不眠症のある方が働き続けるためのポイント

不眠症のある方が働き続けるためのポイント

ストレスが蔓延する日本社会において、不眠症は特別なものではありません。
日本人の5人に1人は睡眠障害の1つである不眠症を抱えていると言われています。

不眠症により日中の勤務時間がつらい、そもそも不眠症の原因が職場にあり転職を考えているという方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、不眠症のある方のお仕事に関する口コミをもとに、不眠症と向き合いながら転職活動を成功させる方法や、実際に働くうえで重視すべきポイントなどをお伝えします。

障害者雇用の専門家ジョジョさん(社会福祉士、プロコーチ)にもアドバイスをいただきました。

不眠症のある方が働きやすいと感じた企業や、転職活動の方法についてもご紹介していきますのでご覧ください。

*この記事はジョジョさんに監修していただきました
ジョジョさん

産業カウンセラー、社会福祉士(ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、プロコーチの資格を持ち、就労継続A、B型にて支援員として、身体障害、精神障害、知的障害のある方への支援を行う。 自身も悩みを抱えギャンブル依存症になった経験から、「悩みから夢まで話せる友達が見つかる東京の居場所”ココトモハウス“と出会い、現在はその管理人として多くの方から信頼を寄せている。生きづらさを抱える人達を社会と繋げて、豊かな社会を作ることがミッション。



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目次

1. 不眠症とは

2. 不眠症のある人の悩み

3. 不眠症のある人が働きやすい職場とは

4. 不眠症を抱えながらでも働きやすい企業・業界・業種

5. 面接のポイント

6. 入社後に心がけたこと

7. これから仕事を探す方

8. 転職活動や就職活動の始め方

9. 最後に

1. 不眠症とは

    誰しも「眠ろうとしてもどうしても眠れない」という不眠体験をもっています。心配事がある時・試験前日・旅行先などさまざまな原因がありますが、通常は数日から数週のうちにまた眠れるようになります。

    しかし時には不眠が改善せず1ヶ月以上にわたって続く
    場合があります。不眠が続くと日中にさまざまな不調が出現するようになります。 倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振など多岐にわたります。
    このように「1. 長期間にわたり夜間の不眠が続き」「2. 日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する」、このふたつが認められたとき不眠症と診断されます。

    ■不眠症のタイプは4つに分けられます。
    ・寝つきの悪い「入眠障害」
    ・眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」
    ・早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」
    ・ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない「熟眠障害」


    不眠症は不眠そのものだけではなく「日中に不調が出現する」ことが問題なのです。眠りが浅く感じられても昼間の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。睡眠時間が短いことや目覚め回数にこだわりすぎないことが大事です。
また不眠症には、様々な原因があります。

    ■不眠の原因
    ・ストレス
    ストレスと緊張はやすらかな眠りを妨げます。神経質で生真面目な性格の人はストレスをより強く感じ、不眠にこだわりやすく、不眠症になりやすいようです。

    ・からだの病気
    高血圧や心臓病(胸苦しさ)・呼吸器疾患(咳・発作)・腎臓病・前立腺肥大(頻尿)・糖尿病・関節リウマチ(痛み)・アレルギー疾患(かゆみ)・脳出血や脳梗塞などさまざまなからだの病気で不眠が生じます。また睡眠時無呼吸症候群やムズムズ脚症候群(レストレスレッグス症候群)など、睡眠に伴って呼吸異常や四肢の異常運動が出現するために睡眠が妨げられる場合も珍しくありません。
    不眠そのものより背後にある病気の治療が先決です。原因となっている症状がとれれば、不眠はおのずと消失します。

    ・こころの病気
    多くのこころの病気は不眠を伴います。近年は、うつ病にかかる人が増えています。単なる不眠だと思っていたら実はうつ病だったというケースも少なくありません。「早期覚醒」と「日内変動(朝は無気力で夕方にかけて元気がでてくる)」の両方がみられる場合には早めに専門医を受診してください。

    ・薬や刺激物
    治療薬が不眠をもたらすこともあります。睡眠を妨げる薬としては降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられます。また抗ヒスタミン薬では日中の眠気が出ます。コーヒー・紅茶などに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどには覚醒作用があり、安眠を妨げます。カフェインには利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。

    ・生活リズムの乱れ
    交替制勤務や時差などによって体内リズムが乱れると不眠を招きます。現代は24時間社会といわれるほどで昼と夜の区別がなくなってきていますから、どうしても睡眠リズムが狂いがちです。

    ・環境
    騒音や光が気になって眠れないケースもみられます。また寝室の温度や湿度が適切でないと安眠できません。


参考:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」

不眠症は、仕事のストレスや不規則な勤務体制による生活リズムの乱れなど、仕事により発症することもあります。
まずは原因を知り、専門家に相談しながら対処法や治療を進めましょう。

2. 不眠症のある人の悩み

不眠症を抱えている方は、仕事をする際にどのようなことに悩み、不安を感じているのでしょうか?口コミを見ていきましょう。

「仕事をしているときは睡眠薬がネックであった。睡眠薬が残ることもしばしばで起きるのがつらい。」

「十分な睡眠が得られなくて仕事に行けないなど業務に支障が出ることが多々ある。」

不眠症のある方は、不十分な睡眠による業務へ支障、薬の副作用による起床時のつらさなどの悩みを抱えています。皆さんの中にも、同じような悩みを抱えている方はいませんか?

