自閉症のある方の働き方、仕事の悩みと対策を徹底紹介

自閉症のある方の働き方、仕事の悩みと対策を徹底紹介

自閉症を抱えながら仕事している方の中には、症状とうまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、コミュニケーションが苦手で職場の中で孤立してしまう、こだわりが強く作業に時間がかかってしまうなど、疾患による特有の悩みを感じることはありませんか?

そんなときは、同じように自閉症を抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみましょう。今回のコラムでは63人の自閉症がある方の口コミをもとに

・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・どのように仕事を探したか

といったアドバイスをご紹介していきます。
障害者雇用の専門家みちしたさん(社会福祉士、精神保健福祉士)にもアドバイスをいただきました。

仕事との向き合い方や職場について悩むこと、不安に感じることがある方は、ぜひ寄せられた声を解決のヒントとしてみてください。

*この記事はみちしたさんに監修していただきました
みちしたさん

社会福祉士・精神保健福祉士(ソーシャルワーカー、精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)の資格を持つ。障害者支援施設にて支援員を8年経験した後、福祉資格を持つ地方公務員として採用され、ソーシャルワーカーとして活躍。


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目次

1.自閉症とは

2.自閉症の特性による仕事の悩み

3.コミュニケーションに関する悩みと対策・配慮

4.こだわりの強さに関する悩みと対策

5.あいまいな指示がわからないという悩みと対策

6.特性により苦手な業務があるという悩みと対策

7.転職や就活では自閉症をオープンにするかクローズにするか

8.転職や就活の参考になる、自閉症のある方におすすめの企業

9.求人の見つけ方

10.企業情報の集め方

11.専門家からのアドバイス

12.最後に

1.自閉症とは

    脳の発達の仕方の違いから「他の人の気持ちや感情を理解すること」「言葉を適切に使うこと」「新しいことを学習すること」などが苦手であり、一般的な「常識」と思われることを身につけることも苦手です。このため、真面目に取り組んでいても、誤解されることがあります。
    なお、自閉症の人たちは、とても「純粋」で、自分の感じたままに話したり、行動したりすることがあり、感覚が過敏であったり記憶が抜群な人もいます。

    引用:世界自閉症啓発デー日本実行委員会
自閉症のある方は、脳の発達の仕方の違いにより苦手としていることがありますが、一般的に常識と思われることが苦手なケースも多く、仕事でもその特性に悩むことがあります。

最近は、自閉スペクトラム症という言葉を良く耳にしますが、その違いは何でしょうか?

自閉スペクトラム症は発達障害の1つで、2013年のアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の発表以降、自閉スペクトラム症(ASD;Autism Spectrum Disorder)としてまとめて表現するようになりました。

自閉症も自閉スペクトラム症に含まれていますが、前述のように知的障害を伴うという点では、その特性を理解したうえで仕事との向き合い方を考えると、より働きやすい環境が見つけられるのではないでしょうか。

参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」

2.自閉症の特性による仕事の悩み

仕事をするうえでの悩みやその対応方法について、自閉症のある方から寄せられた口コミを分類すると、さらに4つに分けることができました。

  • コミュニケーションに関する悩み
  • こだわりの強さに関する悩み
  • あいまいな指示がわからないという悩み
  • 特性により苦手な業務があるという悩み

それぞれの項目について、悩みの具体的な内容と対策、職場から得られると嬉しい配慮などについて、口コミをご紹介してきます。

3.コミュニケーションに関する悩みと対策・配慮

コミュニケーションの困難さは、自閉症によくみられる特性の一つです。コミュニケーションに関する悩みは多岐に渡りますので、以下のように3つに分けてみていきましょう。

  • 言葉をそのまま受け取ってしまうという悩み
  • 人の表情や声のトーンから気持ちや意図を察することが苦手という悩み
  • 自分の言いたいことをうまく伝えられないという悩み

3-1.言葉をそのまま受け取ってしまうという悩み

自閉症には、いわゆる「空気を読む」ことが難しいという特性があります。そのため、明文化されていない暗黙のルールを認識することが苦手であったり、言葉をそのまま理解してしまったりするなど、相手の発言の背景にある意図を理解することに困難を感じる方が多くいらっしゃいます。

こうした悩みを抱えている方は、具体的にどのような場面で働きづらさを感じるのでしょうか。口コミをみていきましょう。

【悩み】

言葉の裏面や含みを理解できず字義通りに受け取ってしまいます。わが子の成績が伸び悩んでいることにいら立ち、それを自分へ皮肉としてぶつけてきたとしても、私には理解できないため、誉め言葉である場合にはそのまま喜んでしまい、それが更なるいら立ちに繋がっていたと思います。
(サービス・外食・レジャー系、男性)

人の表情や声のトーンから気持ちや意図を読み取ることができません。また、言外のあいまいなことや、暗黙のルールが理解できないため、その場に不適切なことや、上司からの指示と違うことをしてしまい叱責を受けることが多々あります。
(IT・通信・インターネット系、コールセンター・オペレータ、男性)

言葉をそのまま受け取ってしまうという特性がある方は、皮肉や婉曲表現を理解することが困難な場合が多くあります。こうした特性が顧客対応の難しさにつながってしまうケースがあるようです。

