双極性障害の人が仕事をするコツを3ステップで紹介

双極性障害の人が仕事をするコツを3ステップで紹介

双極性障害による気分の大きな波があっても、仕事を続けている方はたくさんいらっしゃいます。

中には、躁状態とうつ状態を繰り返すことで仕事が続かないという方もいらっしゃいますが、そのような場合は気分の波によりどのようなことに悩んでいるのかを具体的に考えてみましょう。例えば、以下の中で思い当たる悩みはありませんか?

・特にうつ状態の時の気分の落ち込みや疲れが辛すぎる
・周囲の方とうまくコミュニケーションがとれない
・薬の副作用で仕事中眠い

すべて双極性障害のある方の悩みですが、解決していく方法は少しずつ異なります。 つまり、仕事を続けるためには、仕事が続かない理由を具体的に見つけ、その理由に合わせた対策とサポートを得ることが必要になります。

このコラムでは、双極性障害のある方からアンブレに届いた体験談をもとに、仕事を続けるためのコツを3ステップで紹介していきます。

*この記事は久木田みすづさんに監修していただきました
久木田みすづ

大学で社会福祉学と心理学を専攻。精神保健福祉士・社会福祉士、認定心理士の資格を取得し、カウンセリングセンターにおいて、メンタルヘルス講座の講師や心理カウンセラーとして活躍する。その後、いくつかの精神科病院にて、うつ病などの患者さんや、その家族に対するカウンセリング・相談や支援に力を入れる。現在は、主にメンタルヘルス系の記事を執筆するライターとして活動中。




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目次

ステップ1:双極性障害による困りごとを把握して仕事ができない理由を考えましょう

ステップ2:自分なりの工夫や対策で働きやすくしてみましょう

ステップ3:仕事に必要なサポートや配慮事項を考えましょう

最後に

ステップ1:双極性障害による困りごとを把握して仕事ができない理由を考えましょう

まずは、仕事が続かない理由を考えてみましょう。
双極性障害だから仕事が続かないという方は、理由をもう一歩先に進めて考えてみてください。双極性障害の何が原因で仕事が続かないのかを知る必要があるからです。

そしてその原因は、仕事をする上での困りごとを知る事で明らかになってきます。

アンブレには、双極性障害のある方からのお仕事に関する体験談が600件以上届いています。その悩みをひとつひとつ見ていくと、「躁状態とうつ状態の変化」に悩む方は多くいらっしゃいますが、それが仕事に与える影響は少しずつ違うことがわかります。

もし、ご自身の仕事が続かない理由を具体的にできないときや確かめたいときは、同じ境遇の方の体験談を参考にしてみましょう。

ここからは、体験談を参考に双極性障害による困りごとを整理して、仕事が続かない理由を分析。その結果をタイプごとに取り上げて紹介していきますので、ご自身の様子と照らし合わせながらご覧ください。

仕事が安定して続かない理由は5つ

双極性障害のある方の体験談(口コミ)を見ていくと、仕事が続かない理由は大きく以下の5つに分類できます。

  1. 躁状態からうつ状態、うつ状態から躁状態へと気分の浮き沈みが激しく仕事に影響がでてしまう
  2. コミュニケーションをとるのが苦手
  3. 神経が過敏で周囲の影響を受けやすい
  4. ストレスに弱い
  5. 薬の副作用が仕事に影響する
そして、「1. 躁状態からうつ状態、うつ状態から躁状態へと気分の浮き沈みが激しく仕事に影響がでてしまう」ことに関しては、影響する事柄が人により以下のように異なります。

  • 集中力に差がでる
  • 気持ちや体調が極端に異なり仕事のペースが不安定になる
  • 気持ちや体調の落差から自己嫌悪や罪悪感をもちやすい
  • 睡眠障害を生じやすく、翌日の仕事にも影響する
  • 状態の変化は急にあらわれるため、遅刻や欠勤をすることがある
次は、それぞれの理由を深く掘り下げてみていきましょう。

仕事が安定して続かない5つの理由を深堀りする

理由1:気分の浮き沈みが激しく、仕事に影響を及ぼす

躁状態とうつ状態を行ったり来たりすることは、仕事にどのような影響を与えるのでしょうか?一番多かったのは、ハイテンションになりやすい躁状態と気分が落ちこむうつ状態では、仕事の取組み方に差が出ることでした。

