知的障害のある方が働きやすい仕事とは?理解ある職場を見つけるコツを紹介

知的障害のある方が働きやすい仕事とは?理解ある職場を見つけるコツを紹介

知的障害を抱えながら仕事している方の中には、自身の障害特性が職場の同僚になかなか理解してもらえないことや、勤めている会社の社内規定あるいは社風が知的障害当事者に対して厳しい条件である等で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

また、就労環境を変えたいという希望から転職を考えている方もいらっしゃるでしょう。

当サイト「アンブレ」には、知的障害を抱えながら仕事をしている方が職場で起きている悩み等を、口コミ形式で多数投稿して頂いております。
口コミは具体的なエピソードが多く、役立つ情報が沢山含まれています。

このコラムでは、これらの口コミを分析して、知的障害の特性、職場における悩み、働きやすい職場について細かく分けてご紹介します。知的障害の特性や悩みは多種多様ではありますが、ご自身に重なるエピソードが見つかるかもしれません。

皆さんの職場や仕事で起きている問題の解決や、就職・転職を検討する際のヒントとなることを期待しています。



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目次

1.知的障害とは

2.知的障害の特性について

3.知的障害のある方が仕事で悩んでいること

4.知的障害のある方に必要な職場環境

5.まとめ

1.知的障害とは

1-1.知的障害の定義

そもそも知的障害とは何でしょうか?

初めに定義について確認してみます。
知的障害者の定義を見るために、療育手帳制度における判断基準をみてみましょう。

    療育手帳制度(知的障害者手帳)における障害の程度および判断基準
    ※重度(A)とそれ以外(B)に区分

    ■重度(A)の基準
    ① 知能指数が概ね35以下であって、次のいずれかに該当する者
    ・食事、着脱衣、排便及び洗面等日常生活の介助を必要とする。
    ・異食、興奮などの問題行動を有する。
    ② 知能指数が概ね50以下であって、盲、ろうあ、肢体不自由等を有する者

    ■それ以外(B)の基準
    ・重度(A)のもの以外
    *交付自治体によっては、独自に重度(A)とそれ以外(B)を細分化している場合もある
参照:厚生労働省「障害者手帳」

知的障害は知的発達の障害であり、①知的検査によって確かめられる知的機能の欠陥、②適応機能の明らかな欠陥、③発達期(おおむね18歳まで)に生じるという特徴が知られています。

厚労省の資料から知的障害の定義を確認しましたが、少し硬い表現が多く、具体的なイメージがわきにくかったかもしれません。

そこで、次に知的障害の特性について、アンブレに寄せられた口コミから引用して整理してみましょう。口コミを投稿して下さった方の性別・障害程度と仕事内容も合わせてご確認ください。

2.知的障害の特性について

ここからは知的障害の特性について、細かく見ていきましょう。


2-1.同時に情報処理ができない

口コミを分析した結果、知的障害の特性として情報処理の難しさが見えてきました。

1度に複数の事に関して処理できない。話を相手に分かりやすく伝えることが出来ないため仕事をする時には、紙でまとめないと相手に伝えることが困難。
女性、軽度知的障害・発達障害、書類整理、書類作成
書類作業は読むのが困難です。マルチタスクが苦手なので、仕事は一つずつしかこなせないです。
男性、療育手帳B2・軽度知的障害・発達障害、個人情報の入力
仕事の作業面では、いっぺんに複数のことをやると混乱してしまうので1つ1つ教えてもらいながら仕事をすすめるようにしている。
女性、知的障害2級、書類の整理や内容確認
上記の口コミから、知的障害の特性として「1度に複数の事を処理できない」「マルチタスクが苦手」「仕事は一つずつしかこなせない」ことが浮かび上がってきました。
共通している点は、複数の情報を同時に情報処理することが難しい点です。

これは知的発達の障害により、頭の中で情報を上手く整理することができないためだと考えられます。


2-2.仕事の理解に時間がかる

口コミを分析した結果、知的障害の特性として物事の理解に一般的な相場よりも時間がかかってしまうことが見えてきました。

仕事を覚えるのに時間がかかってしまって周囲に迷惑をかけてしまうことがある。作業スピードがどうしても人一倍遅くなってしまう。
男性、療育手帳B判定・発達障害、段ボールの仕切り作業や清掃
相手方の依頼内容に理解するのが通常の方と比べると遅いため、少し嫌な顔をされる。
男性、知的障害、草刈り、ゴミの片付けや仕分け作業
今まで繰り返し行ってきた作業等を突然忘れてしまうので仕事を覚えるスピードが格段に遅い。
男性、第2種知的障害、青果物部門の品出し等
上記の口コミから、知的障害者の特性として「仕事を覚えるのに時間がかかる」「依頼内容を理解するのに時間がかかる」「仕事を覚えるスピードが遅い」ことが浮かび上がってきました。

