クローン病とうまくつきあいながら働くために、悩みと対策を徹底紹介

クローン病とうまくつきあいながら働くために、悩みと対策を徹底紹介

クローン病を抱えながら仕事している方の中には、うまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、仕事中に急な腹痛に襲われることや、会食への参加が難しいことなど、疾患による特有の悩みを感じることはありませんか?

そんなときは、同じようにクローン病を抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみましょう。今回のコラムでは54人のクローン病がある方の口コミをもとに

・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・どのように仕事を探したか

といったアドバイスをご紹介していきます。
また、障害者雇用の専門家みちしたさん(社会福祉士、精神保健福祉士)にもアドバイスをいただきました。

仕事との向き合い方や職場について悩むこと、不安に感じることがある方は、ぜひ寄せられた声を解決のヒントとしてみてください。

*この記事はみちしたさんに監修していただきました
みちしたさん

社会福祉士・精神保健福祉士(ソーシャルワーカー、精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)の資格を持つ。障害者支援施設にて支援員を8年経験した後、福祉資格を持つ地方公務員として採用され、ソーシャルワーカーとして活躍。


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目次

1.クローン病とは

2.クローン病の特性による仕事の悩みと対策

3.転職や就活ではクローン病をオープンにするかクローズにするか

4.転職や就活の参考に、クローン病のある方におすすめの企業

5.求人の見つけ方

6.企業情報の集め方

7.専門家からのアドバイス

8.最後に

1.クローン病とは

クローン病は主として若年者にみられ、口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起こりえますが、小腸と大腸を中心として特に小腸末端部が好発部位です。非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)を特徴とします。それらの病変により腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じます。

引用:難病情報センター

クローン病は、小腸や大腸などに痛みを伴い、下痢により頻繁にトイレへ行く必要もあるなど、仕事に大きな影響を与えます。
では、クローン病のある方が仕事をするうえで具体的にどのような悩みを抱えているのか、詳しくみていきましょう。

2.クローン病の特性による仕事の悩みと対策

仕事をするうえでの悩みやその対応方法について、クローン病のある方から寄せられた口コミをみていくと、次のように4つに分類することができました。

  • 腹痛や下痢に対する悩み
  • 食事制限による悩み
  • クローン病ならではの悩み
  • 人工肛門やストーマによる悩み

それぞれの項目について、悩みの具体的な内容と、ご自身がとっている対策、職場から得られると嬉しい配慮などについて、口コミをご紹介していきます。

2-1. 腹痛や下痢に対する悩み

クローン病のある方の多くは、突然の腹痛や下痢にストレスを抱えています。仕事中の具体的な悩みの内容について、口コミをみていきましょう。

【悩み】

ある日突然、トイレに行きたくなりひどくなるとトイレにこもってしまいます。とにかく机に向かって仕事が落ち着いてできない。外の仕事が難しいです。
事務、男性

治療前になると体調が不安定になり、腹痛や下痢の症状が出て、作業を中断せざるを得ない時がある。
受付・窓口業務、女性

食事制限が多い。常に下痢気味で1日何度もトイレに行くので外出先でのトイレが心配。
経理、男性

体調を崩して入院していた時から退院後、3ヶ月間絶食をしていた時、お腹が空いているのに商品を客席まで運ぶのが精神的にまいってしまった。体調が悪い時は少量の食べ物でも腹痛でトイレに通うことが多く、仕事にならない。
飲食、男性

口コミからは、いつ腹痛になるのかわからない状態で仕事をすることへのストレスを抱えていることがうかがえます。そのため、トイレの場所が把握できていない状況での外出が不安という悩みがあることもわかります。

また、仕事中にトイレに頻繁に行ったり、しばらくトイレから出られなかったりすることも、仕事をするうえでの悩みにつながっているようです。

それでは、こうした悩みがある方は、悩みとどのように付き合いながら仕事を継続しているのでしょうか?口コミに寄せられた対策をご紹介します。

【対策】

腹痛が発生した際に行動できるようにトイレの場所の把握を最優先にしておりました。なるべく残業しないようにし、体力面についても気を付けておりました。あとは、食事面でも細心の注意を払うように心がけていました。
不動産・建設・設備系、男性

店頭にお客さんがいないことを確認して、急いでトイレに行くようにしていました。急な腹痛には対応することが難しかったです。症状が悪化したときは、どうすることもできなかったので、やむをえずお休みをいただくことがありました。
販売・接客・サービス、女性

