睡眠障害があっても働ける、仕事探しのポイントとアドバイス

睡眠障害があっても働ける、仕事探しのポイントとアドバイス

睡眠障害は、質の良い睡眠をとれないことにより、夜眠れない、昼間に眠気がくる、体がだるいなど症状が現れる病気です。集中力を妨げることや朝起きれないことで、仕事にも影響を与えます。

睡眠障害のある方は、「怠けている、やる気がない」と勘違いされたり、度重なるミスにより職場に居づらくなったりすることで悩むこともあるでしょう。

そのような悩みのある方は、ぜひ一度、同じ睡眠障害のある方の意見に耳を傾けてみましょう。

睡眠障害の方からの口コミをもとに、睡眠障害に理解のある職場の見つけ方や転職活動の方法、睡眠障害と付き合いながら働く工夫など、役立つ情報を集めました。

実際に睡眠障害の方が働きやすい!と感じた企業についてもご紹介します。

仕事との向き合い方に悩んでいる方は、ぜひ参考になさってください。

*この記事はジョジョさんに監修していただきました
ジョジョさん

産業カウンセラー、社会福祉士(ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、プロコーチの資格を持ち、就労継続A、B型にて支援員として、身体障害、精神障害、知的障害のある方への支援を行う。 自身も悩みを抱えギャンブル依存症になった経験から、「悩みから夢まで話せる友達が見つかる東京の居場所”ココトモハウス“と出会い、現在はその管理人として多くの方から信頼を寄せている。生きづらさを抱える人達を社会と繋げて、豊かな社会を作ることがミッション。



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目次

1.睡眠障害とは

2.睡眠障害による仕事の悩み

3.睡眠障害のある方が働きやすい職場

4.大切なのは睡眠障害に対する正しい理解

5.睡眠障害をどのように伝えるか

6.復職か転職か

7.企業に確認したい項目

8.睡眠障害でも働きやすい企業・業界・職種

9.仕事の探し方

10.入社後に心がけたこと

11.まとめ

1.睡眠障害とは

    「睡眠に何らかの問題がある状態をいいます。眠れなくなることはよくみられますが、眠れないことイコール不眠症ではありません。不眠の原因には、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気から来るもの、薬によって引き起こされるものなど、様々です。

    さらに、睡眠障害には不眠だけでなく、昼間眠くてしかたないという状態や、睡眠中に起きてくる病的な運動や行動、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態など、多くの病気が含まれます。また、睡眠の問題は1つの原因や病気だけでなく、いくつかの要因が重なって起こってくることも多くみられます。

    睡眠の何が問題なのか、その原因は何か、主観的症状と客観的情報を多面的に検討・整理することが、適切な診断と治療につながります。
参考:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」

ただ眠れない、日中眠くて仕方がないというだけではなく、睡眠に関わる多くの症状が睡眠障害には含まれています。また、その原因が何かを整理することが大切です。

まず、睡眠障害による仕事での悩みを具体的に見てみましょう。

2.睡眠障害による仕事の悩み

睡眠障害による仕事の悩みには、どのようなことがあるのでしょうか? 大きくまとめると2つの悩みに分けられました。

  • 睡眠障害が仕事に影響を及ぼし、同僚や上司から不真面目だと勘違いされる
  • 睡眠障害であることが理解されにくく、同僚や上司から配慮を得られない

  • では、具体的にどのような経験をしているのかを見てみましょう。

    ①「不真面目」だと思われる辛さ

    睡眠障害は、薬の影響や眠れないことにより、昼間の集中力が落ちてしまうことがよくあります。その結果、仕事での失敗や勤怠の乱れが起こり、周囲から「怠けている」「不真面目だ」と誤解されやすいことが口コミから見えてきます。

    「結局、睡眠障害によって長期間仕事を休んでしまった。私は職場の上司から、『あなたは、病気で仕事ができないんじゃないの。今すぐ、仕事に復帰するか、やめるかどちらかにしてください』とリストラを勧告されました。」

    「眠たい時に眠らないと体調を崩してしまうので、決まった日時に働きに出られず、会社勤務ができない。」

    「寝れないから疲れが取れず、疲れがどんどん蓄積してしまう症状が今も続いています。今では残業はおろか定時の8時間働くことさえつらくてできないほど、すぐ疲れを抱え込んでしまう体質になってしまいました。」