しかし、口コミにあるのは悩みごとばかりではありません。不眠症を抱えながらも、自分に向いている仕事に転職できたという声や、同僚のサポートを得ながら満足のいく仕事ができているという声も多く寄せられています。

3. 不眠症のある人が働きやすい職場とは

3-1.不眠症への理解と周囲のサポートが重要

不眠症を抱える人が快適に働くために重要なことは、職場環境です。
では働きやすい職場環境や必要なサポートに関する口コミを見てみましょう。

「月に一回、健康管理室の保健師と面談を設定してもらえる。職場の同僚も病気を理解していて、適度に放っておいてもらえる。仕事量が少なく、残業がほとんどない。」

「この会社はとても理解がある。病気のことを知ってからは、席を空けて待っていてくれている。私もそれに答えようと早く病気を治して復帰したいと思っている。」

「欠勤が続いたあとでも部署のメンバーは体調を気づかってくれる。」

「仕事の目標スピードを変えてもらっています。養護、保健師、産業医、カウンセラーが適時に対応してくださいます。」

不眠症に対して理解とサポートのある職場は、満足度が高いことがわかります。また、理解があるだけでなく、具体的なサポート体制が整っていることも重要です。

不眠症の影響で業務に支障をきたした際に、職場の同僚が気づかってくれる、そしてサポートしてくれる環境は嬉しいですよね。

さらに、個々の状況に合わせて仕事の目標を設定してもらえるなど、個別にあわせた働き方ができる職場であれば、より快適に働くことができるでしょう。

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4. 不眠症を抱えながらでも働きやすい企業・業界・業種

次に、「現在の働き方に満足している」と述べた方がおすすめする企業や業界・職種の特徴を、口コミとともに紹介していきます。

4-1.不眠症のある方におすすめの企業やその特徴

株式会社オカムラ
「月に一回健康管理室の保健師と面談を設定してもらえる。上司にも困っていることを相談できる。仕事量を控えめにしてもらっている。プレッシャーのかかる仕事はなるべくさせないようにしてもらっている。」
満足度:★★★★
配慮 :★★★★
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ヤマト運輸株式会社
「仕事さえ覚えてしまえば、おしゃべりしながら仕事ができ、いつも同じメンバーで安心して仕事ができるところがとてもいい。無駄な緊張やストレスがないところや、しっかり有休がもらえるところと交通費が支給されているところにもとても満足している。」
満足度:★★★
配慮 :★★★
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株式会社LIXILビバ
「勤務時間中の外出を休憩時間として認めてくれたり、突発的な通院による遅刻を認め労わってくれたり、病気の有無に関わらず忙しくても必ず休憩を取るように声をかけてもらえたりと、ちょっとした融通を効かせてくれるので働きやすい職場です。」
満足度:★★★
配慮 :★★★
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4-2.不眠症の方におすすめの業界・職種

IT関係
IT関連企業は、比較的新しい会社も多く、時間や場所に対してフレキシブルな制度を設けていることが多いのでおすすめです。例えば、接客業など労働時間と場所が固定される仕事は、体調に合わせて働き方を変えることはなかなかできません。しかし、多様な働き方が認められやすい企業では、労働時間ではなく成果物に対して給料がもらえる企業もあります。

医療・福祉関係
不眠症の方が職場で働くうえで重要なのは、病気に対する同僚の理解です。医療や福祉の業界は、病気や障害に関連した仕事であるがゆえに、理解を得やすいでしょう。福利厚生などの制度が整っている企業も多くあります。

自分のペースで作業できる仕事
業界を問わず、チームプレイの必要がない仕事は、作業ペースを自分でコントロールできるので、より柔軟に働くことができるでしょう。例えば、書類整理や包装作業、web製作やエンジニアといった仕事は、自分のペースで作業できる可能性が高い傾向にあります。

次に、就職や転職活動の進め方について、具体的な話をしていきましょう。まずは面接についてのアドバイスです。


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5. 面接のポイント

5-1.知っておきたい、面接での心構え

面接を受ける前に必要なことは、自分自身をしっかりと理解しておくことです。特に、自分の特徴を把握したうえで、できること、できないこと、望む配慮事項などを明確にしておきましょう。

