適応障害と付き合いながら仕事をし、ストレスを遠ざけたり避けたりするためには、以下の2つのコツが必要です。
- 自分でできる工夫を心がけること
- 必要に応じて職場や周囲のサポートを受けること
まずは、自分でできる対策や工夫を講じることで、ストレスの緩和を試みましょう。そして、自分だけでストレスを遠ざけることができないことに対しては、職場や周囲のサポートを受けながら改善することも必要です。
では、これらの2つのコツについて詳しく見ていきましょう。
適応障害と付き合いながら仕事をするためのコツ1:自分なりに工夫をする
自分に合ったストレス対処法を見つける
適応障害とうまく付き合いながら仕事をするためには、症状を悪化させずにできるだけ緩和させることが大切ですが、そのために一番必要なことは適応障害の原因となっているストレスを避けることです。
しかし、仕事や生活を続けていく限り、ストレスを完全に無くすことはできません。そのため、少しでもストレスを溜めないことを心がけましょう。
ストレスを溜めないためには、こまめに休憩をとったり気分転換をしたりすることが有効です。仕事中でもできる気分転換の方法をいくつか取り入れて、その都度ストレスをうまく発散していくと良いですね。
気分転換の方法は、ちょっとしたことで構いません。例えば、好きな飲み物やお菓子を買う、こまめに休憩を取る、疲労がたまった時にはオフィスの外に出て深呼吸をする、好きな香りを嗅ぐなど色々な方法があります。
もちろん、自宅や休日の気分転換も大切です。休みの日は仕事のことから離れて、自分の時間を楽しみましょう。
何もしないと仕事のことを考えてしまうという人は、趣味に打ち込むことや友人や家族と話をすることでリフレッシュするのも良いですね。
規則正しい生活で体調を整える
不規則な生活は、精神を安定させる働きをする「セロトニン」の分泌に支障をきたすこともあります。そのため、適応障害に関わらず、精神疾患を抱える方にとって生活リズムを整えることは気持ちを安定させるためにとても大切なことです。
当たり前のように思うかもしれませんが、早寝早起きを意識する、三食きちんと食事を摂るといった生活の基本を改めましょう。そして、残業などをなるべく減らし、日ごろから自分の時間にゆとりが持てると、生活のリズムを整えながら落ち着いて生活することができます。
どんなにこまめにリフレッシュし、ストレス発散に努めていても、基本的な生活リズムが乱れていては、体調を崩すきっかけになってしまいます。健康を管理し身体を整えておくことは、適応障害でも仕事を続けていくために欠かせないことです。
通院や服薬により症状をコントロールする
適応障害は様々な症状があらわれ、体調が日ごとに変化する方もいます。あらゆる症状に対応していくには、定期的な通院や服薬により、症状をコントロールしていくことが必要です。
診断を受け服薬治療に臨むことで、改めて適応障害としっかり向き合うことができますし、症状にあった薬が出されることで安心感を得たという意見もあります。
心の病気も身体の病気と同じく、適切な治療と服薬により症状を安定させることができます。安心して仕事を続けるためにも、症状をコントロールすることが大切です。
適応障害と付き合いながら仕事をするためのコツ2:職場のサポートや配慮を得る
仕事内容に対する配慮
適応障害の一番の誘因となっているストレス因から遠ざかることが、症状の緩和への近道です。もし、そのストレス因が携わる業務内容そのものであれば、業務自体を見直す必要があるでしょう。
例えば、責任や裁量を任せられることにストレスを感じているのであれば、リーダー業務を外してもらうようにお願いすることや、周囲の視線が気になり仕事に集中できないことにストレスを感じているのであれば、一人で取り組める業務を担うことや在宅ワークを認めてもらうといった方法があります。
しかし、会社や業務の都合で、自分の要望を叶えることが難しい場合もあります。そのようなときには、次の方法も検討してみましょう。
業務量に対する配慮
会社の方針により、業務内容や配属先を変えることが難しい場合は、自分の業務量を見直してみましょう。
自分に合っている仕事内容であっても、業務量が膨大であれば疲労はつきものです。また、残業時間が多くなると生活リズムが乱れやすくなり、体調を崩すきっかけになってしまいます。自分のキャパシティを超えない業務量におさめれば、安定して働くことができます。
一方で、自分の業務量が減るということは、その分周囲の人の協力が必要になるということです。協力してくれる人に対しては感謝の気持ちを忘れずにいたいですね。
職場環境やシフトに対する配慮
職場のサポートには、職場環境の調整も含まれます。
例えば「特定の人との関係がストレス要因である場合は、離れた座席に配置を変えてもらうこと」「体調が悪くなったときにこまめな小休憩を取ることこと」「朝が苦手なので遅い時間のシフトに変更してくれること」なども、働きやすくするための配慮やサポートです。
職場や周囲の配慮やサポートと聞くと、携わる業務内容や勤務時間の調整に目が行きがちですが、働きやすいように職場の環境を整えてもらうことも、周囲の協力を必要とするサポートのひとつです。
もし、今の環境を変えることでストレスを減らすことができるのであれば、相談してみると良いですね。