これは知的発達の障害によって情報処理が上手くできず、物事の理解が浅くなってしまうことが要因の一つとして考えられます。


2-3.コミュニケーションが上手くいかない

口コミを分析した結果、知的障害の特性として職場同僚とのコミュニケーションが上手くいかないことが見えてきました。

知的障害は他人とのコミュニケーションが中々円滑に取れなかったり、イライラしたことがあったときに言葉で人に伝えられずに物や人に当たってしまうことがある。
男性、知的障害者手帳B2、出荷業務
知的障害は人とのコミュニケーションが上手く出来なかったり、静かにしないといけない場所で静かにできなかったり等の症状がある。また無意識のうちに手を動かしたり、独り言をいったり意味もなく突然笑ったりしてしまう。
男性、知的障害者手帳B2、雑務、データ入力
最近ではテレビでも発達障害の事は取り上げられるようになったが、私が働き出した頃は自分でも障害の事をよく分かっていなかったくらいの認知のレベルで、目に見える障害ではないのでコミュニケーションの面ではかなり苦労した。
女性、療育手帳B2級、自閉症スペクトラム、旅館の清掃、レストランで食器洗いや簡単な調理
上記の口コミから、コミュニケーションが円滑にとれないことで職場の同僚との人間関係に支障をきたしていることが浮かび上がってきました。

この原因には、知的発達の障害によって情報処理が上手くできず、リアルタイムで行う情報処理が会話の進行に間に合わないことが一つの要因として考えられます。その結果、会話がかみ合わないことや、会話の相手に話を聞いていないと思われてしまうこと等の誤解が生まれてしまうのかもしれません。


2-4.計算や文字が苦手

口コミを分析した結果、知的障害の特性として四則演算や文字の読み書きが苦手であることが見えてきました。

知的障害は漢字の読み書きや足し算や引き算、かけ算、わり算等の計算が困難。
男性、知的障害者手帳B2、敷地内の雑草採り、園芸業務
知的障害は漢字の読み書きや足し算、引き算などの計算が苦手。そのため、業務を行う上でミスが起きやすくよく上司や同僚からお咎めを受ける。
男性、知的障害者手帳B2、オフィスの雑務
上記の口コミから、知的障害者の特性として四則演算や言葉のやりとりが苦手であることが浮かび上がってきました。

この原因は学習障害(LD)によるものだと考えられます。
知的障害と学習障害(LD)は厳密には異なります。一般的に知的障害は全体的な知能の遅滞がみられる一方で、学習障害(LD)は全体的ではなく文字や数字に限定した遅滞がみられることが知られています。

しかし、小学校の勉強についていけない等の事例から障害の疑いが持たれる場合、療育手帳制度に沿った支援を受けることが一般的です。
つまり、学習障害(LD)を抱える当事者は療育手帳(知的障害者手帳)を取得するので、知的障害者として社会からは認識されてしまうことは仕方ないことです。

ここまでは、知的障害とはどのようなものなのか、その特性について口コミの引用から整理しました。

当事者の具体的な口コミの引用から、4項目の障害特性(同時に情報処理ができない、仕事の理解に時間がかる、コミュニケーションが上手くいかない、計算や文字が苦手)をまとめることができました。
様々な特性がありましたが、皆さんと重なるエピソードがいくつか確認できたのではないでしょうか。

それでは、このような知的障害の特性を抱える当事者の方は、職場でどのようなことに悩んでいるのでしょうか?
次は、職場における悩みについて見てきます。


3.知的障害のある方が仕事で悩んでいること

アンブレに投稿された口コミから、知的障害者が仕事で悩んでいる事を見ていきましょう。


3-1.職場の関係者全員が障害に対する理解がない

いつも半年更新で店長と面談するけど、面談した店長が他の店舗に異動する(店長によって、よし改善するぞってやる気出た店長がいても)から解決する前にいなくなるので何も解決しない。
知的障害、バックヤード作業、掃除
配慮は、店舗により異なります。僕が勤務しているところは、配慮は無いです。
男性、第2種知的障害者、寿司屋の握り、サイドメニュー作り、洗い場

