ADHDが原因による仕事のミスを減らし、働きやすくするためにお願いしたい8つのサポート

ADHDが原因による仕事のミスを減らし、働きやすくするためにお願いしたい8つのサポート

ADHD(注意欠陥・多動性障害)のある方は、注意が散漫になり仕事でケアレスミスをしてしまうことや、優先順位をつけることが苦手で仕事が時間内に終わらなかったりすることに悩みを抱えています。

そんなADHDのある方に必要なことは「職場のサポート」です。

ただし、症状が一人ひとり異なるように、職場に望むサポートは人によって異なります。そのため、サポートする側も何をどのようにサポートすればよいのかと戸惑うことがあります。

あなたも、ご自身の悩みや不安なことに対するサポートを望んでいるはずです。そのためには、まず自分の悩みを整理しながら、どのようなサポートが必要なのかを考えたうえで、職場の方々に相談してみましょう。

*この記事は松好伸一先生に監修していただきました
松好伸一先生

石巻専修大学人間学部人間教育学科 特命教授。保育士や幼稚園教諭、障害児支援に長年従事。またサービス管理責任者として障害者支援の経験を持つ。日本発達支援学会(監事)。発達障害や保育に関する教科書など著書も多数。




障害者雇用で転職をお考えの方、無料で転職相談しませんか?
発達障害のある方の面接のコツや求人の探し方をはじめ、仕事探し、転職活動自体のアドバイスも実施中。
すぐに転職するかわからない、障害者雇用で働くか迷っている方のご相談も承っていますご相談はこちらから

目次

サポート1.業務を変更してくれる

サポート2.指示の仕方を工夫してくれる

サポート3.優先順位を明確にしてくれる

サポート4.時間配分のアドバイスやリマインドをしてくれる

サポート5.仕事内容を一緒に確認してくれる

サポート6.程よい距離感を保ちコミュニケーションのとり方を工夫してくれる

サポート7.疲れやすさを考慮してくれる

サポート8.責めないでいてくれる

職場に必要なサポートを相談する方法

まとめ

サポート1.業務を変更してくれる

ADHDの特性により、苦手な業務があることに悩んでいる方は多くいらっしゃいます。例えば「聞く」、「メモを取る」、「臨機応変に返答する」などの対応が即時に求められる電話対応は、ADHDがある方が苦手とする業務の代表的な例です。

苦手な業務のある方は、どのようなサポートがあると働きやすいと感じるのでしょうか。口コミをご紹介します。

店長やほかのスタッフの皆さんは自分がこういう障害を持っていることを真剣に受け止めてくれて、その商品をあまり扱わないことに理解を示してくれた。代わりにほかのスタッフがその対応をしてくれた。
(男性)

耳からの情報処理に遅れがあるので、電話対応について相談したところ、どうしても電話番を行わなくてはいけない場合をのぞき、電話番から外してもらっています。
(事務、女性)

なるべく電話応対を代わっていただきました。
(女性)

苦手な業務に毎日あたらなければならない場合、それが例え1日のうちのほんの少しの時間だったとしても、大きなプレッシャーを感じるものです。プレッシャーのかかる毎日を過ごしていると、体調の悪化にもつながりかねません。

職場としても、苦手な業務を無理して続けてミスが増えるよりも、得意な業務に時間を費やしてほしいと望んでいることでしょう。まずはご自身が苦手な業務と得意な業務を把握した上で、職場に相談することが大切です。

そして苦手な業務を変更してもらうことができたら、目の前にある業務のクオリティを上げることに注力してみましょう。自分の業務を責任もってこなすことは、周囲からの信頼を得ることに繋がります。

サポート2.指示の仕方を工夫してくれる

ADHDのある方は、注意が他のことに移りやすいという特性があるため、指示を忘れてしまったり、作業の手順を飛ばしてしまったりというミスが起こりがちです。加えて、物事の優先順位づけも苦手な人が多く、一度にたくさんの指示をもらうと混乱してしまうという悩みもあります。