そして、面接の際に自分の特徴をきちんと伝えておくことが大切という口コミも多くありました。自分のことをきちんと説明し、よく理解してもらったうえで入社することが、より自分らしく快適に働き続けることにつながるでしょう。

「自分は何ができて何ができないのか、何をやっていきたいのかをはっきりさせて決めることが大事だと思います。これなら、続けられるというものを一つもっていると強いと思います。そして、その会社でどれだけやる気を見せられるかということ。自分の弱い点にも触れておくとよいでしょう。いざというときに対処してもらえるかどうかも確認しておくと安心です。」

「応募先に問い合わせをする時点で、何かしらの障害や病気があるのなら伝えておくべきです。それであちらが難色を示したら、黙って就職しても勤務を続けていくのは不可能です。逆に、障害や病気に対して配慮すると言われたら、働きやすい職場であると考えられるので、そのまま応募すべきだと思います。」

「何をしたいかは明確にしておかないと就職してから迷うことになる。仕事をするうえで自分は何のために仕事をするのかがわかっていないと、どうしたらいいかわからなくなったときに抜け道が見つけられない。やりたいことや目的がはっきりしていればそれに向かってもう一度踏み出すことはできるが、はっきりしないと路頭に迷う。」

『自分のことをきちんと理解したうえで、それを相手に明確に伝える。』これを行うだけで、理想の会社と出会える可能性が広がります。勇気がいるかもしれませんが、ありのままの自分を企業に伝えることが、最も大切なポイントでしょう。

これらのアドバイスをまとめると以下のことがわかります。

  • 自分のことをよく分析し理解する。
  • できること、できないこと、望む配慮事項を把握する。
  • 正直に自分のことを話す。
ここでアドバイスをもう一つ。自分にできないことを伝えることは、企業にマイナスイメージを与えるのでは?と不安に思う方もいることでしょう。
しかし、伝え方しだいで大きく印象を変えることができます。できないことや苦手なことでも、サポートしていただくことでできるようになることもあります。

口コミにもあるように、面接では仕事へのやる気を見せることが大切です。できない=マイナスと感じることは、ポジティブに考えなおしてみましょう。サポートがあればできるという伝え方にすることで、面接官に与えるイメージは大きく変わります。

5-2.面接で聞いておくべきポイント

次は、入社する前に面接で確認しておきたいポイントを確認していきましょう。

「離職率を聞くのが良いと思います。離職率が高い職場は、仕事をする環境として非常に悪いことは明らかです。また、入社したばかりの人にどういったケアをするのかも聞いておくと良いと思います。仕事を見て覚えろという会社は、ヤバイと思います。」

「説明を聞いてわからないことや気になることはうやむやにせず必ず質問したほうがいい。自分の働き方に合っているかということはとても大事だと思う。特に体調不良などで休みたいときなどちゃんと休ませてもらえるのかということも確認したほうがいいと思います。」

「給与等の待遇面、希望通りに休みが取れるか、といった表向きの数字のほかに、人が充足しているか、離職率、もっといえば労災での死亡率やうつ病などのメンタル系の発症率やそれによる退職率といった絶対表に出ないような数字も重要。」

面接は、緊張するものです。自分からは質問しづらいと思うかもしれません。しかし、入社してから後悔することは避けたいものです。面接は、会社が自分を見る時間でもあり、自分も会社を見る時間です。大切な時間をおおいに活用しましょう。

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6. 入社後に心がけたこと

面接に受かり入社が決まった方は、うれしい反面、初めての出社に不安を感じることはありませんか?

初めての職場はだれでも緊張するものです。そんな時は、同じような境遇の方の意見を参考にしてみましょう。働きやすい職場環境を得るためには、ちょっとした心がけや工夫が必要です。

6-1.十分な休息を取る・無理をしない

とにかく大切なことは「無理はしないこと」。具体的には、残業の際は休憩を必ず取る、自分の力を過信せずきちんと休むなどの口コミが寄せられています。

「業務でつらくなってくると残業を減らし、早く帰らせてもらうようにしています。また残業になるときは必ず休憩を取るようにしています。」

「何をするにしてもやり過ぎないこと。これは医師によく言われることです。やり過ぎと感じたら休む癖をつけること、この訓練をしています。」

まず焦りは緊張や不安を招きます。落ち着いた気持ちでいられるように、余裕をもった行動を心がけましょう。また十分に体を休め、心身ともに充電することが大切です。

6-2.体調管理に気を配る

体調を崩さないためには、体調管理が大切です。
きちんと服薬することに加え、休日の過ごし方や規則正しい生活に留意し、生活リズムを乱さない努力も必要でしょう。

「薬を忘れずにしっかり飲むようにしています。規則正しい生活を送るようにしています。極力残業や土日出勤はしないようにしています。」

「可能な限り早めに睡眠を取るように心がけている。」

自分の体のことは自分がよく知っています。慣れない職場はいるだけでも疲れるものです。生活リズムを乱さないように、自分の体調を優先にして行動しましょう。

6-3.メンタルケアを怠らない

不眠症による睡眠不足により、思うように仕事ができず、精神面にも影響を与えることがあります。そうならないために、常に自分の心に目を向けているという意見もみられました。

