統合失調症と仕事を両立させるコツとは?症状の自己理解と働き方の工夫

統合失調症と仕事を両立させるコツとは?症状の自己理解と働き方の工夫

統合失調症のある方の中には、同じ仕事が長く続かず悩んでいらっしゃる方もいるのではないでしょうか?

統合失調症は、経過とともに様々な症状が現われます。
「幻覚」「妄想」などの陽性症状や、「意欲の低下」「ひきこもり」などの陰性症状は統合失調症の代表的なものですが、仕事が続かない原因はこれらの症状が仕事に影響を与えることもあるからです。

しかし、自分の症状を理解し働き方を工夫することで、悩みを少しずつ緩和することができます。そして、そのヒントになるのが、アンブレに届いた口コミです。

このコラムでは、あなたと同じように統合失調症を抱えながら働いている方から届いた口コミをもとに仕事の悩みと解決策をまとめました。

口コミとご自分の様子を照らし合わせながら、自分を客観的に見ることは、これからの働き方を見直すうえで大事なことです。ぜひ参考にしてください。

*この記事は久木田みすづさんに監修していただきました
久木田みすづ

大学で社会福祉学と心理学を専攻。精神保健福祉士・社会福祉士、認定心理士の資格を取得し、カウンセリングセンターにおいて、メンタルヘルス講座の講師や心理カウンセラーとして活躍する。その後、いくつかの精神科病院にて、うつ病などの患者さんや、その家族に対するカウンセリング・相談や支援に力を入れる。現在は、主にメンタルヘルス系の記事を執筆するライターとして活動中。




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目次

統合失調症とは

統合失調症による仕事の悩み

統合失調症のある方が仕事を続けるための工夫

まとめ

統合失調症とは

統合失調症とは

統合失調症とは精神疾患の一つで、幻覚や妄想などのほかに無気力や倦怠感などの症状が現れる病気です。

発症原因は現時点では正確にはわかっていません。ただ、統合失調症を発症しやすい要因を持っている場合や、発症要因が無くてもストレスを感じる衝撃的な体験で生じる場合があるのではないかと考えられています。


統合失調症の症状

統合失調症の代表的な症状に「陽性症状」と「陰性症状」があります。
陽性症状には「幻覚」や「妄想」などがあります。幻覚とは「聞こえる」「見える」といった実際にはないものが感じられることです。妄想とは周囲の人が訂正しても間違った内容を信じてしまう考えのことを言います。
陰性症状には、意欲の低下や倦怠感、感情表現が鈍くなる、ひきこもりなどがあります。


統合失調症の経過

統合失調症の経過は下記の通りです。

前兆期・・・不眠・不安・神経過敏・身体症状など
 ↓
急性期・・・陽性症状(幻覚、妄想など)
 ↓
休息期・・・陰性症状(意欲の低下、ひきこもりなど)
 ↓
回復期・・・認知機能低下
 ↓
安定期・慢性期・・・陰性症状が残る場合もあるが落ち着きがみられる


統合失調症は早期発見・早期治療が大事

統合失調症は、早期に治療すれば回復も早いと言われています。治療としては薬物療法や心理社会的療法を行います。

ただ、本人は幻覚や妄想が現実におきているものだと思っているため、症状に気づかないことも多く、周囲の人々がいち早く症状に気づき専門機関へ相談することが大事です。

参照元:みんなのメンタルヘルス(厚生労働省)
参照元:国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院

   

統合失調症による仕事の悩み

まずは、ご自身のことを考えるためにも、統合失調症を抱えながら働いている方がどのような症状で悩んでいるのか把握することが大事です。今回は統合失調症の経過に沿って、症状と症状にともなう仕事での悩みをまとめました。


前兆期に起こりやすい不眠・不安感・神経過敏による悩み

前兆期では、不眠や過度な不安感、神経過敏などの症状を感じる方も多いのではないでしょうか。これらの症状は、日々の生活に影響を与えるだけでなく、仕事にも大きな影響を及ぼします。

