緑内障の方に聞いた、自分に合った仕事探しのポイント

40歳以上の日本人のうち、20人に1人が発症しているという緑内障。緑内障は、視力の低下に直結する病気です。緑内障の方の中には、仕事についての悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

例えば、「ものが見えづらくて仕事が思うように出来ない」「緑内障を抱えながらでも続けられる職場はあるのだろうか」「どんな働き方をすれば良いのか分からない」などといった不安を感じたことはありませんか?

本記事では、緑内障の方へのアンケート結果を元に、「緑内障と向き合いながら働くポイント」「緑内障と付き合いながら進める転職方法」などをまとめました。実際に緑内障の方が働いている企業名や、オススメの業界についても紹介します。

ぜひ、日々の仕事や転職活動、職場復帰の参考にしてみてください。

緑内障の方に聞いた、自分に合った仕事探しのポイント

目次

1.緑内障とは

「緑内障の自覚症状としては、見えない場所(暗点)が出現する、あるいは見える範囲(視野)が狭くなる症状が最も一般的です。しかし、日常生活では、両眼で見ていますし、多くの場合、病気の進行は緩やかなので、初期は視野障害があってもまったく自覚しないことがほとんどです。実際、緑内障の患者さんが自覚症状で気がつくのは、かなり進行してしまって視野や視力が悪化してからということも多いです。視野障害が進行した場合は、視力が低下したり、場合によっては失明することさえありえます。」

参考:日本眼科学会「緑内障」

緑内障は自覚症状が出るまでに時間を要します。また視野や視力を治療によって取り戻すことが難しいため、進行をゆっくりするための治療を行いながら、日常生活や仕事とも上手く付き合っていく必要があります。

2.緑内障を発症したことで生じた仕事での悩み

まずは、緑内障の方が仕事をする際に悩んでいることや、不安を感じていることをアンケートから見てみましょう。

「パソコンを打つうえで目が疲れやすく頭痛をともなうこともあります。」

「目から疲れが回り、夕方には栄養ドリンクで回復を図らなければならない状況。」


このように、目の不調だけではなく、頭痛や体全体の症状を引き起こし仕事への影響を及ぼすようです。見えずらいだけでも辛いのに、他の部分へも症状が及ぶと、やる気や集中力の低下にもつながります。

緑内障を抱えながら働いている方の中には、パソコンや細かいものを見る仕事をされている方も多くいらっしゃると思います。同じような悩みを感じていませんか?

しかし、緑内障を抱えながらもイキイキ働き方をしている方や、周囲のサポートを受けながら、満足のいく働き方ができているという声も多く寄せられています。

では、そのような恵まれた職場はどのように探せば良いのでしょうか?アンケートに寄せられたコメントをもとに、そのポイントを紹介していきます。

3. 緑内障の方にとって満足度の高い職場とは

まず、満足度の高い職場だと感じている方に、その理由を聞いてみました。すると、大きく分けて2つのポイントが挙げられました。

1.自分のペースで働けること
2.緑内障への理解があり、サポート体制が整っていること


では具体的に見てみましょう。

3-1 自分のペースで働けること

「何かあった場合に上司に相談すると、すぐに解決しようとするために話し合ってくれた。また、無理をしないで自分のペースで働かせてくれた。余計な説教や説明、こうしなければいけないというルールが少なかった分、比較的自由に働くことができた。」

「本格的なリストラがなく、目標数字まノルマではなく組織的に設定されている。」


急な不調や通院などで勤務時間を変更したいときも、締切などがあると融通がきかないこともあります。その点、ノルマや決まり事に縛られない職場は、自分のペースで働くことができます。

3-2 緑内障への理解があり、サポート体制が整っていること

「業務割り当てについては無理のない設定がなされており、本人が疎外感を感じないよう配慮されている」

「仕事の負荷軽減。入院時の同僚のバックアップ。入院中は休暇扱いできる。」

「用車の運転はなるべく自分以外の人が行ってくれる」

「病院に行く時間などを頂けるので、そこは配慮してもらってると思う。」


企業や周囲のサポート体制の有無も、職場の満足度を大きく左右します。

コメントにもあるように、業務量が周りより少なくても、周囲の方と同じ立場で職場に居やすい雰囲気を作ってくれる、体調が優れない時に周囲の方が業務をバックアップしてくれるといったサポートがあると、緑内障の方も不安を感じることなく、周りの方と同じように働ける環境だといえそうです。

たとえ業務量が違っても、通院などで勤務時間が異なっても、周りの方と同じような気持ちで働ける環境が、満足度に繋がるのではないでしょうか?

