車いすを使用している人に聞いた、働きやすい仕事を見つけるポイントとは

車いすを使用している方が「仕事」を考えるとき、必要なのは業務内容だけではなく、通勤までの道のりや会社の環境など、重視しなければいけないポイントが数多くあります。それらのポイント1つ1つのハードルを高く感じ、悩みを抱えることもあるでしょう。

例えば「車いすを使用しながら通勤するのに、満員電車は乗れるだろうか」「職場はバリアフリー環境が整っているだろうか」「行動に時間を要することも多いが、雇ってもらえるのだろうか」「そもそも、復職や仕事探しはできるのだろうか」といった悩みはありませんか?

そのような悩みを抱えたら、同じように車いすを使用しながら、仕事を続けている方々の声に耳を傾けてみましょう。

車いすを利用しながらも仕事をしている方々にアンケートを実施し、どのように仕事を行っているのか、どうやって仕事を見つけたのかといったリアルな声を集めました。

辛い思いを抱きつつも復職、もしくは転職活動に成功されている方が大勢いらっしゃいます。「どんなことに注意しながら転職活動を行ったか」「車いすを使用している人が特に注意すべき面接のポイントとは」など、具体的な情報がたくさんあります。

また、実際に働いている方の工夫や、車いすを使用していてもできる仕事、配慮のあるオススメ企業なども実名をあげて教えていただきました。
ぜひ、復職・転職活動の参考にしていただきたいです。

車いすを使用している人に聞いた、働きやすい仕事を見つけるポイントとは

目次

1. 車いすを使用している方が直面する悩みとは?

車いすを使用しながらも仕事復帰しようとしている方が直面する悩みには、どのようなことがあるのでしょうか?
アンケートからその回答をまとめると、3つのことが多く挙げられていました。

1.通勤に対するハードルの高さ
2.自由に動けないことへの辛さ
3.精神的な負担


ではそれぞれ、コメントとともに具体的な内容を見てみましょう。

1-1 通勤に対するハードルの高さ

「私は身体障害者手帳の3級の障害をもっています。電動車椅子を使っています。それなので、とても通勤に不便で困っています。」

「通勤も大変です。事故こそ起こしませんでしたが左手 左足で車を運転するのは、危ないです。」

車いすを使用していると、周りの方と同じように朝の混雑時に電車に乗ることはかなり厳しいのが現状です。そのため、通勤時間や通勤方法に対する会社の配慮が必要不可欠になります。


また、車通勤が可能な職場だとしても遠距離・長時間の通勤は続かないでしょう。まずは「職場に到着するための手段」という悩みが、周りの方には理解できないほど大きな壁となっています。

1-2 自由に動けないことへの辛さ

「環境は良いと思うが、夏冬の空調があまり効かないので長く同じところにいるときつい」

「頸髄損傷で、基本的に首から下は動かず、腕は一部動くので、動かない指一本でキーボードを打ってます。 長時間車椅子に座っていると、貧血や褥瘡のリスクも大きいです。」


多くの方が行う仕事内容は、デスクワークや電話対応など、車いすでもできることです。しかし、それらの仕事は同じ態勢で長時間続けるために、自由に動けないゆえの悩みや疲労も感じます。

周りのデスクワークの方は、立って歩き回るなどの気分転換が気軽にできますが、車いすの場合それができないため、エコノミー症候群のような影響が身体機能全般に表れます。それら特有の悩みが周りの方にはなかなか理解されないのも辛いことです。

1-3 精神的な負担

「自分でできることが少なかったので他の人たちと対等な関係になれなくて劣等感を持っていた。食堂もあったが手伝って運んでもらわなきゃならなかったので、お弁当を週2回ぐらい持っていった。友達もできず苦痛。性格も内向的。仕事内容は普通の人には簡単だが私には片麻痺右手。なので左手で書かなければいけないので大変だった。記憶力があったので助かった。」