さらに、言葉をそのまま受け取ってしまうため、上司からの指示の意図を汲み切れずに業務上のミスにつながってしまうという口コミもありました。

このような悩みを抱えている方は、仕事を続けるためにどのような対策をしているのでしょうか。口コミをご紹介します。

【対策】

言葉を字義通りに受け取る点については、反射的に返事をする前に意識して一瞬の間を置き、今の言葉はそのまま受け取ってよいかどうかのブレーキをかけました。
(サービス・外食・レジャー系、男性)

具体的な言葉や文字、映像に直して手順をしっかり把握すればその通りにこなせるので、上司の機嫌を損ねる前に指示内容の詳細をできるだけ聞きだし、メモをして自分だけの手順書を作成しました。
(IT・通信・インターネット系、コールセンター・オペレータ、男性)

口コミを整理すると、言葉をそのまま受け取ってしまうという悩みの対応策としては次のような点が考えられます。

【自分でできる対策】

・すぐに反応せず、一旦自分に問いかけて対応を考える
・自分の理解を整理し、紙に書き出すなどして客観的な目線で確認する

顧客対応など、口頭による対人コミュニケーションをしている際に言葉をそのまま受け取りそうになった場合は、一呼吸置いて「この状況で発せられた言葉は、本当にそのまま受け取って良いのか?」と考えてみるという対策が寄せられました。一旦冷静になることで、相手から発せられた言葉の本当の意味を理解しやすくなる場合があることでしょう。

上司からの指示を受けた場合など、相手から受けた言葉を書き出す時間がある際は、相手の言葉と自分の理解を書き出し、そのメモを確認する対策が有効と考えられます。状況や作業の手順を客観的に整理することに役立つでしょう。



3-2.人の表情や声のトーンから気持ちや意図を察することが苦手という悩み

コミュニケーションが苦手という特性がある方の中には、人の表情や声のトーンから気持ちや意図、感情を読み取ることを苦手としている方がいます。こうした特性がある方は、仕事においてどのような悩みを抱えているのでしょうか。口コミをご紹介します。

【悩み】

人の表情や声のトーンから持ちを読み取ることが困難で、自分では気づかない内に相手を怒らせてしまうことや、その場の空気が読めないことで集団から孤立してしまいます。
(サービス・外食・レジャー系、教育、男性)

いわゆる「察して」ということができません。暗黙の了解、言葉にならない曖昧なルール、意図が汲み取れず、明確に言葉にされたこと以外への対応が難しいです。一度に1つの事しかできないため、マルチタスクになると頭がフリーズし、吃音、失声となり何もできなくなります。
(マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンターテイメント系、軽作業、男性)

口コミをみていくと、声や表情などから相手の気持ちを察することが難しいという特性があるために、職場内での人間関係が上手くいかなくなってしまうことがわかります。

では、こうした悩みがある方が実行できる対策には、どのようなものがあるのでしょうか。口コミをご紹介します。

【対策】

その場その場の状況や人の表情の変化から臨機応変な対応をすることが難しいので、自分の頭の中に仮想のタンスを作り、このような状況、空気ではこう対応したら成功したという情報をテンプレとしてしまっておきます。必要に応じて最適なテンプレを引っ張り出し、多少の状況変化があれば編集して引き出しに追加し対応しています。
(サービス・外食・レジャー系、教育、男性)

周囲から話しかけてくれたりしていたのですが、居づらく、持ち場を変えてもらいました。それまでは関わる従業員が多い職場でいろんな人と話をしなければいけなかったのですが、少数の職場に配置転換してもらいました。
(サービス・外食・レジャー系、女性)

人の表情や声のトーンから気持ちや意図を察することが苦手という悩みがある方は、次のような対策が有効でしょう。

【自分でできる対策】 

・相手の声や表情から臨機応変に対応していくことの代わりに、今までの経験を基に状況を整理することで、その場の対応を考える
・少人数の部署への異動など、職場内コミュニケーションの少ない仕事へ転換してもらう

また、職場としてできる対応には、次のようなことが考えられます。

【職場にお願いしたいこと】

・職場に溶け込んでもらおうとする配慮が、結果として本人の負担になってしまう場合もあることを理解する
・職場内コミュニケーションの少ない仕事にはどのようなものがあるか整理して配置を検討する

コミュニケーションが苦手という特性のある方にとっては、皆がいる前で積極的に声かけをされることは、場合によっては「コミュニケーションを取らなければならない」というプレッシャーにつながってしまうことがあります。本人と話し合い、本人が能力を発揮しやすくなる環境を共に探っていくことが必要となるでしょう。



3-3.自分の言いたいことをうまく伝えられないという悩み

自閉症の特性として、自分の気持ちを相手に伝えることが苦手という点や、話をする時の言葉の表現が固くなってしまうなどがあります。こうした特性がある場合、自分の気持ちを上手く相手に伝えることができず、コミュニケーションのすれ違いが生まれてしまうことがあり、仕事をするうえでの悩みにつながっているようです。具体的な内容をみていきましょう。

【悩み】

頭に思い浮かべた内容を言葉として瞬時に伝えるのが難しく、吃音のように言葉に詰まってしまいます。このため、大勢でコミュニケーションを取って作業することが苦手で、一人で黙々と作業する方が楽に取り組めます。
(コンサルティング・専門サービス系、販売・接客・サービス、男性)

