経験者に聞く、パニック障害の方の仕事探しのポイント

経験者に聞く、パニック障害を抱えた人の仕事探しのポイント

自分ではコントロールできない突然の発作が起こるパニック障害。

一度発作を経験すると「また発作が起きたらどうしよう」という不安を覚え、「電車に乗れない」「外出することが辛い」といった悩みを抱えることはありませんか。
また、仕事を休みたくなることや、働くことにためらうこともあるでしょう。

まずは治療を行い、症状を緩和させることが大切ですが、少しずつ仕事に復帰したいと思ったときは、このコラムを参考にしてみてください。

パニック障害のある方の口コミが、アンブレにはたくさん届いています。その中には、同じような不安を抱えながらも、向いている仕事を見つけて働いている方も多くいらっしゃいます。

今回はこの口コミをもとに、仕事探しのポイントや採用後のアドバイスをまとめました。
障害者雇用の専門家みちしたさん(社会福祉士、精神保健福祉士)にもアドバイスをいただいています。

仕事に悩んでいる方やこれから仕事探しを始める方は、ぜひ参考にしてください。

*この記事はみちしたさんに監修していただきました
みちしたさん

社会福祉士・精神保健福祉士(ソーシャルワーカー、精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)の資格を持つ。障害者支援施設にて支援員を8年経験した後、福祉資格を持つ地方公務員として採用され、ソーシャルワーカーとして活躍。


目次

1. パニック障害とは

2. パニック障害になりやすい職場

3. パニック障害による仕事の悩み

4. パニック障害に理解のある職場

5. 働きやすい企業・職場・職種

6. 働きやすい企業を見極めるポイント

7. 働き方と求人の見つけ方

8. 面接のポイント

9. 入社後に気を付けたいこと

10. 専門家からのアドバイス

11. 最後に

1. パニック障害とは

パニック障害とは
    「パニック障害」も「不安障害」も、近年よく用いられるようになった病名ですが、正確にいうと、両者は並列関係にあるものではなく、「パニック障害」は「不安障害」の下位分類のひとつです。

    「不安障害」というのは、精神疾患の中で、不安を主症状とする疾患群をまとめた名称です。その中には、特徴的な不安症状を呈するものや、原因がトラウマ体験によるもの、体の病気や物質によるものなど、様々なものが含まれています。中でもパニック障害は、不安が典型的な形をとって現れている点で、不安障害を代表する疾患といえます。

    不安障害の原因は、まだ十分には解明されていません。どんな病気もそうですが、精神障害の発症には、生物学的(身体的)、心理的、および社会的要因がいろいろな度合いで関わっています。

    ~中略~

    不安障害の発症に心理的要因が関与していることも間違いありません。パニック障害では何の理由もなく突然パニック発作に襲われるのが典型的とされていますが、実はこれも、
    •過去に何らかのきっかけがあった
    •発症前1年間のストレスが多い
    •小児期に親との別離体験をもつ
    などの心理的要因があるケースが多い、という報告もあります。
参考:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」

あなたも、このような要因であてあまるものはありませか?もちろん、様々な要因が重なったのかもしれませんが、その1つが仕事だということも少なくないはずです。

まずは、パニック障害になりやすい職場の傾向をみていきましょう。

2. パニック障害になりやすい職場

パニック障害になりやすい職場とは
パニック障害を発症した方は、どのような職場で働いていたのでしょうか。前述したように、パニック障害の要因は仕事だけではありません。しかし、職場にきっかけがあったという意見もあります。

「症状が悪化したのは、一緒に働いている受付のもうひとりのストレスで、それをまわりの人に伝えても何も改善されることもなく、笑っていて、就業することが不可能になっていった。」

「朝7時から深夜2時まで休憩もまともに取れない超過労働でパニック障害を発症してしまったため。」

「病気になった原因がこの職場でのパワハラや嫌がらせだったから。」

仕事が忙しくて休めない、職場の上司や同僚との人間関係がうまくいかないなど、ストレスが1つの要因になることはあります。

復職や再就職後、再び症状を悪化させないためにも、自分がパニック障害を発症した要因を知ることは大切です。ただ、思い出すという行為が辛いこともあるでしょう。逆に、すぐに要因が思い当たる方もいらっしゃるでしょう。