その一つに集中力があります。躁状態の時は仕事のやる気に満ち溢れ、アイデアもどんどん浮かんできます。仕事に対するモチベーションも高く、疲れを感じにくいため集中力が持続します。

しかし、うつ状態の時はどうでしょうか?
躁状態の時とは逆に、仕事に対するモチベーションは低く、何もやりたくない状態が続くため集中力を保つことは難しくなります。そして、躁状態の時に頑張りすぎた分、うつ状態の時への反動が大きいのも双極性障害の特徴です

集中力に差があれば、当然仕事を進めるペースにも違いが出てきます。どんどんはかどる躁状態となかなか進まないうつ状態。同じ仕事に取り組んでいても、仕事を進めるペースは不安定になってしまいます。

これらが双極性障害によるものと知らない方々は、急な変化に驚くことでしょう。

そして、ご自身はその変化が自分の意志ではないことに、もどかしさを感じているのではないでしょうか。さらには一定の配分で仕事ができないことで自己嫌悪に陥る方や、周囲に迷惑をかけているのではないかという罪悪感を抱く方も多くいらっしゃいます。

このように、双極性障害により一定のペースで仕事ができない自分が嫌になる、そして周りに迷惑をかけているのではないかと不安が募り職場の居心地が悪くなることが、仕事が続かない1つの理由になっています。

また、双極性障害は睡眠にも影響を及ぼします。
躁状態の時は睡眠欲求が低いため不眠の傾向があります。しかし、睡眠不足により疲れを感じることは少ないでしょう。
うつ状態の時も一般的に不眠になりやすいと言われますが、人によっては「過眠」の傾向が見られることもあります。

このように、双極性障害による睡眠障害は症状のひとつです。眠れない不眠も、眠りすぎる過眠も、翌朝起きれない、仕事中眠くなるといった影響をおよぼし、仕事が辛くなって続けられなくなる原因の1つになっています。

双極性障害による睡眠障害や気分の激しい浮き沈みは、体調面と精神面に波を生じさせます。波は突然変化することも多く、その日の体調は朝起きてみないとわからないというケースも少なくありません。朝突然の体調不良に見舞われたとき、仕事を急に休むことはできますか?

無理して仕事に行って思うように仕事ができない、または休みをとりづらい、休めたとしても周囲の目が気になる。このような休むことへの不安は、職場の居心地を悪くし仕事が続けられなくなる原因の1つになっています。

理由2:コミュニケーションをとるのが苦手

双極性障害のある方からは、コミュニケーションをとるのが苦手だという口コミが多く届いています。

うつ状態の時は気分が落ち込みやすく、話すことに積極的になれない場合もあります。 また双極性障害は、躁状態の時とうつ状態の時で話すテンションが異なるため、周囲を困惑させているのではないかという心配や戸惑いから人と接することを避けがちです。

職場では、何気ない雑談から仕事に必要な会話まで人と話す機会は多く、話す相手も隣席の方から取引先やお客様まで多岐にわたります。
コミュニケーションを必要とする場を苦痛と感じたり、話さなければいけないという義務感を抱え緊張状態が続いたりしていませんか?

もし、コミュニケーションが苦手と感じているのなら、接客や来客対応、電話対応を主とする仕事や対外的な部署での業務内容が、仕事が続かない理由の1つになることもあります。

理由3:神経が過敏で周囲の影響を受けやすい

双極性障害のある方は、神経が過敏になりやすく、特に周囲の変化に影響されることがあります。職場であれば、室内の温度、騒音、話し声、イレギュラーな出来事などがそれらにあたります。

例えば、周囲の会話や空調の風が気になり、仕事に集中できなかったり、体調が優れなくなったりすることはありませんか?

その悩みを相談しやすい雰囲気や伝える機会があれば改善も期待できますが、ご自身の中でため込んでしまうと無理をしながら働くことになり仕事は続けづらくなります。

理由4:ストレスに弱い

ストレスはどんな方にも大敵です。過剰なストレスは心身に不調をもたらします。 特に神経が過敏になりがちな双極性障害のある方は、よりストレスへの耐性が弱くなることもあります。

仕事をすれば、様々なストレス要因に出会います。仕事が続かない理由としてこれまでに紹介したものもストレス要因のひとつです。

つまり、ご自身の悩みや不安を抱えた状態が続くことはストレスとなり、ストレスがたまっていけば心身に悪影響を与えることから仕事は続けられなくなるのです。さらに、ストレスにより双極性障害を悪化させてしまうかもしれないことにも気を付けなくてはなりません。

