ADHDの方が就職や転職に成功する面接の受け方とは?

ADHDの方が就職や転職に成功する面接の受け方とは?

ADHDのある方は、特性ゆえに就職や転職に苦労しがちです。特に面接が苦手だと感じるADHDの方は多いようです。

・面接でADHDであることを伝えると不利になるのではないか
・何を話せば良いのかわからない
・面接がスムーズに進んだことがない

こんな経験や心配から、心が折れそうになっている方もいるかもしれません。面接が苦手だと思うと、就職や転職への意欲がなくなり、仕事に就けない期間が長引くこともあります。

しかし、面接のコツをつかみ、就職に成功されているADHDの方はたくさんいらっしゃいます。採用面接の際にADHDであることをオープンにしながらも、上手に特性を伝えるスキルが身に付けば、面接への苦手意識はなくなるでしょう。

このコラムでは、アンブレに届いた口コミを分析して、ADHDの方が就職や転職を成功させるための面接の受け方のコツを6つに分けて解説します。

*この記事は松好伸一先生に監修していただきました
松好伸一先生

仙台白百合女子大学 人間学部 人間発達学科 講師。保育士や幼稚園教諭、障害児支援に長年従事。またサービス管理責任者として障害者支援の経験を持つ。日本発達支援学会(監事)。発達障害や保育に関する教科書など著書も多数。




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目次

面接を苦手に感じる理由

面接に成功するコツは事前準備をしっかり行うこと

面接に成功するための事前準備1:自己分析する

面接に成功するための事前準備2:苦手なことや困りごとへの工夫や対策をまとめる

面接に成功するための事前準備3:必要なサポートや配慮事項をまとめる

面接に成功するための事前準備4:ナビゲーションブックにまとめる

面接に成功するための事前準備5:特性に合った就職先を見つける

まとめ

面接を苦手に感じる理由

ADHDの方は、面接に苦手意識を持っていることが多いものです。例えばこのような悩みはありませんか?

  • 面接の場になると緊張してしまい自然な受け答えができない
  • 面接で聞かれている内容がわからなくなる
  • 頭が真っ白になって意味不明なことを言ってしまう
  • ADHDについてどのように話せばよいか分からない
採用面接はだれもが緊張するものです。しかし、ADHDの方は、特性ゆえに面接が上手くいかないことが多く、自信を失いがちです。

例えば、ADHDの特性のひとつ「不注意傾向」がある場合は、面接官の質問や意見を正確に把握できず、的外れな答えをしてしまったり、ぼんやりして話を聞いていないと思われてしまったりすることがあります。

また、臨機応変な対応が苦手な方は、面接で思いもよらない質問を受けたり、予想外のことが生じたりすると頭が真っ白になることもあるでしょう。

このようなADHDの特性が誤解されてしまうと、採用担当者に「真面目に答えているのだろうか」とか「やる気があるのだろうか」という不信感を持たれてしまいます。

中には、ADHDであることを面接でどのように伝えればよいのか、その方法に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ここからは、このような面接に対する悩みを解決しながら、面接に通るためのコツを紹介していきます。

面接に成功するコツは事前準備をしっかり行うこと

ADHDのある方は、面接を受ける前に準備が必要です。自分の特性をよく理解し、上手に相談ごとを伝えるスキルを身につけなければならないからです。

また、話すことをあらかじめまとめておけば、余裕を持って面接に臨むことができますし、企業側の視点に立って上手に自己アピールすれば、プラスの評価となります。

このように、自分の特性をよく理解して面接の準備を行うことが、ADHDの方が面接に成功する秘訣です。

では、具体的にどのような準備をすれば良いのでしょうか?

ADHDの方が面接に成功するために必要な事前準備は、大きくわけて5つです。詳しく見ていきましょう。

面接に成功するための事前準備1:自己分析する

ADHDの方は、面接を受ける前に「自己分析」の時間を取りましょう。自己分析は、自分の特性を知るために必要不可欠な過程です。ADHDの特性を知らないまま、手あたり次第に採用面接を受けると失敗が多くなります。

ADHDがある方の中でも、持っている特性には大きな差があり、できること、できないことが異なります。自分のことが分からない場合には、家族や友人、医師や支援者の力を借りながら、自己分析をするのも良いでしょう。 特に、自分の得手・不得手なことを書き出してみましょう。

得意なことは上手に活かせば長所になり、アピールすべきポイントになります。逆に不得手なことをメインとする業務を選ばないようにします。しかし、不得手なことが全くない業務は珍しいものです。その時は、必要に応じて協力を得れば、ぐっと働きやすくなります。

面接に成功するための事前準備2:得意分野の活かし方を考える ADHDの特性には、自分の好きなことや興味のあることに対してものすごく集中できるなど、強みとして活かせることがあります。