まずは、自分のパニック障害の特徴と今後の方針について、専門の医師に相談してみましょう。

3. パニック障害による仕事の悩み

 パニック障害による仕事の悩み
パニック障害は、予期しないパニック発作 が起こることがあります。周りの方が、突然の発作に驚くこともあるでしょう。

さらに「また発作が起きるのではないか 」という予期不安を感じる方や、「あそこで発作を起こしたら助けてもらえないのではないか」という恐怖により、外出するのが辛い方もいるでしょう。

これから復職を考えている方や転職活動を考えている方の多くは、パニック障害を発症する不安に加え、職場の同僚の理解が得られるかという心配もあるのではないでしょうか。

口コミで一番多く述べられた仕事の悩みも、職場の同僚の理解のなさ でした。

「過呼吸が起きても理解してもらえず、サボっているように思われた」

「ストレスに弱い病気なのに、”これくらいやってもらえないと困る”とプレッシャーのかかるようなことを言われた」

「飲食店で働いていたのですが、ピークタイムを過ぎると、店舗に一人にされてしまうことが多くて。発作が出ても助けてもらえないことが非常に辛かったです」

パニック障害を理解してもらえないことで、さらなるストレスや不安を抱えてしまったという意見が多くみられます。

では反対に、理解のある職場とは、どのような職場なのでしょうか?

4. パニック障害に理解のある職場

パニック障害に理解のある職場
パニック障害のある方にとって理解のある職場とは、配慮やサポートのある職場ともいえそうです。では、サポート内容を詳しくみてみましょう。

「障害を理由に不当な扱いをされたことはありません。得意な”淡々とこなす作業”ができるよう、環境を整えていただいたことに感謝しています」

「休みの希望が通りやすく、体調不良になった時も休みをもらいやすい環境でした」

「困ったことがあれば、いつでも相談できる人ばかりでした」

理解がある職場には、以下の様子がみられます。
  • ストレスのかからない労働環境
  • 体調不良や悩みを抵抗なく相談できる雰囲気

またグラフからは、職場からの配慮の有無と職場への満足度は、大きく関わっていることがわかります。満足度が高い職場ほど配慮があり、満足度が低い職場ほど配慮がのぞめないようです。

では、そのような理解のある職場を見つけるためには、どうすれば良いのでしょうか。まずは、口コミ評価が高い企業の様子をみてみましょう。

※他にもパニック障害のある方の仕事に関する口コミがたくさん届いています。
→パニック障害のある方の口コミはこちらへ

5. 働きやすい企業・職場・職種

働きやすい企業・職場・職種
まずは、パニック障害のある方の評価が高い企業についてご紹介します。

口コミからは、企業の様子がわかります。

5-1.パニック障害でも働きやすい企業

①病気や障害への理解がある

パナソニック株式会社
「アットホームな雰囲気の職場であり、無理をしないでマイペースで出来る仕事です。ちょっとしたことでもお互いに声を掛け合って助け合ったりしているところがすばらしいです。やめても復帰しやすい職場の感じがしました。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
→この企業に関する口コミはこちらへ

三井生命保険株式会社
「同僚が平日の通院を快く行かせてくれた。症状がひどい時はコンビニにも行けなかったのに、替わりに銀行に行ってくれた。直属の上司が体調を気にかけてくれて、休暇も取得しやすかった」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
→この企業に関する口コミはこちらへ

株式会社ROQUE
「一度会社で過呼吸になり、迷惑をかけてしまった時に、社長が”今後また起こった時のために”と過呼吸についての対処法を聞いてくれました。それを他の社員にも”次に起きた時はこうしてやってくれ”と説明してくれました。また、毎日ミーティングの時にオーバーワークになっていないかを確認してくれました。症状が改善せず、長期間欠勤が続いた時には、会社の方から”一度ゆっくり休んでみては?”と提案をしてもらえた」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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②シフトの融通が利く、休暇制度が充実している

