不眠症の方に聞いた、自分に合った働き方を実現させるポイントとは

ストレスが蔓延する日本社会において、不眠症は特別なものではありません。不眠症をかかえている人の中には、働き方について悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

「仕事に支障をきたしているが、どうしたらいいのか…」
「今の職場はストレスが溜まるので転職したい。自分に合った会社はあるのか…」
「そもそも不眠症をかかえながらでも職場復帰や転職はできるのだろうか…」
本記事では、不眠症をかかえている方のリアルな体験談をベースに、「どのように不眠症と向き合いながら転職活動を成功させたのか」「実際に働く中で大切にしていること」などポイントを紹介します。

さらに、実際に不眠症の方が働きやすいと感じた企業や、転職活動の方法についても紹介していきます。

目次

不眠症の疾患を持つ方が実際に経験していること

不眠症をかかえている方が仕事をする際に悩んでいることや、不安を感じていることはどんなことでしょうか?アンケートには、以下のような声が寄せられています。

「仕事をしているときは眠剤がネックであった。眠剤が残ることもしばしばで起きるのが辛い。 今は面接を入れるだけで高熱が出てしまう。」

「十分な睡眠が得られなく仕事に行けないなど業務に支障が出ることが多々ある」

睡眠が十分にとれないことで業務に支障が出る方や、薬の副作用に悩むといった意見がみられます。似たようなことを感じている方もいらっしゃるかもしれません。

でも大丈夫です。不眠症を抱えながらも、自分に合った職場に転職できたというかたや、周囲のサポートを得ながら、満足のいく仕事ができているという声も多くあります。

不眠症をかかえる方が働きやすい職場とは

満足度の高い職場のポイントは、「疾患への理解度と具体的な施策があるか」



自分にあった働き方を語る上で「職場環境」は最も重要なポイントと言っても過言ではありません。実際の声を見てみましょう。

「月に一回健康管理室の保健師と面談を設定してもらえる。周りも病気を理解していて、適度に放っておいてもらえる。仕事量が少なく、残業がほとんどない。」

「この会社は、とても理解があり。病気の事を知って一定期間は席を空けて待っていてくれている。 私もそれに答えようと早く病気を治して復帰したいと思っている。」

自分の症状に対する理解がある職場は満足度も高いと言えます。また理解があるだけでなく、具体的なサポート体制が整っていることも重要です。

あると嬉しいサポートは「気づかいと個別化された仕組み」



実際にどんなサポートがあると働きやすいと感じたのか、働く上で助かったサポートについて紹介していきます。

「欠勤が続いたあとでも部署のメンバーは体調を気づかってくれる。」

「仕事の目標スピードを変えてもらっています。養護、保健師、産業医、カウンセラーが適時に対応してくださいます。周りに理解がありまして。」

不眠症の影響が業務へ支障をきたした際に、周りが気づかってくれるということが絶対条件のようです。

その上で、仕事の目標設定を個々に合わせて設定してもらえるなど、個別化された仕組みが導入されていると、より働きやすい職場と言えそうです。

不眠症をかかえながらでも働きやすい企業・業界・業種

次に、ここまで紹介してきたアンケート結果より、現在の働き方に満足していると答えてくださった方が働いている企業や業界・業種の特徴を、具体的なコメントとともに紹介していきます。

オススメ企業



①やりがいがある

・(有)浜松エンジニアリング土木設計事務所
「やりがいがあり、自分が持っている能力を最大限に引き出せる仕事だと思っている。何も分らない所から始めて、仕事を身につけて行ったので、自分でもこの仕事をとても気に入っている。」

②自分のペースで仕事ができる

・株式会社オカムラ
「月に一回健康管理室の保健師と面談を設定してもらえる。上司にも困っていることを相談できる。仕事量を控えめにしてもらっている。プレッシャーのかかる仕事はなるべくさせないようにしてもらっている。」

・株式会社インターサーブ
「完全個人プレイだったので、自分のペースで仕事ができた。就業時間も10時から17時なのでゆとりがあった。」

③給与や有給といった労働条件

・ヤマト運輸株式会社
「ヤマト運輸も仕事さえ覚えてしまえば、おしゃべりしながら仕事ができ、いつも同じメンバーで安心して仕事ができるところがとてもいい。 無駄な緊張やストレスがないところ。 どちらもしっかり有休がもらえるところと交通費が支給されているところもとても満足している。時給にも満足している。」

不眠症の方にオススメの業界・業種



・IT関係
IT関連企業は、比較的新しい会社も多く、時間や場所に対してフレキシブルな制度を設けている場合があるのでオススメです。例えば、労働時間と場所が固定されやすい接客業などの場合は、自分の体調に合わせて働き方を変えることができませんが、IT関連企業であれば多様な働き方や自分の成果物に対して給料が貰える企業も多くあります。

