経験者に聞く、パニック障害を抱えた人の仕事探しのポイント

自分ではコントロールできない突然の発作を抱えるパニック障害。強い発作を経験すると「また発作が起きたらどうしよう」という不安や、「電車に乗れない、外出することが辛い」という悩むことはありませんか?

さらに職場での様子を想像すると、その不安は増してしまうかもしれません。でも、同じような不安を抱えながらも、続けられる職場を見つけ働いている方はたくさんいます。

このコラムでは、そのような満足できる職場で働いている方から集まった体験談をもとに、仕事探しから就職後までのポイントやアドバイスをまとめました。

今、仕事について悩んでいる方、これから仕事を探す方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.パニック障害を抱えて働く不安



パニック障害特有の症状として、ストレスや明確な理由がなくても突然「予期しないパニック発作」が起きてしまうことが挙げられます。他の人から「突然発作を起こした」と驚かれることもありますよね。

さらに「また発作が起きるのではないか」という予期不安を感じている人、「あそこで発作を起こしたら助けてもらえないのではないか」という恐怖を感じて、外出が苦手になっている人もいるでしょう。

「会社はもちろん、一緒に働く人たちがパニック障害を理解してくれるのか」

「発作が起きときや体調が悪いときなど、サポート体制のある職場と出合えるのか」

これから復職を考えている方、いまの職場環境が合わず転職活動を考えている方は、パニック障害に対する周囲の理解が得られるか、不安に思っている方が多いのではないでしょうか。

1-1 パニック障害の方が職場で悩んだことは「周囲の方の理解のなさ」

パニック障害を抱えながら働いている人は、職場でどんなことに苦労しているのでしょうか。

「過呼吸が起きても理解してもらえず、サボっているように思われた」

「ストレスに弱い病気なのに、”これくらいやってもらえないと困る”とプレッシャーのかかるようなことを言われた」

「飲食店で働いていたのですが、ピークタイムを過ぎると、店舗に一人にされてしまうことが多くて。発作が出ても助けてもらえないことが非常に辛かったです」

アンケートでは、パニック障害を理解してもらえないことや、職場での人間関係、発作の不安があるのに一人で仕事を任せられてしまう、という苦労が多く挙げられていました。

1-2 パニック障害の方への配慮がある「理解のある職場」とは

では次に、パニック障害を抱える人に配慮のある職場ではというのはどのような職場なのでしょうか?具体的なサポート内容を見てみましょう。

「障害を理由に不当な扱いをされたことはありません。得意な”淡々とこなす作業”ができるよう、環境を整えていただいたことに感謝しています」

「休みの希望が通りやすく、体調不良になった時も休みをもらいやすい環境でした」

「困ったことがあれば、いつでも相談できる人ばかりでした」

アンケートからは、ストレスのかからない労働環境、体調不良や困っていることを抵抗なく相談できる雰囲気がある職場では、「理解がある」と感じる人が多いようです。

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2.パニック障害を抱えて働く人が気を付けたいポイント



パニック障害は常に発作の心配がつきまといます。できるだけ不安を少なくし、ストレスのかからない状態で仕事復帰したいですよね。これから求人を探す方も、すでに気になる求人を見つけたという方にも、ぜひチェックして欲しい項目をいくつかご紹介します。

2-1 通勤手段と時間

パニック障害の方にとって、通勤そのものも大きな不安やストレスになります。

「電車に乗れないなどの症状がある場合は、職場の近くに引っ越すか、または自宅近くの職場を探すこと。無理をして毎日電車に乗ってしまうと、症状が悪化しやすくなってしまいます」

「できるだけ家から近い職場を選ぶことが大切です。何事も健康な人より負荷がかかるので、減らせるストレスはできるだけ減らした方が良いです」

「パニック発作での恐怖で、混雑する急行電車やラッシュの時間の電車に乗れなかったので、業務の開始時間を調整してもらった」

無理をすると通勤が原因で発作が起きたり、不安で会社に行けなくなってしまう可能性もあります。自宅から無理なく通勤できる距離なのか、ラッシュの時間帯を避けるために始業時間に融通がきく勤務体制なのかをチェックしてみましょう。

2-2 職場の勤務体制

アンケートでは、「店舗に一人にされてしまうことが多く、発作が出ても助けてもらえないことが非常に辛かった」という意見があがっていたことからも分かるように、職場の勤務体制も重要なポイントです。

「二人もしくは一人体制の仕事なので、何かあったときに対応ができない。具合が悪くなっても、休憩ができません」

「自分が発作や不調を起こしたとき、その分を埋めてくれる人員がいることは重要。ある程度人数の多い職場を選んだ方が良いです。規模の小さい職場は、一人一人の距離が近い分、人間関係などは円滑ですが、自分が欠けたときに回らなくなってしまう可能性も高いと思います。産業医がいる、病気への理解があると同じくらい、働いている人数にも注意してみてください」