ストレスをためないためには、ストレスを発散することとストレスになる要因を回避することが必要です。その方法は次の2章と3章で紹介しますので、参考にしてください。

理由5:薬の副作用が仕事に影響する

双極性障害の症状を安定させるために、薬を服用している方もいらっしゃいます。仕事に取り組みやすいように服用しているにも関わらず、その副作用で仕事中に耐えられないほどの眠気に襲われる方、手の震えで思うように手が動かないという悩みを抱える方もいます。

仕事と向き合いたいと思っているのに、別の症状で我慢や無理をするのは辛いことです。その状況が続けば、やはり仕事を続けることは難しくなるでしょう。

副作用が辛いときは、薬を変えたり、飲むタイミングを見直したりすることで解決することがありますので、主治医に相談してみると良いでしょう。

仕事が続けられない理由を把握したら、次は自分でできることを考える

アンブレに届いた双極性障害に関する口コミをもとに、様々な悩みから仕事が続かない理由を紹介してまいりました。照らし合わせることで、ご自身の続かない理由を把握することはできましたでしょうか?

理由が把握できた方は、次のステップに進みましょう。
次は、仕事を続けるために自分でできることを考えていきます。少しの工夫や対策で、悩みは解決に近づくかもしれません。

仕事が続かない理由をリアルな口コミとともに紹介しているこちらのコラムもぜひご覧ください。
▼双極性障害(躁うつ病)により仕事が続かない理由とは?


ステップ2:自分なりの工夫や対策で働きやすくしてみましょう

アンブレには、双極性障害でありがながら仕事を続けている方から多くの口コミが届いています。ここからは、それらの成功体験をもとに、どうしたら仕事が続けられるのかを考えていきましょう。

仕事を続けるためには、ステップ1で把握した「仕事が続かない理由」を少しずつ乗り越えていく必要があります。乗り越えるためには次の2つの方法があります。

  • 自分でできる工夫や対策を心がける
  • 周囲に協力やサポートを相談する
まずは、「ご自身でできること」を考えていきましょう。

仕事を続けるためにできる工夫や対策は7つ 成功体験からは、様々な工夫や対策が見えてきました。今回は以下の7つにわけて紹介していきます。

  1. 自分を客観的に見て、躁状態とうつ状態の傾向を把握する
  2. 躁状態とうつ状態にあわせて仕事量を調節する
  3. 特性にあわせた仕事の工夫を心がける
  4. 気分転換やストレス回避を心がける
  5. 通院や服用により症状をコントロールする
  6. 自分に向いている仕事を考える
  7. 双極性障害(躁うつ病)についてオープンにする
仕事を続けられない理由は、人によって異なりました。しかし、自分でできる工夫や対策は 全ての仕事を続けられない理由=悩みに対して共通して取り入れたい内容です。

しかし、7つを一度に取り組むことは大変ですので、できることから少しずつ取り組んでみてください。

できそうな対策から取り組んでみる

対策1:自分を客観的に見て、躁状態とうつ状態の傾向を把握する

ご自身が今「躁状態」なのか「うつ状態」なのかわかりますか?
双極性障害は脳の病気であるがゆえに、転じるタイミングがわかりづらいと言われています。

しかし、気分の波や行動パターンを把握すると、それぞれの状態になる傾向をつかみやすくなります。またご自身の状況を客観的に振り返ることで、ハイペースなときの動向や落ち込んでいる理由を知ることもできます。

客観的にご自身を見るためには、日記を書いて自分を振りかえる時間を設ける手段が多く用いられています。気分の波を把握できれば、明日や今週の精神状態を予測することができるだけでなく、躁状態のときは頑張りすぎない、うつ状態のときは落ち込みすぎないように心がけることができます。

対策2:躁状態とうつ状態にあわせて仕事量を調節する

口コミでアドバイスとして多くあがった意見は「できるだけ仕事量を一定に保つ」ことでした。 双極性障害のある方は、躁状態の時は疲れを知らずどんどん仕事がはかどり、うつ状態の時はやる気が無くなってしまいます。躁状態の時の頑張りがうつ状態の時に反動としてあらわれ、一気に疲れてしまうという特徴にも気を付けなければなりません。

仕事を続けている方は、躁状態の時もうつ状態の時も、一定の仕事量をこなすように努めています。特に躁状態の時のペースを落とし、うつ状態の時への反動を抑える工夫が多くみられます。