このようなサポートは、個人の思いやりも大切ですが、会社の体制として整っていることが必要不可欠です。


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4. 緑内障の方にオススメの企業とは

では次に、職場に満足していると答えた方が働いている企業名や業界・業種を、理由と具体的なコメントとともに紹介していきます。

4-1 オススメの会社、企業名

①時間の調整が可能
・メディア綜合研究所
「適度に休憩がとれる職場だったので、特に不自由を感じなかった。忙しいとお昼休みが遅れるので、点眼も遅れがちになった。通院について職場の上司とそうだんして、時間を調整してもらえた。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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②フラットな社風
・株式会社ジェーシービー
「女性の割合が多く、パワハラやセクハラなどにも研修やアンケート、面談などで防止する仕掛けがなされている。若手社員にがノビノビ働けるよう、OJTも工夫されている。社風はボトムアップに重きが置かれ、お客様目線での改善活動が積極的に推進されており、経営陣から新入社員まで醸成されている。改善提案は自由に参加でき、優秀者には賞品が提供される。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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4-2 オススメの業界・業種

①医療、医薬品関係

緑内障は多くの方が発症している病気ですが、社会としてその認知度や理解度が高いとは言えないのが現状です。しかし医療や医薬品関係の仕事は、病気に携わっていることから緑内障への理解がされやすい職場の1つだと考えられます。

②パソコンを使わずにできる仕事

緑内障の方の中には、パソコンを使用する作業の際に、疲れを感じるという方も多くいます。IT化が進んでいる現代ですが、パソコンを使わずにできる仕事は多々あります。例えば、清掃関係や包装作業など。目を酷使しないという視点から仕事を選ぶのもオススメです。

③ノルマに関係なくできる仕事

働く上でノルマを課せられる仕事というのは、少なくありません。ノルマがある仕事の場合、体調が優れない時や通院する際にストレスを感じがちです。ノルマに関係なく働くことができる仕事であれば、自分のペースで比較的周りを気にすることもなく働けるでしょう。

次は、緑内障により感じる職場での悩み、逆に今の職場に満足している方のコメントなどから、これから転職活動や就職活動など、仕事探しを始めるという方のために、大切にしたいポイントをご紹介していきます。

5. 緑内障であることを伝えますか?

緑内障は、周りから見ると患っていることがわかりにくい病気です。
それゆえに、緑内障であることを企業に伝える、つまり「オープン」にするか、伝えない、つまり「クローズ」にするか迷いませんか?

まずは、2つのコメントをみてみましょう。

「通院や点眼に関して、理解をしてもらえていた。休みも調整してもらえたので、満足している。」

「病気の事をオープンにしていた訳ではなかったので、パソコン業務中に目を休める時間が長かったり、頻度が多かったりしてるのを上司に指摘されたりして、その時は少々居づらかった。」


オープンにすれば、通院や休み、就業中の点眼などにも理解を得ることができます。しかし、クローズにしていると、目を休めたくても休めづらかったり、休んでいても仕事をさぼっているなどと勘違いされたりすることもあります。

「通院している方はまず持病と通院のために仕事を定期的に休む、あるいは早退しなければいけないむねを真っ先に話すべきです。」

「障害を言わないと後後トラブルになることもありますので、出来るだけ正直に話した方が良いと思います。」


障害をオープンにして企業を探すということは、自分に必要なサポートや配慮を得ることに繋がるでしょう。

障害者雇用を行っている企業はたくさんあります。一般枠で就職するよりも、自分に合った勤務形態や業務内容で働くことができる可能性は高くなるでしょう。

ただ、周りの方と同じように働くことができるという方は、一般枠での就職を考えても良いかもしれません。

自分がどのように働きたいのかを考えた上で、緑内障であることを伝えるか、伝えないかをよく検討しましょう。

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6. 面接の前に行いたいこと

6-1 自分の症状について良く知ろう

面接で重要なのは、自分自身の状況について十分に理解してもらうということです。そのために必要なのは、まず自分自身が自分の状態を把握するということ。面接の前に、自分がどんな状況なのかを整理しておくことが大切になります。

