これまで何度も転職を繰り返したADHDの方でも、自分の特性を活かした転職のコツを実践すれば、適職を見つけやすくなります。ADHDであることで転職を不利にしないためには、6つのコツを知っておくことが必要です。おさらいしていきましょう。
■ADHDであることで転職を不利にしないために必要なこととは?
・自己理解を深める
・苦手なことは、対策や工夫を行う
・配慮してほしいこと、相談ごとをまとめておく
・会社で活かせる自分の強みを考える
・自分の特性に合った仕事を見つける
・面接で上手にADHDのことを伝える
それぞれのポイントを簡単に説明してきます。
自己理解を深める
ADHDの方の転職活動は、まず自己理解を深めることから始めましょう。自分の特性による得手・不得手や傾向を知ります。自己理解は、家族や友人、支援者に相談しながら自分を客観的に見つめることでも深めることができます。ナビゲーションブックを作るための無料ツールTorisetu(トリセツ)を使うのもおすすめです。
苦手なことは、対策や工夫を行う
ADHDの特性により苦手なことは、ちょっとした工夫や対策でできるようになることもあります。そして、難しいことでも一生懸命に取り組んでいることを分かってもらえば、周囲からの理解やサポートを得やすくなります。
配慮してほしいこと、相談ごとをまとめておく
ADHDの方は、努力してもできないことや苦手なことがあるものです。しかし、周囲のサポートや配慮を得る事でできるようになったり、仕事がスムーズに行えたりすることもあります。自分、そして周囲がより働きやすい環境になるためにも、自分の特性とともにお願いしたい配慮事項や必要なサポートをまとめておきましょう。上手に伝えられるように、あらかじめ書面に書き出しておくことをおすすめします。
会社で活かせる自分の強みを考える
ADHDの特性には、強みもあります。得意なことは、長所として活かしていきましょう。特に会社に貢献できる分野があれば、積極的にアピールしたり、他の人が苦手で自分が得意な業務であれば積極的に引き受けたりするのも良いことです。会社に自分を雇うメリットが伝われば、転職に成功する率は高くなります。
自分の特性に合った仕事を見つける
ADHDの方は、特性に合っていない仕事や苦手分野の仕事に就くと、ミスが多くなったり誤解を招いたりして、居づらさから早く辞めてしまうこともあります。転職に失敗しないためには、自分に向いていない業務や環境を避け、長所が活かせる仕事を選びましょう。自己分析に沿って、転職活動を行うならADHDの方にとっての適職を見つけられるはずです。
面接で上手にADHDのことを伝える
ADHDの方にとっての転職成功が、長く働き続ける仕事に転職することであれば、ADHDの特性を理解してサポートしてくれる職場環境を見つけなければなりません。そのためにも面接では、予めADHDであることを伝えることをおすすめします。
しかし、ADHDのことを伝えるときは、少しのコツが必要です。自分の特性とそれによる仕事での困りごと、困りごとに対する自分なりの工夫や対策、困りごとに対して相談したいサポートや配慮事項をまとめて話していきましょう。先にも述べたナビゲーションブックを見せながら話をすれば、伝えたいことを適確に、そしてスムーズに伝えることができます。
このコラムで紹介した体験談を寄せてくださったADHDの方も、苦労しつつ、様々な工夫と努力を重ねて転職に成功しています。
何度も繰り返す転職に、できない自分を否定的にとらえてしまうことがあるかもしれません。しかし自己理解を進めることで、どのような働き方が自分の特性に合っているのかわかるようになります。
ADHDの方が自分にとっての適職に出会い、「この仕事が向いている」「この職場が楽しい」と思っていただけることを願っています。
【監修者:松好伸一先生からのアドバイス】
転職活動では、ADHDによる特性がマイナスに働いてしまうこともあるかもしれません。転職しても、新しい環境で新しい仕事を覚えることや、新たな人間関係、職場での作法(職場独特のマナー)などを覚えなければならないことがたくさんあります。
それでも、新たな環境に行ってみようと思えることが大事です。「自分はダメだ」と思わず「この業務が向いていない」「こういう業務なら人よりできる」と自分のことを分析し、その能力が発揮しやすく苦手業務が少ない仕事につけるよう、転職活動に取り組みましょう。
なかなかうまくいかなくても、サイトを参考にしたり、自分なりに続けたりしていくことでノウハウが生まれてくることもあります。ADHD特性の中には「継続した取り組み」が苦手な人もいますので、自分の苦手を意識して「継続した取り組み」をしていきましょう。
※この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
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