そのためにも、先ほど紹介したようにご自身の躁状態、うつ状態それぞれの傾向を把握して、ご自身でコントロールできることが理想です。

対策3:特性にあわせた仕事の工夫を心がける

躁状態のときは、モチベーションを高く保つことができるため、仕事を頑張りすぎないようにブレーキをかける工夫が必要ですが、仕事の仕方という点においては、うつ状態の時に注目すると良いでしょう。

うつ状態の時はやる気が低下するために仕事のやり方がわからなくなったり、ミスをしたりすることがあります。

ミスをしないためには、メモをとり確認をする、マニュアルを作っていつでも同じように仕事に取り組める工夫が必要です。

また、わからないことはそのままにせず、確認することも忘れないようにしましょう。そして確認する時間をとるためにも、余裕のあるスケジュールをたてると安心です。

対策4:気分転換やストレス回避を心がける

業務の途中の息抜きや、休日の気分転換はできていますか?

ステップ2でも紹介したように、ストレスは精神障害のある方にとって大敵です。もちろんストレス要因を回避することは必要なことですが、ご自身でストレスをためない努力も大切です。

休日を利用した気分転換は、ストレス発散に効果的です。趣味や運動の時間を設けてリフレッシュするのも良いですね。

また、日々の業務でもちょっとした気分転換を心がけてみましょう。仕事に行き詰まったり集中力が途切れてきたタイミングでトイレへ席を立ったり、ドリンクを飲んでみたりするのもおすすめです。好きな香りを嗅いでリラックスするのも良いでしょう。

可能であれば1時間に5分程度の小休憩を取り入れることで、ずいぶん気持ちが楽になるというアドバイスも多くみられました。

まずは、自分ですぐできるリフレッシュ方法を取り入れてみましょう。

対策5:通院や服用により症状をコントロールする

症状をコントロールするためにも、通院や薬を服用している方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

症状そのものをコントロールできるだけでなく、通院や服用が安心感につながることもメリットのひとつです。
働くことに対する主治医の意見を参考にしたり、仕事への影響を考えて副作用の少ない薬を検討したりすることも必要です。

ただし、仕事をしていると通院する時間が無いというケースもあります。休日に通える病院や会社の制度を利用するなど、調整しながら治療と仕事の両立を心がけてください。

また、会社によっては勤務中の通院を考慮してくれるところもあります。このような会社に相談したいサポートについては、ステップ3で紹介していきますので参考になさってください。

対策6:自分に向いている仕事を考える

仕事を選ぶときは、どのような基準で選んでいますか?
仕事を続けるためには、どのような仕事をするのかということも大きく関わってきます。

仕事には様々な業界や職種があります。特に職種は、どのような業務をどのような環境でどのように進めるのかという条件に直接関係します。

仕事が続かない理由で紹介した「コミュニケーションが苦手」な方は、接客やグループで取り組む仕事よりも、ひとりでコツコツ行う仕事の方がストレスを感じにくいでしょう。

今担当している業務や環境に苦痛を感じている方は、業務のどの部分を苦痛に感じているのか、どのような環境を苦痛に感じているのかを挙げてみると、改善点が見えてきます。

業務内容や環境の変更は職場に相談する必要がありますが、相談すべきことの整理は、自分で取り組めることです。漠然とした悩みはその理由考えて、自分に向いている仕事や働き方をより具体的にしていきましょう。

対策7:双極性障害(躁うつ病)をオープンにする

ご自身でできる仕事の工夫を紹介していきましたが、双極性障害であることを伝えることが一番必要なことなのかもしれません。

躁状態とうつ状態の変化による体調や働き方の違いを、やる気がないなどと誤解されることも少なくありません。それが原因で人間関係がギクシャクし働きづらくなっては仕事を続けることはできません。

また、急な体調不良や通院のために休みが必要なときも、予め双極性障害であることを伝えておけば相談しやすくなります。

このように、双極性障害であること伝えることは働きやすい環境に近づくためにも必要なことですが、大切なのは伝え方です。

双極性障害の症状や傾向は人により異なるので、ご自身の特徴を詳しく伝えることが重要なのです。そして、理解を得られれば、自分の望むサポートや協力を得る事にもつながります。そのためにも、まずは自分のことをご自身で把握することが大切ですね。