こうした悩みへのサポートとして、アンブレに寄せられた口コミをご紹介します。

①メモを取る時間を確保してくれる

仕事を教えてもらう時に必ずメモを取るのですが、説明してくれる相手の人がメモを取り終わるまで次の話に進むのを必ず待っていてくれました。
(販売・接客・サービス、女性)

説明を聞いてメモを取っている間、取り終わるまで次の説明に移るのを待っていてくれました。
(女性)

②指示は口頭だけでなくメモで渡してくれる

忘れっぽい私に対して口頭とメモを使って大事なことを話してくれた。
(軽作業、女性)

私への指示はメモを残して忘れないようにしてくれたり、一度にたくさんの業務を抱えないよう配慮してくれたりしました。
(女性)

③図やイラストを使って指示を出してくれる

私が言葉だけではイマイチ理解出来なかった時には、絵や図を使いながらわかりやすく解説してくれました。
(販売・接客・サービス、女性)

④声かけによりリマインドしてくれる

帰り際に忙しくなると、「忘れ物しないように」「バスの時間に遅れないように帰りなよ」と声をかけてくれました。
(女性)

指示を忘れないために、メモを活用するという工夫を取り入れている方は多くいらっしゃいます。しかし、早口で話されては、メモを取るスピードが追い付かないこともあります。そんな時、メモを取る時間を確保してくれるという配慮があると、安心できますね。

また、メモを紛失する心配のある方は、メールなど後で確認できるもので指示をしていただけるようにお願いしてみるのも良いでしょう。

指示を出す側としても、1回の指示で理解してもらえるのはありがたいことです。 職場に相談する際は、どのような指示の出し方であればより理解を深めることができるのかを説明しましょう。そして、それが結果として、双方の作業の効率化につながるということも忘れないように伝えましょう。

サポート3.優先順位を明確にしてくれる

ADHDには、作業を順序だてて行うことが苦手という特徴があります。優先順位がわからなくて納期に間に合わなくなったり、パニックになったりして、何回も指摘されては落ち込むことに、働きづらさを感じる人もいます。

こうした悩みを抱える方は、職場でどのような配慮があると「働きやすい」と感じるのでしょうか。口コミをみていきましょう。

同時進行で複数の事をやらなくてはいけない状況になっても「こっち優先でいいよ」などと、優先順位まで指示をしてくれるので助かりました。
(女性)

慌てなくていいと言ってくれた。優先順位が適切でないときに、そう教えてくれた。
(女性)

自分で優先順位をつけて行動するのが難しいという事を伝えて、臨機応変な対応が必要とされる時は、私が今やった方が良い事を口頭で指示してもらうようにして頂きました。
(女性)

私が慌てないように優先順位の表を作っていただいた。
(事務、女性)

口コミをまとめると、優先順位をつけることが苦手という人は、職場から次のようなサポートを得られると、より働きやすくなることがわかります。

  • 優先順位を明確にしたうえで指示を出す
  • 優先順位が決まっている業務の場合は、表などを作って本人が確認しやすいようにする

仕事をしていると、突発的に臨機応変な対応が求められることもあります。優先順位づけが苦手という特性を職場に認識してもらえば、仕事の指示と一緒に納期や重要度をはっきり聞くことができます。働くうえでのストレスも軽減されるでしょう。

サポート4.時間配分のアドバイスやリマインドをしてくれる

ADHDには、時間感覚が弱いという特性があります。そのため、準備にどれくらい時間がかかるかなどという時間の逆算ができず、仕事に遅刻してしまったり、仕事が時間内に終わらなかったりするという悩みがあります。

仕事の締め切りなど、約束を守るためのサポートについて、アンブレに寄せられた口コミをみていきましょう。

タイマーをつけるようアイディアをくれたり、作業に時間がかかっている時は様子を見に来てくれたりしました。
(女性)

いついつまでに提出してくれる?等と明確に指示を貰える様になった。
(営業、男性)

ADHDが故に苦手なことを把握してくれた上での仕事配分や時間の調整に積極的に協力してもらえた。
(女性)