株式会社スタートトゥデイ
「週休二日制で、休憩もしっかり取れました。残業も可能な時だけだったので、働きやすかったです」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
→この企業に関する口コミはこちらへ
トップワーク株式会社
「休みの希望がほぼ通り、体調不良になった時も休みやすい環境でした」
満足度:★★★★
配慮 :★★★
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株式会社国大セミナー
「シフトの融通がききます。また、人間関係も良好で、楽しいと思える時もあります」
満足度:★★★★
配慮 :★★★
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富士通株式会社
「また、外出ができない時期があった時に、内勤にしてもらえました。福利厚生も整っていて、教育制度もきちんとしているので、スキルアップできる環境もあります」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
→この企業に関する口コミはこちらへ

これらはほんの一例です。障害を抱えた就労でも、理解を示し手厚いサポートのある企業は、他にも多くあります。同じ境遇の方の口コミをチェックしてみましょう。

5-2.パニック障害でも働きやすい職種

次は口コミをもとに、パニック障害のある方が働きやすい職種や企業の特徴をまとめました。

大手企業
福利厚生が充実している企業や、休暇制度など活用できる制度を整えている企業が多いです。産業医や相談員などを備えているところも多く、安心して働ける環境が期待できます。

事務などのデスクワーク
営業や販売とは違い、個人に対する数値的ノルマがほとんどありません。ルーティンワークが多く急な予定変更などに惑わされることも少ないでしょう。ハードに体を動かす作業や一日中立ちっぱなしで行う仕事ではないので、体力面でも安心です。

コールセンター
女性の多い職場のため、細やかな気遣いができる人が多い印象です。シフト制やフレックス制など、勤務時間に融通がきく会社も多いでしょう。在宅勤務が可能な会社もあるようです。長時間働けない方や混雑した電車が苦手な方にもおすすめです。

ここまでは、おすすめの企業や職種を紹介しました。次は、このような企業の見つけ方や、仕事探しの方法についてみていきましょう。

パニック障害のある方が働いている企業が一覧で確認できます。
満足度の高い企業をチェックしてみましょう。

詳しくはこちら

6. 働きやすい企業を見極めるポイント

パニック障害は、常に発作の心配がつきまといます。不安をできるだけ減らし、ストレスの少ない状態で働きたいものです。

これから求人を探す方も、すでに気になる求人を見つけている方も、企業を見極めるためにチェックして欲しい項目をまとめました。
仕事探しの参考にしてください。

6-1.通勤手段と時間

パニック障害のある方にとって、通勤も大きな不安やストレスになります。

「電車に乗れないなどの症状がある場合は、職場の近くに引っ越すか、または自宅近くの職場を探すこと。無理をして毎日電車に乗ってしまうと、症状が悪化しやすくなってしまいます」

「できるだけ家から近い職場を選ぶことが大切です。何事も健康な人より負荷がかかるので、減らせるストレスはできるだけ減らした方が良いです」

「パニック発作での恐怖で、混雑する急行電車やラッシュの時間の電車に乗れなかったので、業務の開始時間を調整してもらった」

通勤に時間がかかると、通勤中に発作が起きたり、不安で会社に行けなくなったりする可能性もあります。自宅から無理なく通勤できる距離なのか、勤務時間をずらしてラッシュ時の乗車を避けられるのかという点を確認してみましょう。

6-2.勤務体制

悩みには「店舗に一人にされてしまうことが多く、発作が出ても助けてもらえないことが非常に辛かった」という意見があがっていました。このことからも、職場の勤務体制も確認ポイントの1つだとわかります。

「二人もしくは一人体制の仕事なので、何かあったときに対応ができない。具合が悪くなっても、休憩ができません」

「自分が発作や不調を起こしたとき、その分を埋めてくれる人員がいることは重要。ある程度人数の多い職場を選んだ方が良いです。規模の小さい職場は、一人一人の距離が近い分、人間関係などは円滑ですが、自分が欠けたときに回らなくなってしまう可能性も高いと思います。産業医がいる、病気への理解があると同じくらい、働いている人数にも注意してみてください」