その上で、面接をする相手に「何が出来て何が出来ないのか」「もし体調が良くない場合はどうなるのか」などを伝え、多角的に自分への理解を深めてもらいましょう。面接時点で自分を理解してもらうことは、自分に合った働き方をする上では必須条件です。

「もしも全盲の方であれば、何ができて何ができないのか、今時は全盲でも専用のソフトを使えばPCもできるしインターネットも可能で、タイピングも問題ないということを話すべきです。」

「分かってもらうには、自分が分からないといけません。まずは、職場の人たちと信頼関係を築き、正直に話せる雰囲気や環境作りが必要です。」


アンケートにも上記のような意見が寄せられています。
自分の現状を伝えたら、マイナスになるのではと不安に思う方もいるかもしれません。しかし、サポートを得られればできるようになるなど、仕事に対する前向きな姿勢を示すことは、プラスな印象を与えます。

自分のことを理解してもらう、そして働きたいという気持ちを前向きにアピールするためにも、自分のことをまずよく知りましょう。

6-2 できれば事前に会社を見学しよう

入社する前には、面接だけでなく会社見学を行うことがオススメです。やはり面接だけでは、会社の雰囲気を把握する事は難しいでしょう。

「会社見学や業態研究は必要。」

「がんばればがんばるほど報われる職場かどうか、真面目な者が報われる職場かどうか。それなら会社の雰囲気をあらかじめ知っておくことが大切だと思うので、会社見学とか説明会に積極的に出席や参加した方がよいと思う。」


面接を受ける会社へ事前に「会社見学をしたい」という旨を伝えてみましょう。多くの会社は承諾してくれるはずです。

もし見学が申し出にくいと思ったら、この後で詳しく説明する専用のサポート機関などを通してお願いすることもできますので、検討してみましょう。

会社見学や業態研究までを行なっておけば、入社前と入社後のギャップはかなり小さくなるはずです。また、それに加えて可能なら、実際に働いている方に話を聞くのも良いでしょう。

7. 面接で聞いておきたいポイント

次に、面接で確認しておきたい事柄をチェックしていきましょう。

面接は自分のことを理解してもらうだけでなく、あなたが企業を知る大切な場です。
しかし多くの方が面接は緊張するものです。予め準備をすることで気持ちを落ち着かせることもできますし、聞き忘れを防止することもできます。

経験者のみなさんが面接で聞いておいた方が良いと感じたことをアンケートより紹介していきましょう。面接に向かう前に参考にしてみてください。

「せめて有給休暇取得率や福利厚生、給料などでシビアに決めたほうがたあとあと後悔しないかも。一ヶ月で具体的にどのくらい休めるのか確認したほうが良いですね。」

このように面接では、

・福利厚生
・勤務体制、休暇制度
・自分の状況を伝えた上で知りたい会社の制度やサポート体制
・自分が担当する仕事の再確認


といった点を少なくとも確認しておく必要があります。入社してから話が違うということのないように、面接の場を有効活用しましょう。

確かに、面接で質問する事は、少し勇気が必要かもしれません。しかし、入社する前の面接が最も聞きやすいタイミングであることも事実です。

直接聞きずらい場合は、メールでも良いので、質問するようにしてみてください。そうすることで、自分の中の不安を減らして次に進むことができますし、自分の企業に対する本気度を伝えることもできるでしょう。

または、不安なことは1人で解決せず、専門のアドバイザーなどの力をかりることもできます。職場見学や企業に聞きづらいことも、専用機関を通して確認することもできます。 どのようなサポート機関があるのか、紹介しましょう。

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8. 仕事探し、何から始めればよいか迷ったら活用してみよう

就職活動や転職活動を行うとき、まず何から始めれば良いか戸惑うことはありませんか?
先ほど述べたように、仕事を選ぶ際に優先すべき内容をまとめてみても、そのあと何をすればよいか、どこへ行けばよいかわからない方も多いのではないでしょうか。

まずは、どんな求人スタイルがあるのかを知っておきましょう。

8-1 働き方によって選べる採用枠「一般枠」」と「障害者雇用枠」

求人には「一般枠」と「障害者雇用枠」があり、障害者手帳を所持している方は、「一般枠」・「障害者雇用枠」のどちらにも応募することができます。

「一般枠」は、障害や病気であることを伝えず(クローズ)仕事をすることになります。
障害のない方と同じように働くことため、広い職種から選べ、昇進や昇給などの機会もあります。しかし、障害や病気への理解を得られにくく、周囲のサポートを受けることは難しいのが現状です。

