多発性硬化症と仕事を両立するために必要なこと

多発性硬化症と仕事を両立するために必要なこと

多発性硬化症の症状があっても仕事を続けることは可能です。そのためには、まず自分の症状を把握し、職場の上司・同僚にも多発性硬化症についての理解や協力を求めることが大事です。

多発性硬化症のある方の中には、症状が仕事に及ぼす影響に

より悩みを抱え、仕事が続けられるか心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか。 多発性硬化症の症状は様々です。
また、患者数が少なく、あまり知られてはいない疾患のため、詳しく理解している上司や同僚が少ないことも現実です。

そのような状況の中で、自分の多発性硬化症について理解や協力を得るためには、まず自分の症状や悩みを把握することから始めましょう。そのヒントになるものが、アンブレに届いた口コミです。

このコラムでは、あなたと同じように多発性硬化症を患いながら働いている方の悩みと解決策を参考にしながら、仕事を続けるコツをまとめました。

ぜひ参考にしてください。

*この記事は久木田みすづさんに監修していただきました
久木田みすづ

大学で社会福祉学と心理学を専攻。精神保健福祉士・社会福祉士、認定心理士の資格を取得し、カウンセリングセンターにおいて、メンタルヘルス講座の講師や心理カウンセラーとして活躍する。その後、いくつかの精神科病院にて、うつ病などの患者さんや、その家族に対するカウンセリング・相談や支援に力を入れる。現在は、主にメンタルヘルス系の記事を執筆するライターとして活動中。




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目次

1.多発性硬化症とは

2.多発性硬化症による仕事の悩み

3.多発性硬化症を患っている方の仕事を続けるための工夫

4.まとめ

1.多発性硬化症とは

多発性硬化症とは

多発性硬化症は視力低下や顔の感覚麻痺、手の震えなどの様々な症状がある疾患です。神経の髄鞘が壊れることにより、壊れた箇所が斑状にあちらこちらにできて再発を繰り返します。また、多発性硬化症は国の難病に指定されています。

多発性硬化症の平均発病年齢は30歳前後で、主に若い方が発病する疾患です。男女比は1:2~3ほどで女性のほうが発症しやすい傾向にあります。

多発性硬化症の原因ははっきりわかっていません。しかし、自己免疫が関連している可能性が高いともいわれています。

多発性硬化症の症状

多発性硬化症は神経の髄鞘が壊れる箇所によって、下記のように様々な症状を引き起こします。

  • 視神経:視力の低下、視野が欠ける
  • 脳幹部:二重に見える、目が揺れる、顔の感覚の麻痺、飲み込みにくくなる、しゃべりにくくなる
  • 小脳:まっすぐ歩けない、手がふるえる
  • 大脳:手足の感覚障害、運動障害、認知機能障害
  • 脊髄:胸や腹の帯状のしびれやぴりぴりした痛み、手足のしびれや運動麻痺、尿失禁、排尿・排便障害

多発性硬化症は早めの治療が肝心

多発性硬化症は一般的には再発と寛解を繰り返しながら慢性化します。どのぐらいの期間で再発するかは人によっては違いますが、年に3~4回から数年に1回です。

ただ、一部の多発性硬化症の方は、最初から進行してしまう場合や、再発と寛解の後に進行してしまう場合もあります。そのため、多発性硬化症と診断されたら、再発予防のためにも早く治療を開始することが推奨されています。

参照:難病情報センター 多発性硬化症
参照:国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 免疫研究部

2.多発性硬化症による仕事の悩み

まずは、自分のことを把握するために、同じ多発性硬化症を抱えながら仕事をしている方が、どのようなことで悩んでいるかを見ていきましょう。ご自身の様子と照らし合わせながらご覧ください。

症状による悩み

多発性硬化症にはさまざまな症状があり、仕事に及ぼす影響も異なります。口コミには、症状により生じた困りごとがたくさん届いていますので、症状別にご紹介していきます。

運動障害のため職場で思うように歩いたり立ったりできない

多発性硬化症による運動機能障害は、歩きづらい、手足に力が入らないなどといった症状が現れます。

右下肢があまり使えないので、歩く事や長時間立っていることが苦手です。男性
仕事中来客対応のお茶運びで何度かお茶がこぼれる事がありました。職場から離れた所に駐車場があり、歩いて職場へ向かう時、何度か転びました。女性
右下肢の障害なので、歩くことや立っていることが苦手なので動きの多い仕事はかなり苦手です。電話の応対は立つ必要がないので問題がなかったが、来客応対はやりにくかったです。たまに荷物などをちょっとした距離ですが運ぶ仕事は大変でした。男性
長距離の歩行や長時間の立位が出来ないので、大きな会社とかだと駐車場から職場まで歩くのも大変だった。男性