締切間近になると声をかけてくれたり、同じ質問をしても優しく教えてくれたりしてくれます。
(女性)

時間管理が苦手な方は、職場の方々から次のような配慮が得られると、働きやすさにつながることがわかります。

  • タイマーなど、ツールの導入を許可してくれる
  • 時間配分を明確に指示してくれる
  • 仕事の時間配分を共に考えてくれる
  • 締め切りなどのリマインドをしてくれる

時間配分と共に指示を出すというサポートは、本人の普段の仕事のスピードや、得意・不得意な作業を把握していなければ、なかなか難しいものです。自分の得意な業務、時間がかかってしまう苦手な業務を職場と共有しておくことも、職場から配慮を得るために重要なことですね。

サポート5.仕事内容を一緒に確認してくれる

集中力が続かない、注意が散漫になってしまうというADHDの特性は、ケアレスミスをしやすく悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。自分でダブルチェックをしているにも関わらずケアレスミスが続くと、仕事への自信の喪失にもつながってしまいます。

ケアレスミスが多いという悩みがある方は、どのような配慮があるとミスを減らせるのでしょうか?職場から得られると嬉しい配慮について、口コミをみていきましょう。

Wチェックや書類のチェックを丁寧にしてくれて、そのことでミスがあっても症状を理解した上で対応してくれるようになりました。
(男性)

何度も確認の声掛けをしてくれて、ミスが無いようダブルチェックを欠かさず行ってくれました。
(女性)

常に私の近くには他の従業員がいて、ミスを防ぐサポートをしてくれています。
(男性)

タスク管理やケアレスミスなどの注意を一緒に行ってくれた。
(人事・経理・総務・企画、女性)

見逃しが厳禁な作業においては、自分の時間を削ってまで、一緒に作業を進めてくれています。
(営業、男性)

ケアレスミスは、複数の人が確認することで防ぐことができます。
しかし、確認を毎回依頼することに気が引けてしまう方もいることでしょう。

確認を依頼する際のストレスを少なくするためには、ケアレスミスはADHDの特性であるという点を職場に説明し、理解を得ておくことが大切です。そして、確認をお願いできる人を予め決めてもらうことで、より頼みやすくなります。

サポート6.程よい距離感を保ちコミュニケーションのとり方を工夫してくれる

ADHDのある方の中には、自分のことを話し続けてしまったり、おしゃべりが過ぎて失言をしてしまったりするなど、職場でのコミュニケーションに関する悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。

そのような悩みを抱える方は、周囲の方々とどのようなコミュニケーションをとることが働きやすさにつながるのでしょうか?

①チャットやメールを使ったコミュニケーションを取ってくれる

対人コミュニケーションが苦手なので、チャットやメールで対応してくれる環境が整備されている。
(女性)

社内チャットを導入しコミュニケーションを円滑にできるよう工夫していたところは非常に良いと思った。
(人事・経理・総務・企画、女性)

しゃべりすぎてしまうという悩みがある方にとって、チャットやメールなど、文字でコミュニケーションが取れるという配慮は嬉しいものです。文字でコミュニケーションを取ることによって、衝動的に失言をしてしまうということも減りそうですね。

そして、人との距離感を一定に保ちたいと思っているADHDの方も多くいらっしゃいます。

②適度な距離感を保ってくれる

休憩時間がかぶる事が少ないので、他の従業員の方の目を気にせず休む事が出来ます。
(女性)

休憩中1人になる事を許してくれました。
(女性)

お昼休憩の時間は1人で休憩を取ることができた。車の中で休めて安心した。
(女性)

苦手な人との昼休憩を時間差にしてくださっていた。
(人事・経理・総務・企画、女性)

コミュニケーションに悩んでいる方の中には「話しかけてもらえると嬉しい」と感じる方もいれば「適度な距離を保ってくれると嬉しい」と感じる方もいらっしゃいます。

まずは、ご自身がどのようなコミュニケーションのスタイルを望むのかを明確にすることが大切です。休憩時間を周囲の方とずらしたり、一人で居る時間を確保したりすることで、気分をリフレッシュすることができるという方もいます。

