
  • 事務
  • 人事・経理・総務・企画

内勤の仕事が人気です。今回の調査における身体障害の内訳で、「肢体の機能障害」が最も多いことを踏まえると、身体を動かす機会が少ない内勤の仕事が人気であるという結果にもうなずけます。

これらの職種は、計画的に仕事を進めていくスキルが求められる場合が多く、時間に追われることが比較的少ないため、身体障害がある方にとって、体調と相談しながら仕事を進めやすいというメリットもあるといえるでしょう。

4.障害別の傾向の紹介

これまでご紹介してきたとおり、身体障害は、その障害ある部位や程度によって状況は様々です。ここでは、身体障害を大きく以下の5つに分けます。

  • 肢体の機能障害
  • 麻痺
  • 内部障害
  • 聴覚障害
  • 視覚障害
上記の分類ごとに、働いている方が多い業界や職種、働き続けるために自分でできる対策、職場から得られると嬉しい配慮などについてご紹介します。

5-1. 肢体の機能障害

肢体の機能障害の中でも、特に車いすを利用している方が多く働いている業界や職種についてみていきましょう。肢体の機能障害がある方で、車いすを利用していない方も、移動時の状況や働くうえでの工夫など、共通する事柄もあることと思います。ぜひ職場選びの参考にしてみてください。

車いすを利用している方が多く働いている業界は、次のとおりです。

  • サービス・外食・レジャー系
  • メーカー・製造系
また、車いすを利用している方が多く働いている職種は次のようになっています。

  • 事務
  • コールセンター・オペレーター
それでは、これらの業界や職種で働いている方の口コミをみていきましょう。

【口コミ】

学校だったので保健室があり、もちろん生徒優先ではありますが体調の悪い時は少し休ませていただくことができました。トイレ等施設的に整っていることもよかったです。車いすを使用している方でも働きやすいと思います。
(脊髄・脊柱に関する疾患、サービス・外食・レジャー系、女性)

業務は3階建ての3階にて行っていたためエレベーターで移動していた。災害時に備えて足が不自由な人向けに非常用階段が設置されており、防災対策も万全であった。
(脊髄性筋萎縮症、サービス・外食・レジャー系、コールセンター、オペレータ、男性)

(関節リウマチ、メーカー・製造系、人事・経理・総務・企画、男性)

サービス・外食・レジャー系の業界では、顧客向けに施設を設計している場合が多いことから、バリアフリーが進んでいるなど、ハード面が整備されていることが多いようです。その結果として、肢体機能障害のある方にとっての働きやすさにもつながっているといえるでしょう。

メーカー・製造系は、他の業界と比較すると、労働組合が積極的に役割を発揮している傾向もみられます。労働環境が改善されていくことは、仕事のモチベーションアップに大いにつながることでしょう。

また、事務やコールセンターなどの職種では、内勤であることから、職場内部での移動の少なさが働きやすい理由の一つとなっているようです。

次に、働くにあたり、自分で実施できる対策と、職場から得られると嬉しい配慮についてまとめます。

【対策】
  • 同じ姿勢でいることで疲れが溜まってしまうので、こまめにストレッチをする
  • 移動に時間がかかる可能性を見越して、早めの行動を心がける
  • 自分のできる仕事を一生懸命行い、仕事へのやる気を伝えることで周囲の協力を得やすい環境を整える
【配慮】
  • 時差出勤や車通勤など、柔軟な通勤手段を認めてくれる
  • 床に物を置かない、座席配置を工夫するなど、移動のしやすさに配慮がある
  • 口コミの内容、人気の業界や職種、仕事を続けるための工夫などについて、詳細はこちらのコラムをご覧ください。
▼業界や職種の傾向
車いすを利用している方78人の実体験を調査。転職、向いている仕事は?

▼工夫や対策
車いすを使用している方へ 仕事を続けるための工夫と職場サポート

5-2. 麻痺

続いて、麻痺のある方が多く働いている業界や職種をみていきましょう。

麻痺のある方が多く働いている業界は、次のとおりです。
  • メーカー・製造系
  • サービス・外食・レジャー系

また、麻痺のある方が多く働いている職種は次のようになっています。
  • 事務
  • 人事・経理・総務・企画

これらの業界・職種で実際に働いている方は、どのような点に魅力を感じているのでしょうか。口コミをみていきましょう。

【口コミ】

上司及び同僚からの協力があり、フォローを頂いています。
(麻痺、メーカー・製造系、エンジニア・技術職、女性)