    「疲労感の強い時は集中力の低下が凄まじいです。睡眠障害も併発しているため休日以外の日もお休みを頂いております。」



    周りの人からはっきりわかる障害ではないために、誤解を招き上司や同僚との人間関係も悪くなりがちです。これはとても辛いですね。

    睡眠障害による遅刻や欠勤のために、解雇される人や圧力を受けて退職せざるを得なかった人も多いようです。

    ②理解されにくく、配慮を受けづらい「睡眠障害」

    前述のように、睡眠障害は一見するとわかりづらい障害のためか、職場でなかなか理解を得られません。

    たとえ、睡眠障害の認定を受けても、傷病手当を受け取ることができなかった、有休をとることができなかったという方もいらっしゃいます。

    睡眠障害に理解のない会社の中では、人間関係をはじめ様々な場面で肩身の狭い思いをすることが多いようです。

    「障がいがあるということで、同じ仕事量をこなしている一般の人と賃金や待遇の格差がある。」

    「全く配慮はなく、医師からまとまった休みを取るように言われたことを伝えても、『じゃあいつから来れるのか、いつまで休む気なのか』と怒りながら言われた。傷病手当関連の書類や、産業医がいるのかいないのかについても秘密にされたり手続きが遅かったり、いじめのような扱いを受けた。」

    「産業医がいてうつ病などの精神障害が発病すると休職させられ、治らないと実質解雇させられた。とにかく戦力にならない人は邪魔で排除するという体質だった。」

    この記事を読んでいる方の中にも、似たような辛い体験をされた方がいらっしゃるかもしれません。

    しかし、辛い体験ばかりが集まっているわけではありません。睡眠障害と上手に付き合いながら、自分に向いている職場や仕事を見つけて転職や復職に成功している人はたくさんいます。

    3.睡眠障害のある方が働きやすい職場

    睡眠障害を抱えながら仕事を続けている方、転職や復職に成功している方が大切にしているのは、「職場環境」です。
    では、どのような職場環境が良いのでしょうか?

    それは
    睡眠障害への理解と配慮がある職場環境です。

    そして、理解の仕方やあってほしい配慮は、大きくまとめると以下の3点でした。

    1. 急な体調不良など休みたい時に休める
    2. 人間関係が良好
    3. 福利厚生や制度が整っている
    理解の仕方や配慮事項について、具体的に見てみましょう。

    ①休みたい時に休める

    睡眠障害の方は、薬の影響や不十分な睡眠により、朝の目覚めに支障をきたし、遅刻や欠勤が続いてしまうことがあります。行きたくても仕事に行けないというのは辛いものです。

    また、仕事も体のだるさなどに備えて休憩を入れながら行うことが望ましく、休憩時間が自由にとれるなど柔軟にシフト調整ができると働きやすくなります。

    「いつでも、休憩をとっても良いと言われています。眠くなれば、気分転換に、コーヒーを飲んだり、おやつ頂いたりと自分のペースでやっています。」

    「無理のないアットホームな環境でやり易い職場だと思います。特に休憩は自分の時間を自由に設定でき、体調が不安定でも自分のペースでやれることができます。」

    「外資系なのでフレックスタイムが自由で、会社自体にへんな固定観念はなく自由な発言を許されました。」

    睡眠障害の方は夜にしっかりと眠れないため、就労中も普通の人が感じる以上に耐えがたい眠気を感じます。その時に、少しでも休憩や昼寝ができる環境があると、体も気分も楽になります。

    また最近では、フレックスタイムを導入している会社など、比較的自由に自分のシフトを決められる企業もありますので、確認してみると良いでしょう。

    ②職場の人間関係が良い

    「作業自体は個人でするものですが、チームの結束が強く、また上司も『基本のルールに則った上であとは思うとおりにやりなさい。責任は俺が取るから』というスタンスの方だったので、仕事をする上での安心感が抜群に良かったです。」

    職場の人間関係が良いかどうかは重要な要素です。相談ができず1人で仕事を抱え込むことや、常に周りの人たちの顔色うかがいストレスをためることは、症状の悪化につながります。

    必要なときにお互いに助け合うことができるような良い人間関係があると、身体的・精神的負担は大いに軽減されていくことでしょう。

    ③福利厚生制度が整っている

    「病気になった場合は診断書を出して、一定期間の休みがとれる制度がありました。さらに、体調が悪い場合や病気を抱えている人は、保健師さんによる定期的な健康相談を受けることができるという福利厚生制度がありました。」