仕事上で言いたい事が相手に思うように伝わりません。自分が相手に理解してもらおうというよりも、相手側に理解をしてもらおうという話し方をしてしまうからです。言いたい事と違う事が伝わる、もしくは何を言いたいのかわからないと思われる事が多いです。
(小売・流通・商社系、女性)

仕事上困る事は自分で問題解決を図ろうとしてしまうということです。相談したくても相談できずに、実行してしまうので後から大事になる事もありました。それで怒られたことも、非常に多かったです。
(小売・流通・商社系、女性)

自分の考えを整理して言葉で表現することが苦手という悩みが挙げられました。言葉での表現が難しいと、報告や連絡にプレッシャーを感じてしまう場合があることでしょう。そのため、報告や連絡そのものを避けてしまい、後々のトラブルにつながってしまうという悩みもあるようです。

それでは、こうした悩みを抱えながら仕事をしている方は、どのような対策を実施しているのでしょうか。

【対策】

不明点が生じたら何度でも質問する、ただしその前に、言葉につまらないように質問する内容を細かく書き出し、簡易的な台本を作ってから話を始めることを徹底しています。
(コンサルティング・専門サービス系、販売・接客・サービス、男性)

本来は社会人が単刀直入にものを伝える事はないのですが、ストレートにいうようにしています。でないと、伝わらないからです。とくにマイナスの感情の扱い方は難しくて、家族と訓練してきました。突然怒りを爆発させるという事がないようにしています。
(小売・流通・商社系、女性)

周囲が常に「何かない?大丈夫?」と声をかけてくれていましたが、今まで忙しそうで声をかけづらいなぁという相手でも自分からも進んでホウレンソウをするようにしました。もしくはメモで連絡を残すようにしましたら、仕事しやすくなりました。
(小売・流通・商社系、女性)

対策として寄せられた口コミを整理すると、次のようになります。

【自分でできる対策】

・話しかける前に自分の考えを整理し、言いたいことを一旦紙に書き出す
・言葉を飲み込みすぎず、言いたいことを言うようにする
・自ら進んで報告・連絡・相談をする

自分の考えや気持ちを伝えられずに溜め込んでしまうと、ストレスがたまってしまいます。言いたいことを伝えてストレスなく働くためにも、話し始める前に自分の考えを整理して紙に書き出すという対策は有効ですね。
また、職場に報告・連絡・相談をする際にも、事前に自分の考えを整理することもおすすめです。

4.こだわりの強さに関する悩みと対策

自閉症の特性として、こだわりの強さがあります。こうした特性をお持ちの方は、仕事をするうえでどのようなことに悩んでいるのでしょうか。口コミをご紹介します。

【悩み】

全体ではなく部分へのこだわりがあると、担当区域の途中で何か不明点が発生した際にそこで止まってしまい、残りの区域への配達が大幅に遅くなったり応援を呼ばざるを得ない状況になったりしました。
(コンサルティング・専門サービス系、男性)

本の番号整理に熱中するあまり、並び替えた本を本棚に戻すという仕事が終えられず、就業時間を終えてしまうことが度々ありました。
(サービス・外食・レジャー系、男性)

こだわりが強いという特性がある方は、仕事中に何か気になる点があると、そのことに気を取られてしまい、過集中の状態になってしまうという悩みが寄せられました。周りが見えなくなってしまうため、全体の仕事が滞ってしまい、就業時間内に仕事が終わらないこともあるようです。
 
  こうした悩みがある方は、悩みとどのように付き合いながら仕事を継続しているのでしょうか。口コミで寄せられた対策をご紹介します。
 
  【対策】

配達担当区域の途中で何かあっても、ひとまずペースを緩めず一通り回ってしまうこと、もしくはその場ですぐに本部へ連絡し、指示を仰ぐことを徹底しました。
(コンサルティング・専門サービス系、男性)

担当者に相談したところ、仕事を狭めてくれ、私の仕事は本の番号整理だけになりました。そして、精神疾患で苦しんでいるにもかかわらず、わざと驚かしてくる子供がいたので、担倉庫での本の番号整理に変えてもらいました。
(サービス・外食・レジャー系、男性)

こだわりが強いという特性に対して、自分で出来る対策をまとめると次のようになります。

【自分でできる対策】

・気になったことがあっても、ペースを崩さず業務を継続するよう心がける
・疑問があれば、自分で考え続けるのではなく、上司や同僚に質問する

職場ができる対策には、次のようなものがあるでしょう。

【職場ができる対処法】

・本人と相談して仕事内容や配属先の調整をする
・過集中にならないよう、声かけなどを実施する

こだわりが強いという特性が出ている状況では、周囲が見えにくくなっているものです。周囲からの声かけなどにより、過集中の状態を断つという対策は有効です。

5.あいまいな指示がわからないという悩みと対策

自閉症の特性として、言葉の裏側にある意図を汲むことが難しいという点があります。そのため、あいまいな指示への対応に関する悩みも多く寄せられました。口コミをみていきましょう。

