内部障害を抱えながら仕事している方の中には、うまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば、外見からは分からないため、周囲の理解を得にくいことや、体調管理に気を遣うなど、疾患による特有の悩みを感じることはありませんか?
そんなときは、同じように内部障害を抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみましょう。今回のコラムでは189人の内部障害がある方の口コミをもとに
・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・職場から得られると嬉しい配慮やサポートはどのようなものか
といったアドバイスをご紹介していきます。
障害者雇用の専門家みちしたさん(社会福祉士、精神保健福祉士)にもアドバイスをいただきました。
仕事との向き合い方や職場について悩むこと、不安に感じることがある方は、ぜひ寄せられた声を、解決のヒントとしてください。
同じ姿勢をとらずに一定時間ごとに姿勢を変えて体をリラックスさせて緊張しないようにする。
(男性、心臓機能障害、弁膜置換)
通常のデスクワークであれば問題ないが、重い物を移動しなければいけないときは台車を使ったり、他の人にお願いしたりしている。
(メーカー・製造系、男性、心臓機能障害)
適度に休憩をとる、椅子に座る、水分補給を十分にとる。休む、無理をしない。
(金融・保険系、男性、心臓機能障害)
出来る限り機器の近くで作業しないよう配慮してもらった。
(IT・通信・インターネット系、男性、心臓機能障害、心臓ペースメーカー使用)
定時で帰らせてくれる。 体調が悪いかどうかを心配してくれる。
(サービス・外食・レジャー系、男性、弁膜症、人工弁使用)
重い物を持ち上げる事、激しい仕事をする事への配慮やサポ-トなどしてくれます。
(サービス・外食・レジャー系、男性、心臓機能障害、心臓ペースメーカー使用)
無理になるようなことはせず、軽いことをさせてもらっています。 そのために、自分の体のことをみんなに知ってもらうことが大事になります。
(不動産・建設・設備系、男性、人工弁使用)
じん臓悪化を抑える薬を飲んでいて、薬の作用でトイレの回数が増えてのどの渇きが激しいので、こまめにトイレと水分の補給を行うようにしている。 たまに、めまいもするので激しい時は上司に連絡して休憩するようにしている。
(メーカー・製造系、男性、多発性嚢胞腎)
実質週4日しか業務出来ないため、時間をやりくりして、効率良く業務を遂行している。
(小売・流通・商社系、女性、腎臓機能障害)
感染が怖いので職場では常にマスクをしている。小型のプラズマクラスター発生器を机のうえに置いている。
(IT・通信・インターネット系、男性、腎臓機能障害)
疲れやすい私を理解して、階段を多く利用する仕事を積極的に代わってくれたり、重いものを持つ仕事を積極的に行ってくれたりしました。勤務時間をずらしてもらえるかどうか持ちかけた時は、快く対応してもらえ、8時出勤を11時出勤に変えてもらえました。
(サービス・外食・レジャー系、女性、腎臓病)
通院日の退社時間の間際に仕事が入ってきて終わらない状況になっても、他の方がフォローしてくださり定時で帰れるよう支援してくださいました。
(コンサルティング・専門サービス系、女性、腎障害)
透析の通院を理解し会議時間の調整、代理の方の出席など配慮してくれる。
(IT・通信・インターネット系、男性、全身性エリテマトーデスによる腎臓機能障害、慢性腎不全)
あまり長時間の立ち仕事を行わないよう、時間の調整や座って作業ができる工夫を行っていた。また、作業中のマスクなど、化学汚染にも念のため気をつかっていた。
(メーカー・製造系、女性、呼吸機能障害)
出来るだけ無駄な動きをしない、休憩しながら動くこと、深呼吸をする、歩行時はゆっくり歩く。
(運輸・交通・物流・倉庫系、男性、呼吸機能障害)
通院のため定期的に早退をしていた。また、体調不良のため欠勤もあったが、事情を考慮してもらっていた。また、体調に合わせて作業を変更したり、事務作業に回してもらったりなどのサポートを受けた。
(メーカー・製造系、女性、呼吸機能障害)
嬉しかった点は、公務員でも障害者枠の非常勤だったので週30時間の勤務(7時間半×4日)で、平日にお休みが一日あったこと。
(サービス・外食・レジャー系、男性、呼吸機能障害)
障害者福祉を事業としているため、体の状態を理解してくれている。
(サービス・外食・レジャー系、男性、慢性呼吸器疾患)
移動の電車では、優先席が空いてたら座ります。 無理だと思ったら、席を外して休息を取るようにしています。 切迫した仕事は、極力入れないようにお願いしています。
(運輸・交通・物流・倉庫系、男性、肝機能障害)
仕事に入る前に段取りを立てて、出来るだけ短時間で済むようにする。コールドプレスジュースを飲む。体を冷やさない。残業を出来るだけしない。とにかくストレスがたまると体のだるさと合わせて動けなくなるので、こまめに休む事を心がけている。
(マスコミ・広告・デザイン・ゲーム・エンターテイメント系、男性、肝機能障害)
周りの方に、自分は感染症に弱い事、またなってしまった場合に大変な事を伝えておく、そして、自分でできる、手洗いうがい、消毒、2重マスクの徹底をし、帰宅したらまず全身着替えてお風呂に入るという工夫をしていました。
(サービス・外食・レジャー系、不明、胆道閉鎖)
業務量や納期が遅れたりミスをしても職場のメンバーは優しく接してくださり、困ったことがあれば何でも相談してねと親身に対応してくださいました。また、仕事中に体調が悪いときは早退や社内で休ませていただいたこともあった。