「いかに健常者に嫌われなく、嫌がらせを受けず、いじめられずに済むのかといった、仕事とは関係ないところで、工夫というよりも私が働いていく上で必要だったことです。」

「靭帯骨化症で長い時間車イスに座っていると、胸や足が痺れてきて耐えられなくなる。 この病気になってから、熱が急に上がるので仕事もままならない。この病気が酷くなって自分で辞めてしまった。 かなり迷惑をかけたので、これ以上世話になりたくなかった。」

「私は2か所就労の経験がありますが、両方とも、障害を持つ私と一緒に働きたくない人たちばかりだったので、ハラスメントを受けたり、窓際族にされて、わたしから依願退職するように促された。初めのところでは、ハラスメントによりうつ病になった。でもうつ病になったことを認めてもらえず、嫌な思いをしました。雇う側と配属先が障害者を雇用するという考えや理解を共有しないと、私だけではないであろうこの事実はなくならないと思います。健康であってももしかすると病気やけがで障害を持つかもしれないのだから、その辺の当たり前であたりまえでないことを本当の意味で理解する必要があると思います。」

「特にに車いすを使うようになって最初の頃に経験し辛いことのひとつは、差別を感じたり、他の人の世話にならなければならないことにガッカリすることです。身体的には、これまではできたちょっとしたこともできなくなるため、健常者にイライラされたり、自分自身が落ち込むことがあります。」


このように、車いすを使用していることで周囲に溶け込めない悩みが多くみられます。 そのケースは大きく2つに分かれています。

1つは、自ら周りに気を使っている方。気を使うあまりに周囲に溶け込めないケースです。
もう1つは、周囲の理解がない職場で働いている方。周りからの言動や行動で辛い思いをしているケースです。
上記のコメントにもあったように、精神的な負担は心の障害へもつながりかねません。

でもどの企業もこのような職場ばかりなのでしょうか?
アンケートには、辛い経験だけではなく、車いすの方でもできる仕事や、配慮のある職場で働いている方のアドバイスもたくさん届いています。

では、車いすを使用しつつも復職、仕事復帰に成功されている方はどんな職場を選んできたのでしょうか。

2. 働きやすい職場とは?確認したいポイントとは

では次に、どのような職場であれば、車いすの方が働きやすいのでしょうか?
寄せられたアンケートから、働きやすい職場の特徴をまとめてみました。

1.バリアフリー環境が整っている
2.勤務時間の調整が可能
3.周囲の理解とサポート


では、それぞれ具体的なコメントとともに、詳しくみていきましょう。

2-1 バリアフリー環境が整っている

「会社の中は床の段差や繋ぎが少なくあまりつまずきやすい所も極力少なく、車いす等でも移動しやすいようになっているし、トイレも洋式に一部なっているのとトイレには緊急呼び出しボタンがありボタンを押すと総務の人が来てくれるようになっている。」 「職場環境は病院ということもあって、玄関、トイレ、エレベーターなどバリアフリー対応については完璧だった。でも受付や会計の窓口が高く、車いす利用者には不便だと感じたが、入職後間もなく、私に相談しながら、窓口の半分を車いす利用者に合った高さに改築してくれた。」

車いすの方が、自由に職場を移動できるためには、バリアフリー環境が必要不可欠になってきます。
長時間働くとなると、トイレや休憩、食事などで、社内を動き回る必要もあります。常に人の手を借りるとなると、精神的な負担が大きくなり、長く働き続けることが難しくなることも考えられます。

もともとバリアフリーに配慮した社屋を所有している企業もあります。またコメントにあったように、意見を取り入れて環境を整備してくれる企業であれば、本当にうれしいことです。

働く前に企業見学を行い、入口から職場への導線だけでなく、トイレや休憩室への導線なども確認することが大切でしょう。

また、障害を抱えて車いすになっても、車いすのままの態勢で仕事ができる「デスクワーク」なら、体への負担を少なくすることができるのではないでしょうか?