・医療/福祉関係
不眠症の方が職場で働く上で重要なのは、病気に対する周りの理解度です。この点に関して、医療や福祉関係の企業は、一般企業に比べ病気が身近な存在であるがゆえに、理解されやすい環境であると言えるかもしれません。福利厚生などの制度が整っている企業もあります。

・自分のペースを優先できる仕事
業界を問わず、チームプレイの必要がない仕事は、ペースを自分でコントロールできるので、気分的に余裕がもてるかもしれません。例えば、書類関係や包装作業、web製作やエンジニアといった仕事は、そのような性質を持っている可能性が高い傾向にあります。

面接のポイント

知っておきたい、面接での心構え



面接を受ける前に重要なのは、自分自身をしっかりと理解しておくことです。自分の状況を把握した上で、「できること」「できないこと」や望むことを、明確にしておくことが大切です。

またアンケートに多くあがっていたのは、面接をする時には予め、自分の状況を伝えておくことが大切だという意見でした。自分も企業もお互いのことをよく理解した上で入社することは、その後、より自分らしい働き方を続けることにつながるでしょう。

「自分が何が出来て何が出来ないのか、何にやる気があるのか何をやって行きたいのかをはっきりさせて決める事が大事だと思います。これなら、続けられるという物を一つ持っていると強いと思います。 そして、その会社でどれだけやる気を見せられるかという事。自分の弱い点にも触れておくとよいでしょう。いざという時に対処してもらえるかどうかも確認しておくと安心です。」

「応募先に問い合わせをする時点で、何かしらの障害や疾患があるのなら伝えておくべきです。それであちらが難色を示したら黙って就職しても勤務を続けていくのは不可能ですし、逆に障害や疾患があっても配慮するということを言われたら働きやすい職場であると考えられるので、そのまま応募すべきだと思います。」

「何をしたいかは明確にしておかないと就職してから迷うことになる。仕事をするうえで自分は何のために仕事をするのかがわかっていないとどうしたらいいかわからなくなったときに抜け道が見つけられない。やりたいことや目的がはっきりしていればそれに向かってもう一度踏み出すことはできるが、はっきりしないと路頭に迷う。」

「自分を理解した上で、自分を伝える」これを明確に行うだけで、理想の会社と出会える可能性が広がります。勇気がいるかもしれませんが、ありのままの自分を相手に伝えることが最も大切なポイントでしょう。

面接で聞いておくべきポイント



では、実際に入社する前に確認しておくと良いポイントは何でしょうか。経験者のみなさんが面接で聞いておいた方が良いと感じたことを紹介しますので、ぜひチェックしてみましょう。

「離職率を聞くのが良いと思います。離職率が高い職場は、仕事をする環境として非常に悪いことは明らかです。また、入社したばかりの人にどういったケアをするのかも聞いておくと良いと思います。仕事を見て覚えろという会社は、ヤバイと思います。」

「説明を聞いてわからないことや気になることはうやむやにせず必ず質問したほうがいい。自分の働き方に合ってるかということはとても大事だと思う。特に体調不良などで休みたい時などちゃんと休ませてもらえるのかということも確認したほうがいいと思います。」

「給与等の待遇面、希望通りに休みが取れるか、といった表向きの数字の他に、人が充足しているか、離職率、もっといえば労災での死亡率やうつ病などのメンタル系の発症率やそれによる退職率といった絶対表に出ないような数字も重要。」

面接という独特の雰囲気の中では聞きにくいこともあるかもしれません。しかし、入社してから知り後悔することは避けたいものです。面接は会社が自分を見ている時間でもあり、自分も会社を見ている時間です。大切な時間を多いに活用しましょう。

入社後に心がけたことは「自分を大切にすること」

面接に受かり、入社する会社が決まったものの、初めての職場での仕事は不安も多いものです。体験談より、入社後に心がけたことや工夫したことを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

①十分な休息をとる・無理をしない



とにかく大切なのは「無理はしないこと」。具体的には、やり過ぎたと感じたら休む癖をつけること、残業の際は休憩を必ずとるようにするなどの声が寄せられています。

業務でつらくなってくると残業を減らしたり早く帰らせてもらうようにしています。また残業になるときは必ず休憩をとるようにしています。

今は仕事はしていませんが、何をするにしてもやり過ぎない事。これは医師に良く言われることです。やり過ぎと感じたら休む癖をつける事、この訓練をしています。

②体調管理に気を配る



きちんと服薬することや、休日は自分の時間をとること、可能な限り早く睡眠をとるようにするなど、生活リズムを崩さないように、体調管理に気を配ることが大切です。

薬を忘れずにしっかり飲むようにしています。規則正しい生活を送るようにしています。極力残業や土日出勤はしないようにしています。 可能な限り早めに睡眠をとるように心がけている。