就業時間や作業内容など、私に無理のないように配慮して下さり、定期的に話をする時間も設けて下さった。
(麻痺、筋骨格系疾患、メーカー・製造系、人事・経理・総務・企画、女性)

従業員出入口に手すりの無い3段程の小さな階段があるが、平衡感覚麻痺のため何かに掴まらないと出入りできない。特に暗い時間帯は危険ということで、段差のない正面玄関からの出入りを許可してくれた。
(麻痺、メーカー・製造系、事務、男性)


次に、麻痺のある方から寄せられた口コミをもとに、働くにあたり、自分で実施できる対策と、得られると嬉しい配慮についてまとめます。

【対策】
  • 仕事にかかる時間を見越して、余裕をもって仕事にとりかかる
  • 身体的な負担の蓄積を避けるため、適度に休憩をとり、疲れを溜めないよう心がける
【配慮】
  • 通院の有無や麻痺の症状など、個人の状況を把握している
  • 個人の仕事を認め、対等に接して責任のある仕事を任せてくれる
  • 休暇を取りやすい雰囲気がある
麻痺のある方は、麻痺のある部分に負担がかからない仕事であれば、広く能力を発揮して働ける可能性があります。中には、過剰な配慮によって、能力を発揮する機会が制限されてしまうことに不満を持っている方もいらっしゃいます。

一人ひとりの状況を把握したうえで責任のある仕事を任せてくれる職場は、麻痺のある方にとって理想的な職場といえるでしょう。

口コミの内容、人気の業界や職種、仕事を続けるための工夫などについて、詳細はこちらのコラムをご覧ください。

▼業界や職種の傾向
麻痺のある方が転職に成功するために、115人の実体験を調査

▼工夫や対策
麻痺のある方が仕事を続けるために 115人から学ぶ工夫とサポート

5-3. 内部障害

続いて、身体障害のうち、内部障害のある方が多く働いている業界や職種をご紹介します。

内部障害のある方が多く働いている業界は、次のとおりです。

  • サービス・外食・レジャー系
  • 小売・流通・商社系
また、内部障害のある方が多く働いている職種は次のようになっています。

  • 事務
  • 販売・接客・サービス
これらの業界・職種で実際に働いている方は、どのような点に魅力を感じているのでしょうか。口コミをみていきましょう。

【口コミ】

チェーン店なので複数の職場がありますが、常に自宅から近い所を勤務地にしてくれます。また、過度な勤務内容にならないように配慮してくれます。別の職場の応援も私だけ免除です。外見からは健常者にしか見えないので、上司が変わるたびに一から説明しないといけない点が唯一の難点です。
(血液に関する疾患、再生不良性貧血、小売・流通・商社系、販売・接客・サービス、男性)

上司が常に体調のことを気遣い、細かに声をかけてくれた。比較的年齢層が高い職場だったので人間関係も穏やかだった。忙しいときもあるが、基本はゆったりとしたペースで仕事ができた。専門職としてのやりがいがあった。
(腎機能障害、サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、男性)

職場の人達の理解がすごくあるので、無理をしなくても良い。無理をしていると感じると、誰かが声をかけて止めてくれる。
(免疫系疾患、不動産・建設・設備系、事務、女性)

サービス・外食・レジャー系や小売・流通・商社系の業界は、店舗や事業所で働ける機会が多いため、通勤しやすい勤務先を選んでくれるという合理的な配慮を受けられるケースがあるようです。

また、販売・接客・サービスの仕事は、複数の従業員で仕事をすることが多いため、お互いの状況を把握しやすく、従業員からのサポートを受けやすい点が働きやすさの理由と考えられます。

次に、内部障害のある方から寄せられた口コミをもとに、働くにあたり、自分で実施できる対策と、職場から得られると嬉しい配慮についてまとめます。

【対策】
  • 職場でストレスを溜めすぎないようにする
  • 外見からは見えない病気であるため、職場に症状を伝える際は、体調が悪くなることだけを抽象的に伝えるのではなく具体的な内容を共有する
【配慮】
  • 作業量やペースの調整をしてくれる
  • 症状を理解し、休みをとりやすい雰囲気がある
内部障害は、外見からではわからない場合がほとんどです。そのため、職場の理解が得にくいことに悩んでいらっしゃる方も多いようです。症状を理解して、体調を気にかけながら仕事内容やペースの調整をしてくれる職場は、内部障害のある方にとって理想的な職場といえるでしょう。