ご自身でできる対策としては、急に来る腹痛に備えて、外出先や通勤途中、移動経路などのトイレの位置をあらかじめ確認しておく方法があります。トイレの位置を確認できるアプリを活用することも、一つの対策といえるでしょう。事前にトイレの位置を確認しておくことそのものが、安心感にもつながります。

ご自身で実施できる対策に加えて、職場から配慮が得られると、クローン病のある方にとって一層仕事がしやすい環境となることでしょう。次に、職場から得られた配慮に関する口コミをご紹介します。

【職場の配慮】

下痢、食事制限があったので出来る限り内勤にしてもらった。
軽作業、男性

具体的にはトイレに何度も行くので、気を遣っていつでも現場から離れられるようにしてくれました。また、急に休む事も多くありましたが、嫌な顔せずに休みを変わってくれました。
介護、男性

病気によりいわゆる一般的な窓口勤務が難しかったため、窓口業務や外出するような勤務は最小限だった。
技術系、男性

病気に関して似た疾患というか下痢気味、便秘気味という人は、たくさんいましたのでトイレに行く時は、あまり周りの人が気にしないような気遣いはありました。あまりトイレに行くということが一番本人にとって気になることですので、この事に関して周りの人はトイレを使用中でも優先してくれました。
事務、男性

口コミをまとめると、職場が実施できる配慮は次のようになります。

  • トイレに行きやすい雰囲気をつくる
  • トイレのために離席しやすいよう、配置換えや仕事内容の変更を検討する

クローン病がある方の中には、トイレに行くという行為について、あまり詳しい事情を話したくないと考える方や、事情の共有は職場内の一部に留めたいと思う方もいらっしゃいます。

過剰に気にかける、他の従業員の前で声かけをするという配慮よりも、例えばトイレが埋まっている場合に「お先にどうぞ」という一言をかけるなど、さりげない配慮の実施が望ましいでしょう。

また、接客業など、職場以外の方と接する機会のある仕事内容は、トイレのために頻繁に離席することが難しい場合が多いものです。自分のタイミングでトイレに行けるよう、内勤の業務に配置変換を検討するなどの合理的配慮の実施も一つの方法といえます。

本人の希望と照らし合わせながら、働きやすい環境を共に構築していく姿勢のある職場は、クローン病のある方にとって働きやすい環境といえますね。

2-2.食事制限による悩み

クローン病は、食事内容によって体調が左右されてしまうことから、医師からの指示で食事制限をしている方が多くいらっしゃいます。食事制限をしていることは、仕事をするうえでどのような悩みにつながるのでしょうか。口コミをご紹介します。

【悩み】 

食べ物に制限があるので食事会に参加しても食べられないものがあると、さりげなく避けるので気をつかう。
一般事務、女性

ある一定以上の量を食べると、腹痛、嘔吐を繰り返し、布団で寝たままになる。
教育、男性

腹痛や下痢、発熱などの症状があり急にトイレに行かないといけない場合がある。食事制限もあるので会食や接待時に苦労する。
医療事務、女性

脂っこいものや刺激物を食べると腸内で炎症を起こし、機能不全等になってしまう。
警備、男性

食事の内容に常に気をつけることそのものに対するストレスに加えて、会食に参加できない、もしくは参加しても食べ物に常に気を遣わなくてはいけないという点が、悩みにつながっていました。

こうした悩みに対して、どのような対策が考えられるのでしょうか。口コミをみていきましょう。

【対策】

仕事中の食事は自分でするようにしている。
警備、男性

薬を欠かさず、ストレスをためないようにリフレッシュしながら、病気と付き合っています。また、飲み会はお酒や脂っこい食べ物を控えるよう心がけています。
飲食、男性

体調が悪い時は出来るだけ食べないようにして、どうしてもお腹が空いていたら、お粥や雑炊など消化に良い物を食べ、営業時間中に支障をきたさないように早めにトイレに行くようにした。
飲食、男性

クローン病により食事制限がある方がとっている対策をまとめると、次のように整理できます。

  • 昼食を持参するなど、自分で食事をコントロールできる状況をつくる
  • 会食に参加する際は、食べるものを自分で選ぶ

昼食など仕事中の食事に関して、食べるものの内容や量を自分で管理しているという口コミが寄せられました。昼食を持参していれば、同僚や顧客からの急な外食の誘いにも「お弁当を持ってきているので」と角を立てずに断ることができるかもしれませんね。