不眠

睡眠障害もあったので、寝ないで仕事に行ったこともありました。そうすると、モロに動作が鈍くなって、周りに迷惑をかけてしまいました。男性
不眠。規則正しい生活が出来ず、中々生活リズムが調わない。男性
夜眠れないときは仕事のときにしんどくなりました。頭痛が起きてどうしても動けないときは、仕事を休む事もありました。女性
統合失調症の初期症状には、不安感や神経過敏によって、不眠の状態になりやすいと言われています。睡眠不足の状態で働くのは、誰でも辛くやる気が起きません。また、睡眠不足により生活リズムが乱れると、症状の悪化を招くおそれもあります。

不安

人と関わることが苦手でストレスに弱く、そのため疲れやすいです。女性
お客様の急な問いかけに対して「何を言われるのだろう」とドキドキしました。男性
人間関係のことや普通の仕事レベルで働くことができるかの不安。女性
接客業なので、人との接触に毎回緊張や恐怖心がありました。常に緊張状態が続きましたし、ボーっとしたり、物忘れもあったりしたので、同僚に迷惑をかけて大変でした。男性
オペレーションを間違えてしまうのが怖かったので、受注後の後処理に時間がすごくかかった事です。女性

仕事は責任感や緊張感を伴うものですから、統合失調症の初期にみられる強い不安感を、より感じやすくなるのではないでしょうか。緊張や不安は必要以上に疲れやストレスを招くので、統合失調症の症状を改善するところか、悪循環に陥る心配もあります。疲れやストレスを緩和する方法を身に付ける必要がありそうですね。

神経過敏

小中学生の多い環境なので大きい声などが負担になる。女性
気温や室温の影響で暑かったり寒かったりするので、体調が崩れてしまいます。男性
音が気になる、敏感になる、疲れやすい。女性
人の話し声など細かなことが気になってしまい、圧迫感でミスをしやすい。女性

他の方が気にならない周囲の雑音も、統合失調症のある方には気になって仕方がなく、仕事に集中できないだけでなく、疲れやストレスとなっています。雑音や話し声などから遠ざかった場所で働ける環境であれば、そのストレスも緩和できるでしょう。

しかし、席や作業場所の移動などの職場環境は、自分の意志だけでは変えられないことが多く、周囲の方の理解や協力を得ることが必要ですね。


急性期に起こりやすい幻覚や妄想などの陽性症状による悩み

急性期では、幻覚や妄想などの陽性症状に悩む方も多いのではないでしょうか。幻覚や妄想は、統合失調症の代表的な症状として知られていますが、その辛さは実際に経験しないとわからないものです。

幻覚や幻聴

主な症状としては幻聴が聞こえることです。ひどいときは仕事中にも聞こえ、集中できないこともありました。女性
勤務中、移動中などに声が聞こえて集中できず、気分が落ち込む。男性
幻聴か実際に言われているのか区別がつかないことがある。女性
幻聴が聞こえる。幻聴が自分を攻撃してくる。 眠れない。男性

仕事中に幻覚や妄想があらわれると仕事どころではありません。また、いつ症状があわれるかわからない症状に不安を抱えることにもなります。仕事に集中したくてもできない状況に多くの方が悩んでいます。

妄想

統合失調症で「被害妄想」がひどいです。周りの声で私は自分の冷静さを取り戻すことができません。男性
周りの人たちが異星人に思えて恐ろしかった。男性
集中力が減る、被視妄想、被害妄想。同僚に見張られてる気がする。男性
噂されていると思う、被害妄想がすごい、疲れやすい、幻聴が聞こえる。女性
時々知らない他人から殴られるという被害的な妄想が出てきます。男性

仕事中の被害妄想は、周囲の方の印象を変えることもあり、人間不信になることで人間関係にも影響してしまうのかもしれません。また、監視や暴力などの恐怖を抱える毎日は、周囲の方には想像できないほど辛いものです。