【悩み】

言われたことをそのまま受け取ってしまい、指示を出した方の明確な意図を読むことができません。後になって、指示と違うことをしたことを責められ、実はこのような意図があったのにわからないのかと叱責を受けることが日常です。
(メーカー・製造系、軽作業、男性)

エンドユーザーからのお問い合わせを受けて、そのサポートをする業務でしたが、いわゆる「察して」「言わなくてもわかるでしょ」という場面が多く、これを読み取れないことが困りました。例えば「PCが使えない」「ソフトが動かない」とだけ言われたとしても、その文章の後に続く空白部分「だから○○をしてくれ」の内容が読めないため、どう返事すればよいかがわからず、話を聞いていないのではと叱られることも多かったです。
(IT・通信・インターネット系、男性)

指示された言葉の通り忠実に作業しても、終了後に「実はその中にこれとこれとこの作業が(暗黙・常識として)含まれていた」ということが多々あり、指示通りの仕事ができないと叱責を受けました。
(サービス・外食・レジャー系、男性)

口コミをみると、上司からのあいまいな指示を理解しきれないという悩みのほか、顧客からのあいまいな要望の意図を汲みきれないという悩みもあることがわかります。

こうした悩みへの対策には、どのようなものが考えられるのでしょうか。口コミをご紹介します。

【対策】

周りをよく観察することと、メモを取ることを徹底しています。ずるいかもしれませんが、周りと違うことで目立って叱られるので、周りと同じことをすれば波風を立てず、心の平穏を保ち仕事ができます。
(メーカー・製造系、軽作業、男性)

臨機応変な対応が難しいので、エンドユーザーそれぞれの性格、話し方、適切な回答内容を自分の頭の中の引き出しにしまっておき、脳内に「状況に応じた対応リスト」を作ります。 このリストを作るにはある程度の場数が必要となり、最初はパニックになることも多かったですが、自分の中で「3ヶ月の壁」「半年の壁」「1年の壁」の3つをつくり、それを乗り越えることを目標とすることでなんとかなりました。
(IT・通信・インターネット系、男性)

指示内容をメモすることと、周りがどのように作業をしているかをよく観察するようにしました。自分が読み取れなかった暗黙の作業内容を見つけては、メモに追記し対応しました。
(サービス・外食・レジャー系、男性)

口コミを整理し自分で出来る対策をまとめると、次のようになります。

【自分でできる対策】

・指示内容をメモに書き出し、整理する
・周囲がどのように対応しているのかを観察し、自分も同様の対応ができるようにする
・今までの仕事の経験を整理し、似たような状況になったときに対応できるように応用の幅を広げていく

メモを用いて整理する方法は、気軽に取り入れることができそうですね。
周囲の対応を観察したり、今までの仕事の経験を整理したりすることは、日頃の蓄積が重要です。そのため、対応ができるようになるまでには、ある程度の時間がかかることでしょう。焦らずに、日々の仕事を積み重ねていくことが大切です。

6.特性により苦手な業務があるという悩みと対策

自閉症の特徴により、特定の業務の遂行が困難になってしまう場合があります。どのような特性によって、どのような業務が苦手となる場合があるのでしょうか。口コミをみていきましょう。

【悩み】

興味あるものとそうでないものとの差が大きすぎる。その為、自分の好きな(或いは得意な)作業は、時間が経つのを忘れてしまうほど没頭してしまう。しかし、自分の嫌いなもの・不得手な作業は、作業そのものに手がつかず、結果周りに凄く迷惑をかけてしまう。今まで経験した仕事でも、自分が好きなもの或いは「やりがいがある!」と感じた仕事に出会った時は、面白い位いくらでも続くのに、そうでない仕事に出会ってしまった時は、朝起きた時点で体調が悪くなってしまい、結果休みがちになって退職してしまっていた。
(IT・通信・インターネット系、技術系職種、女性)

複数のタスクの同時進行が難しく、何か1つ作業を始めた後で別の仕事を依頼されると、最初の作業をどこまで進めたか忘れてしまい、片方の仕事しか完了せず叱責を受けることが多いです。
(コンサルティング・専門サービス系、デザイナー・クリエイティブ、男性)

レジを打っていたらお客様から苦情の対象となった事があった。愛想が悪い・声が小さい・感じ悪い等、結構きつい言葉を浴びせられてそういう事だった。それ以来、持ち場が変更になり人前に出る仕事からは外されてしまった。
(小売・流通・商社系、女性)

特性により苦手な仕事がある場合、仕事そのものが手につかない、時間内に仕事が終わらないという悩みが寄せられました。

接客業務そのものが苦手である場合は、顧客からのクレームにつながってしまうケースもあるようです。

日常的な仕事の中に苦手な業務があることは、それだけでも大きなストレスとなることでしょう。苦手な業務があるという悩みを抱えている方は、どのような対策をしながら仕事を続けているのでしょうか。口コミをご紹介します。

【対策】

作業に飽きた時は、トイレに行ったり、飲み物を飲んだりしている。
(IT・通信・インターネット系、技術系職種、女性)

「先を読む」ことと「区切りを付ける」、この2つをメモに残すことを徹底しています。別の仕事を依頼されそうなシチュエーションをノートに書き出しておき、自分の頭の中に引き出しとしてストックしています。
(コンサルティング・専門サービス系、デザイナー・クリエイティブ、男性)