上記の口コミから、知的障害者が職場で悩んでいる事として、理解のある上司が異動してしまうことや、部署によっては理解のある上司がいない場合があることが見えてきました。

共通している問題点は、障害に理解がある同僚や上司が特定の人に限定していることだと考えられます。

本来であれば会社組織として全員が障害に理解のある環境を作るべきであるのですが、実際の現場では特定の 上司(面接した店長等)に限って障害に対する配慮をしてくれている状況であることが推察されます。

また、このような障害に対する理解は、会社組織だけにとどまらず社会全体として浸透していくべきだと思います。しかしながら残念なことに、現在の日本社会は、障害に対して十分に理解が行き届いた社会ではないようです。


3-2.障害者枠で就職しているにも関わらず配慮がない

障がい者雇用で入社したのに、健常者として扱われ、障害のために困難な仕事をできないで困っていても、お構いなしで頭ごなしに強く叱責された。
男性、療育手帳2級、給与計算、郵便物受発信、官庁への届出等
障碍者採用が初めてだったこともあってか、どのようにしていいのかわからなかったのかもしれない。ある支援者の方から、郵便局は一般枠、障碍者枠も変わらないという話を聞いた。障碍者採用にあたって配慮はあまり必要ないという認識を持っている可能性はある。
男性、精神障碍者手帳3級、療育手帳B2(発達障碍)、仕分け業務
障害者雇用枠で入社はしていましたが、直属の上司の上司以外は私自身が障害雇用で入社していることは知らない状態だった為、業務のスピードや理解力やコミュニケーションの部分で誤解されてしまうことが多々あり、その事によって孤立と自分への仕事が全く来なくなってしまい、自分の居場所がなくなってしまいとても辛い思いをしました。
女性、軽度知的障害、発達障害、書類整理、書類作成
上記の口コミから、知的障害者が職場で悩んでいる事として、障害者枠で就職しているにも関わらず知的障害に対する配慮がない場合が見えてきました。

知的障害者であるというだけで不平等な処遇を受けることは差別となりあってはなりません。
しかし、障害者も健常者も平等だからといって、職場で同等の職務を課されて当たり前というわけではありません。特に当事者が障害者雇用で社会参加しているのであれば、会社組織として合理的配慮をする努力義務があるでしょう。

しかしながら、口コミによるエピソードからは、障害に対する配慮が不十分である実態が見られました。
まだまだ会社組織として改善の余地がある職場は多々存在するようです。

ここまでは、知的障害者の職場における悩みについて整理してきました。

具体的なエピソードを多く含む口コミの引用から「職場の関係者全員に障害に対する理解がないこと」「障害者枠で就職しているにも関わらず配慮がないこと」を確認することができました。

当事者の生の声である口コミから、まだまだ知的障害に対する合理的配慮が不十分であり、厳しい現状が見えました。
もし、似たような状況で悩まれているのであれば、迷わず誰かに相談する事をお勧めします。一人で悩みを抱え込まずに、悩みを共有する事で解決策が見つかることはよくあることです。
相談する相手は職場の人でなくても構いません。親や兄弟、以前に通っていた学校の先生や通所先の人でも 良いでしょう。

また、転職を考えることも一つの手段ですね。

次は、知的障害者はどのような職場で働くと良いのかについてみていきます。
転職を考える際のヒントが見つかるかもしれません。

4.知的障害のある方に必要な職場環境

アンブレに投稿された口コミから、知的障害者が働きやすい職場に関する事例を引用して整理しました。


4-1.関係者全員に障害について伝達してくれる職場

入社までに配属先に自分の特性を伝えていてくださって、スムーズに初日を迎えることができた。
男性、療育手帳・知的障害(B・中等度)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、掃除、下げ膳、洗い場、食品の計量等
前の職場では上の人は私が障害者だと言う事は把握されていたように思うが、一緒に働く人たちにまではあまり伝わっていなかったのかなと言うように感じた。今の職場はちゃんと伝わっているのか、私の様子を見て再度説明してくれたり、休憩していいよと声を掛けて下さったりと配慮を感じる。連休で忙しい時には体調を気遣って下さったりと、肉体面ではしんどい事も多いが精神面ではとても安定して過ごせている。
女性、療育手帳B2級、自閉症スペクトラム、旅館で清掃、簡単な調理
上記の口コミから、配属先の関係者に障害特性の伝達がなされていたためにスムーズに働けたエピソードを確認できました。また、障害について上層部は把握していたが、現場の同僚には伝達が不十分であったために転職を試み、情報伝達がしっかりしている転職先では働きやすくなったエピソードを確認できました。