仕事を続けるためにできることをリアルな口コミとともに紹介しているこちらのコラムもぜひご覧ください。
▼双極性障害(躁うつ病)でも仕事を続けるためにできること7選


自分でできる対策に加えて、職場のサポートがあればさらに心強い

ここまでは、仕事を続けるためには、自分の悩みを把握し、自分でできる工夫や対策を心がけることの必要性を紹介してきました。

しかし、工夫や対策だけでは職場を働きやすい環境に変えられないこともあります。できないことは、周囲のサポートや配慮で補うことができれば、より前へ進めますね。

次は、職場に相談したいサポートについて詳しくみていきましょう。

ステップ3:仕事に必要なサポートや配慮事項を考えましょう

サポートについても、アンブレに届いた双極性障害の方の口コミがとても参考になります。サポートや配慮のある職場で働いている方のほうが、ない職場で働く方に比べて満足度が高いことがわかるからです。

仕事に必要な職場サポートは4つ

口コミを見ていくと、双極性障害のある方が必要とする職場サポートは大きく分けて4つありました。

  1. 個人にあわせた接し方をしてくれる
  2. 休みやシフトの調整がしやすい
  3. 仕事のやり方を考慮してくれる
  4. 仕事内容を評価してくれる
それぞれを詳しくみていきましょう。

必要なサポートを相談してみましょう

サポート1:個人にあわせた接し方

一番うれしい職場のサポートとして意見が多かったのは、個人にあわせた接し方をしてくれることでした。悩みがそれぞれ人によって異なるように、周囲の方に望む自分への接し方にも様々な意見がありました。

双極性障害のある方は、体調への不安に加えて仕事のペースや内容、周囲から視線など様々な心配ごとを抱えています。
そんなときは、仕事の状況確認や体調を気づかった声かけをしてもらうことで、不安が和らぎます。

また、体調が優れないときや聞きたいことがあったときでも、自分から声をかけられない方や、声をかけるタイミングがわからない方もいます。そのような方にとって、常に話しやすい環境があることは、それだけで安心感につながります。

そして、双極性障害の方ならではの声掛けもあります。躁状態のがんばりすぎる傾向を知らせるための声掛けです。自分では気付きづらいハイテンションな躁状態を、客観的に見て教えてもらえると、仕事量を一定のペースに抑えることができます。とてもありがたい声掛けですね。

コミュニケーションが苦手な方は、話しやすい特定の人を決める、もしくは決めてもらうと、周囲の方々とは程よい距離感を保ちつつ、仕事で確認すべき重要なことは聞きやすい体制を作ることができます。

サポート2:休みやシフトの調整

双極性障害による体調の波があり、その日の体調は朝起きてみないとわからないという方や急な体調不良で休まなくていけなくなる方も多くいらっしゃいます。

急な休みはお願いしづらいものですから、事情を理解し急な休みに対応してくれる、そして休んだときでもいつもと変わらず接してくれる職場であることが理想です。

また、忙しすぎる時間帯ではなく、できれば無理のない時間帯で体調を考慮しながら働きたいという方もいらっしゃるでしょう。

就労時間の融通がきく職場かどうか、休みがとりやすいか職場かどうかは、不安要素を減らすためにも確認しておきたい条件です。

サポート3:柔軟な対応

双極性障害のある方にとって特にうつ状態の時は集中力が低下しやすく、ミスをしたり躁状態の時にできた仕事がスムーズに行えなくなったりすることがあります。
また、コミュニケーションが苦手な方が電話や接客といった業務を担当する場合は、できない、やりたくないという思いを抱え続け、働きづらくなることもあります。

そのような仕事に対する不安感や苦手意識があるときは、例えばダブルチェックをお願いするなど周囲の協力を得ることや、自分にできる範囲の業務に変更してもらうことで、働きやすさが変わってきます。

またストレスの影響を受けやすい場合は、こまめな休憩をとる許可を得て、少しずつリフレッシュすることが効果的です。

このように、個々の要望にそった不安感やストレスを軽減するためのサポートは、仕事を続けるためにあってほしいサポートのひとつです。

サポート4:仕事への評価

躁状態の時の仕事ができる自分を知っているがゆえに、うつ状態の時の仕事が思い通り進まない自分に自己嫌悪に陥る方や、周囲に迷惑をかけているのではないかという罪悪感により、職場に居づらくなる双極性障害の方もいらっしゃいます。