自分のできないことも認めた上で、身体上の障害が壁にならないデスクワークの職種を探すのは現実的なことと言えるでしょう。
企業も車いすで座ることのできるデスクがあれば、仕事をする環境を整えることが可能です。

「エレベータはもちろん階段の手すりや車いす用トイレなど完備しており 仕事もデスクワーク中心でした。」

「基本的に社内での作業なので接客とかはなく、一日中パソコンと向き合うことになります。長時間座る作業や集中力がもたないと難しいかも知れません。」


ただ、コメントにもある通り、デスクワークは同じ態勢を取り続けることにもなります。 自分で休憩や気分転換を図ることや、デスクまでの導線や周囲のスペースなども考慮する必要があります。

2-2 勤務時間の調整が可能

「納期の早い仕事はほとんどなく、就業時間内に十分できる内容でした。 また、通勤(在宅就労なので、1か月に1~2回ミーティングに行く程度)も悪天候の際には別の日に変えてもらうことがありました。職場に障害者が多く、それぞれの障害に合わせた仕事のプランを作ることができ、私は昼の休憩時間を長くすることでリハビリの通院時間を作ってもらうことができました。」

「下肢障害のある人については自動車通勤が可能で、定期的な通院のための休暇がある、車内に車椅子対応の設備がある等働きやすかった。 」


悩みとしても寄せられえていたように、車いすの方にとって通勤手段、通勤時間というのは大きなハードルにもなるようです。また平日の通院で、休みが必要になることもあります。

このような理由から、就業時間や休暇制度、勤怠制度が整い、理解のある企業が好ましくなるでしょう。
急な休みなどにも対応できるように、業務内容も余裕をもって取り組めるものや、周りの協力を得ながら進められるものであれば、気持ちに余裕ができるでしょう。

2-3 周囲の理解とサポート

バリアフリーが整った会社であっても、やはりサポートは必要です。どんな方でも、企業で働く以上、1人では仕事を進めることはできません。

周りの理解がある職場は、仕事を長く続ける上で無くてはならないポイントです。

「職場の同僚がいろいろな面でカバーしてくれていた。 職場生活はいろいろな配慮と周りの人達のサポートで仕事ができ、大変恵まれた環境だったと思います。 家族の協力もとてもありがたく、長年働くことができた要因ではと思います。」

このように、いつもでなくても良いけれど、必要な時に手を差し伸べてくれる、困ったときに声をかけてくれる仲間がいる職場は、心強いものです。

ここからは、今後の仕事の方向性について考えてみましょう。

3.今の仕事を続けるor転職するか?

車いすでの生活が始まったときは、仕事が今まで通りできるのか、今後のどのように仕事を続けるのかなど、この先への不安を抱えることと思います。
まずはこれまで慣れ親しんできた職場に、車いすで行える環境があれば、サポートも受けやすく、勤め続けることができるでしょう。

実際にも、このようなコメントが届いています。

「元からいた会社で、そのまま続けて仕事をしています、特別なことは有りませんが、仕事の時間を短くしてくれたりの計らいを受けています。以前から務めていた会社なので、そのまま使っていてくれるのだと思います、新たに仕事を探すと、このままでは、勤められるような会社は無いと思います、会社が大手だったことが良かったんのだと思います、人生何があるかわかりません、私は、今では車椅子の生活ですが、ラッキーだったと思っていいます。」

「時間が有る程度自由で、短時間の事務系の仕事なので、体調に合わせて仕事を続けることが出来ています。今までいた職場と同じで、昔から付き合いのあるものばかりなので、そして、皆やさしいので、働きやすい環境です、それが一番良いですね、皆、気をきかしすぎないでいてくれることが良いのです、気を使いすぎるとこちらも気になりますから。」


ある程度の年月働いてきた職場の場合は、これまで培った人間関係が助けになることが多いようです。自分では、できないことが多くなるため、もうやめるしかないと考えがちですが、仲間はあなたの持ち味や能力をフルに活用する方法を考えてくれることが少なくありません。

そのため簡単に退職を決めるのではなく、まずは、「今の職場に復職できるかどうか」「仕事復帰できるとすれば、どんな条件があるか」を考えてみることは大切です。 車いすの生活が長い方の中には、前の章で挙げたように、今の職場に悩みを持っている方もいらっしゃると思います。
そういった場合は、こころの悩みが深刻にならないように、今の仕事を見直すことも必要かもしれませんね。

では、ここでアンケートに届いた、オススメの会社を企業名を挙げながら紹介していきます。皆さんの気になっている会社はいかがでしょうか?