「障害者雇用枠」は、障害や病気であることを伝えて(オープン)仕事をにすることになります。そのため、職場の理解を得られ、周囲のサポートが受けやすくなるなど、働きやすさにつながることも考えられます。

8-2 求人はどこで探すの

①ハローワーク


ハローワークには障害や病気のある方専門の窓口があるため、相談やアドバイスを受けることができます。求人数や障害のある方への求人情報も多く扱っています。実際に活用した方の声もあります。

→ハローワークインターネットサービスはこちらへ
参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

②人材紹介会社


障害や病気を抱えることで、働くことに不安を覚えている方の就職活動を応援してくれる専用の人材紹介会社をご存知でしょうか?

具体的には、履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など、全面的なサポートなどを行ってくれます。

ハローワークなどでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

ひとりで1からはじめる就職活動との違いは、専門のアドバイスやサポート、自分にあった企業の紹介を受けられるため、担当者と一緒に不安を取り除きながら活動を進めていくことができます。

しかし、人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

9. 入社後の悩みと心がけたこと

希望する企業での仕事が決まり、期待が高まる中、初めての職場ということもあり、緊張することや不安に感じることもあるでしょう。

緑内障の症状とも付き合いながら仕事を続けていく上で、みなさんは日頃どのようなことに注意し、心がけているのでしょうか?
多くのアドバイスが届いていますので紹介します。

①目を大切にする
緑内障の方の多くは、目を休めるように意識しています。
具体的には目を休める時間をとること、パソコンを使用する際はブルーライトをカットする眼鏡をかけることなどの声が寄せられています。

「点眼時に必ず目頭を押さえてつむり、数分間、目を休めるようにしています。」

「ブルーライトをカットする眼鏡をかけてパソコンをしてます。また、サプリメントも飲んでます。」


緑内障において、目を大切にする事は何よりも大切なことです。自分がまだ大丈夫と思っていても、目が疲れていることはあります。意識的に目を休める時間や仕組みをつくるのは効果的と言えそうです。

②ストレス対策を心がける
適度に休憩をとったり、仕事を家庭に持ち込まないようにするなどしてストレス対策を心がけているという意見もありました。
ストレスが溜めると体調の悪化とも繋がりますので、ストレスを溜めないように工夫することも大切です。

「集中力がなくなったらリフレッシュルームへ行ってしばし、休憩する。」

「特にこれといったルールは設けておりませんが、ストレス防止対策として、仕事は絶対に家庭に持ち込まないように心掛けています。」

「ストレスを溜めないように1-2時間ごとにタバコ休憩を取っている。」


③目の状態を考慮する
自分の目の状態を理解した上で、予め対策を考えているという方もいらっしゃいます。
例えば、腕時計を必ずしておくことや、見づらいときは角度を変えて見てみるといったことです。目の調子が良くないという前提に立って、予め対策法を考えておくのは賢明な手段と言えそうです。

「なるべく遠くの時計は見えないので、うで時計は必ずしていく。あとはスマホなどで移動先などはあらかじめ自宅で検索しておいで、外で困らないようにする。」

「痛み止めが効かない時はあまり立ち歩かず、静かにできる仕事をする。 見づらいときは角度を変える。」


10. 最後に

緑内障を抱えながら働こうとすると、悩みや困難は少なからず出てくるでしょう。でも、自分に合った会社を見つけ、工夫しながら働くことで、満足のいく働き方は実現できます。

実際に本記事でも紹介したように、緑内障を抱えながら自分らしい働き方をしている先輩もいらっしゃいます。

まずは自分の症状を理解し、できること、できないことを整理しましょう。またできないことでも、サポートを得られればできることもあります。できないことも前向きな気持ちで取り組む考えがあることを伝えられると良いですね。

そして、自分らしい働き方を実現する上で何より大切なのは無理をしないことです。ついつい周りと比べて不安になる時もあるかもしれません。しかし、自分のペースを最優先にマイペースで進んでいきましょう。

実際に働く際も、自分の体調を第一に考えるように意識することが大切。自分を大事にできるのは自分だけです。そして、企業を探す時や働き方につまずいた時には、経験者の声を参考にしてみてください。きっと素敵なヒントに出会えるはずです。



※他にも緑内障の方の仕事に関する体験談がたくさん届いています。
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