職場の人との適度な距離感を望むのであれば、休憩時間のタイミングについて職場に相談すると良いでしょう。

サポート7.疲れやすさを考慮してくれる

ADHDの方は、周囲の変化に過敏に反応したり、集中しすぎたりする傾向があるため、思った以上に疲れをためやすいものです。

例えば、周囲の環境に適応しようと毎日気を張って過ごすことや、頭の中で色んなことを考えてパニックになることはありませんか?
こうした状況はエネルギーを多く消費しますので、疲れやすさにつながってしまいます。

疲れやすいという悩みを抱えている方は、どのような配慮があると働きやすくなるのでしょうか。口コミをご紹介します。

①こまめに休憩をとらせてくれる

感情の起伏が激しく、落ち込み易かったりイライラしたり周囲に悪い影響を与えそうな時がありますが、そういった時は小休憩をとらせてくれる。
(事務、男性)

先輩たちは叱らないで多めに休憩を取らせてくれました。そのおかげで仕事をこなせるようになりました。
(女性)

こまめに休憩が取れる職場であれば、疲れを溜めることなく仕事を続けられそうですね。また、集中力が途切れやすいという悩みがある方も、こまめに休憩がとれれば、気分を切り替えて仕事に臨めます。

②体調や気分に応じて、業務量を気にかけ柔軟に対応してくれる

一人が休んでも他の人がカバーできるような体制を整えていたため、急に体調が悪くなっても気軽に休めた。
(男性)

体調が悪いときは勤務時間内でも横にならせて頂いたり、また心療内科への通院を勤務時間中に行かせて頂ける配慮があり非常にありがたかった。
(男性)

体調不良で休職時ゆっくり休んでくださいと言う言葉を頂いた。そして、復職してからも時短勤務でよいということを受け入れてくだり、とても感謝している。時短勤務でもなお、体調不良で休むことも多いにもかかわらず、気を遣ってもらい、よい対応だった。
(女性)

体調が悪いときは無理をせず休暇を取ったり、病院に行ったりすることが大切です。しかし、常に忙しい職場では、急な休みを申告することに気後れしてしまう方もいらっしゃることでしょう。日頃の声かけなどにより休暇を取りやすい雰囲気をつくり、さらに他の従業員が欠勤をカバーできるような体制を整えている職場は、まさに理想的ですね。

③感覚過敏など、周囲の環境に過敏な方へも配慮してくれる

オフィス内が騒がしく聴覚過敏で集中ができない場合は別室に行くことを許可してもらっていました。
(デザイナー・クリエイティブ、女性)

工場で人と関わりの少ない1人作業にし、単純な組み立て作業を希望し働いてきた。音がしないように耳栓とマスクをして集中するよう心がけた。
(女性)

触られるのが嫌なので気が付くまで名前で呼んでもらう。
(女性)

発達障害の特性として、感覚過敏がある方がいらっしゃいます。例えば聴覚が過敏な方は、落ち着けるよう静かな環境を用意してもらうことや、耳栓やヘッドホンの使用を許可してもらえると、集中して仕事ができそうですね。

また、触覚が過敏な方にとっては、肩をたたくなどの行為を避けてもらうという配慮があると、安心して働くことができます。

職場は、従業員に能力を発揮してもらいたいと思っているはずです。しかし、本人の困りごとがわからなければ、能力を発揮してもらうためにサポートすることもできません。
周囲の方々は、感覚過敏などの特性に気付きづらいものです。思い切って相談することで、双方にとっての良い環境づくりにつながるのではないでしょうか。

サポート8.責めないでいてくれる

ADHDがある方は、仕事のミスに責任を感じて思い落ち込むことがあります。さらに同僚や上司からも責められてしまうと、より大きなストレスを抱えることになってしまいます。

落ち込みやすいというADHDの方は、どのようなサポートがあると働きやすいのでしょうか。

間違えてしまったことを責めないでくれた。間違えやすいことでは、早めに声を賭けてくれ気づきを促してくれた。
(医療・介護・福祉、男性)