口コミの内容、人気の業界や職種、仕事を続けるための工夫などについて、詳細はこちらのコラムをご覧ください。

以下のコラムでは、内部障害の一種である潰瘍性大腸炎について取り上げています。 ▼業界や職種の傾向
潰瘍性大腸炎の方の転職、152人の口コミから向いている仕事を探す 

▼工夫や対策
潰瘍性大腸炎でも仕事はできる 152人の工夫と対策

5-4. 聴覚障害

続いて、聴覚障害のある方が多く働いている業界や職種をみていきましょう。

聴覚障害のある方が多く働いている業界は、次のとおりです。

  • サービス・外食・レジャー系
  • メーカー・製造系
また、聴覚障害のある方が多く働いている職種は次のようになっています。

  • 事務
  • 販売・接客・サービス
これらの業界・職種で実際に働いている方は、どのような点に魅力を感じているのでしょうか。口コミをみていきましょう。

【口コミ】

自分宛の内線以外の電話は同僚が率先して取ってくれた。また、新しくやる業務の時は隣でサポートし、こちらが手順を理解するまでついてくれた。その後も業務のアウトプットを相互で確認しながら行うなど、フォローをしてくれた。
(難聴、サービス・外食・レジャー系、事務、男性)

障害のことを認識してくれているので、周囲が気を利かせてくれる。聞き取りが必要な業務をあまり実施しなくても働ける状況。
(難聴、サービス・外食・レジャー系、事務)

会議では必ずノートテイク。電話ができない代わりに別の仕事をさせてくれた。聞こえなくても自分の長所を伸ばそうと仕事を考えて与えてくれるので成長しがいがある。
(難聴、不動産・建設・設備系、事務、女性)

主にパソコンを使用する事務の仕事は、コミュニケーションをとる機会が他の職種に比べて少ないため、聴覚障害のある方にとって働きやすい職種といえるでしょう。

サービス・外食・レジャー系やメーカー・製造系の業界では、オフィス勤務ではなく店舗や事業所、工場などでの勤務のケースがあり、電話応対が少ない場合があります。そのため、電話が苦手な方も安心して働けるという点が、聴覚障害のある方にとって働きやすい理由の一つになっていると考えられます。

次に、聴覚障害のある方から寄せられた口コミをもとに、働くにあたって自分で実施できる対策と、職場から得られると嬉しい配慮についてまとめます。

【対策】
  • 筆談できるよう、道具を携帯する
  • 「~ですね」と復唱しながら確認することで、聞き間違いを防ぐ
  • 補聴器や音声変換通訳ソフトなどのツールを使う
【配慮】
  • 電話対応を積極的に交代してくれる
  • 聞き取れない時、困った時には対応を代わってくれる
  • 座席配置に工夫がある
  • 筆談やメールを活用している
  • 話すときに肩をたたく、声を大きくする、ジェスチャーをつけて理解しやすくしてくれる
聴覚障害のある方は、対応が困難な仕事内容を避けることや、ツールを使用することにより能力を発揮しやすくなります。そのため、聴覚を必要とする仕事内容は他の従業員が交代する、ツールを導入するなどの合理的な配慮がある職場は、聴覚障害のある方にとって理想的な職場といえるでしょう。

口コミの内容、人気の業界や職種、仕事を続けるための工夫などについて、詳細はこちらのコラムをご覧ください。

▼業界や職種の傾向
聴覚障害の方に向いている仕事は?136人の転職を調査

▼工夫や対策
難聴などの聴覚障害がある方が仕事を続けるために 136人から学ぶ働き方の工夫 

5-5. 視覚障害

次に、視覚障害のある方が仕事をする際にご自身でできる工夫や、職場から得られると嬉しい配慮についてみていきましょう。

仕事をしている方から寄せられた口コミをご紹介します。

【口コミ】

文字の認識が遅れることを理解してくれて、文字を大きくしてくれたり、パソコンやタブレットの画面を大きくしたりしてくれます。足りない点は特にないです。
(目に関する疾患、人事・経理・総務・企画、男性)

自分が望んだ職種であり、これまでに勤務したキャリアもある程度いかせる。車の運転はできないが、専属のマネージャーに十分なサポートをしてもらえる。
(弱視、白内障、緑内障、サービス・外食・レジャー系、販売・接客・サービス、男性)

営業所ごとに少数の職員で勤務しているため、とてもアットホームです。職員同士の絆も深く、障害のことも理解し配慮もしていただける。また活躍の場も多く必要とされれば自分のやる気にもつながる。
(目に関する疾患、サービス・外食・レジャー系、医療・介護・福祉、男性)