    「福利厚生が大変充実しており、3年間病休を認めてくれ、退職金も満額戴き、感謝しております。会社を解雇されて15年以上となっても、障害者年金をくれる素晴らしい会社です。」



    病気になったときに傷病手当がある、産業医がケアをしてくれる環境があると、気持ちも楽になります。
    制度が整っていて、かつ従業員が制度を抵抗なく活用できる企業であることは、安心して働ける要素のひとつです。

    次に、働きやすい職場を見つけるために確認したいことを考えてみましょう。

    ▼他にも睡眠障害の方の仕事に関する口コミがたくさん届いています。
    →睡眠障害の方の口コミはこちらへ

    4.大切なのは睡眠障害に対する正しい理解

    睡眠障害とうまく付き合いながら自分らしく働いている人が、アドバイスとして挙げているのは、自分の睡眠障害について、隠さずに企業や職場に伝えておくことです。

    「自分の障害をどこまで受け入れてくれるのか、自分がどこまでできるのか、会社の担当者と納得できるまでよく話し合うのが理想です。」

    「自分の障害は、隠さずに面接の方に話した方が仕事的に楽になります。仕事内容をきき、あらかじめ難しいところがあれば、最初に言ってしまうのがよいでしょう。」

    「自分が病気だと隠してしまう方もいると思いますが、面接時にしっかりと伝えて、それでも雇って頂く方が快適です。何度も面接に落ちてやる気を無くすかもしれませんが、そういう時にはサポートを使い、できるだけ本当の自分を出してほしいです。隠そうとすると、余計に不安やストレスがたまりやすくなり、長続きしないとおもいます。勇気を出して、面接をした方がきっと自分にあう職場が見つけられると思います。」

    睡眠障害を抱えていると、どうしても個人の努力だけではできないことも多くあります。そして仕事の多くは、一人で行うものではありません。

    できないこと、苦手なことであっても、周りの方のサポートがあれば、睡眠障害の方でもできる仕事はたくさんあります。

    大切なのは、自分のことをまず理解し、どんなサポートがあればできないことができるようになるのか、を伝えることです。

    仕事を探している方は、なかなか仕事が決まらないと、焦りから睡眠障害であることを隠したくなりますが、理解のない環境に囲まれて負荷がかかってくると、ストレスによってますます症状がひどくなることや、再発してしまう可能性もあります。

    焦ることなく長い目で見て考え、自分が無理なく仕事を続けられる環境を探すことが大切です。

    5.睡眠障害をどのように伝えるか

    仕事を探している人も、今の職場で続けていく人も、睡眠障害であることを伝えることで、採用されないのではないか、今後の仕事がやりにくくなるのではないかと悩むことはありませんか?

    先述したように、睡眠障害のある方にとって働きやすい職場とは、睡眠障害の特徴について理解と配慮がある職場だと多くの方が挙げています。

    その理解を得るためには、自分の睡眠障害の特徴をきちんと企業や職場に伝えておくことが大切です。

    そこで重要なのは、具体的に何を伝えれば良いかということです。
    睡眠障害の症状は、人によりそれぞれ異なります。
    まずは自分のことを理解することから始めましょう。

    5-1.自己分析をしよう

    口コミからも、まずは自分がどの程度働けるのか、どのような環境なら自分を活かせるのかを、自分自身が知ることが大切だというアドバイスが多く見られました。

    「自分の障害についてよく理解することが大事です。悪い面だけでなく良い面も考えて箇条書きにしましょう。」

    「自分自身がどんな仕事をしたいか、何が出来て何が出来ないかを把握する事が大切です。その上で、求人から、いくつかの候補を絞ると良いと思います。」

    「自分に何ができるのか、どう言う内容ができないのか、事前に自分自身で把握している必要がある。」

    このように
    • どのような原因からどのような症状が現れるのか
    • できること
    • できないこと
    • できなくても、サポートや配慮があればできること
    といった項目を、細かく箇条書きにしながらまとめていくと良いでしょう。その時に大切なのは、前向きな姿勢、ポジティブな意見をもつことです。
    その姿勢から、やる気や会社の要望に応えたいという意思が伝わり、企業へより好印象を与えることができるでしょう。

