ナビゲーションブックの必要性やメリットを紹介してきましたが、作るとなると何から始めたらよいのか、どうやって言葉に表せばよいのか、わからないこともあります。
ここからは、作り方を順に説明していきましょう。
5-1.自分の悩みをあげてみる
まず、障害や病気により働く上で悩むことは何でしょうか?
例えば、仕事を辞めた経験があれば、その理由が悩みの1つになる場合もあります。その悩みを攻略しなければ、同じように仕事を続けられないかもしれないからです。
例として、口コミを見てみましょう。
【障害特性による悩みの事例】
・会話が読み取りにくく、言われたことを記憶するのが困難で状況に応じた行動が取れない。
(発達障害)
・身体がだるく疲れやすい。寝つきが悪く不眠の症状が出る。人と接することが苦手になる。
(うつ病、精神障害3級)
・予期せぬ出来事に遭遇してしまった場合に過呼吸や動機などの症状がでます。
(パニック障害)
・下痢が止まらず、日常生活にも支障がでている。電車通勤にたいへん苦慮している。
(過敏性腸症候群)
【苦手な仕事の事例】
・日によって痛む関節が変わるが、常にあるのは手の指の関節が曲がりにくく痛む為、重いものが持てない。
(関節リウマチ)
・電話応対や来客応対など、突発的なことには異常に緊張して対応できない。
(精神障害3級)
・小さい声や高い音などを上手く聞き取ることが出来ない。
(聴覚障害4級)
【精神的なことの事例】
気分障害の1つで躁と鬱を交互に繰り返し、躁の状態ではハイテンションになり、鬱の状態では気分の落ち込みや身体や精神が重たくなってしまう。
(双極性障害)
必要以上にミスを恐れているので、実際にミスをすると気分の落ち込みが激しい。立ち直りに時間がかかる。
(精神障害)
他人が何気なく言った言葉を悪い意味で解釈をして、その解釈により気分が悪くなったりする。
(統合失調症)
【通院に関することの事例】
入院しての手術で1ヶ月近く不在になること。かなりの回数の通院が必要となる。
(乳がん)
腎不全で血液透析を受けており、週3回5時間ほど通院が必要で勤務時間の調整が難しい。
(腎疾患、身体障害1級)
月に2度の通院と月に一度の血液検査、数カ月に一度の肺機能検査等が必須。
(全身性エリテマトーデス)
通院が必要で残業できないときや会社を休む必要がある。
(聴力障害)
5-2.自分でやっている対策、やりたい対策をあげる
できないこと、苦手なことを伝えるだけでは「働きたい」という意欲を伝えることはできません。できないけれどこんな工夫をしてやってみたい、苦手だけどこんな対策をすればできるという「やる気」を伝えてみましょう。
5-3.お願いしたいこと、相談したいことをあげる
自分の悩みと対策をまとめたあとは、その上で企業にお願いしたいことや相談したいことをまとめていきます。
ここは、以下の観点から必要なことをあげていくと良いでしょう。
- より働きやすい環境で長く働くためにあると良いこと
- より仕事の効率や生産性を上げるためにあると良いこと
- より障害や病気を悪化させないためにあると良いこと
いかがでしたでしょうか?
自分の悩みをあげて、自分でできる対策を考えてみる。そして対策だけではカバーできないことを企業に相談してみる。
ナビゲーションブックで整理していくことは、働きやすい環境を作っていく上でとても有効ですね。