自分の意志ではなくレジ員から外されてしまったが、黙々と自分のペースで仕事ができる裏側の仕事に変えてもらった。自分ではこちらの方がかなり向いていると思う。ほとんど話さず仕事ができるので、精神的に助かった。
(小売・流通・商社系、女性)

頼まれた仕事中に他の人から仕事が入ったら、どれを先にするか優先順位を聞くことがある。普段言われなければ気が付かないことや、空気の読めない点も多いので、もし自分が人に言われる前に気がついたら率先して動く。力仕事や、人の嫌がる仕事でも自分では苦にならないものも中にはあるので、率先してやる。それをよく頼まれるようになって得意なことになれば、苦手やどうしても正確にできないことをやることも少なくなり、頼みやすくなる。
(サービス・外食・レジャー系、軽作業、女性)

自閉症の特性により、苦手な業務がある方が実践している対策をまとめると、次のようになります。
【自分でできる対策】

・トイレ休憩や飲み物休憩を活用し、時間を区切りながら業務を行う
・優先順位を職場の人に確認し、業務の滞りを防ぐ
・得意な業務を率先して行うことで、苦手な業務を交代してもらいやすい雰囲気を作る

苦手な業務がある場合、職場の人にその業務を代わってもらうということも一つの対策といえます。しかし、苦手な業務の交代をいつも一方的にお願いすることは難しい場合もあることでしょう。自分の得意な業務を率先して行うことで、業務交代の依頼をしやすい状況を作ることができるかもしれません。

苦手な業務を交代してもらいやすい状況を作るには、ご自身の仕事への意欲を職場に伝えておくことも大切な対策といえます。得意な業務を率先して行うことは、ご自身のやる気を周囲に見せる機会にもなることでしょう。

また、人それぞれ得意なことや苦手なことは異なります。自分の得意な業務を苦手としている職場の方がいる場合、交代を申し出ると「お互い様」の雰囲気が生まれやすくなり、自分が苦手な業務の交代を依頼しやすくなる可能性が高くなることでしょう。日ごろから周囲の状況を観察しておくと、業務交代の申し出もしやすくなるかもしれませんね。

7.転職や就活では自閉症をオープンにするかクローズにするか

自閉症のある方の多くは、障害をオープンにするか、クローズにするかということで悩むのではないでしょうか?
それは、伝えるか伝えないかで、働き方が大きく異なるからです。

では、オープンにした方(障害者雇用枠で働いている方)と、クローズにした方(一般雇用枠で働いている方)では何が違うのでしょうか?

7-1. 自閉症をオープンにした方の体験

まずは自閉症であることをオープンにした方のコメントです。オープン就労のメリットとデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?

【オープン就労のメリット】

自分に障害があることは前もって話しておくとサポートが受けやすいかもしれません。障害を伝えるだけではなく、自分は障害からこんな特性があるということをじっくりと話し、分かってもらうことが一番です。その上で、どうサポートしてもらえるのか話されると安心に繋がります。
(メーカー・製造系、医療、介護、福祉、女性)

具合が悪いときは無理せずに時間を遅らせて出勤することは考慮してくれる。また仕事上で具合が悪くなったときも早退するように促してくださった。そしてお昼も事情を話してからは、自分の特別な空間を配慮してくださった。
(事務、女性)

質問の時間をあらかじめ決めておく、担当者やリーダーが声をかけてくれて仕事の問題点がないか確認などを受けました。自分の障害特性を知って、必要な配慮を理解してもらい、周囲に伝えてもらうなどといった気遣いを受けました。
(事務、女性)

【オープン就労のデメリット】

記憶が弱いことを話すと、自分の努力不足だと言われ、あなたはこの仕事に向いていないと言われた。病棟移動になったが、また同じような扱いを受け、対策どころか退職に追いやられた感じだった。
(メーカー・製造系、医療、介護、福祉、女性)

障害者雇用に関して、人事の方は比較的前向きだが、実際に働く現場の人は納得していない人が多いようだ。特に発達障害は目に見えない障害のため、受け入れる側としては、どのような配慮が必要かわかりにくく、受け入れには消極的なようだった。そのような状況だったため、心無い言動をする人がいて、配慮も十分ではなかったと思う。聴覚障害で定着している人はいるようだが、精神障害や知的障害の方は、入社してもすぐに辞めてしまう人が多いようだ。
(メーカー・製造系、軽作業、女性)

自閉症をオープンにして働くことのメリットとして、業務上のサポートや体調への配慮を受けられたという口コミが寄せられました。

一方、自閉症をオープンにして働くことのデメリットとしては、職場にて心無い言葉をかけられたという点が挙げられました。

【自閉症をオープンにして働くことのまとめ】

オープンで働くことのデメリットをみると、特性を説明したにもかかわらず冷遇されてしまう場合もあることがわかります。こうした点については、オープン就労のデメリットというよりは、多様な従業員と働く土壌が整っていない職場側の問題といえます。

自閉症といっても、その特性は一人ひとり異なります。自閉症は目に見えない障害であるからこそ、職場からの理解を得てストレスの少ない環境で働いていくためには、その特性を説明する必要があるでしょう。