仕事の都合や職場の親睦のため、会食に参加する必要がある場合は、できるだけ脂っこい食事を避けるという対策が寄せられました。

クローン病の症状の程度は一人ひとり異なります。そのため、症状によっては、会食への参加が可能な場合もあります。ご自身の症状を見極めながら、医師と相談のうえ、ストレスにならない範囲で楽しむことも大切な工夫といえますね。

次に、クローン病により食事制限がある方に対して、職場としてどのような配慮が実施できるのか、口コミをみていきましょう。

【職場の配慮】

飲み会のときは自分が食べられる店か聞いてくれたり、なにが食べられるか聞いてくれたりする。そういったところはとても親身になっている。だが、知らない社員もいるので、なんでと思われることもある。
営業事務、男性

賄いの時も食べられない物の時は、別メニューを作ってくれたりします。
飲食、男性

クローン病がある方の中には、会食への参加を避けたいと思っている方もいれば、無理のない範囲で参加したいと考えている方もいらっしゃいます。

職場として、最も重要なことは本人の意向を確認することです。本人への確認の際は、次のような点について留意すると、話し合いがスムーズにできるでしょう。

  • 会食への参加が可能な場合、食べられるものや避けるべきものは何かを確認する
  • 会食の出欠確認に関する声かけを希望するかを確認する

医師からの指示により、会食への参加ができない場合「毎回断るのは心苦しい」と思っている方も少なくありません。このような場合は基本的に会食には参加できないため、「会食の声かけそのものを控えてほしい」と考えている方もいらっしゃいます。一方で、体調によっては参加できることもあるので、「出欠の確認は毎回とってほしい」という方もいるでしょう。

会食の参加に関する声かけの有無について、事前に本人の希望を確認しておくという配慮は、クローン病のある方にとって、職場での居心地の良さにつながることでしょう。

2-3. クローン病ならではの悩み

口コミをみていくと、クローン病のある方が職場で抱える悩みは、潰瘍性大腸炎など、その他の内部障害がある方が抱える悩みと傾向が似ていることがわかりました。ここでは、その中でも、その他の内部障害とは異なる、クローン病ならではの悩みについて口コミをみていきましょう。

【悩み】

腸から栄養を吸収する力がなく、痩せていってしまう。
人事、男性

体調がその日により異なるため、日によっては立っていることがきつく、長時間働くことができない時がある。便意をコントロールできないので、トイレに頻繁に行かなくてはならない。
受付、窓口業務、女性

薬の副作用で体調が急に悪くなったときに休みづらかったです。いくら自分でコントロールしても上手くいかないときもあるので、他の従業員に対して申し訳ない気持ちになりました。肉体的にも精神的にもWで追い込まれるので辛かったです。
販売・接客・サービス、女性

ご飯が食べられないので、持久力がない。
一般事務、女性

クローン病は、すべての消化管のうちどの位置にも炎症が起こる可能性がある疾患です。そのため、消化管の働きが弱くなって痩せていってしまうという悩みや、食事制限によって体力が落ちていってしまうという悩み、持久力が続かず、立ち仕事が辛くなってしまうなどの悩みがあることがうかがえます。

こうした悩みに対して、ご自身での工夫や対策をとっている方もいらっしゃいました。口コミをご紹介します。

【対策】

特に現場直行等は、自宅を出るまでに、2時間前に起床して腸を整えて出勤しています。この2時間で着替えや整髪も含みます。朝食は病気の関係上、食べられません。
小売・流通・商社系、男性

適度に休憩をはさみ、トイレに行くようにしていました。 疲れが多い時は、休憩室で10分程度横になっていました。 上司や同じ課員には、病気の事を伝えていて、気づける体制にしていた。
営業・営業補佐、男性

座ってできる作業をしたり、症状がきつくて辛い時は少し早めに休憩を取らせてもらえないか上司や同僚に相談しています。
受付、窓口業務、女性

体調を整えるために、朝は早めに起きるという工夫や、疲れを溜めずに仕事をするために適度な休憩をとることや、座って作業できるようにするという対策が寄せられました。

また、急に体調が悪くなった時のために、職場の人にご自身の症状や、体調が悪くなった際にお願いしたい対応について事前に知らせておくことも、大切な工夫です。緊急時に対応してくれる人がいるということは、働くうえでの安心にもつながることでしょう。