    自分自身を理解していれば、自信をもって面接や企業との話し合いに臨むことができますね。

    ▼他にも睡眠障害の方の仕事に関する口コミがたくさん届いています。
    →睡眠障害の方の口コミはこちらへ

    6.復職か転職か

    次に、自分の職場について考えてみましょう。
    このコラムを読んでいる方の中には、働きながら睡眠障害を治療している方、休職している方、退職した方、いろいろな方がいらっしゃると思います。

    そして、このコラムを読んでいるということは、これからの仕事について考えていることでしょう。
    まず、現在働いている方、休職している方は、現在の職場が満足できる職場なのか考えてみましょう。

    満足できる職場なら、そのまま続けていくという選択もあります。
    ただ、復職を試みたもののできなかったという方や、復職自体を悩んだ方もいらっしゃいます。

    復職が望めない場合は、転職を考えることも1つの方法でしょう。
    今より環境が整った、新しい職場に踏み出すことで、睡眠障害を抱えながらでもできる仕事に出会えるかもしれません。

    次は、企業を見る時に特に確認したい項目をご紹介します。「配慮やサポートのある職場」以外にも確認したい項目があるはずです。
    復職を考えている方も、転職を考えている方も、理想の職場について考えてみましょう。

    7.企業に確認したい項目

    皆さんにとって無理なく働ける理想の職場はどんな職場ですか?
    口コミにも、働きやすさを見極めるときに確認しておくと良いことがアドバイスとして届いています。具体的に見てみましょう。

    7-1.就労条件をしっかり確認する

    面接を受けるときや、会社見学をする際は、就労条件をお互い確認しておくことが大切だと多くの方が挙げています。

    「面接時に出来るだけ詳細にお互いの話をしておくこと。可能な限りメモ等を取って記録に残しておくこと。話が進んだあとに、または入社した後に事前の説明と違うような気がする、または違うというようなことは珍しくないので、事前の説明の内容とその時の担当者を覚えておくと良いでしょう。説明を求めるとある程度は配慮してもらえて、希望の形に近づく可能性が出てくると思います。」

    「必ず雇用契約書を熟読する事。政治家の答弁のように、文言に抜け道やザルのように、社員に負担を強いる契約内容が書いてある事があるので、一人で自信がなければ複数の人間で、契約書を回し読みするほどの注意が必要。」

    「会社を見学して雰囲気をつかむとともに給料面や休みなどの福利厚生面をしっかり聞くとともに、技術で必要な経験は何かなど労働環境を体験しておくといい。また、担当の人から説明を聞くだけでなく働いている人から聞く情報も大切にするといい。」

    採用担当者が必ずしも上司になるわけではありません。社内の情報共有がされていないと、働き始めたときに事前にお願いした配慮がなされない可能性もあります。

    「こんな条件ではなかったのに」とあとで嫌な思いをしないように、どんな条件で仕事を始めたかを双方が文書などの形でしっかり確認し合うと、誤解や条件の違いによる負担を防ぐことができ、長く仕事を続けやすくなります。

    7-2.職場見学をして雰囲気を確認する

    面接だけでは働き出したあとの職場環境はわかりづらいものです。多くの方が職場見学などを勧めるのには理由があります。

    「事前の説明だけでなく、職場見学をさせてもらえる会社のほうが良いと思います。 できることなら、その職場で働いてる人の話が聞けると、自分が就職したときのイメージがしやすいので、ミスマッチはある程度防げるかもしれません。インターネットで会社の評判を調べておくのも有効だと思います。」

    「採用担当者の対応だけではまったく実態がわからないので、会社見学をしっかりとしてみることをおすすめします。できそうな仕事があれば現在の担当者にじっくり話を聞くことが大事になってきます。また、調子が悪いときの対応も現場の人とその上司にきっちり確認することが大事です。」

    「最近では、入社前のインターンシップが取り入れられていることが増えています。有効に活用して職場の実体験を受けることが重要です。また、インターンシップを行なった職場に配属されるとは限らないので、できるだけこの間に交友関係を広げることも重要です。 最近は、セクハラを含めたパワハラや長時間労働が表面化しています。会社にどれだけ内在しているか理解しておく必要があります。」