職場としても、従業員に長く働いてもらうことを望んでいる場合が多いものです。特性を職場に伝えることは、長く働くことのできる環境を構築していくための重要な手がかりとなることでしょう。

7-2. 自閉症をクローズにした方の体験

次に、自閉症をクローズにして就労した方の口コミをご紹介します。クローズ就労のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

【クローズ就労のメリット】

自分の障害と言われる部分を活かして仕事を探し、個性とすれば、クローズでも何も困らず、みんなから褒めてもらえる。
(サービス・外食・レジャー系、男性)

【クローズ就労のデメリット】

時短勤務にしてくれた事は助かりましたが、「なぜお前は時短なんだ、事業所としての作業効率が上がらないから早く来い」「時短なんだから人より頑張って数字出さないと生き残れない、もっと頑張れ」と平気で言うような人が多く、非常に肩身の狭い思いをしました。 このような人が多いので障害のことを話すに話せず、指示の通りに動けないことを繰り返すうちに上司からの信用もなくなり居場所がなくなっていきました。
(IT・通信・インターネット系、コールセンター・オペレータ、男性)

常に人員不足の現場では障害のことを配慮するどころか、打ち明けられる環境でもないため、何を言われても受け流すか耐えられる鈍感さが必要でした。またお酒が入った人を相手にする関係上、言葉のサンドバッグにされることが多いですが、店長や社員はフォローする余裕もないので悩みを抱えがちになりました。
(メーカー・製造系、軽作業、男性)

私は障害を公開せずに働いていたのですが、やはり限界があったようです。障害の程度など人それぞれによりますが、たとえ一般雇用でも、できることなら障害や自分の状態を理解だけでもしてもらった上で働くことをお勧めします。
(サービス・外食・レジャー系、男性)

クローズ就労のメリットとしては、就労先の選択肢が広がる点が挙げられました。さらに、障害の特性と仕事内容や就労環境がマッチしている場合、仕事をするうえで困ったことは特にないという口コミも寄せられました。

一方、クローズ就労のデメリットとしては、自閉症の特性についての理解を職場から得られないため、仕事をするうえでストレスが溜まってしまうという点が挙げられました。

【自閉症をクローズにして働くことのまとめ】

こだわりの強さなど、自閉症の特性を活かすことのできる職務内容に就くことができる方や、体調が安定していて突発的な休暇などが不要な一部の方は、クローズ就労をしている方もいるようです。しかし、職務内容は配属先の移動などにより将来的に変更になってしまう場合があるという点には注意が必要です。

特性について職場からの理解があれば、ご自身がとる行動やその背景への理解も深まることでしょう。職場から特別な配慮がなくとも「職場は自分の特性を理解してくれている」という気持ちを持ちながら働くことは、安心につながります。ご自身の自閉症の特性について職場に相談することは、ストレスを軽減して長く働くための大切なステップです。

8.転職や就活の参考になる、自閉症のある方におすすめの企業

ここでは、自閉症のある方の口コミで評判の良い企業を紹介します。働きやすい職場を見つけるヒントにしてみてください。

株式会社アース・スターエンターテイメント
現場ごとに責任者さんが異なりますが、どの方でも体調が悪くなったときや精神的にきつくなったときは、遠慮なく打ち明けられます。イベント前の面談時に、会社側で配慮する点があるかどうかを確認してくださいました。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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株式会社EPファーマライン
直属の上司は毎週、人事部とは毎月面談がありました。業務内容から人間関係までご配慮頂けました。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★★
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株式会社くもん出版
教室長がとても人格者で、何か困っているスタッフに追加で仕事を振るなど、無理をさせるようなことはしませんでした。お子様の教育に携わっており、いろんな子がいることで対応経験が豊富で、特に障害のことを伝えたことはありませんが、働き易い環境に最大限してくれました。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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厚生労働省
質問の時間をあらかじめ決めておき、担当者やリーダーが声をかけて仕事の問題点がないか確認してくれました。自分の障害特性を知って、必要な配慮を理解してもらい、周囲に伝えてもらうなどといった気遣いを受けました。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★
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日本生活協同組合連合会
発達障害者に対する配慮があります。自分のような同時進行が苦手な発達障害への配慮が行き届いており、パニックになってしまうような作業をのぞいてもらったため安心して働けた。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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9.求人の見つけ方

9-1. 働き方によって選べる採用枠「一般枠」と「障害者雇用枠」

求人には、自閉症である事を告げないで働く一般枠(クローズ就労)と自閉症である事を告げて働く障害者雇用枠(オープン就労)があり、障害者手帳を所持している方は、どちらにも応募することができます。

先にも述べたように、自閉症をオープンにするか、クローズにするかといった選択は応募できる雇用形態にも影響してきます。
少し重複する部分もありますが、もう一度簡単に説明します。

「一般枠」は、自閉症であることを伝えずに仕事をします(=クローズ就労)。障害や病気のない方と同じように働くため、募集している職種の幅も広いでしょう。しかし一方で、自閉症への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しくなります。

「障害者雇用枠」は、自閉症であることを伝えて仕事をします(=オープン就労)。お願いしたい配慮事項をすり合わせ、周囲のサポートを受けながら働くことが望めます。

▼障害者枠(オープン)や一般枠(クローズ)についてはこちらでもご紹介しています。
障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説