ここまで、クローン病ならではの悩みについて、ご自身で実施できる対策についてご紹介しました。それでは、職場が実施できる配慮には、どのようなことがあるのでしょうか。口コミをみていきましょう。

【職場の配慮】

立ち仕事をしていた時は、担当の方と相談して、座ってできる事務作業の時間を設定し、他の人より勤務時間を短くしてもらった。
受付、窓口業務、女性

勤務時間を短くし、シフトを組む方が希望の休みをとりやすくしてくれたので、通院などの調整がしやすかった。
受付、窓口業務、女性

体調が悪いときにも過度の干渉はせず、こちらが困ったときにだけ相談に乗ってくれた。
接客、男性

冷房や暖房の温度調節や、納期が近い案件の配分量を減らしたりしてくれました。
事務、男性

口コミを整理すると、クローン病の特性によって体力が低下してしまっている方に対して、職場としては次のような配慮の実施ができます。

  • 勤務時間を調整する
  • 体力的に負担の少ない業務への転換をする
  • 体調不良時に即座に伝えてもらえるよう、日頃からコミュニケーションを心がける
体調が悪いにも関わらず無理に業務を続けてしまうと、本人の病状の悪化や、仕事中の事故につながるおそれがあります。日頃から、体調が悪い場合にすぐに伝えてもらえる雰囲気づくりをすることは、職場の危機管理にもつながるでしょう。

2-4. 人工肛門やストーマによる悩み

クローン病がある方の中には、人工肛門やストーマを造設している方がいらっしゃいます。人工肛門やストーマを造設している方には、仕事をするうえでどのような悩みがあるのでしょうか。口コミをご紹介します。

【悩み】

腸閉塞になりやすくて、腹痛がしたら仕事はしんどい。人口肛門が漏れやすい。
接客、女性

人工肛門が仕事中に外れたりすると、付け直す場所に困る。
警備、男性

仕事中にパウチの漏れがないか気になってしまうという悩みや、もしも漏れたり外れたりした場合、対応する場所の確保が困難という悩みが寄せられました。こうした悩みに対して、ご自身で実施できる対策にはどのようなことがあるのでしょうか。口コミをみていきましょう。

【対策】

腹痛がしたらつらいので、食事は控えめにしてます。
接客、女性

仕事中はなるべく水分を取らないようにしてる。それでも我慢出来そうにない時は断ってから行く。
軽作業、女性

食事や水分摂取量を自分でコントロールし、なるべく腹痛にならないように注意するという対策が寄せられました。しかし、過度なコントロールは脱水症状の原因ともなりますので、医師と相談しながら、ご自身の状態にあった分量の食事や水分摂取量を見極める必要があるでしょう。

我慢せずにトイレに行くことは、病気の悪化を防ぐためにも重要です。しかし、例えばライン作業など、一人が抜けることで作業自体が中断してしまう業務内容の場合は、一言声をかけてから離席することは大切な工夫といえます。

ここまで、ストーマを造設している方が仕事をするうえで実施している工夫についてご紹介しました。次に、職場から得られると嬉しい配慮について、口コミをみていきましょう。

【職場の配慮】

病気の事を理解してくれていて、通院などは有給休暇を使ったり、振替で出勤したりしていました。
軽作業、女性

女性ばかりの職場なので、トイレに関してはとても理解があり、高齢の方も多いので突然の入院でお休みをもらう際にも臨機応変にシフトの交代を行ってくれました。
飲食、女性

ストーマを造設している方は、定期的な通院が必要な方が多くいらっしゃいます。休暇を取りやすい雰囲気のある職場は、クローン病のある方にとって働きやすい職場といえるでしょう。

また、ストーマを造設している方は、ご自身のタイミングでトイレに行くことができる環境が必要です。職場としては、ご本人がトイレに行くことに気後れしないような雰囲気づくりができるとよいでしょう。具体的には、作業を抜けても問題のない業務スケジュールに調整する、離席しやすい仕事内容にするなどの対策が有効です。

3.転職や就活ではクローン病をオープンにするかクローズにするか

クローン病のある方の多くは、障害をオープンにするか、クローズにするかということで悩むのではないでしょうか?
それは、伝えるか伝えないかで、働き方が大きく異なるからです。

では、オープンにした方(障害者雇用枠で働いている方)、クローズにした方(一般雇用枠で働いている方)では何が違うのでしょうか?