4.車いすを使用している方にオススメの企業とは

次は寄せられたアンケートに基づいて、車いすを使用している方に配慮のあるオススメ企業を実名で紹介していきます。この障害を持つ人に向いてる企業はどんな特徴を持っているでしょうか?

4-1 通勤時・移動時の配慮がある

・東京海上日動火災保険

「身体に障害がある人は満員電車が辛いので、希望があればラッシュ時の通勤を避けれるように、働く時間を調整してくれました。仕事中だけではなく、通勤面でも配慮してもらえてるとありがたい気持ちでいっぱいでした。エレベーターや車いす用のトイレは完備されているので、車椅子を利用した人には便利だと思います。オスメイト等はついていないので、注意してください。視点によっては、保健室のようなものもあるので体調が悪くなった時は利用できました。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・ヤマト運輸株式会社

「とても身体障害者に理解がありました。私は、車椅子を使っていました。その私のためにわざわざ職場をバリアフリーにリフォームしていただきました。とても感謝しています。また、私は通勤のときにも車椅子を使っていました。車椅子を使っていると、通勤ラッシュのときには電車に乗ることがてきません。そのことにも配慮してもらえました。仕事を始める時間を遅らせてもらえました。 車椅子を使っていると思う電車に乗れないことがあります。電車に乗るためにスロープをおいてもらうのですが、その作業をしてもらえる警備員さんの都合で、30分以上、駅で待たなくてはならないのです。そのことも鑑みて、時間には余裕を持って行動しなくてはなりませんでした。」
満足度:★★★
配慮 :★★★
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車いすを使用している障害の悩みのひとつは通勤時の苦労です。
通勤ラッシュをずらして、フレックスタイムを適用してくれる職場や、マイカー通勤を許可してもらえる企業は、車いす使用の方にも向いてると言えるでしょう。もともと、時間的な自由のききやすい職場を選ぶのもオススメです。

4-2 福利厚生の制度が充実している

・プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社

「身体に障害がある方にとっては、非常に設備面が整っていると思う。また、先ほども書いたように、自分の能力や障害の状況にあった仕事に就けるよう配慮されていることはお勧めポイントだと思う。一方、デメリットは、4年間の有期雇用であること。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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・本田技研工業株式会社

「上司に相談し、トイレの改造を始め、車椅子で働けやすい環境に対応して頂いたとても配慮がある。昼休み、大変混み合うので、10分早く、昼休みを取っていいと言ってくれた 職場の上司や同僚や総務課を始め他の課も理解があり、全てドアは、引き戸にするなど、環境面は、直ぐに対応してくれた。 仕事を進めるペースが遅く、そのあたりも勤務時間配慮。 一ヶ月おきに産業医と面談。面談結果を踏まえ、勤務時間を調整。」
満足度:★★★
配慮 :★★★
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・株式会社本田技術研究所

「管理職に産業医からの注意事項が共有化されている。 管理職に自己申告するシステムがある。」
満足度:★★★
配慮 :★★★★
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大きな会社や官公庁などの場合、福利厚生の制度を遵守しているところも多く、働きやすいかもしれません。特に産業医との定期的な面接があると、困っていることや職場環境の悩みなどを話し合うことができます。

4-3 在宅で就労できる

・東洋インスペクションズ株式会社

「褥瘡ができて数ヶ月在宅で仕事をしていた関係で、治った後も在宅勤務になりました。身体に負担がかからないように在宅勤務にしてくれて、どうしても出社しないと打ち合わせができない時のみ出社で、駐車場の確保もしてくれていた。出社する時も午後からで良かった。」
満足度:★★★★★
配慮 :★★★★★
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・株式会社ロシナンテ