    採用担当者だけではなく、すでに働いている人と話して職場環境を確かめてみるのも有効です。実際に同僚や上司になる人がどんな態度で接してくれるのか、職場の人間関係はどうなのか、よく確認しておきたいですね。

    ▼他にも睡眠障害の方の仕事に関する口コミがたくさん届いています。
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    8.睡眠障害でも働きやすい企業・業界・職種

    8-1.おすすめの企業

    ・カゴメ株式会社
    「障がいがあってもそれをわかった上でほかの人と同じ接し方をして、仲間として受け入れてくれる。」
    満足度:★★★★★
    配慮 :★★★★★
    →この企業に関する口コミはこちらへ

    ・株式会社前川製作所
    「一年以上休職を認めて貰えたし、給与に関して不満はなかった。 結果的に退職することになったが、会社には感謝している。事情をある程度理解して貰えたし、メンタルヘルスに関する専門の相談窓口もあり、いろいろなアドバイスも貰えた。精神科への受診を勧めてくれて休職への理解もあった。」
    満足度:★★★★
    配慮 :★★★★
    →この企業に関する口コミはこちらへ

    睡眠障害を理解したうえで雇用している会社は、休憩や休みへの配慮もあり、安心して働くことができるでしょう。通院も可能であれば、再発を防ぐことができます。

    これまでご紹介した口コミからもわかるように、同僚は事情を理解してくれていても、上司や管理職に理解がないということもあります。企業全体として障害者への理解がある会社は、素晴らしいですね。

    8-1.睡眠障害の方におすすめの業界・職種

    ・医療/介護/福祉
    医療業界は、障害や病気に接する仕事であるがゆえに障害に対する理解も得やすいのが特徴です。また、福利厚生や制度が整っているところも多いでしょう。

    ・1人に依存しない仕事
    1人に負荷がかかりすぎないような業界もおすすめです。休みたい時に休める、ミスがあった時もチームとしてカバーし合えるような職場なら働きやすいですね。

    ・忙しすぎない職場
    睡眠障害のある方は、生活リズムを整えることが大切です。残業により睡眠時間が短くなってしまっては、症状が悪化してしまいます。身体が一番大切です。無理をしないといけないような忙しい職場は、続けられないことを覚えておきたいですね。


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    9.仕事の探し方

    就職活動や転職活動を行うとき、何から始めれば良いか戸惑うことはありませんか?
    求人情報を眺めるだけでは、知りたい情報が得られないこともあります。また、面接の受け方にもコツがあるものです。

    まずは、働き方を知っておきましょう。
    そして活用できるサポート機関もありますので、ご紹介していきます。

    9-1.働き方によって選べる採用枠「一般枠」」と「障害者雇用枠」

    求人には、一般枠障害者雇用枠があり、障害者手帳のある方は、どちらにも応募することができます。

    一般枠は、障害があることを伝えず働きます(=クローズ就労)。
    障害のない方と同じように働くため、職種の選択肢は広く、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、睡眠障害などへの理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

    障害者雇用枠は、障害であることを伝えて働きます(オープン就労)。
    そのため、職場の理解を得ることもでき、周囲のサポートを受けながら働くことができます。

    9-2.求人の探し方

    ①ハローワーク

    ハローワークには、障害者専門の窓口があり専門スタッフに相談することができます。また障害者雇用に関する求人も多く扱っていて、面接などのアドバイスを受けることもあります。

    参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

    ②人材紹介会社(エージェント)

    睡眠障害など精神的な障害を抱えることで、働くことに不安を覚えている方の就職活動を応援する専用の人材紹介会社(エージェント)をご存知ですか?

    履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など全面的なサポートを行っています。

    ハローワークで公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

    ひとりではじめる就職活動との違いは、専門のアドバイスやサポート、自分にあった企業の紹介を受けられるため、担当者と一緒に不安を取り除きながら活動を進めていくことができることです。

    口コミにも、人材紹介会社を活用したという声がありますのでご紹介します。

    「人材紹介会社を利用し、企業紹介や選考対策のサポートを受けました。入社した企業では、ほかのスタッフが私の障害を理解し『薬飲んだ?』などと気にかけてくれます。また、休憩時間も眠ってしまうことを懸念して話し相手になってくれます。」

    人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格は様々。選ぶ際は自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