3-1. クローン病をオープンにした方の体験

まずはクローン病であることをオープンにした方のコメントです。オープン就労のメリット、デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか?

【オープン就労の良い点】

過度な労働にならないよう、責任を上司と分担することで精神面でのケアをしてくれただけでなく、時間外勤務時間を軽減することで心身ともにストレスを軽減し症状が酷くならないよう配慮があった。また、有給休暇も比較的自由に取得させてもらい定期通院についても支障なくできている。
企画、立案、男性

入社してすぐ、事務・管理担当の方に病気のことを話したところ、社長にも共有していただけたようです。社長と話す機会があると毎回体調を聞いてくれます。事務の方も同じ部屋にいて、気さくで話しやすい方なので、いつでも気軽に声を掛けられます。健康保険や限度額認定証など、医療関係の手続きを直ぐにしてもらえるのがとても助かっています。社内で行う納会のお食事などもその方が用意していますが、クローン病は食べられない物が多いので色々気遣っていただきました。
技術系、女性

【オープン就労の悩み】

病気に対しての理解度が低かった。病気のことに対しては、事前に通知していました。トイレの回数が多くなるということや体力面でも落ち込む時があるという点を重役面接の時点で伝えていました。しかしながら、周りの理解は全くなく、上司からもトイレが多いと悪いイメージを持たれ、結局退職になりました。
不動産・建設・設備系、男性

足に障害を持った人とシフトを組まれることがあり、内部障害の私が動かざるをえないことが多く、体調が悪いと言えないこともあった。
受付、窓口業務、女性

内部障害のため、症状があるときは、休みや通院で配慮をしてくれたが、症状がなくなると、残業や休日出勤をさせられ、体を休めることが難しかった。
接客、男性

クローン病をオープンにして働くことのメリットとして、業務量や勤務時間、体調への配慮が得られる点が挙げられました。さらに、オープンにして就労していることにより、健康保険などに関わる各種社内手続きがスムーズにいくという口コミもありました。

クローン病をオープンにして働くことのデメリットとしては、トイレに行きにくい雰囲気であったことや、外見からはわからない障害であるために、症状がない時は業務量やシフトなどの配慮が受けられないという点が挙げられました。

【クローン病をオープンにして働くことのまとめ】

オープンで働くことのデメリットをみると、オープンで就労したにも関わらず、負担のかかる仕事内容を任されてしまうケースがあることがわかります。こうした点については、オープン就労したことによるデメリットというよりも、職場のクローン病に対する理解が乏しいことが原因といえるでしょう。

クローン病は、外見からはわからない障害です。職場としても、症状の詳細まで把握できていない場合もあるかもしれません。「体調が悪くなる」とは具体的にどのような状況なのか、体調が悪い時にはどのようなサポートが得られると働きやすくなるのかという点について、職場と情報を共有しておくことは、働きやすい環境を自ら創り出していくための重要なステップといえます。

3-2. クローン病をクローズにした方の体験

次に、クローン病をクローズにして就労した方の口コミをご紹介します。

【クローズ就労した方の体験】

病気のことは伝えていないが、特に困ったことはなく働いている。勤務のペースは希望を聞いてもらえるので通院するのに不自由はない。トイレがシャワートイレなので満足。
一般事務、女性

病状が安定しており再発もしていないので会社には病気の事は伏せてある。経験上、病気の事をカミングアウトして仕事上メリットとなることを感じたことがない。
福祉関係、男性

持病のことについては上司のみ知っているが、障害に関しては誰にも言っていない。週2日で短時間勤務なのでそれで十分。
受付、窓口業務、女性

クローン病だということも、身体がしんどいことも言えなかったので、支援されることはありませんでした。
軽作業、女性

症状が安定している方からは、特に職場に伝える必要性を感じていないという口コミが寄せられました。

クローズ就労の場合は、体調が悪いときも職場に伝えることができません。体調が安定しているのであれば心配する必要もないでしょう。しかし、いつ現れるかわからない症状に不安を抱えながら働き続けることは、長い目でみると難しいのではないでしょうか。

【クローン病をクローズにして働くことのまとめ】

症状が安定しており、勤務中に体調不良になる心配の少ない方や、職場との調整をせずとも通院時間を確保することができる一部の方は、クローズ就労をしていることがうかがえました。