「家でもできるので身体が不自由な人はとても助かる。仲が良いのでいじめなどもなく、できる仕事をやっていける。お休みや早退は相談して聞いてくれるし、やりやすい環境を作ってくれる。体調によって勤務時間の設定も変えてくれる。」
満足度:★★★
配慮 :★★★★
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在宅勤務で業務を任せてもらえるなら、車いすを使用していてもできることは多くあります。企業によっては、ウェブ会議や面接、メールや社内ネットワークなどを駆使して、在宅業務の割合を増やし、定期的に会社に出なくてもよいように工夫しているところもあります。

通勤の問題や、バリアフリー環境に対応できないとしても、在宅就労ができれば、それらの問題をクリアにすることができますね。

次は、就職活動や転職活動を考えている方に向けて、活動の始め方や進め方について紹介していきます。

5. 転職活動の始め方に迷ったら活用してみよう

就職活動や転職活動を行うとき、まず何から始めれば良いか戸惑うことはありませんか?
仕事を選ぶ際に、優先すべき内容をまとめてみても、そのあと何をすればよいか、どこへ行けばよいかわからない方も多いのではないでしょうか。

まずは、どんな求人スタイルがあるのかを知っておきましょう。

5-1 働き方によって選べる採用枠「一般枠」」と「障害者雇用枠」

求人には「一般枠」と「障害者雇用枠」があり、障害者手帳を所持している方は、「一般枠」・「障害者雇用枠」のどちらにも応募することができます。

「一般枠」は、障害のない方と同じように働くことため、広い職種から選べ、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、周囲のサポートや勤務時間などの配慮を受けることは難しいのが現状です。

「障害者雇用枠」は、障害であることを前提に、仕事をすることになります。そのため、職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながることも考えられます。
また、障害者雇用枠は、専門の人材紹介会社や就労移行支援などのサポートを受けられるというメリットもあります。

5-2 求人はどこで探すの

①ハローワーク


ハローワークには障害のある方専門の窓口があるため、相談やアドバイスを受けることができます。求人数や障害のある方への求人情報も多く扱っています。実際に活用した方の声もあります。

「ハローワークの障害者専用の窓口で、希望の職種はエリアを伝えて探してもらえました。ここで働きたいと伝えると、人事の人に電話をしてもらえました。」

「ハローワークには障害者の就職サポート体制がしっかりしているので、信頼できます。利用して思ったことは『遠慮しないで自分の気持ちを話すこと』です。そうすれば理想に近い職場がみつかると思います。」


ハローワークインターネットサービスはこちらへ
参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

②人材紹介会社


障害を抱えることで、働くことに不安を覚えている方の就職活動を応援してくれる専用の人材紹介会社をご存知でしょうか?

具体的には、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など、全面的なサポートなどを行ってくれます。

ハローワークなどでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

ひとりで1からはじめる就職活動との違いは、専門のアドバイスやサポート、自分にあった企業の紹介を受けられるため、担当者と一緒に不安を取り除きながら活動を進めていくことができます。

人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

③就労移行支援事業所


障害のある方の就職支援では、就労移行支援を行っている施設が日本全国にあります。 就労移行支援事業所では、障がい者総合支援法にもとづいて職業訓練や求職活動のサポートが受けられます。

例えば、障害のために退職し、ブランクがあると就職活動を始めるにも不安が先にたつ方も多いことでしょう。就労支援では、職業訓練を通じて生活のリズムも整え、支援施設への通所で実績と自信をつけて、安定して通勤できるようプログラムが用意されています。

実際に就労移行支援施設を利用した方の声を紹介します。

「埼玉県所沢市にある職業リハビリテーションセンターに半年通い、そこで半年に1回開催される面接会に参加し、就職しました。」

「『就労移行支援施設』でパソコンを使用した職業訓練を受けました。その最中に『障がい者就労サポートセンター』から、ハローワークに求人情報が出ていることを聞きました。」


就職したのちも、自分ひとりではうまく伝えられない要望を職場に伝えるサポートをしてもらったり、相談をすることで不安を解消したりすることで、仕事を続けやすくする「職場定着支援」が受けられるサービスもあります。

就労移行支援事業所を利用して企業に住職する割合は年々増えています。就労支援事業所はハローワークや障害者職業センターなどの求人を紹介してくれる機関と連携しているので、適性にあった職場探しが可能です。

6.車いすの方に聞く、面接のポイントとは?