仕事の任され方も、自分のペースでできる状況と、自分だけに任され逃げられない状況とでは違います。急に具合が悪くなってしまったときにフォローが頼める職場なのか、人員に余裕があるのか、といった人数や勤務体制も確認してみおきましょう。

6-3.勤務時間への柔軟性

突然体調が悪化し、急な遅刻や欠勤をお願いすることもあるでしょう。また、通院のために、シフトに融通がきき、休みを取りやすい会社であるかどうかも重要です。

「あらかじめ、遅刻・早退・欠勤がしづらい雰囲気のある、忙しい職場ではないかを確認した方が良いと思います」

「求人情報で、”シフト自由”と書かれた会社を主に受けました。シフトの融通がきくのかという点は、一番に確認しておいた方が良いと思います」

上記の口コミ以外にも、残業が多くストレスがたまる、という意見も多くありました。自分が無理なく働くためにも、勤務時間に対して柔軟であるかどうかは重要視したいポイントです。

※他にもパニック障害のある方の仕事に関する口コミがたくさん届いています。
→パニック障害のある方の口コミはこちらへ

7. 働き方と求人の見つけ方

就職活動や転職活動を行うとき、まず何から始めれば良いか戸惑うことはありませんか。
先述のように、企業を見極めるポイントを理解しても、実際に行動に移せないという方もいらっしゃるでしょう。

まずは、どのような働き方が向いているのかを考えてみましょう。

7-1.一般枠と障害者雇用枠

求人には「一般枠」と「障害者雇用枠」があり、障害者手帳を所持している方は、どちらにも応募することができます。

「一般枠」は、障害であることを伝えず、障害のない方と同じように働きます(=クローズ就労)。
求人で扱っている職種が広いなどのメリットはありますが、パニック障害であることを伝えていないため理解は得られにくく、職場の同僚のサポートが必ず受けられるとはいえません。

「障害者雇用枠」は、障害であることを伝えて働きます(=オープン就労)。
そのため、職場の同僚からはパニック障害についての理解や、サポートが望める環境で働ける可能性が高くなります。

7-2.求人の探し方

①ハローワーク

ハローワークには、障害のある方専門の相談窓口があります。障害者雇用に関する求人もあります。実際に活用した方の声をみてみましょう。

「親身になって相談を聞いてくれた。」

「ハローワークにて職員の方に、正直に応募時、病気の事を告知してもらいました。「病気のせいで採用が決まらないかもしれないけど、辛抱強く求人探して行こう」と優しい言葉を掛けていただきました。」



参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

②人材紹介会社

障害や病気のある方の転職や、就職の支援を専門とする人材紹介会社をご存知でしょうか。

人材紹介会社では、履歴書の書き方の指導や面接の練習、おすすめ企業の紹介や企業との調整、事前見学の申し入れや入社後の相談など、全面的なサポートなどを行っています。

ハローワークでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業とのパイプが太く、ホームページや求人票からは得られない職場環境などを聞くこともできます。

ひとりではじめる就職活動との違いは、障害や就職、転職に関する専門知識をもった担当者からのアドバイスやサポート、自分に向いている企業の紹介を受けられる点です。担当者と一緒に不安を取り除きながら仕事探しを行えるのは、心強いですね。

口コミにも、人材紹介会社を活用したという声が届いています。

「応募する際に事前に自分が抱えている疾患を告げ、勤務可能な環境かを確認してくれた。」

「面接対策や履歴書添削といったサポートを受けました。」



しかし、人材紹介会社も一企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかを確認してみましょう。

次の章では、面接のポイントをご紹介します。

8. 面接のポイント

働きたい会社で受ける面接は、だれでも緊張するものです。緊張を和らげるためには、気持ちに余裕を持つことが大切です。きちんと事前準備を行い、面接にのぞみましょう。

面接を受けるときのポイントを3つ紹介します。

  1. パニック障害があることを伝える
  2. 自分のできること、できないことの両方を伝える
  3. 知りたいことは遠慮せずに質問する


では、口コミに寄せられたコメントとともに詳しく見てみましょう。

8-1.パニック障害であることを伝える

「自分がパニック障害であることを話すかどうか」を迷う方もいるでしょう。しかし、希望する企業に就職し、働き続けている多くの経験者が、パニック障害について正直に話すことをアドバイスとしてあげています。