また、面接官はこの人がどのような働きをしてくれるのかを見ています。

ですから、自分の得意分野を活かして企業に貢献できる点を具体的に伝えることが必要です。企業が求めているのは、総合的に見て企業にとってメリットになる人材かどうか、一緒に働きたい人材かどうかということです。

企業がどんな人材を求めているかをよく調べましょう。企業のホームページを参考に、募集する人材に求めている経験やスキルをアピールするのも良いですね。

ADHDの特性によりできないことがありますが、できることも多くあります。自分の得意分野を説明できるようになると、自信につながり面接への苦手意識が薄れていきます。ADHDであっても自分の価値を最大限に活かして、会社に貢献しようという気持ちが伝われば、面接官は一緒に働きたいと思ってくれるはずです。

面接に成功するための事前準備2:苦手なことや困りごとへの工夫や対策をまとめる

ADHDの方は、特性による困りごとやそれに対する要望を面接で伝える時、自分なりに工夫している点や対策もプラスして伝えるようにしましょう。苦手なことや困りごとに対して工夫や対策をとっていることが伝われば、努力している姿勢として評価されるからです。


自分の特性に合った工夫や対策は様々です。日常的にメモを取るようにしていることや、体調管理など、些細に思えることでも、工夫していることを具体的に伝えるようにしてください。具体的な自己管理の方法を知っていることは、ADHDの方が自分の特性をコントロールしている証拠になるからです。

ADHDの方が自分の特性を理解して就職活動をしている姿は、面接を行う企業にとって評価が高くなるポイントです。

面接に成功するための事前準備3:必要なサポートや配慮事項をまとめる

ADHDの方は、特性ゆえに努力してもできないことがあります。そのため、面接の段階で企業側に配慮してほしいことや、相談ごとを伝えておきましょう。面接で具体的な相談ができれば、入社後に適切なサポートを受けられたり、特性にあったポジションで働かせてもらえたりする可能性が高くなるからです。

曖昧な指示ではなく具体的な数字を用いた指示を出してほしいとか、メールを使ったコミュニケーションをお願いしたいといった要望など、伝えることで初めて理解してもらえることがたくさんあります。また、要望を共有すれば誤解を避けられるため、お互いが働きやすくなります。

ADHDの方は、面接の場で自分の方から要望を述べると就職に不利になるのではないかと、相談をためらう傾向があります。しかし、面接の場は、互いの意見や要望をすり合わせる場であることを忘れないようにしましょう。

適切な配慮やサポートがあれば、難しいことや時間がかかることもスムーズにでき、より職場に貢献できることを伝えてください。

面接に成功するための事前準備4:ナビゲーションブックにまとめる

ここまで紹介してきた事前準備を終えたら、その内容を書面にすることをおすすめします。書面にするメリットがたくさんあるからです。

臨機応変な対応が苦手であるがゆえに、面接の場でも頭が真っ白になって言いたいことを十分に話せない方は、話す内容をまとめた書類があるだけで心にゆとりができ、落ち着いて面接にのぞめるものです。

また、書面を面接官に渡せば、限りある面接時間で伝えられなかった考えや思いも伝えることができます。

面接で利用されている書面の一つに、「ナビゲーションブック」があります。

しかし、自分でナビゲーションブックを作るとなると、何から手を付けて良いか分からない方も多いでしょう。そこで、おすすめなのが、torisetu(トリセツ)という無料ツールです。torisetu(トリセツ)を使えばA4一枚に自分の特性をまとめたナビゲーションブックを作ることができます。

使い方は簡単です。悩んでいること、自分で行っている対策や工夫、企業に相談したいことを、順番に選択肢に答えて入力するだけで、ADHDの方が自分の特性を説明できるナビゲーションブックが完成します。

torisetu(トリセツ)は、9000件以上の障害者雇用の口コミを分析して作られているので、採用面接の際に、企業側が知りたいことを端的にまとめられます。ぜひ一度試してみてください。

面接に成功するための事前準備5:特性に合った就職先を見つける

働きたい企業をどのような基準で探していますか?興味のある業界、気になる職種、通勤のしやすさなど選ぶ基準は人によって異なります。

しかしADHDの方の企業選びや仕事探しには、「自分の特性に向いている仕事かどうか」も重要なポイントです。

例えば、以前から興味のある企業があったとします。そこで「どのような仕事を担当するか」が非常に重要です。

ペースの早い仕事や、臨機応変な対応が求められる業務を苦手とする方は、ゆとりを持って自分のペースで働ける職種を選ぶのも一つの方法です。マルチタスクが苦手な方は、電話応対の無い部署を選ぶのも良いでしょう。

まとめ

就職や転職活動を行うなかで面接に苦手意識を持ってきたADHDの方でも、コツをつかめば自信を持って面接にのぞめるはずです。自信を持つことができれば、面接に成功する日も近づくでしょう。

ADHDのある方が就職や転職に成功するためのコツとは?