6-1 面接を受ける前に、自己分析をしよう

面接は自分のことを知ってもらい、相手のことを知る大切な場です。
自分のことを良く理解してもらうためにも、自分で自分のことを良く分析しましょう。

「自分の障害について正確に把握し、身体障害者手帳にも正確な内容が反映されるようにしておいた方がよい。自分の場合には視覚障害が手帳に記載されていなかったとの理由で、入社後に困難が多かった。障害を隠す、軽く見せるより、もともと障害に理解がある企業なので、最初から自分の困難な点とそれをどうカバーできるかを伝える方がよい。」

「その人その人の障害程度や症状にも同じ人はいないので見学や就労体験等でできる仕事の範囲内を自分と会社の人に理解してもらいかつ続けられるかどうかを判断すればいい。そして自分自身が楽しく仕事に打ち込めるかを判断すればいいと思う。」


障害があるゆえにできないことがあります。でも、できない中にもサポートがあればできることもあるのではないでしょうか?

仕事に対する前向きな姿勢を示すためにも、できることはもちろん、できないことも何があればできるのかといった説明を加え、ポジティブな印象を与えることは大切です。

車いすを使用する障害といっても、人によって障害の程度は様々です。実際の面接の際に、自分の障害の特徴と、企業に与えられるメリットを話せるようにしっかりまとめ、準備することが就職活動を成功させる秘訣です。

6-2 面接の際に気をつけることは?

それでは、実際の面接の際に、車いすを使用している方が気をつけたポイントとは何でしょうか?
アンケートには具体的なアドバイスが集まっています。ぜひ参考にしてみてください。

①自分の障害について理解し、前向きに伝えること
「障害を持っている方が就職活動するときは、面接や書類の中で自分ができること、できないことをしっかり伝えることが大切だと思います。仕事の内容ばかり目が行きがちですが、通勤面で配慮をしてもらえるかも確認しておくといいと思います。」

「まず、自分の病気による症状の、他人への理解が必要。プライドを捨て細かい説明が必要。できる仕事、できない仕事。他人との共同作業、クリエイティブな仕事、単純な組立作業希望か、はっきりさておいた方が良いと思う。突発の休暇取得もできる会社がいいと思います。」

「雇用が決まったら、今一度人事と本当に障害を持って働ける場所に配属してもらえるのかどうかを必ず確認することをお勧めします。求人は山ほどあります。」

「まず自分の障害について、できることとできないことをきちんと伝えることが大切です。 雇用者側はほとんどが障害を持たない人であり、実際どのようなことで困るのかというのはわかりづらいです。 また、面接や見学だけでは仕事の内容はわからないので、とにかくコミュニケーションをしっかり取ることが大切です。」


前の章でもお話しましたが、ひとりひとりの障害の種類は異なります。そのため、自分ができること、できないことをきちんと積極的に伝えることが大切です。

②バリアフリー環境を確認すること
「自分が主に車で移動をするのであれば、車で出社が可能かどうか、体調面の関係でフレックス制が可能かどうか、在宅勤務ができるかどうか、会社がバリアフリーになっているかどうか、そうでない場合は他の社員が手伝ってくれるかどうか、使えるトイレがあるかどうか、不調の時はどういう症状が出て、どう対応してもらうかを確実に伝えておくべきです。」

「車椅子の場合はエレベーターがあっても、広さによっては入らないことがあるので確認しておくといいと思います。たって仕事する場合、自分がどのくらい立ってられるか試してみておくといいと思います。また、病院へ行くためにお休みが取れるかどうかなども大事です」

「どの会社でも見学のときは、マイナス面は一切出さないと思いますので、なかなか短い時間で把握するのは現実無理です。しかし、設備、例えば、エレベーター、障害者用トイレ、手すり、車椅子用駐車場などが完備されているかは、隠すことはできないので、それらが、すぐ目につくようであれば、障害者に理解を示しているかの尺度にはなると思います。」