「入社前に、自らの病気を告白すること。告白して内定を出さない企業なら、理解が少ない会社だと思います。長く続けられる職場を探すのなら、勇気を持って最初に告白すべきです」

「断られてしまうこともあるかもしれませんが、病気を隠すことだけはやめた方がいいです。万が一、症状が出てしまった時に周りの協力体制がないというのは、とても辛いです」

「面接の時点で病気のことを言うべきだと思います。隠しながら辛い思いをして仕事をするよりも、仕事が決まる前に会社に伝えるべきです。そこで断られたら、受け入れてくれるところを探せばいいだけの話。我慢をして、余計に体調が悪くなってしまう可能性だってあります」



パニック障害であることを伝える理由は、以下のとおりです。

・職場の同僚から理解を得るためには、自分の特徴を伝えることが必要
・パニック障害を悪化させる要因を我慢することは、症状の悪化を招き、仕事を続けることが難しくなる
・障害に対する会社の考えた方を、入社する前に確認したほうがよい



パニック障害を悪化させないためにも、そして症状と上手に付き合いながら仕事を行うためにも、自分のパニック障害の特徴を伝えることは大切ですね。

8-2.自分のできること、できないことの両方を伝える

パニック障害があるからといって、すべての仕事ができないというわけではありません。環境が整っていれば、自分の力を発揮して働くこともできます
逆に、パニック障害を悪化させる状況では、できない仕事もあるでしょう

その両方をしっかりと伝えることは、働きやすい職場を得ることにつながります。そのためにも、自分のことは、まず自分がよく理解しましょう。

「障害は自分の大きなマイナスのポイントです。しかし、長所と短所をアピールするのと同じで、自分のセールスポイントや、やりたいことを必ず見せるべきです。両方を見せた上で相手の手の内を見せてくれるくらいが、今後の関係もやりやすいと思います」

「自分のできること、できないことを明確にし、セールスポイントを伝え、それを受け入れてくれる職場を選ぶべき。”続けられる仕事”を見極めることが大切だと思います」



お互いが気持ち良く仕事をするためにも、「できること」「できないこと」を正直に伝えることが大切です。とくに、できないことについては、「例えば、このようなサポートがあるとできるようになる」というような前向きな伝え方をすることをおすすめします。
そのポジティブな姿勢こそが、「パニック障害があってもこの会社で働きたい」という意欲や自信の表れとなり、相手にも良い印象を与えるでしょう。

また、パニック障害を打ち明けることで、企業に採用されないのではないかと不安に思うかもしれません。しかし、職場でパニック発作が起きたときには、周囲のサポートが必要になることもあるでしょう。発作に対する不安をいつも抱えたまま働くことは、ストレスにもなります。

ストレスによる症状の悪化を防ぐためにも、そして安心した環境で長く働き続けるためにも、パニック障害であることを伝えることを考えてみましょう。

8-3.知りたいことは遠慮せずに質問する

面接は、人間関係や職場環境など、実際に働く現場の様子を知ることができるチャンスでもあります。

「障害や病気になった時、配置換えやきちんと休養できる制度があるかどうか。人材を大切にしている会社かどうかを見て考えた方が良いです」

「仕事内容を詳細に聞いて、自分にできるのかを考えます」



質問することで不採用になるのではないか、と心配になることもあるでしょう。
もし、質問をためらう場合は、先ほど紹介した人材紹介会社のアドバイザーに相談することも1つの方法です。
あなたと企業の間に立って、調整や確認を行ってくれるところもあります。

また、面接の前に見学できる企業もあります。
不安や疑問に思うことは遠慮せずに確認しましょう。それらを解消せずに入社して、辛い思いをしていては、仕事を続けることはできません。