これらのエピソードに共通している良いところは、当事者の障害特性について職場の関係者全員にしっかりと伝達していることです。
このように会社組織として関係者全員に障害について伝達してくれる職場は働きやすいと言えるでしょう。

これは3-1で記載した「職場の関係者全員に障害に対する理解がない」ことの裏返しでもあります。
障害に関する情報伝達は、知的障害を抱えながら安定した就職を継続していくには極めて重要な要因と言えるでしょう。


4-2.融通の利く社内制度が整っている職場

体調が悪いときは途中で帰らせてくれたり休ませてくれたりと体調面を気遣ってくれた。
男性、療育手帳B判定・発達障害、段ボールの仕切り作業や清掃
朝の満員電車が苦手な社員には通勤ラッシュの時間をずらした10時を始業開始にしてくださったり、毎日終礼を行うときに社員の最近なにか困っていることや体調等、かゆいところまで気にかけてくださるので障害のある方はもちろん、障害のない方にも働きややすい会社。
男性、知的障害者手帳B2、雑務、データ入力
「勤務時間も実習のペースでまず慣らしてから時間をのばしたいと伝えると、ほぼ同じ時間帯での勤務時間に調整してくれて、ペースを早くつかむことができた。
男性、療育手帳・知的障害(B・中等度)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、掃除、下げ膳、食品の計量等
週4日の勤務も了承してもらえたり、急な体調不良で欠勤したり、しんどくなって作業を中断しても皆さん理解してくれている。
女性、軽度な発達障害・脊髄小脳変性症の疑い・療育手帳B1、障がい者施設で入所者対応、介護の補助
上記の口コミから、体調が悪い時の早退、始業時間の調整、勤務時間の調整といった社内制度の融通により、就労が上手くいったエピソードを確認できました。

融通の利く社内制度が整っている職場は知的障害者にとって働きやすいと言えるでしょう。

知的障害の特性は多種多様であり、一定の社内制度ではカバーできない事例が発生している現場も多いのではないでしょうか。

就職・転職を検討する際には、皆さんの障害特性に応じて生じる不安な点について、社内制度の範囲内で対応が可能であるのか確認し、不明点は具体的に質問するように心がけましょう。
理解の不一致により、後々に問題が起きないようにするためにも必要なことです。


4-3.直属の上司が障害に理解がある職場

毎朝、出勤すると上司が必ず「夜はよく眠れたか」や「朝食は食べれたか?」「今の気分はどうか?」といったことを聞いてくれて「わたしのことを人間として見てくれているんだな…」ということを感じることができて、それと同時に「わたしは会社の中で必要とされているんだな」という印象を持った。
男性、知的障害者手帳B2、会社敷地内の雑草を採り、園芸業務等
いつも自身の体調や最近困っていることがないかということ等を朝会社に来たときに一番に気にかけてくださったり、良いところを上司が人事担当者や管理職のいる目の前でものすごく褒めてくださったため、仕事をする上でモチベーションが上がったと同時にとてもやりがいを感じた。
男性、知的障害者手帳B2、オフィス内の雑務
上記の口コミから、当事者と直属の上司がとても良い関係で仕事をできていることが推察できます。これは、直属の上司が障害に理解があることが前提となっているからでしょう。

職場いる時間は、睡眠やプライベートと同じくらい長い時間です。給与や福利厚生制度などの定められた条件が、就職・転職に大切であることは言うまでもありません。
しかし、そのような条件だけに固執せずに、同僚との相性も職場選びの視点として踏まえておくと良いでしょう。

とても長い時間を費やす職場で一緒に過ごす同僚、特に直属となる上司との相性は、働きやすい職場に重要な要因になります。

もちろん、障害に理解がある直属の上司が異動になることもあります。これは前述した問題点です。
従って、直属の上司が障害に対して理解があることは、職場選びの最重要条件とは言えません。