休息期に起こりやすい抑うつや無気力などの陰性症状による悩み

休息期では、抑うつや無気力などの陰性症状でつらい思いをする方が多いのではないでしょうか。その症状は、前兆期や休息期とは違う辛さがあります。

抑うつ・無気力

体調が悪い時や気分が悪い時があるので無理が出来ない。人に会いたくない。無理して話をしたくない。女性
陰性症状といって無気力になる傾向があり、職場に行くまでが億劫。女性
感情がコントロール出来なくなる。悲観的になり急に何もやる気がなくなってしまう女性
気持ちがコントロールできず、頑張ろうと思い過ぎた為に鬱っぽくなり薬が増える事となった。その為体が動きにくくなり、体重も増加した。なかなか施設の職員に理解されず通所できない時に注意される事もあった。男性
気分転換しても落ち込み、少しマイナス思考になります。男性
人間関係が苦手で、すぐに鬱傾向になりやすく体調を崩しやすい。男性

やる気がでない、落ち込むといった抑うつ症状は、仕事にも直接影響を与えます。出社したくないという行動にも表れたり、仕事に対する意欲がなかったりすることで、周囲の方に与える印象も悪くなります。
自分の意志ではなく、統合失調症の症状によるものであることを理解されないと、誤解にもつながってしまいます。


回復期に起こりやすい認知機能障害による悩み

回復期には、認知機能の低下を生じることがあります。新たな症状に戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

認知機能障害は、物事を判断して行動できなかったり、段取りよく作業ができなかったりするので、仕事にも大きく影響します。

同時にいくつもの仕事をこなさなくてはならない事や、覚える事が沢山ある事が、認知機能障害がある為に苦痛でした。女性
人の話を聞いても理解するのに時間がかかってしまい、テキパキと行動できない。
複数の仕事に優先順位をつけて作業をすることが苦手でした。特に、郵便局では障害についてはクローズで働いていましたので、障害に対する配慮もなく甘えも許されませんでした。とにかく仕事の正確さと迅速さが要求される業務でしたのできつかったです。男性
同時になにかはできない。何かをしているときに違う仕事の指示があると、その前の作業を忘れたりする。女性

認知機能の低下による仕事への影響は、抑うつや無気力といった症状とは別の悩みがあります。やりたくてもできない、どうすれば良いかわからないというもどかしさがあるのではないでしょうか。

統合失調症により困難を生じていることを理解されないままであれば、周囲の方と同じ能力を求められてしまい、その辛さから仕事を続けることが難しいと感じてしまうかもしれません。

統合失調症のある方が仕事を続けるための工夫

これらの統合失調症による仕事の悩みを見ると、症状が仕事に影響を与え、その結果働くことが辛くなってしまうことがわかります。

しかし、統合失調症の治療と仕事をうまく両立している方が多くいることも事実です。その方々の工夫やアドバイスをもとに、仕事を続けるコツを2点にまとめました。

  • 統合失調症の特性を理解し、自分の体調にあわせた働き方を工夫する
  • 統合失調症の特性を周囲に理解し協力してもらう

もう少し詳しく見てきましょう。


統合失調症の特性を理解し、自分の体調にあわせた働き方を工夫する

統合失調症には様々な症状がありますが、仕事を続けていくうえで共通して言えることは、「ストレスを抱えない」「無理をしない」ということです。なぜなら、回復の遅れや症状の悪化だけではなく、安定期・慢性期にいる方も再発する恐れがあるためです。

担当している仕事が「無理のない業務量か」「自分にあっている仕事か」を判断し、違うようなら職場に相談してみましょう。

また、十分な睡眠をとりましょう。睡眠は脳を休める効果があります。睡眠不足で仕事をしても思うようにできず、ストレスを抱える原因になります。もし、不眠で悩んでいるようなら遠慮しないで主治医に相談してください。