特定箇所が不自由な方や、歩くことや立っていることが難しい方など、程度や困難な場面は様々です。業務だけでなく、通勤や移動にも困難を生じている様子がわかります。長い移動距離や混雑した交通機関を利用するのは辛いですね。

しびれてしまって仕事に影響が出る

多発性硬化症の症状のひとつに、感電したような体や手足のしびれがあります。しびれや感覚麻痺は、持つ動作や触ったときの感覚にも影響を及ぼすので、作業に時間を要したり、できないことが出てきたりすることもあります。

右手がしびれているため、ほとんど使えない、足の筋肉が弱いため歩くことがほとんどできない、体温が上昇するとほとんど動けない。男性
左半身にしびれや脱力が起こり、作業を中断して休憩を取らないといけないことが多く、周りのスタッフにも気を遣わせてしまうことが多々ありました。女性
時折手にしびれ、動かしにくさ、震えが出たことがありました。周りには病気のことを言っていないので、気づかれないように意識しながら仕事してます。もし症状が出た場合は体を温め、他の人にお願いできることはお願いしています。女性
手先をはじめ、身体がしびれてうまく動かせないことから仕事が思うように進められず、周りにもマイナスの影響を出して困りました。男性

手足のしびれのため、仕事が思うようにできず苦しんでいる様子が伝わってきます。 また、症状に対する悩みだけでなく、時間がかかったり、手伝ってもらったりすることで、周囲の目や気遣いに対する辛い思いを抱えていることもわかります。

物忘れで仕事に影響が出る

多発性硬化症による認知機能障害は、記憶力や集中力が低下するため、仕事にも大きな影響を与える症状です。ミスにつながることや、やる気がないなどと誤解されることもあり、精神面にも影響を及ぼします。

物覚えが悪くなるなど、神経に炎症が起きる部位によって違う。女性
仕事をする上で困ることは寛解時でも物忘れが多く、集中力に欠ける時があります。(、女性

認知機能障害は、職場の上司や同僚が目で見て確認できるわけではないため、理解が得にくいだけでなく、誤解を招くこともあります。物忘れや集中力の低下は業務の進行や質に影響するため、周囲に迷惑をかけているのではないかといった不安や気分の落ち込みにもつながりやすいのも心配ごとの一つです。

疲労を感じやすく仕事をすることがつらい

多発性硬化症の症状は、身体や認知機能に関するものだけでなく、疲労感や倦怠感としてあらわれることもあります。仕事中に疲れが出ると、簡単に体を休めることはできませんし、その状態のまま作業を続ければ、業務のクオリティにも影響を及ぼしてしまいます。

今は点滴など薬で治まっていますが、仕事をするにあたって立ち仕事は体に負担なので事務作業などを優先しています。女性
体に負担がくるので長時間の立ち仕事はできません。女性
疲労感が強く出るので、同じ姿勢での作業がキツい時がある。女性
体調が悪いときの急な早退や欠勤が多くなると仕事にも影響がでてくるので困りました。女性
倦怠感が強く、朝起きられない時がある。また、身体の痛みがひどく、起き上がれないこともある。そのため、その日の朝に急に仕事に行けなくなることがある。毎晩「明日は大丈夫だろうか」と心配しながら寝ている。動ける時と調子が悪い時の差が激しい。女性

疲労感だけでも体への負担は大きいのですが、立ち仕事などの体力が必要な職種であれば、さらに体への負担が重くなります。その点を考慮し、座ってできる事務作業を選んでいる方もいらっしゃいます。

また、急な体調不良による欠勤や早退もあるので、毎日自分の体調に不安を持ちながら働いている様子も伝わってきます。
少しずつでも良いので、疲れを緩和する方法を取り入れることが必要です。

理解されづらい悩み

多発性硬化症は見た目からもわかりづらい疾患です。また、あまり知られていないということもあり、症状の辛さを理解されづらいのも確かです。正確な情報が伝わっていないために、不公平な扱いを受けることもあります。

人によっては歩けなくなり車椅子になることも。病気の影響で外勤がしにくいのが辛い。また正当な評価や昇進にも悪い影響がある。男性

仕事が好きで情熱を燃やしてきた方にとって、疾患を理由に正当に評価されないことはとてもつらいのではないでしょうか。多発性硬化症によりできないことがあることを理解した上、できる仕事に対する正しい評価を望みたいものです。

治療による悩み

多発性硬化症の方は、定期的な通院や再発時の入院などが必要です。そのため、勤務時間の変更や休暇取得などで職場に協力してもらう必要があります。また、治療薬の副作用もあるでしょう。仕事と治療を両立することは、簡単ではありません。