    10.入社後に心がけたこと

    採用された方は、新しい職場での生活に期待する一方、不安もあるのではないでしょうか?
    睡眠障害のある方が長く働き続けるためには、周囲の理解や配慮も必要ですが、自分なりの工夫や対策を行うことも大切です。ここからは、知っておきたい工夫や対策を紹介します。

    10-1.自分のペースを崩さない

    睡眠障害のある方は、体調が優れないときは仕事のスケジュールが止まる可能性もあるため、プレッシャーをかけられたり、急かされたりする仕事は難しいかもしれません。このように、業務には向いているものと向いていないものがあります。自分自身で睡眠障害の特徴を理解し、受ける仕事と断る仕事を区別しているという方もいました。

    「仕事のときは何を言われようと一つの仕事をすることに集中するよう心掛けている。また、休憩中は音楽をイヤホンで聞くなど一人の空間を作っている。」

    「無理な量の仕事を受注しないこと、人とのコミュニケーションが必要な仕事は受けないことに決めています。」

    「夜勤は断る。」

    「頑張りすぎないこと。自分のペースを守って仕事をする。まわりにひきずられないようする。」

    ただ「できません」という態度は、周囲の方に良い印象を与えません。難しい、この業務量は多すぎるという場合は、業務の見直しを相談させてください、という姿勢で話してみると良いでしょう。

    10-2.昼寝や休憩の時間を確保する

    睡眠障害は、睡眠不足や睡眠薬の副作用などで尋常ならぬ日中の眠気を生じます。そのため、できるだけ小まめに休憩をとることが、快適に働くためのカギになります。

    「睡眠障害なので仕事中眠くなることがよくあります。昼は軽食だけですましひたすら寝ます。起き掛けにコーヒーを飲んで脳を刺激します。」

    「必ず昼寝をして睡眠不足を解消するようにしている。」

    このように、途中で休憩を取りやすい環境があると安心ですね。少しでも昼寝ができる時間やスペースが確保できると、体が楽になるようです。職場に休憩できるスペースがあるか確認してみましょう。また、休憩の取り方が柔軟に決められるようであれば、小休憩を間に挟むことができないか相談してみると良いでしょう。

    10-3.周囲に理解してもらうための環境作り

    「障害は一度話すだけでは、なかなか伝わりません。理解してもらうまでには、何度も話し合いが必要です。困ったらすぐに相談や報告をして、行き詰まる前に職場の方と話が出来るのであれば打開策を考える事も出来ます。何か他の方法をみつける事も可能かもしれません。」

    「眠剤を服用して少しでも睡眠時間の確保を図ります。上司に疾病の状態を具体的に説明し理解をしてもらえるよう努力しています。」

    「仕事がうまくいってもいかなくても、一日が終わったらリセットできるよう、気分転換を図ります。何に困っているかを上司や同僚に伝え、適切に仕事を再配分してもらいます。」

    面接で睡眠障害について伝えていても、働き始めて時間が経つと、上司や同僚も障害のことを忘れてしまうことがあるかもしれません。
    そんな時は、自分から睡眠障害の現在の状況や悩みについて、説明や相談をするように心がけましょう。

    進んで同僚や上司とコミュニケーションをとることで、周囲の睡眠障害に対する理解も進んでいくことでしょう。そうすれば、同僚へフォローをお願いすることもでき、職場のチームワークも良くなるのではないでしょうか。

    11.まとめ

    睡眠障害と付き合いながら働くためのコツは?

    睡眠障害と一口に言っても、症状や度合いは様々です。まずは自分の症状をよく理解し、何ができて何ができないのか、どんなことをサポートしてもらえると助かるのかをまとめましょう。

    そして、企業をよく知り、自分がどんな役に立てるのか、そのためには何が必要かをポジティブに考えていきましょう。

    仕事探しを始めると、焦りを感じることもあるかもしれません。しかし、仕事によって症状が悪化したり再発したりすることのないように、ご自身のペースで仕事探しを進めましょう。



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    監修者

    就労継続A、B型にて支援員として、身体障害、精神障害、知的障害のある方への支援を行う。ソーシャルワーカー。 自身も悩みを抱えギャンブル依存症になった経験から、「悩みから夢まで話せる友達が見つかる東京の居場所”ココトモハウス“と出会い、現在はその管理人として多くの方から信頼を寄せている。生きづらさを抱える人達を社会と繋げて、豊かな社会を作ることがミッション。

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