そのように感じやすい方は、仕事に対する評価を得ることが、仕事を続ける励みになります。

大きな成果を上げることだけが褒められることではありません。日ごろの努力や同じミスを繰り返さなくなったなど少しの変化も十分に評価に値することです。そして周囲からの評価に限らず、頑張っている自分を自分が認めることも必要です。

仕事を続けるために必要なサポートをリアルな口コミとともに紹介しているこちらのコラムもぜひご覧ください。
▼双極性障害でも仕事を続けるために必要な4つのサポート


お願いしたいサポートを職場と共有する方法

職場にお願いしたいサポートが整理できたら、次は職場の方々に相談して協力をお願いしてみましょう。

しかし、入社前であれば面接などを利用して合理的配慮のすり合わせを行うこともありますが、すでに働いている場合は定期的な面談がない限り、話す機会やタイミングを見つけるのは難しいかもしれません。

そんな場合は、ご自身の気持ちや考えをまとめた「ナビゲーションブック」を作ってみましょう。

ナビゲーションブックは、自分の障害や病気のことを把握し説明するためのツールとして、履歴書や職務経歴書と一緒に利用することが多いのですが、就職や転職だけでなく働いている職場でも活用することができます。

ナビゲーションブックは、以下のこと順番にまとめることができます。

  • 困りごと(仕事が続かない理由)
  • ご自身でできる工夫や対策
  • 職場にお願いしたいサポート
中でも「トリセツ」は、質問に答えていくと、ご自身のことをA4一枚のシートにまとめることができるツールとしておすすめです。

まとめた1枚の用紙を見ながら話すことで、落ち着いて自分の気持ちを伝えることができますし、職場の方々に用紙を渡して話す機会を設けてもらうようにお願いすれば、より気持ちが伝わるはずです。

トリセツの使い方はこちらのコラムで紹介しています。
ナビゲーションブックは難しくない!作ってみよう自分のトリセツ


最後に

仕事を続けるためのコツを、3ステップに分けて紹介してまいりました。

  • ステップ1:双極性障害による困りごとを把握して仕事が続かない理由を考える
  • ステップ2:仕事を続けるために自分でできる工夫や対策を心がける
  • ステップ3:仕事に必要なサポートや配慮事項を考える

まずは、仕事が続かない理由を詳しく分析してみます。その理由は、ご自身の工夫で解決できることもあれば、職場のサポートを得ることで解決することもあるからです。また両方が必要な場合もありますね。

そして、ご自身の状況を職場と共有するときも、この3ステップがとても大切です。

企業の担当者に話しを伺ってみると、企業側は手順を踏んで話を聞くことで、その人が単なる要望だけでなく、自分のことをよく理解し努力をしていることや仕事への熱意を持っていることが伝わってくるため、要望を受け入れやすくなると言います。

一番大切なことは、双極性障害を悪化させないようにうまく付き合いながら仕事をすることです。無理をせず、ご自身のペースで取り組んでみてください。

【監修者:久木田みすづさんからのアドバイス】

双極性障害の症状のあらわれ方や気分の波の大きさや小ささは、個人によって異なります。そのため、同じ障害を持つAさんにはできても、自分にはできないことがあるかもしれません。

もし、そういう状況を体験しても落ち込む必要はなく、「症状による困りごとは人によって違う」という意識を持っておきましょう。そのうえで、自分の困りごとを把握し、それらに対する工夫や周囲からのサポートは何がふさわしいのかを理解することが大切です。

職場を選ぶ際は、可能な限り繁忙期があるサービス業などは控えた方が良いかもしれません。忙しい時期がある職種だと、心身ともに疲れやすいうえに、周囲の人もサポートしたくても手が回らないこともあるからです。

また、最近では自分のスタイルで行えるリモートの仕事も増えて来ているので、シフト調整や人間関係などの悩みが少ない環境を選ぶこともできますよ。




双極性障害(躁うつ病)のある方の体験談はこちらからもご覧いただけます
▼双極性障害(躁うつ病)のある方のお仕事・職場口コミ一覧




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監修者

大学で社会福祉学と心理学を専攻。精神保健福祉士・社会福祉士、認定心理士の資格を取得し、カウンセリングセンターにおいて、メンタルヘルス講座の講師や心理カウンセラーとして活躍する。 その後、いくつかの精神科病院にて、うつ病などの患者さんや、その家族に対するカウンセリング・相談や支援に力を入れる。現在は、主にメンタルヘルス系の記事を執筆するライターとして活動中。

著者

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