なお、統合失調症の前兆期にみられる不眠や不安感、神経過敏などの症状は、妄想や幻覚といった症状が現れやすくなる予兆としてとらえることもできますので、日頃から自分の体調の変化に気をつけることが大切です。
もし、体調が悪いと感じる日が長く続くようであれば、医師に相談しましょう。


統合失調症の特性を周囲に理解し協力してもらう

無理なく働くためには、自分でできる工夫だけではなく、職場の協力を必要とする場面もでてきます。

例えば、就業時間や仕事量、仕事のペースなどは、職場の理解・協力を得なければできません。

また、職場での幻覚や妄想などはとてもつらいものです。職場で幻覚や妄想などの症状が出た場合に備えて、実際に症状が出た時の様子や対応の仕方を予め伝えておくと、周囲の方々も自分も安心できます。

例えば、ゆっくり話を聞いてもらったり休憩をさせてもらったり、自分自身がしてほしい対応を周囲に相談してみましょう。

ただ、これらの対応をしてもらうためには、しっかりと職場の方と話しあうことが必要です。統合失調症の発症を伝えることをためらう気持ちは理解できますが、職場の協力してもらうためにも、自分の症状をしっかり伝えることが大事です。

統合失調症のある方の働き方を紹介しています。
▼仕事ができないと悩む統合失調症の方へ おすすめしたい333人の働き方

まとめ

統合失調症により仕事が続かないという方が心がけることとは?

まずは「ストレスを抱えない」「無理をしない」といった働き方を心がけましょう。それと同時に自分の症状を理解し、職場の方にも理解と協力を得て、より「ストレスを抱えない」「無理をしない」という職場環境を作っていきましょう。

そのためにも、自分の現在の症状をしっかり把握することが大事ですが、自分自身のことは把握しにくいものです。もし、自分の状況を客観的に見れない場合は、アンブレに届いた口コミを参考にして自分自身と照らし合わせてみてください。

統合失調症の治療と仕事をうまく両立しながら働けることを、応援しています。

【監修者:久木田みすづさんからのアドバイス】

統合失調症は時期によってさまざまな症状が出るため、自分の場合はどういう傾向にあるのかをしっかりと把握しておくことが大切です。特に陽性症状が活発な時期は幻聴や妄想などに支配され、平常心でいられないケースも多くなります。統合失調症を抱えながら働くときに辛いのは、陽性症状を上手くコントロールできない点だと言われることがめずらしくありません。

陽性症状は陰性症状より周囲も理解が難しいものです。職場の人の協力を得る際には自分だけではなく、できることなら主治医などに間に入ってもらって、症状の特徴や対処法を話せる機会を持つと良いでしょう。
また、幻聴や妄想は現実には怒り得ない事柄が浮かんでくるケースが多いため、トレーニングを重ねることで現実と幻聴・妄想の区別をつけることができるようになるケースもあります。そのため、周囲の支えを借りながら練習してみるのも良いかもしれません。



統合失調症のある方が働いている企業が一覧で確認できます。参考になさってください。
▼統合失調症のある方がお仕事、雇用をされている企業一覧

統合失調症のある方が働いている業種や職種を分析しました。
▼統合失調症の方に向いている仕事は?333人の転職を調査


※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
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監修者

大学で社会福祉学と心理学を専攻。精神保健福祉士・社会福祉士、認定心理士の資格を取得し、カウンセリングセンターにおいて、メンタルヘルス講座の講師や心理カウンセラーとして活躍する。 その後、いくつかの精神科病院にて、うつ病などの患者さんや、その家族に対するカウンセリング・相談や支援に力を入れる。現在は、主にメンタルヘルス系の記事を執筆するライターとして活動中。

保有資格

著者

社会福祉士介護福祉士を保有。主に福祉系の執筆をするWEBライター。大学卒業後、民間企業で働いた後、障害者通所事業所・障害者支援施設で生活支援に従事。その後、約10年間にわたり地域包括支援センターにて相談支援を経験した。

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