・自己分析する
・得意分野を活かす
・工夫や対策を伝える
・配慮してほしいことを伝える
・ナビゲーションブックを活用する
・特性に合った就職先を見つける

■自己分析する

自分のADHDの特性を理解し、得意なこと、不得意なことを説明できるようになりましょう。時には周囲の人に手伝ってもらいながら自己理解を深めてみるのも良いことです。

■得意分野を活かす

ADHDの特性は長所にもなります。ADHDの方が得意分野の仕事をしている時には、優れた生産性を発揮できるものです。会社のホームページなどを分析して、求められる人材にふさわしいスキルや経験があることを面接でアピールできるように準備しましょう。

■工夫や対策を伝える

ADHDの特性による苦手分野に対して、どんな工夫や対策を講じているかを伝えましょう。例えば、「メモをとる」といった心がけも自分なりの対策の一つです。仕事をスムーズに進めるために努力している点を伝えると、働きたいという意欲が面接官により伝わります。

■配慮してほしいことを伝える

その企業で長く働きたいのであれば、誤解を避けるためにもADHDゆえにできないことや苦手に感じることも面接では伝えたほうが良いでしょう。その際は、配慮やサポートがあればできることや、スムーズに仕事が進められる点を説明することで、仕事に対する熱意が伝わります。双方の意見や要望をすり合わせるのが面接なので、ADHDの方は遠慮せずに相談することが大切です。また、相談できるような企業で働きたいものです。

■ナビゲーションブックを活用する

ADHDの方は、頭が真っ白になったり、言いたいことを言えなかったりする面接に備えて、自分の特性や困りごとに対する工夫や対策、企業に相談したい配慮などを予めまとめることをおすすめします。そのツールの一つが「ナビゲーションブック」です。ナビゲーションブックは、自分の考えをまとめられるので心にゆとりができますし、面接へ持参することも可能です。

■特性に合った就職先を見つける

自己分析に基づき、自分のADHDの特性に合った企業の面接を受けましょう。そうすれば、適職に出会える機会が広がります。自分のペースでできる仕事、マルチタスクが求められない仕事、マニュアルが整っている仕事など、業務内容や職場環境を確認して面接を受けるようにしましょう。

就職活動の中でも面接に苦手意識があった方でも、ADHDの特性を活かした面接のコツを活用するなら、就職や転職に成功できるようになります。このコラムを通してみてきたように、たくさんのADHDの方が成功している体験談から導き出した面接の受け方のコツをぜひ実践してみてください。

ADHDの方が面接の苦手意識を払しょくし、自分の特性に合った就職先を見つけられるように願っています。

【監修者:松好伸一先生からのアドバイス】

面接のような極度に緊張する場面では焦ってしまうこともありますが、眠くなったり聞こえにくくなったりする人もいます。自分のこれまでを振り返って緊張する場面での自分の傾向を確認しておくと良いでしょう。

焦ってしまう場合にはとにかく「ゆっくり受け答えする」ことを意識しましょう。緊張をほぐすアイテムなど予め方法を考えておくと良いですね。

「緊張」は「失敗しないように」や「自分をよく見せたい」と言う心理が働くことでより強くなります。 面接は履歴書だけではわからない情報を得ると言う目的もありますので、よそ行きの自分を演じるのではなく、落ち着いて面接に臨みましょう。

なかなか難しいとは思いますが、自分が緊張するとどうなってしまうのかを把握し「実力以上のことは出せない」と腹をくくって臨んでみるのも良いかもしれませんね。

ADHDのある方の口コミがご覧いただけます。どのようなお仕事をされているのか参考にしてみてください。
▼ADHD(注意欠如・多動症)のある方のお仕事・職場口コミ一覧

ADHDのある方が転職に成功するコツを紹介しています
▼ADHDであることは転職に不利?転職に成功するコツを紹介


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監修者

保育士や幼稚園教諭、障害児支援に長年従事。またサービス管理責任者として障害者支援の経験を持つ。発達障害や保育に関する教科書など著書も多数で、2022年3月29日「幼児教育方法論」(共著・一藝社)を刊行。

保有資格

著者

発達障害・心理系のコンテンツを発信するWEBライター。大学で臨床心理学を学び、発達障害や精神疾患への知見を深める。自身もADHD(グレーゾーン)でありつつ社会で働いた経験や、事業を経営してきた経験をもとに、ADHDの仕事・働き方に関する著書を出版。障害を持たれる方が、自分の強みを理解し、イキイキと働けるように支援する活動をライフワークとしている。著書「ADHDの集中力アナドレン: 発達障害に負けない仕事術・タスク管理術 」「大人のADHD読書術」も好評。

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