長期自宅療養したため、再び社会に出て行くことへの不安、毎日飲んでいる薬の副作用で気分が落ち込みやすくなっていた。女性

再発してしまった場合は入院か毎日通院になってしまうため、シフトで迷惑をかけてしまう。女性

治療薬の副作用でつらい思いをされている様子が伝わってきます。また、入院や通院で職場を気にされている口コミを読むと、多発性硬化症の治療をしていくうえで職場の理解・協力が必要であると考えさせられます。

3.多発性硬化症を患っている方の仕事を続けるための工夫

多発性硬化症の症状がある方の仕事の悩みを口コミで見ると、症状を抱えながら仕事をすることは難しいと感じるかもしれません。

しかし、多くの方が多発性硬化症の症状とともに働いています。その方々の工夫やアドバイスをもとに、仕事を続けるコツを2点にまとめました。

多発性硬化症の症状がある自分自身を理解し、無理をしない働き方をする

多発性硬化症の症状のある方は、疲れやストレスを溜めないことが大事です。なぜなら、疲れやストレスは、多発性硬化症の再発や悪化をさせる原因にもなり得るからです。

そのためには、規則正しい生活や十分な睡眠、休憩、ストレス解消などの、まずは自分自身でできることをすることです。それによって、身体的や精神的な疲れを取り除き、無理をしないで働ける状態を整えてください。

また、転職活動をする際は多発性硬化症をしっかり理解してくれる職場や、症状を悪化させない仕事を選ぶことが大事です。そのためには、過去の障害者雇用の実績の確認や、立ち仕事・力仕事ではなく、身体的疲労の少ない事務職へ応募することも手段の一つです。

多発性硬化症について積極的に発信することで周囲に協力を求める

疲れやストレスを溜めずに働くためには、職場へ多発性硬化症について積極的に伝え、協力を求めることが大事です。なぜなら、自分の工夫だけでは疲れやストレスを溜めない働き方をすることは限界があるからです。

例えば、力仕事のサポートや体調不良の時のフォロー、配置転換などをしてもらうためには、職場に多発性硬化症についての理解や協力をしてもらわなければなりません。理解や協力があれば、仕事の配慮やシフト調整、事務職への異動、在宅勤務などが可能になってきます。

また、多発性硬化症の方は定期的な通院や、場合によっては入院が必要な時もあります。そのような場合に、職場が快く送り出してくれればストレスの緩和につながります。

そのためにも、自ら多発性硬化症について発信し職場に理解を求め、協力してもらう体制を構築していきましょう。

4.まとめ

多発性硬化症のある方が仕事を続けていくためのコツは?

まずは、疲労やストレスを溜めない働き方を心がけましょう。そのためには、生活リズムを整えたり、疲労やストレスをこまめに緩和する方法を身に付けたりするなど、自分なりの努力や工夫も必要です。

そして、職場では自分ではできないこともあります。そういった場面や相談できる環境を作るためにも、自分から多発性硬化症について説明し、職場の理解・協力を得ることが大事です。

自分でできることを考えたり、周囲に協力を求めたりするためには、自分自身の症状を把握することが不可欠です。

しかし、自分の多発性硬化症について詳しく知ることは容易ではありません。そのような場合は、アンブレに届いた口コミと自分自身を照らし合わせることで、気づくこともたくさんあると思います。

同じ多発性硬化症を抱えながらも働いている方の声を参考に、ぜひ働き続けるためのコツをつかんで、自分にあった仕事の仕方を見つけてください。

【監修者:久木田みすづさんからのアドバイス】

多発性硬化症は、神経の髄鞘が壊れる箇所により異なる症状が出るとされています。そのため、自分はどの神経の髄鞘に障害を負ったのかについてよく熟知し、どのような症状で困ることが多いのかを把握しておいてください。そうすることで、主治医や会社の人に対して客観的に自分の問題を伝えやすくなるため、周囲もあなたの状況に理解が深まることでしょう。

また、多発性硬化症は国の難病に指定されており、手続きをすることで医療費控除が適用されます。その他にも障害者手帳を所持することもできるので、福祉サービスの利用や就職などの際に役立つこともありますよ。



多発性硬化症の方の口コミがご覧いただけます。参考になさってください。
▼多発性硬化症(MS)のある方がお仕事、雇用をされている企業一覧


※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
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監修者

大学で社会福祉学と心理学を専攻。精神保健福祉士・社会福祉士、認定心理士の資格を取得し、カウンセリングセンターにおいて、メンタルヘルス講座の講師や心理カウンセラーとして活躍する。 その後、いくつかの精神科病院にて、うつ病などの患者さんや、その家族に対するカウンセリング・相談や支援に力を入れる。現在は、主にメンタルヘルス系の記事を執筆するライターとして活動中。

保有資格

著者

主に福祉系の執筆をするWEBライター。大学卒業後、民間会社数社で従事した後、障害者通所事業所・障害者支援施設での生活支援や、地域包括支援センターでの相談支援を約10年間経験。社会福祉士介護福祉士を保有。

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