9-2. 求人の見つけ方

①ハローワーク

障害や病気のある方を専用とした窓口があるため相談しやすく、障害者雇用に関する求人情報も扱っています。

ハローワークの相談員さんの細かな援助があった。
   (事務、女性)

▼参考: 厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

②行政サービス

ハローワーク以外にも、障害のある方の就労を支援するサービスは多くあり、支援の内容や利用できる対象者にあわせて全国各地に様々な施設が用意されています。

就労移行支援施設は、仕事のスキルを身につけることができる施設です。一般企業へ就職することを目標に、必要な知識や能力の習得を補助してくれるだけでなく、訓練や相談、定着支援なども行っています。

「就労移行支援事業所」の詳細は、こちらで紹介していますので、よろしければご覧ください。
ハローワークだけじゃない!障害者雇用枠の求人サービスを紹介

「就労移行支援事業所」を利用した方のコメントを紹介します。

【就労移行支援事業所】

スタッフが私のために色々と紹介してくれました。初めは人がいっぱいいたので、通えるかどうか不安でしたが、気持ちの落ち着かせ方やデータ入力などいろいろ学びました。

「自分は本当に就職できるのか?」と不安に思っている人もたくさんいると思います。私も、前職を辞めてから、トラウマもあってずっと不安でした。でも、就労移行支援事業所に通い、実習に行くことにより自信をつけることができました。
(小売・流通・商社系、軽作業、男性)

一からの就職は、1人で行うのはまず無理。なので「就労支援センター」等、就労をサポートする施設に当たった方が良いです。そういった施設を利用すると、社会人の心得や面接、そして就職後のトラブルにも対応しやすくなります。又、何をしたいか分からないなら、訓練校に行くことがオススメ。技量を身に付けてから就職出来るので、ミスマッチでやめるリスクも減るからです。
(不動産・建設・設備系、事務、男性)

就労移行支援施設は、学びや訓練の機会、そして生活リズムの見直しができることが最大のメリットです。また、履歴書の書き方についての指導や面接への同行といったサポートもしてもらえます。

就職や転職活動に必要なスキルやアドバイスを見極めながら、自分にあったサービスを利用してみるのも良いですね。

10.企業情報の集め方

会社の求人情報やホームページだけでは、あなたが実際に働くことになる職場の雰囲気を掴むことは難しいものです。できるだけ事前に自分の目で確かめてみましょう。

10-1. 事前に見学して企業の雰囲気を確認する

事前に職場を見学させてくれる企業もありますし、ハローワークや人材紹介会社のアドバイザーを介して見学をお願いすることもできます。口コミにも、事前に見学を行うことで面接だけではわからない職場の雰囲気を感じられたとの意見が多くみられます。

【就職する前に職場見学をした方からのアドバイス】

知人が仕事を紹介してくれるような状況は非常にありがたいですが、その場合は実際に職場に訪れて、在籍するスタッフさんがどのような仕事をしているのか、上長はどのような人かを一度確かめられればいいと思います。実際に働いてみないと見えない部分は多いですが、現場に一度行って、そこで働いている自分が想像できるかできないか、直感で判断すると意外とうまくいきます。
(マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンターテイメント系、軽作業、男性)

仕事内容だけじゃなく、空調が良いか、職場の人口はどれくらいかなどの環境面を知っておくことも大事だと思います。
(マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンターテイメント系、軽作業、女性)

10-2. 面接はその企業を良く知るチャンス

面接は、企業側があなたを審査するだけの場ではありません。大事なのは、あなたが企業に求めるものと、企業があなたに求めるものが一致することです。

不安や疑問に感じる点がある場合は、面接で質問しクリアにしておきましょう。具体的に聞いておきたい内容については、以下のコメントを参考にしてみてください。

【面接で企業の情報や職場の様子、自分に対する配慮などの情報を得るための工夫】

特に知的・精神障害のある方は、障害者枠の有無をキチンと調べるのはもちろんのこと、どんな配慮がされているかを、細かく尋ねたほうが良い。その時点で、①返事に具体性が無い、②対応がおざなりになるなど、ちょっとでもひっかかる点があったら、そこの企業は選ばないほうが良いと思う。 また、①自分は何が得意でどんなスキルがあるか、②1で言ったことをどのように仕事に活かしたいかなども、きちんとアピールしたほうが良い。
(IT・通信・インターネット系、技術系、女性)

自分の障害を隠して仕事をしようとするのは辞めた方が良いと思います。自分の障害を話した上で雇ってくれる会社は、本当に理解してくれるところだと私は思います。なので最初に包み隠さずに話して、理解してくれる会社に入るべきだと思います。
(小売・流通・商社系、女性)

もしかしたら採用されないかもと不安がらずに、面接や書類選考の時点でカミングアウトするのもいいかもしれません。その時点で好意的な対応をしてくれないのならば働き始めてからもたかが知れています。
(サービス・外食・レジャー系、女性)

面接で緊張しすぎて質問できなかったということが無いように、あらかじめ知りたいことをまとめておきましょう。準備をすれば心に余裕ができ、面接にも臨みやすくなります。

働きはじめてから大変な思いをすることになっては、大きな負担になってしまいます。心地よい職場環境で自閉症とうまく付き合いながら働いていくためにも、面接での質問のチャンスは大事にしましょう。