③自分のメンタルをコントロールする



不眠症をかかえていると、睡眠不足により思ったように仕事ができなくなり、精神的な負担がか大きくなります。常に自分の心に目を向けているという意見もみられました。

思い詰めすぎず、極力自分に負荷がかからないようにする。例えば覚えなきゃ、失敗してはならないという自己暗示を消す。

病院で処方された薬をちゃんと飲む。 躁が出てきたなと自覚したら、落ち着くよう自分に言い聞かせる。

これから企業を探す方へ

それでは実際に企業を探す際に、注意すべきポイントを確認していきましょう。ぜひ自分の状況と照らし合わせ、これからの活動の参考にしてみてください。

①自分に合った職場環境なのか、可能な限り自分の目で確認する



ここまで多くの意見にもあったように働く上で最も大切なのが「職場環境」です。入社前に実際に足を運んでみるなど、面接で聞くだけでなく自分の目で確かめるのが良いでしょう。

また、試用期間がある企業もオススメです。実際に働いてみることで、雰囲気を感じとることができます。

会社にお願いすると、事前に見学させてもらえることがほとんどです。実際に見学して雰囲気を掴んだり、働いている人の話を聞いてみたりすることで「職場環境」を自分の肌感覚で確かめることができます

試用期間があるかどうか。残業について、仕事について、職場の雰囲気について、面接時の話と違うことなんてざらなので、試用期間があったほうがいいと思います。 自分が職場や仕事と合わないときに試用期間があったほうが断りやすいと思います。

自分の体調、通勤環境も含め、自分に合っているかどうか考えるべき。会社の所在は大体都心に近いところにあることが多く、会社近くの家を借りようとすると結構な家賃がかかるので、家賃補助など福利厚生も考える必要がある。会社説明会とかで福利厚生について説明したりするところもあるので、もし気になることがあるのなら質問すべき。

②基準は「自分に合った職場条件」



何を基準に企業を選びますか?この基準を明確にしておくことで、自分と合わない不要な選択肢を排除することができます。

一般的な転職活動の場合、「給与」を基準に企業を選んでいる人も多いようです。しかし、不眠症の方のアンケート結果には、「給与」より「自分に合った職場や労働条件」を基準にした方がいいとの声が寄せられています。

空気で察知する能力を身につけていないと、見学できたとしても問題点が察知できない。給料などの待遇のみで選ぶのは危険。

収入が良いからと言って何も考えずに入社しないで、仕事の内容をよく確認してから決めた方が良いと思います。十分に仕事が自分に合っているかを最初に必ず質問するのが良いと思います。

③「事実」に注目する



職場の雰囲気も大切ですが、具体的にどのような対策がおこなわれているのかも重要です。例えば、自分が休んでも仕事が回るだけの人数がいるのか、同じような状況の人がいる職場であればどんなサポートがおこなわれているのか、などです。

自分の感覚も大事ですが、企業を俯瞰して見る冷静な目も持ち合わせておくと良いでしょう。

具体的に病気や障害にどのような配慮をしてくれるのか。待遇とのバランスが適切か。ホワイト企業を目指しており、かつ具体的な施策を取っているか。本当に残業がないか、あるいは少ないか。転勤や遠方への出張はないか。

人間関係は入ったら変わってくるとは思うけど、1桁の人数しかいないところは要注意です。 そこでうまくいけばいいけど、誰か1人とでも揉めたら、そのあと針の筵になる可能性も高いです。

④外部の力を活用する



今まで述べてきたポイントを網羅して就職活動や転職活動を行うとなると、これからの道のりが長いと感じてしまうかもしれません。そんな時は1人で悩まず、様々なサポートを活用すると気持ちに余裕がでるかもしれません。

就職支援制度や病気や障害をお持ちの方専用の人材紹介会社など、活用できるサービスはたくさんあります。

人材紹介会社の中には、専門のスタッフによる仕事探しのアドバイスや、企業へ予めご自身の病気や症状を伝え、面接に同行してくれるサービスを行っているところもあります。また事前に行ったおきたい職場見学のお願いなどの相談できるなど、様々なサポートを行っています。

同じ会社でも、部署によって全く業務や社風が違うので、できるようならいろいろな部署の方にお話を聞けるようにしておいたほうがいいかもしれませんが、たぶん無理なような気がします。就職支援制度などを活用したほうが障害者に配慮してくれる会社を探してくれそうな気もします。

メンタルが影響する就職活動。一人で抱え込まずに周りに相談しながら前向きに取り組んでみてください。

最後に

不眠症をかかえながら働くことには、不安やストレスを感じることも多いかもしれません。しかし、自分をよく理解してその状況を伝えることで、理解してくれる会社と出会うことは十分に可能です。

上手くいかないことが続く、周りと比較して悲観的になってしまう、そんな日もあるかもしれません。ゆっくりで大丈夫。無理せず、あせらず、マイペースで進んでいきましょう。

もし思ったような結果が得られなかったとしたら、それはもっと自分に合う企業があるということです。

本記事でご紹介したように、不眠症をかかえながらも、自分が満足できる働き方を実現している方はたくさんいます。ポイントを参考に、ゆっくり進んでいきましょう。

著者情報

関連するコラム