しかし、長く仕事をしていると、仕事の負担が増えていく場合があるかもしれません。さらに、その時は安定していても体調に変化が訪れる可能性もあります。将来的に無理なく働くためにも、就労を開始する段階で職場とよく話し合っておくことが大切です。職場の理解を得たうえで働くことは、ご自身の安心感にもつながることでしょう。

4.転職や就活の参考に、クローン病のある方におすすめの企業

4-1. おすすめの会社、企業名

ここでは、クローン病のある方の口コミで評判の良い企業を紹介します。働きやすい職場を見つけるヒントにしてみてください。

株式会社猿楽庁
通院のために休みを取っても嫌な顔をする人は一人もいません。私以外にも持病がある方がいるようで、病気が原因で気後れすることはありません。私がたくさん薬を飲んでいると「それ何?」と聞いてくる人はいますが、あくまでも雑談の範疇です。不躾に根掘り葉掘り聞いてくる人はいませんし、しつこく飲み会などに誘ってくる人もいないので、毎日気持ちよく働けています。また、クローン病はお腹が弱くなる病気なので私は勤務中トイレに行くことが多いのですが、社長や社員の方々の理解があるので、休み時間以外も気兼ねなく席を外せます。でも皆さん「病気に配慮している」というよりは、良識ある大人として当然の気遣いをしているという感じで、病気だから特別扱いされているわけではないと思います。
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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日本生命保険相互会社
営業目標の必達など厳しい部分もありますが、その他の部分は非常に和気あいあいとした職場で、育児のために時短勤務の方もいらっしゃるなど働き方も様々なケースが許容されています。サポートすることが当たり前の雰囲気があるため、育児やご家族の介護中で勤務のみに傾注できない方も問題なく働ける職場です。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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日本電気株式会社
事前に伝えておけば体調のこと、それ以外のことでも十分考慮してもらえる職場で無理せず働けます。体調が不安定で長期休暇をとったときも、定期的に連絡をしてくれて配慮がある職場だなと感じることができ、復帰したときも業務をしやすかった。
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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三菱電機株式会社
病気に対する理解があり、急なお休みを取らざるを得ない場合や早退などにも快く対応してもらえました。突然の体調不良などどうにもならない場合も多々あるため、非常に助かりました。
満足度:★★★★★
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▼クローン病のある方が働いている企業が一覧で確認できます。 満足度の高い企業や気になっている企業の口コミはこちらから。
クローン病(CD)のある方がお仕事、雇用をされている企業一覧



5.求人の見つけ方

5-1. 働き方によって選べる採用枠「一般枠」と「障害者雇用枠」

求人には、クローン病であることを告げないで働く「一般枠(クローズ就労)」と、クローン病であることを告げて働く「障害者雇用枠(オープン就労)」があり、障害者手帳を所持している方は、どちらにも応募することができます。

先にも述べたように、クローン病をオープンにするか、クローズにするかといった悩みは応募できる雇用形態にも影響してきます。
少し重複する部分もありますが、もう一度簡単に説明します。

「一般枠」は、クローン病であることを伝えずに仕事をします(=クローズ就労)。障害や病気のない方と同じように働くため、募集している職種の幅も広いでしょう。しかし、クローン病への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しくなります。

「障害者雇用枠」は、クローン病であることを伝えて仕事をします(=オープン就労)。お願いしたい配慮事項をすり合わせて、周囲のサポートを受けながら働くことが望めます。



▼障害者枠(オープン)や一般枠(クローズ)についてはこちらでもご紹介しています。
障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説



5-2. 求人の見つけ方

クローン病の方はどのようなサービスを利用して、求人を探しているのでしょうか?様々な求人サービスがある中でも、利用している方が多かった「ハローワーク」に関する口コミをみていきましょう。

【ハローワーク】

ハローワークの障害者雇用を利用し、担当の方と面談をしながら仕事を決めました。面接前に病気のことに関して企業の方にお話してくださっていたので、面接時にスムーズに配慮していただきたい点をお伝えすることができました。
小売・流通・商社系、男性

ハローワークには、障害や病気のある方を専用とした窓口もあります。専門のスタッフに相談しながら就職活動ができますので、活用してみてはいかがでしょうか?