11.専門家からのアドバイス

仕事探しを考えている自閉症のある方へ、障害者雇用の専門家 みちしたさんからのアドバイスを紹介します。

■働くことを迷っている方へ

働きたい気持ちは持っているものの、最初の一歩がなかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
職場によっては自閉症に対する認知や理解が進んでいないところがある一方で、業務の交代や働きやすい仕組み化など工夫しながら、働く環境を整えているところもあります。

記事内には、自閉症の方におすすめの企業の紹介や、仕事の探し方なども記載されているので参考にしてみてはいかがでしょうか。
あせる必要はありません。少しずつ新しい働き方を見つけてみてください。

■これから働く方へ

仕事を探すにあたり大切なことは、自分でできる対策と周囲の配慮が必要な場面を整理することです。

記事の紹介にもあったように「積極的に質問する」「メモを活用する」など自分でできる工夫と、「集中できる業務」「働きやすい環境の整備」など企業に協力してもらいたい点をまとめてみましょう。
要点を整理することで、仕事を探す際に役立ちます。

みなさんが良い就職につながることを祈っております。

12.最後に

これまでの内容をまとめます。

・自閉症の特性による仕事の悩みは、次の4点について多く寄せられました。

  1. コミュニケーションに関する悩み
  2. こだわりの強さに関する悩み
  3. あいまいな指示がわからないという悩み
  4. 特性により苦手な業務があるという悩み
1.コミュニケーションに関する悩み
コミュニケーションが苦手という悩みについては、さらに細か3つに分類することができました。具体的には「言葉をそのまま受け取ってしまうという悩み」、「人の表情や声のトーンから気持ちや意図を察することが苦手という悩み」、「自分の言いたいことをうまく伝えられないという悩み」に分けて口コミを紹介しました。

それぞれ、自分の理解を整理して紙に書き出すことや、今までの経験を基に状況を整理し対応を考えること、言葉を飲み込みすぎず言いたいことを言うようにするなどの対策が寄せられました。

2.こだわりの強さに関する悩み
こだわりが強いという特性によって、仕事中に何か気になる点があると、そのことに気を取られてしまうという悩みが寄せられました。
こうした特性のある方からは、気になったことがあっても、ペースを崩さないよう心がけることや、疑問があれば自分で考え続けるのではなく、上司や同僚に質問するなどの対策が寄せられました。

3.あいまいな指示がわからないという悩み
言葉を文字通りに受け取ってしまうため、言葉に含まれた意図を汲みきれず、上司や顧客からのあいまいな指示がわからないという悩みが寄せられました。
対策としては、指示内容をメモに書き出して整理することや、周囲がどのように対応しているのかを観察し、自分も同様の対応ができるようにする対策が有効でしょう。

4.特性により苦手な業務があるという悩み
特性により苦手な仕事がある場合、仕事そのものが手につかない、仕事が終わらないという悩みが寄せられました。
対策としては、時間を区切りながら業務を行うことや、得意な業務を率先して行うことで、苦手な業務を交代してもらいやすい雰囲気を作ることもおすすめです。

・転職や就活をするうえで「自閉症をオープンにするか、クローズにするか」も多くの方が悩むポイントです。まずはご自分の症状を一番に考え、どのようなスタイルで仕事をすることがベストなのかを考えましょう。通院や急な体調不良による休みを必要とする場合は、配慮やサポートを受けやすい「クローズ就労=障害者雇用」も検討すると良いでしょう。

・自閉症と付き合いながら、理想の仕事や職場で働いている方も多くいらっしゃいます。自閉症の方におすすめの企業や業界、職種には傾向がみられますので、同じ自閉症をお持ちの方の意見も参考にしてみましょう。

これまでにご紹介した口コミは、ほんの一部です。症状も人それぞれ、企業の対応もそれぞれ異なります。

まずはご自分の症状や特性、できることできないことについてまとめてみましょう。そして、自分にあった職場を自分のペースで見つけてください。

気になる企業の様子やサポート状況は、事前に職場見学を通して自分の目で確かめることが理想的です。求人票ではわからない企業の様子を知るためにも、ハローワークの専門スタッフに相談したり、人材紹介の専門アドバイザーと一緒に就職活動を進めたりするのも良いですね。

さまざまな企業がある中で、あなたが幸せに働ける環境に出逢えることを、私たちは心から願っています。



▼自閉症のある方が働いている企業が一覧で確認できます。
満足度の高い企業や気になっていた企業の口コミをぜひこちらでチェックしてみましょう。

※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
皆さんの貴重な体験談は多く方へ届き役立ちます。ぜひ体験したこと、感じたことを教えてください。

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監修者

みちした

社会福祉士精神保健福祉士(ソーシャルワーカー、精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)の資格を持つ。障害者支援施設にて支援員を8年経験した後、福祉資格を持つ地方公務員として採用され、ソーシャルワーカーとして活躍。

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著者

鈴木 杏奈

より望ましい職業の選択や能力開発における相談・助言を専門とする国家資格「キャリアコンサルタント」のほか、米国CCE, Inc.認定の「GCDF-Japanキャリアカウンセラー」の資格を取得。福祉・医療介護分野の研究などにも従事しています。

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