(メーカー・製造系、女性、肝機能障害)
入社当時は営業車両の整備士として採用されたが、体力がついていかなくなったので退職を考えて当時の上司に相談した所、運転士への配置転換をして頂きました。 症状が悪化して手帳を申請した事を相談したら、総務部門へ異動させて頂き一身上の理由で退職する際にも気遣って頂きました。
(運輸・交通・物流・倉庫系、男性、肝機能障害)
まず、行った先でトイレの場所を確認する。長時間の会議前には、便の処理をしてから臨む。
(メーカー・製造系、男性、直腸機能障害)
とにかく便の漏れが一番の悩み。仕事も体を動かす仕事なので、パウチの周りをテープで補強して体の動きに合わせられるようにしたり、蒸れないように通気性の良い腹巻をして動く度に生じるズレを軽減したりしている。また、便の排出はこまめに行い、動きやすい状態をキープしている。
(男性、直腸機能障害)
バイトをするにあたり、他のパートさんにカミングアウト。また、どういう疾患でどういうことが考えられるかの説明をして、理解してもらうことが大切。私の場合、人工肛門とは便が袋に溜まるもので、決まった間隔で便を排泄しなければならないこと、その際は強い便臭が伴うことを説明した。便秘になると腸が壊死してしまうため、便秘になってはいけないということも説明した。
(女性、直腸機能障害)
休憩時間ではないにもかかわらず、排泄の時間をとってくれた。申し訳なくて休憩を取らないと、必ず誰かが声をかけてくれるという環境だった。個人の農園なので制度とかはないが、働いている方一人一人が理解してくれて、働きやすい職場だった。
(女性、直腸機能障害)
時間管理ではないこともあり、平日週2回の通院を勤務時間内にさせてくれている。
(メーカー・製造系、男性、直腸機能障害)
ストーマに問題が起こった時はトイレに行かせてくれたり早退させてくれるなどの配慮がある。
(メーカー・製造系、男性、直腸機能障害)
腹痛が発生した際に行動できるようにトイレの場所の把握を最優先にしておりました。なるべく残業しないようにし、体力面についても気を付けておりました。あとは、食事面でも細心の注意を払うように心がけていました。
(不動産・建設・設備系、男性、クローン病)
通院をする日程は事前に決まっているので、有給休暇の申請を直前ではなく、かなり早めにすることにより問題なく通院をすることが出来ています。忙しい期間に通院する場合は一日の仕事量を少しずつ増やすことにより、通院の時間働けない分をカバーしました。
(IT・通信・インターネット系、男性、クローン病)
なるべくこまめにお手洗いにいき、急に便意をもよおさないように心がけています。 また食事も外食を控えています。
(サービス・外食・レジャー系、男性、クローン病)
具体的にはトイレに何度も行くので、気を遣っていつでも現場から離れられるようにしてくれました。また、急に休む事も多くありましたが、嫌な顔せずに休みを変わってくれました。
(サービス・外食・レジャー系、男性、クローン病
病気によりいわゆる一般的な窓口勤務が難しかったため、窓口業務や外出するような勤務は最小限だった。
(IT・通信・インターネット系、男性、クローン病)
過度な労働にならないよう、責任を上司と分担することで精神面でのケアをしてくれただけでなく、時間外勤務時間を軽減することで心身ともにストレスを軽減し症状が酷くならないよう配慮があった。また、有給休暇も比較的自由に取得させてもらい定期通院についても支障なくできている。
(金融・保険系、男性、クローン病)
飲み会のときは自分が食べられる店か聞いてくれたり、 なにが食べられるか聞いてくれたりする。 そういったところはとても親身になっている。 だが、知らない社員もいるので、なんでと思われることもある。
(サービス・外食・レジャー系、男性、クローン病)
ダメだと思ったら早退、有休をいれること。無理をせず、休みながらやっていくこと。
(男性、HIV)
こまめにうがいと手洗いをする。怪我をしないよう細心の注意を払っています。
(小売・流通・商社系、男性、HIV)
会社の上司に理解をしてもらえるように説得をしたこと。今回の障害の内容は非常にセンシティブな問題でもあるため、上司にはそれ以上の口外はしないようにとお願いをした上で、信用し相談をしたことにより、周りに周知せず上司の権限で休みを取得できるようにしてもらえたこと。
(サービス・外食・レジャー系、男性、後天性免疫不全障害)
病気だけではなく、セクシュアリティなど、ダイバーシティは自然と実践されています。 業務の状況によっては思うように休めないこともありますが、その分事務所スタッフがお互いに融通し合って休んだり出来るよう調整することがあります。 スタッフの数が少ないため、風通しの良い職場だと思います。
(サービス・外食・レジャー系、男性、HIV)
私が後天性免疫不全障害であると言う事実を知らないものの、平日に必ず病院に通院しなければならないことには、深い事情を聞かずとも理解を示してくれました。やはりその点においては周囲の人柄によるものだと思います。
(サービス・外食・レジャー系、男性、後天性免疫不全障害)
健康保険組合の方にも専門の知識を有する担当者の方を指定してくださったので、病気に関する知識を深めたり、気持ちが落ち着かない場合は、カウンセリングをしてくださいました。
(運輸・交通・物流・倉庫系、男性、HIV)
持病については上司だけに話しており、困ったら相談するよう言われていた。仕事内容は自分にあっているし、残業も少ない。
(男性、HIV)