自分が少々の間違いをしても責めることはされない。自分の特徴には合わない仕事を代わってくれる人がいる。無理しすぎないように観察や声かけ、具体的な手伝いがある。
(医療・介護・福祉、男性)

職場の人がミスを責めないでいてくれるのは、次の点に理解があるからでしょう。

  • 本人がミスを防ぐ努力を精一杯していることがわかる
  • ADHDを理解している

本人がミスを防ぐための努力をしているかどうかで、その人に対する職場からの印象は大きく変わってきます。ご自身の努力を理解してくれる職場であれば、仕事にもやりがいを感じることができますし、安心して働き続けることができますね。

また、度重なるミスがADHDの特性によるものだとわからない方は、本人の努力不足だと勘違いすることもあります。周囲の方々にADHDの特性を詳しく説明し、理解してもらえれば、コミュニケーションの行き違いを避けることができるでしょう。

職場に必要なサポートを相談する方法

ここまでご紹介したように、ADHDのある方が職場に望むサポートは、一人ひとりの特性や仕事での悩みによって異なります。

職場の協力を得るためには、自分は何に困っていて、どのようなサポートが必要なのかということを、まずは把握することが必要です。さらに、それを適切に職場へ伝えるということも大切なポイントになります。

しかし、なかなか良い方法がみつからず、必要なサポートを職場に相談するのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

それでは、自分の困りごとを掘り下げ、必要なサポートを明確にするためには、どうしたらよいのでしょうか。ここからは、

  • 仕事が続かない理由や自分が悩んでいることを把握するための方法
  • 把握した内容を職場で共有する方法

これらを具体的にみていきましょう。


ナビゲーションブックを利用する

ナビゲーションブックは、自分の障害や病気のことを把握し説明するためのツールで、障害や病気のある方が就職や転職をする上で、履歴書や職務経歴書と同じぐらい大切なものなのです。

しかし、ナビゲーションブックは就職や転職だけでなく、現在働いている職場でも活用することができます。

ナビゲーションブックに決まりごとはありません。自分の障害や病気について、文章で説明できれば良いのです。ただし、ご自身が自分の障害や病気について理解していないと、適切に説明することはできません。だから、自己分析から始める必要があります。

自己分析は、以下の順番で行っていくとまとめやすくなります。

まずは、仕事における自分の困りごとを把握しましょう。
そして困りごとに対して自分でできる工夫や対策を考えてみます。
その上で周囲の協力やサポートが必要な場合は、その内容を挙げてみましょう。

このようにナビゲーションブックを作っていくと、自分のことを見直し、整理してまとめることができます。

▼ナビゲーションブックについて詳しく説明しています
ナビゲーションブックとは?作り方とメリットを紹介




ナビゲーションブックは簡単に作れる

「自分のことを文章でまとめる」のは難しいと思う方もいるでしょう。また、何から始めればよいのか迷う方もいます。

そのような方には、ナビゲーションブックを簡単に作れるツール「torisetu(トリセツ)」がおすすめです。

「仕事の悩み、自分で行っている対策、企業に相談したいこと」という順番で質問が出てきますので、選択肢から自分にあった回答を選ぶだけです。
最後まで答えると、自分のトリセツがA4サイズ1枚にまとまって出てきます。

トリセツ_ADHD悩み見本


トリセツ_ADHD工夫見本


トリセツ_ADHD配慮見本


トリセツ_ADHDまとめ見本


無料で使用できるツールですので、ぜひ一度チャンレンジしてみてください。





作成したご自身のトリセツは、A4サイズ1枚にまとまっていますので、ご自身のことを把握するだけでなく、そのまま職場の上司や同僚に見せて共有することもできます。

自分の考えを的確に伝えられるかどうか心配な方は、言いたいことが書かれたトリセツを見ながら説明することでよりわかりやすく伝えることができます。また話を聞く側も、トリセツを見ながら聞くことができるので、理解しやすくなります。