▼参考: 厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」



▼障害者雇用に関する求人サービスを詳しく紹介しています。よろしければ参考になさってください。
ハローワークだけじゃない!障害者雇用枠の求人サービスを紹介



6.企業情報の集め方

会社の求人情報やホームページだけでは、あなたが実際に働くことになる職場の雰囲気を掴むことは難しいものです。できるだけ自分の目で確かめてみましょう。

6-1. 事前に見学して企業の雰囲気を確認する

事前に職場を見学させてくれる企業もありますし、ハローワークや人材紹介会社のアドバイザーを介して見学をお願いすることもできます。口コミにも、事前に見学をすることで、面接だけではわからない職場の雰囲気を感じられるとの意見が多くみられました。

【就職する前に職場見学をした方からのアドバイス】

やはり自分の足で希望する職場へ行き出来ることなら職場見学させてもらい、自分のイメージしていた職場と同じかそれに近いものがあるか確認し、その職場の部署ごとの雰囲気や環境等、自分の目で体験してから最終的に決める方がよい。
事務、男性

会社見学ができる時は、積極的にしてください。その会社の雰囲気や中で働いている人たちの雰囲気を見ておくのも良いと思います。 あと、急に休めるかどうか、通院の時の休める状況、トイレや休暇時間などは良く見ていた方が良いと思います。
軽作業、女性

就業稼働時間は細かく聞いておいた方がいい。社内の人間関係、トラブルはないか、個々の性格と行動パターンについては見学の時にしっかり見ておいた方がいい。設備についても細かく見て、聞いた方がいい。自分のことは全てオープンにした方があとが楽。
福祉関係、男性



6-2. 面接はその企業を良く知るチャンス

面接は、企業側があなたを審査するだけの場ではありません。大事なのは、あなたが企業に求めるものと、企業があなたに求めるものが一致するかどうかを確認することです。

不安や疑問がある場合は、面接で質問しクリアにしておきましょう。具体的に面接の場で聞いておきたい内容については、以下のコメントを参考にしてみてください。

【面接で職場の様子や配慮事項を確認するための工夫】

現在どの程度の障害を持っている人が、どれくらい在籍していて、どんな職種についているのか。過去に在籍した人がどれくらいの期間勤めていたかなどしっかり把握できているかどうか人事課に確認するといいと思う。 自分の障害をあらかじめ細かく伝えておいたほうが後々楽だと思う。
接客、男性

自分が今どういうことができて、どういうことに配慮して欲しいかなどははっきりと伝えた方が良いと思います。その上で、担当者と相談して決めていくことを重視するべきです。無理しないと働けないような仕事内容なら断ることも検討した方が良いと思います。 病気や障害に関してもきちんと伝えておいた方が良いと思います。病名は知っていてもどういう症状があって、どういう状態になるかまでは分からない、知らない人が多いと思います。
受付、窓口業務、女性

仕事内容の詳細をしっかり確認し、出来るか出来ないか等、会社の担当者ときちんと話し合いをした方が良いと思います。また、自分の病気や障害を伝える際、特性やどういうサポートが必要かも理解していただけるように話す必要があると思います。
受付、窓口業務、女性

面接で緊張しすぎて質問できなかったということがないように、あらかじめ知りたいことをまとめておきましょう。事前に準備をしておけば心に余裕ができ、面接にも臨みやすくなります。

働きはじめてから大変な思いをすることになっては、大きな負担になってしまいます。心地よい職場環境でクローン病とうまく付き合っていくためにも、面接での質問のチャンスは大事にしましょう。

7.専門家からのアドバイス

仕事探しを考えているクローン病のある方へ、障害者雇用の専門家 みちしたさんからのアドバイスを紹介します。

■働くことを迷っている方へ


クローン病を抱えている方が仕事をするにあたり、不安な要素が多くあることをお察しします。
仕事をする際は、トイレや食事制限、それによる体力不足など、さまざまな対応を考える必要があります。

働くことに二の足を踏んでいる方は、まずはどのような環境があれば働くことができるかイメージしてみてください。
まだ知名度があまりない症状なので、実際の職場でどのような配慮が必要なのか具体的に説明できるようにしておくと安心です。

理解ある職場は多くあります。少しずつ行動を起こしてみましょう。

■これから働く方へ

クローン病を抱えながらも意欲的に社会に出ようと考えている方、素晴らしく思います。

働き始める際に重要なのが障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)のどちらで職場を探すかということです。
記事の紹介でもあったとおり、周囲から何らかの配慮が必要な場合はオープン、不必要と感じる場合はクローズが1つの基準といえそうです。