「人員削減のため、部署によっては仕事がきついかもしれない あまり身障者とかを雇ったことがない職場なので、周囲の人が気が回らないとおもう 年に一度避難訓練があるが、邪魔者扱いされるかもしれない 20年以上前に建てられたためものなので、完全なバリアフリーとは行かないと思う。」


面接で職場を訪ねる時には、その会社のバリアフリー環境を自分の目で見て確認することができます。給与面での待遇が良かったり、同僚との人間関係がよさそうでも、トイレの設備や、通勤の便など、日常生活に支障がない建物なのかという点は注意深くチェックするようにしましょう。小さな企業や、古い建物を持つ会社の場合は、この点でデメリットがある場合が多いです。

しかし、時には、車いすを使用している方の障害に配慮して、社屋のリフォームなどを行ってくれる会社もあります。そのため、バリアフリー環境を整えてくれる可能性があるかどうかを聞いてみるのもオススメです。

次は、長く働き続けるためにも、入社してから必要な心がけについて考えてみましょう。

7.入社後に心がけたことは?

希望した企業に入社しても、これから始まる初めての環境に緊張することもあるでしょう。
車いすを使用しながら、満足した会社で長く働き続けている方々は、入社後どんなことに気をつけつつ、どんな工夫しているのでしょうか?

7-1 通勤方法を工夫する

「車椅子の方に限っては、悪天候時に対応してもらえる介護タクシーをいくつか抑えておく必要があると思います。」

会社が通勤を配慮してくれるとしても、いざという時に自分の力で会社に行けるように工夫している方がいます。
納期が迫っていたり、繁忙期になると会社も、障害者に配慮してはいられないことがあります。そのような時でも会社に行けないことがないように、二重三重の備えを用意しておくことです。


7-2 段取りを工夫する

「他の人より動作が遅く効率が悪いので、段取りや効率などで工夫をし、遅れをとらないようにしている。」

車いすを使用している方の場合、たしかに身体的な制限は大きいでしょう。けれどもできないことが分かっていれば、予めフォローできる仕組みを作ることができます。

周囲の方と比べて時間がかかることもありますが、努力する姿勢をあらわすことで、より周囲の方との信頼関係を深めることに繋がります。

7-3 体をケアし、意識して休憩をとる

「背骨の曲げ伸ばしを禁止されているので、上半身を鍛えて家族に少しでも負担をかけないように生活しています。」

「PC作業に集中する時間が長いと肩等が凝るので、30分おきに座席で軽いストレッチ。肩を回したり、ぼんやり遠くをみたりする。」


車いすを使用している方が仕事をする場合に気を付けなくてはならないのが、身体を動かせないがゆえの問題です。長く続けるためには、身体を定期的にケアすることが必要です。意識して休憩を取るようにしましょう。


7-4 サポートしてもらう・相談する

「立ち仕事は他の人に代わってもらうようにしてもらいました。避難訓練などで階段を使わないといけない場合も、特別にエレベーターの使用を許可してもらいました。」

「きちんとした意思の疎通をしていないと、相手はわかったつもりでいてもこちらは理解できていないということが起きることがあります。 きちんと内容や手順を確認しておくこと、迷ったらメール等で細かく相談することが重要です。」


できないことや難しいことは、きちんと伝えて助けてもらうことが大切です。周囲の方も何が?なぜできないのか?といった理由が分からないために、助けられないということがあるようです。

普段からコミュニケーションをとり、お願いする態度を持つことで、職場の人間関係がよくなり、車いすでも支障なく働けるようになってくるでしょう。

8.最後に

障害を抱えると、気持ちも影響を受け落ち込みやすくなるかもしれません。これまでできていたことが、できなくなるのは辛いものです。

しかし、失われていない自分の強みに注目すれば、あなたに向いてる仕事はたくさんあります。

まずは自分を良く理解し、できること、できないことを把握しましょう。
できることや、できなくてもサポートを得られればできることなどを前向きな気持ちで伝えることが大切です。そのポジティブな姿勢こそが、企業が求めている人材です。

あきらめることなく、自分のペースで転職や就職活動を続けてみてください。
理想の企業に出会いでき、長く仕事が続けられることを応援しています。

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