トリセツは、ご自身のことを把握するためだけでなく、共有するためのツールとしても活用できます。ぜひ試してみてください。

まとめ

職場に望むサポートには、コミュニケーション方法の工夫やダブルチェックをしてもらうというものまで、様々な内容がありました。職場がADHDの特性を理解し、配慮を実施してくれていても、それがご自身の望むサポートとマッチしない限り、働きやすさにはつながりません。

そのため、ご自身がどのようなサポートを必要としているのかを把握しなければなりませんし、その前提としてご自身の困りごとについても洗い出す必要があります。

ご自身のことを分析するときは、トリセツなどのナビゲーションブックを利用すると簡単に取り組むことができるのでおすすめです。

またサポートを求めるだけでなく、ご自身ができる工夫や対策を取り入れてみましょう。
そして、サポートをしてくれた周囲の方々へは、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

お互いが協力して働ける職場にしていきたいですね。

【監修者:松好伸一先生からのアドバイス】

「電話対応から外してほしい」「メモを取る時間が必要」「リマインドの声をかけてほしい」など『自分はお願いばかりしていて役に立っているのだろうか…』と思うのもADHD当事者に多くみられる二次的な特徴です。

そのため自己肯定感が低くなりがちで、「ちょっと手伝ってくれない?」と言われるとうれしくなり、どんどん引き受けてしまうこともあります。
そして、自己肯定感と自己有用感(頼られている自分は有用であり、仕事をしていない自分は無用なのだと感じること)の混同に陥ることがあります。

「自分はお荷物だ」「役に立っていない」と思うあまりに陥りがちなのですが、他者の仕事を引き受けるのではなく、自分の仕事の質を高めたりアプリのリマインダーを利用することで声掛けをお願いしなくても良いようにしたり、自分の範囲内でできることに目を向けて行くことが、まずは大切です。

人の役に立つのは、その次の段階ですね。無理なく仕事ができるようにすれば、集中が途切れたり忘れたりすることも減らせますので、自分の仕事にしっかり取り組んで成果を上げることから始めましょう。





ADHDにより仕事が続かないという悩みを紹介しています。ご自身の経験と照らし合わせながらご覧ください。
▼ADHD(注意欠陥・多動性障害)により仕事が続かないという方へ

ADHDのある方が仕事を続めるための工夫を紹介しています。
▼ADHDで仕事を休みがちな人にもおすすめ 自分でできる9つの対策

ADHDのある方の体験談はこちらからもご覧いただけます。
▼ADHD(注意欠如・多動症)のある方のお仕事・職場口コミ一覧

ADHDのある方に向いている仕事をまとめました。
▼ADHDで転職を繰り返す方へ 315人の体験談からわかるオススメの仕事




障害者雇用で転職をお考えの方、無料で転職相談しませんか?
発達障害のある方の面接のコツや求人の探し方をはじめ、仕事探し、転職活動自体のアドバイスも実施中。
すぐに転職するかわからない、障害者雇用で働くか迷っている方のご相談も承っていますご相談はこちらから

監修者

大学で社会福祉学と心理学を専攻。精神保健福祉士・社会福祉士、認定心理士の資格を取得し、カウンセリングセンターにおいて、メンタルヘルス講座の講師や心理カウンセラーとして活躍する。 その後、いくつかの精神科病院にて、うつ病などの患者さんや、その家族に対するカウンセリング・相談や支援に力を入れる。現在は、主にメンタルヘルス系の記事を執筆するライターとして活動中。

保有資格

著者

より望ましい職業の選択や能力開発における相談・助言を専門とする国家資格「キャリアコンサルタント」のほか、米国CCE, Inc.認定の「GCDF-Japanキャリアカウンセラー」の資格を取得。福祉・医療介護分野の研究などにも従事しています。

新着口コミを毎週火曜に定期配信中
働きやすい環境を見つけるきっかけに


新着口コミを受け取る

関連するコラム

発達障害に関する記事一覧お仕事のヒントに関する記事一覧