しかし、良い上司に恵まれることで就労に対して前向きに取り組むことができ、楽しく社会経験を重ねることができます。そのような社会経験の中で、自分自身が気づかないうちに自信を持てるようになることや、スキルアップしていることも期待できます。

私も初めて就職した会社の上司がとても良い方であったので、激務でも頑張り抜くことができ、とても成長することができました。その機会によって得られた自信とスキルは現在の仕事に役に立っています。

就職・転職をする際には給与や福利厚生制度等の条件ばかりに注目しすぎず、直属になる上司との相性に注目してみることも良い職場選びに必要かもしれません。


4-4.障害に理解がある社風の職場

入社式のときに「どんなに小さな困りごとでも相談してください、店舗に相談しづらいようであれば本社に伝えてくれてもいいよ。」と。開かれた会社だなと思った。
男性、療育手帳・知的障害(B・中等度)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、掃除、下げ膳、食品の計量等
合わない部署に配属されたときは、精神的に苦痛で耐えられなかったのもあり、上司の方に部署を異動してもらうよう頼んだりすると応じてくれたことが助かった。突然、仕事が減ったり増えたりして、その日によって何をするかが変わってくるので不安な気持ちもあったが、周りの方にも色々と相談し、仕事の作業量等を調整してくれたり、大変ありがたいなと思っていた。
女性、知的障害2級。寡黙症、書類のファイリング、PC打ち込み等
上記の口コミから、障害に理解がある社風が読み取れます。

仮に、障害者雇用に関する社内制度が細かく定められ、かつ社員全員が遵守しているとしても、単なるルールとして運用されているだけでは障害者が働きやすい社風にはならないでしょう。
逆に、社内制度が全くない会社でもあっても、現場関係者が障害に寛容である職場もあるでしょう。

社風は一時的なものではなく、その会社の伝統の一部とも言えます。
障害者雇用に関する社内制度の有無や内容だけにとらわれ過ぎず、障害に対して理解がある社風かどうか注目することも大切です。

就職・転職を検討する際には、職場見学を通じて働いている人たちの雰囲気から社風を感じ取っておくと良いでしょう。
また、見学した会社に障害者雇用で働いている先輩社員がいれば、社風について質問することをお勧めします。見学だけではわからなかった側面を知ることができるかもしれません。

5.まとめ

ここまで、口コミを参考にしながら、知的障害者が就職・転職する際に大切にしたいポイントをお届けしてきました。もう一度振り返っていきましょう。

知的障害の特性とは?

「同時に情報処理ができない」「仕事の理解に時間がかる」「コミュニケーションが上手くいかない」「計算や文字が苦手」という4つ特性がありました。
もし、共感できる障害特性を見つけた方いらっしゃれば、他の誰かも障害を抱えながら頑張っている人がいることを胸におさめて、これからの就職・転職の活動に取り組んでみてください。

知的障害者が職場で悩んでいることとは?

「障害者枠で就職したにも関わらず配慮がないこと」、「職場の関係者全員が障害に対する理解がないこと」という2つの悩みがありました。
もし、共感できるエピソードがあった方は転職を考えてみるのも良いかもしれません。

一人で悩みを抱え込まずに誰かに相談することも大切です。

知的障害者が働きやすい職場とは?

働きやすい職場には、「情報伝達、社内制度、直属の上司、社風」の4項目がポイントであることがわかりました。皆さんの価値観やフィーリングに合う項目を中心にして、働きやすい職場について考えて頂くと良いでしょう。

就職・転職を検討している皆さんが抱える不安や悩みに対して、当コラムの情報がお役に立てれば幸いです。 働きやすい職場を見つけることができるように心から願っています。

知的障害のある方が働いている企業が一覧で確認できます。参考になさってください。
▼知的障害のある方がお仕事、雇用をされている企業一覧

てんかんのある方に向いている仕事を紹介しています。
▼知的障害のある方に向いている仕事は?62人の口コミを分析




※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
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障害者雇用で転職をお考えの方、無料で転職相談しませんか?
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監修者

金融機関の勤務を経て、30歳の時に社会福祉法人の設立役員として起業の実務を担った。法人設立後の約10年間、法人経営や福祉施設の運営に携わりながら、現場で生じた課題をテーマにして大学院で研究に取り組み博士号(専門は障害福祉)を取得した。現在は障害者支援と社会福祉経営の専門家としてコンサルティングや執筆・監修等の活動を行っている。

保有資格

著者

障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。

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