※他にもパニック障害のある方の仕事に関する口コミがたくさん届いています。
→パニック障害のある方の口コミはこちらへ

9. 入社後に気を付けたいこと

採用されて働くにあたり、職場ではどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。仕事を長く続けている方たちは、職場の同僚に自分の特徴を理解してもらうことで不安を軽減しているようです。

「まずは、自分のことをよく知ってもらい、理解されることで職場の同僚との関係性を築くこと。自分のできること、苦手なことを知り、周りに伝えることが大切です」

「障害について理解してもらうことがなくても、悲観しないこと。経験上、一人でも病気について理解してくれる人は必ずいます」

「困った時に相談できる人を見つけ、症状をしっかり伝えることが大切。精神疾患は症状を理解してもらうことは難しいけど、それでも伝えることが大切だと思います」

「誰か一人でも病気のことを言える人がいたら、自分一人で抱え込まないように、なるべく口に出して助けを求める」



どんな些細なことも、口にしなければ伝わりません。発作が起きたときの対応方法を職場の同僚に知ってもらえれば、発作時も慌てず適確なサポートを得ることもできます。そうすれば、安心して働ける環境に、身を置くことができるでしょう。

10. 専門家からのアドバイス

仕事探しを考えているパニック障害のある方へ、障害者雇用の専門家 みちしたさんからのアドバイスを紹介します。

■働くことを迷っているパニック障害のある方へ

パニック発作で悩み、働くのが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
重要なことは一人で抱え込まず、周囲に理解してもらうことです。

現在はパニック障害の苦しみに配慮した会社が増えつつあります。
バス・電車などの移動、ちょっとした環境変化や人間関係など自分がどのような要因でパニック発作が起きてしまうのか理解してもらうことが大切です。「私なんて無理」と諦めず、まずは相談してみましょう。

■これから働くパニック障害のある方へ

日本では依然として「パニック障害」という言葉を知らない方も多くいます。
場合によって「いざ働こう!」と意気込んでもすぐに良い職場が見つからない場合もあるかもしれません。

しかし、職場に合わせようと自分の状態をしっかりと伝えないまま働き始めても、症状が悪化する原因になりかねません。記事でも紹介のあったように通勤手段、勤務体制、勤務時間は長く働く上で大切な要素です。意欲はとても大切ですが「自分も」同じくらい大切にしてください。

11. 最後に

パニック障害を抱えながらの仕事復帰や転職活動は、仕事探しから入社後まで、注意するべきことが多く難しいと感じてしまうかもしれません。しかし、仕事選びを慎重に進める理由は、あなた自身を守るためです。

パニック障害を抱えながら働いている経験者たちのアドバイスで共通していることは、まず自分をよく知るということです。
自分のできる仕事、できない仕事を明確に伝えましょう。そしてできない仕事はどのようなサポートがあればできるのかといった仕事に対する前向きな姿勢を見せる努力をしましょう。その上で「サポートを求めること」が肝心です。

また、仕事をするうえで悩みや困難に感じることがあれば、一人で抱え込まずに職場の同僚に打ち明けて頼ってみましょう。

ときには、その仕事を無理して続けるよりも、一度立ち止まって休む方が良いときもあります。せっかく仕事に復帰したのに、症状が悪化しては意味がありません。

なかなか仕事が見つからずに焦ることもあるかもしれませんが、あなたが無理なく働ける理想の職場をじっくり見つけましょう。しかし、必要以上に無理をして頑張ることはありません。あなたの症状が良くなることを、一番に考えてくださいね。


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パニック障害と仕事、どこでどのように働くべき?悩みと対策を徹底紹介介


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障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説


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ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介


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監修者

みちした

社会福祉士・精神保健福祉士(ソーシャルワーカー、精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)の資格を持つ。障害者支援施設にて支援員を8年経験した後、福祉資格を持つ地方公務員として採用され、ソーシャルワーカーとして活躍。

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著者

Umbre編集部

障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。

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