仕事の任され方でも、自分のペースでできる状況と、自分だけに任され逃げられない状況では違います。急に具合が悪くなってしまったときにフォローがある職場なのか、人数や勤務体制を確認してみてください。

2-3 勤務時間の融通がきく

体調が悪くなってしまった時、当日に急な遅刻や欠勤をしてしまうことがあります。また、病院へ通院する日を確保する必要がありますので、シフトの融通がきいたり、休みを取りやすい雰囲気の会社かどうかは重要です。

「あらかじめ、遅刻・早退・欠勤がしづらい雰囲気のある、忙しい職場ではないかを確認した方が良いと思います」

「求人情報で、”シフト自由”と書かれた会社を主に受けました。シフトの融通がきくのかという点は、一番に確認しておいた方が良いと思います」

上記以外にも、残業が多くストレスを感じる、と言う意見も多く見られました。自分が無理なく働けるよう、勤務時間の柔軟性は大事なポイントです。

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3.パニック障害を採用面接で伝えるべきか



働きたい会社を見つけて面接を受けることになった時、大切なポイントはなんでしょうか。

3-1 面接で障害をオープンにする

パニック障害について正直に話すこと。希望する仕事探しに成功した経験者のほとんどが、この点をアドバイスとして語っています。

「入社前に、自らの病気を告白すること。告白して内定を出さない企業なら、理解が少ない会社だと思います。長く続けられる職場を探すのなら、勇気を持って最初に告白すべきです」

「断られてしまうこともあるかもしれませんが、病気を隠すことだけはやめた方がいいです。万が一、症状が出てしまった時に周りの協力体制がないというのは、とても辛いです」

「面接の時点で病気のことを言うべきだと思います。隠しながら辛い思いをして仕事をするよりも、仕事が決まる前に会社に伝えるべきです。そこで断られたら、受け入れてくれるところを探せばいいだけの話。我慢をして、余計に体調が悪くなってしまう可能性だってあります」

3-2 できること・できないこと両方を伝える

パニック障害を抱えているというだけで、必要以上に委縮する必要はありません。障害を抱えているうえで、自分が「苦手なこと」も「得意なこと」も両方しっかりと伝えましょう。

「障害は自分の大きなマイナスのポイントです。しかし、長所と短所をアピールするのと同じで、自分のセールスポイントや、やりたいことを必ず見せるべきです。両方を見せた上で相手の手の内を見せてくれるくらいが、今後の関係もやりやすいと思います」

「自分のできること、できないことを明確にし、セールスポイントを伝え、それを受け入れてくれる職場を選ぶべき。”続けられる仕事”を見極めることが大切だと思います」

パニック障害を打ち明けることで、企業に採用されないのではないかと不安に思うかもしれません。ですが、職場でパニック発作が起きてしまったときなど、周囲の同僚のサポートが必要になるときがあるかもしれません。

お互いが気持ち良く仕事をするためにも、できること・できないことを正直に打ち明けることがベストです。障害を抱えていてもこの会社に入りたい!という思いや自分の強みを、自信を持って伝えてください。

3-3 面接時には遠慮せずに、知りたいことがらを確認する

面接は、人間関係や職場環境など、実際に働く現場の実情を知ることができるチャンスでもあります。

「障害や病気になった時、配置換えやきちんと休養できる制度があるかどうか。人材を大切にしている会社かどうかを見て考えた方が良いです」

「仕事内容を詳細に聞いて、自分にできるのかを考えます」

上記のような質問はなかなか言い出しにくいですよね。ですが、こういった質問をしたことで不採用になる会社は、採用後も障害への配慮が望めない会社だと言えます。

不安や疑問に思うことは、遠慮せずに質問をしましょう。解消せずに入社して、辛い思いをするのはあなた自身なのですから。

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4.入社後の職場で気を付けること



実際に企業に採用されて働くことになったら、職場ではどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。仕事を続けている方たちは、周囲に自分の症状を知ってもらうことで不安を軽減していました。

「まずは、自分のことをよく知ってもらい、理解されることで周囲との関係性を築くこと。自分のできること、苦手なことを知り、周りに伝えることが大切です」

「障害について理解してもらうことがなくても、悲観しないこと。経験上、一人でも病気について理解してくれる人は必ずいます」

「困った時に相談できる人を見つけ、症状をしっかり伝えることが大切。精神疾患は症状を理解してもらうことは難しいけど、それでも伝えることが大切だと思います」

「誰か一人でも病気のことを言える人がいたら、自分一人で抱え込まないように、なるべく口に出して助けを求める」

どんなことも、口にしないと伝わりません。周りの人に知ってもらうことで、症状が起きてしまった時も快くサポートをしてもらえますし、何より自分自身が仕事をしやすい環境に身を置くことができます。

5.パニック障害でも働ける企業の見つけ方



面接に見事通過し、採用となっても、まだまだ不安に思うことがあると思います。仕事に満足をしている方たちは、自分の症状を知ってもらうことでストレスを軽減していました。