周囲の理解を得ることで働きやすさが格段に向上するケースも多いので、慎重に選んでください。
大切なことは、自分らしく働くことができるかです。

まずはオープン、クローズ問わず希望の勤務エリアにどのような求人があるのか探してみてはいかがでしょうか。 よい職場に出会えることを祈っております。

8.最後に

これまでの内容をまとめます。

クローン病の特性による仕事の悩みは、次の4点について多く寄せられました。

  1. 腹痛や下痢に対する悩み
  2. 食事制限による悩み
  3. クローン病ならではの悩み
  4. 人工肛門やストーマによる悩み

1.腹痛や下痢に対する悩み

いつ腹痛になるのかわからないという状態で仕事をすることへのストレスが、悩みにつながっていることがうかがえました。こうした悩みへの対策としては、急に来る腹痛に備えて、外出先や通勤途中、移動経路などのトイレの位置を確認しておくという方法が挙げられました。

職場としては、トイレに行きやすい雰囲気をつくることや、トイレのために離席しやすいよう、配置換えや仕事内容の変更を検討するなどの配慮を実施できるでしょう。

2.食事制限による悩み

食事の内容に常に気をつけることそのものに対するストレスに加えて、会食への参加が難しいという点が、仕事をするうえでの悩みにつながっていることがわかりました。こうした悩みに対して、昼食を持参するなど、自分で食事をコントロールしやすい状況をつくることや、会食に参加する際は、食べるものを自分で選ぶという対策が寄せられました。

職場としては、会食の出欠確認に関して、毎回確認してもよいか、それとも声かけは控えた方がよいのかなど、本人の希望を把握するというサポートの実施が可能でしょう。

3.クローン病ならではの悩み

クローン病により消化管の働きが弱くなってしまい、痩せていってしまうという悩みや、食事制限などによって体力が落ちていってしまうという悩みが寄せられました。こうした悩みに対し、ご自身で実施できる対策としては、疲れを溜めずに仕事をするために適度な休憩をとることや、座って作業できるようにするという工夫が寄せられました。

職場としては、本人と話し合って希望を確認したうえで、勤務時間の調整や、体力的に負担の少ない業務への転換をするといった配慮の実施が求められます。

4.人工肛門やストーマによる悩み

クローン病によりストーマを造設している方からは、仕事中にパウチの漏れがないか気になってしまうという悩みや、もしも漏れたり外れたりした場合、対応する場所の確保が困難という悩みが寄せられました。こうした悩みに対しては、食事や水分摂取量をご自身でコントロールし、なるべく腹痛にならないようにするという対策が寄せられました。

ストーマを造設している方に対して職場が実施できる配慮としては、通院しやすいように業務スケジュールを工夫することや、ご本人がトイレに行くことに気後れしないような雰囲気づくりをすることが有効です。


・転職や就活を行う上でクローン病をオープンにするかクローズにするかも多くの方が悩むポイントです。まずはご自分の症状を一番に考え、どのようなスタイルで仕事をすることがベストなのかを考えましょう。通院や急な体調不良による休みを必要とする場合は、配慮やサポートを受けやすいオープン就労=障害者雇用も検討すると良いでしょう。

・クローン病と付き合いながら、理想の仕事や職場で働いている方も多くいらっしゃいます。クローン病の方におすすめの企業や業界、職種には傾向がみられますので、同じクローン病をお持ちの方の意見も参考にしてみましょう。

これまでにご紹介した口コミは、ほんの一部です。症状も人それぞれ、企業の対応もそれぞれ異なります。

まずはご自分の症状や、できることできないことについてまとめてみましょう。そして、自分にあった職場を自分のペースで見つけてください。

そして気になる企業の様子やサポート状況は、事前に自分の目で確かめることが理想的です。求人票ではわからない企業の様子を知るためにも、ハローワークの専門スタッフに相談したり、人材紹介の専門アドバイザーと一緒に就職活動を進めたりするのも良いですね。

さまざまな企業の中で、あなたが幸せに働ける環境に出逢えることを、私たちは心から願っています。



▼クローン病のある方のお仕事に関する口コミが多く届いています。ぜひ参考になさってください。
クローン病(CD)のある方のお仕事・職場口コミ一覧





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著者

より望ましい職業の選択や能力開発における相談・助言を専門とする国家資格「キャリアコンサルタント」のほか、米国CCE, Inc.認定の「GCDF-Japanキャリアカウンセラー」の資格を取得。福祉・医療介護分野の研究などにも従事しています。

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