視覚障害のある方は、書面の文字を読むなど、特定の業務内容についてサポートが必要な場合があります。しかし、こうした特定の業務を除けば、活躍できる可能性が充分にあります。

そのため、一人ひとりの得意なこと、不得意なことを把握してサポートできる、個人の能力を発揮しやすい仕組みがある職場は、視覚障害のある方にとって働きやすい職場といえるでしょう。

次に、視覚障害のある方から寄せられた口コミをもとに、働くにあたり、自分で実施できる対策と、職場から得られると嬉しい配慮についてまとめます。

【対策】
  • 仕事で使う機器の設定を工夫するなどして、作業環境を整える
  • 通勤ルートや社内移動時に気を付けるべきポイントを把握しておく
【配慮】
  • パソコンソフトなどの支援機器を導入して活用してくれる
  • 社内外の移動時のサポート体制があり、職場内の障害物の整理に協力的である
  • 混雑時を避けた通勤時間を認めてくれる
視覚障害のある方は、パソコンの音声読み上げソフトなどの支援機器を導入したり、パソコンの画面を拡大したり、明るくすることによって仕事をしやすい環境を整えることができます。支援機器の必要性を理解して取り入れてくれる職場は、視覚障害のある方にとって働きやすい環境といえるでしょう。

また、視覚障害のある方は移動に困難を伴う場合が多くあります。そのため、こうした状況を理解し、混雑時を避けた通勤時間を認めてくれるなどの合理的な配慮がある職場は、視覚障害のある方にとって理想的といえます。

口コミの内容、仕事を続けるための工夫などについて、詳細はこちらのコラムをご覧ください。

▼工夫や対策
視覚障害のある方が仕事で抱える悩みと対策、望む配慮

5.専門家からのアドバイス

仕事探しを考えている身体障害のある方へ、障害者雇用の専門家 みちしたさんからのアドバイスを紹介します。

■働くことを迷っている身体障害のある方へ

記事をご覧の方の中には、「社会に出たら迷惑をかけてしまうのではないか?」と悩んでいる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

まとめにも紹介されていた通り、自分のできること、助けが必要なことを明確にし職場に伝えることができれば大きく貢献することができます。
「できること・助けてほしいことがなかなか思いつかない」という方は、アンブレの口コミを参考にすると自分に合う情報が見つかるかもしれません。

自分の強みを見つけ、どのような配慮が必要なのか一度考えてみることをおすすめします。

■これから働く身体障害のある方へ

障害の特性や程度は一人ひとり異なります。
職場を探す際も、任される仕事を続けられるか、バリアフリーなどの物理的な環境は問題ないか、休みを取りやすく働きやすい雰囲気かなど大切な要素は多くあります。

記事の紹介でもあった通り、満足度の高い職場はこれらの要素が高い傾向で、身体的にも精神的にも負担を減らす取り組みを行っています。
気になる職場を見つけた際は、職場を見学する機会をつくり自分にとって働きやすい環境か確認してみてください。

6.まとめ

ここまで、身体障害のある方に向いている仕事と、働き方についてご紹介してきました。 身体障害といっても、障害のある部分や程度により、向いている仕事は様々です。これまでにご紹介した口コミやデータはほんの一部であり、症状は人それぞれ、向いている業界や職種の特色も異なります。

まずはご自分の症状や、できること、できないことについてまとめてみましょう。そのうえで自分に合った仕事や働き方を自分のペースで見つけてください。

今回ご紹介した障害別の各コラムには、より詳しい悩みや対策、働き方のヒントがあります。ご自分に向いている仕事探しに活用していただけましたら幸いです。

さまざまな企業がある中で、あなたが幸せに働ける環境に出逢えることを、私たちは心から願っています。

▼身体障害の方が働いている企業が一覧で確認できます。
満足度の高い企業や気になっていた企業の口コミをぜひこちらでチェックしてみましょう。

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※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
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監修者

みちした

社会福祉士・精神保健福祉士(ソーシャルワーカー、精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)の資格を持つ。障害者支援施設にて支援員を8年経験した後、福祉資格を持つ地方公務員として採用され、ソーシャルワーカーとして活躍。

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著者

鈴木 杏奈

より望ましい職業の選択や能力開発における相談・助言を専門とする国家資格「キャリアコンサルタント」のほか、米国CCE, Inc.認定の「GCDF-Japanキャリアカウンセラー」の資格を取得。福祉・医療介護分野の研究などにも従事しています。

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