「まずは、自分のことをよく知ってもらい、理解されることで周囲との関係性を築くこと。自分のできること、苦手なことを知り、周りに伝えることが大切です。」

「障害について理解してもらうことがなくても、悲観しないこと。経験上、一人でも病気について理解してくれる人は必ずいます。」

「困った時に相談できる人を見つけ、症状をしっかり伝えることが大切。精神疾患は症状を理解してもらうことは難しいけど、それでも伝えることが大切だと思います。」

「誰か一人でも病気のことを言える人がいたら、自分一人で抱え込まないように、なるべく口に出して助けを求める」

どんなことも、口にしないと伝わりません。周りの人に知ってもらうことで、症状が起きてしまった時も快くサポートをしてもらえますし、何より自分自身が仕事をしやすい環境に身を置くことができます。

6.経験者から、働きやすい企業・職場・職種を知る

6-1 パニック障害でも働きやすい企業

実際に、どのような企業が働きやすいのでしょうか。大きく2つの特徴がみられました。

①病気や障害への理解がある
名古屋三菱自動車販売株式会社
「パニック障害のことを上司にだけ報告していましたが、周りも何となく”配慮が必要”と認識されていた様子で、細やかに対応してもらいました。時短での勤務でしたが、退社後に会議で決まったことについては、全員配信でメールをくれるだけでなく、時間をとって説明してくださいました」

三井生命保険株式会社
「同僚が平日の通院を快く行かせてくれた。症状がひどい時はコンビニにも行けなかったのに、替わりに銀行に行ってくれた。直属の上司が体調を気にかけてくれたり、休暇も取得しやすかった」
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株式会社ROQUE
「一度会社で過呼吸になり、迷惑をかけてしまった時に、社長が”今後また起こった時のために”と過呼吸についての対処法を聞いてくれました。それを他の社員にも”次に起きた時はこうしてやってくれ”と説明してくれました。また、毎日ミーティングの時にオーバーワークになっていないかを確認してくれました。症状が改善せず、長期間欠勤が続いた時には、会社の方から”一度ゆっくり休んでみては?”と提案をしてもらえた」
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有限会社エーコープランニング
「会社のみんなが気にかけてくれて、調子が悪い時は休ませてくれたり、病院に行ける日を作ってくれました。車で移動する時は、高速が苦手なことを理解してくれて、下道を通ってくれました。飲み会の場所も、電車が苦手な僕に気を遣ってくれて、僕の家の近くにしてくれたりしました」
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②シフトの融通が利く、休暇制度が充実している
株式会社スタートトゥデイ
「週休二日制で、休憩もしっかり取れました。残業も可能な時だけだったので、働きやすかったです」

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トップワーク株式会社
「休みの希望がほぼ通り、体調不良になった時も休みやすい環境でした」
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株式会社国大セミナー
「シフトの融通がききます。また、人間関係も良好で、楽しいと思える時もあります」
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富士通株式会社
「また、外出ができない時期があった時に、内勤にしてもらえました。福利厚生も整っていて、教育制度もきちんとしているので、スキルアップできる環境もあります」
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これはほんの一例です。障害を抱えた就労でも手厚いサポートと理解を示してくれる企業はたくさんあります。同じような悩みを持つ方の体験談をチェックしてみましょう。

6-2 パニック障害でも働きやすい職場・職種

具体的な企業を紹介してきましたが、実際に求人を探す際には、どんな職場・仕事であれば働きやすいのかをまとめてみました。

大手企業
福利厚生が充実しているので、休暇制度などこちらが求めている条件に当てはまりやすい。また、病気へのサポート体制が整っているところも多く、安心して働ける環境が期待できます。

事務などのデスクワーク
営業や販売等と違ってノルマがなく、ルーティンワークが多いため、精神的な負担が少なくなります。ハードな作業や一日中立ちっぱなしという仕事ではないので、体力的にも安心です。

コールセンター
女性の多い職場のため、細やかな気遣いができる人が多いです。シフトや勤務時間に融通がきく会社が多く、在宅勤務が可能な会社もあるので、長時間働けない人やラッシュの電車が苦手な方にもオススメです。

7.最後に



パニック障害を抱えながらの仕事復帰や転職活動は、仕事を探す条件から入社後まで、注意するべきことが多く、難しいと感じてしまうかもしれません。しかし、仕事選びを慎重に進めるのは、あなた自身を守るためです。

パニック障害を抱えながら働いている経験者たちのアドバイスに一貫していることは、「サポートを求めること」です。仕事をするうえで不安や困難を感じることがあれば、一人で抱え込まずに周囲の人に打ち明けて、頼ってみましょう。

時には、その仕事を無理して続けるよりも、一度立ち止まる方が良いときもあります。せっかく仕事復帰をしたのに、その仕事のせいで病気が再発・悪化しては意味がありません。

なかなか仕事が見つからずに焦ることもあるかもしれませんが、無理なく働ける理解のある職場を見つけましょう。無理をして頑張る必要はありません。あなたの症状が良くなることを、一番に考えてくださいね。

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