「思い詰めすぎず、極力自分に負荷がかからないようにする。例えば覚えなきゃ、失敗してはならないという自己暗示を消す。」

「病院で処方された薬をちゃんと飲む。 躁が出てきたなと自覚したら、落ち着くよう自分に言い聞かせる。」

不眠症が進み、他の精神的疾患を招かないよう、自分の心の声に耳を傾けましょう。悩んだり困ったりしたときは、ひとりで悩まず周りの力を借りることも大切です。

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7. これから仕事を探す方

ここからは、仕事探しで注意すべきポイントを確認していきましょう。ぜひ自分の状況と照らし合わせ、これからの転職活動・就職活動の参考にしてみてください。

7-1.仕事選びで重視することを明確にする

あなたは仕事を選ぶとき、何を重視しますか? これを明確にすると、自分に不要な選択肢を排除することができます。

一般的な転職活動の場合、「給与」を重視して企業を選んでいる人も多いようです。しかし、不眠症の方の口コミには「給与」より自分に合った職場や労働条件を重視にしたほうが良いとの声が寄せられています。

「空気で察知する能力を身につけていないと、見学できたとしても問題点が察知できない。給料などの待遇のみで選ぶのは危険。」

「収入が良いからといって何も考えずに入社しないで、仕事の内容をよく確認してから決めたほうが良いと思います。十分に仕事が自分に合っているかを最初に必ず質問するのが良いと思います。」

7-2.見学で職場環境を確認する

ここまでの意見にも多くあったように、職場環境は、不眠症を抱える人が仕事探しをする際に重要視すべきポイントです。そのためにも、面接で確認するだけでなく、入社前に職場へ足を運ぶなど、自分の目で確かめると良いでしょう。

会社に職場見学をお願いすると、事前に見学させてもらえることがほとんどです。実際に見学して雰囲気をつかんだり、働いている人の話を聞いたりすることで「職場環境」を自分の肌感覚で確かめることができます。
また、試用期間がある企業もおすすめです。実際に働いてみることで、雰囲気を感じ取ることができます。

7-3.サポート体制を具体的に確認する

不眠症などの病気のある人へのサポート体制(配慮事項)も確認すると良いでしょう。
例えば「自分が休んでも仕事が回るだけの人員がいるのか」「同じような状況の人がいる職場であれば、どんな配慮がされているのか」といったことです。

「具体的に病気や障害にどのような配慮をしてくれるのか。待遇とのバランスが適切か。ホワイト企業を目指しており、かつ具体的な施策を取っているか。本当に残業がないか、あるいは少ないか。転勤や遠方への出張はないか。」

「人間関係は入ったら変わってくるとは思うけど、一桁の人数しかいないところは要注意です。そこでうまくいけばいいけど、だれかひとりとでも揉めたら、そのあと針のむしろになる可能性も高いです。」

職場の雰囲気や自分の感覚も大切ですが、現状を具体的に確認し、企業をふかんして見る冷静な目も持ち合わせておくと良いでしょう。

8. 転職活動や就職活動の始め方

就職活動や転職活動を行うとき、何から始めれば良いか戸惑うことはありませんか?
先ほど述べたように、仕事を選ぶ際に優先すべきことをまとめたら、次は何をすればよいのでしょうか?

まずは、どんな求人スタイルがあるのかを知りましょう。

8-1.働き方によって選べる採用枠「一般枠」と「障害者雇用枠」

求人には一般枠障害者雇用枠があり、障害者手帳のある方は、どちらにも応募することができます。

「一般枠」は、病気や障害があることを伝えず、病気や障害のない方と同じように働きます(クローズ就労) 。
募集している職種も多く、昇進や昇給などの機会も望めます。しかし、病気や障害への理解を得られにくく、職場の同僚のサポートを受けることは難しいのが現状です。

「障害者雇用枠」は、病気や障害があることを伝えて働きます(オープン就労)。そのため、病気や障害についての理解が得られ、職場の同僚のサポートも受けやすくなり、働きやすい職場環境を望みやすくなります。

8-2.求人の見つけ方

①ハローワーク

ハローワークには、病気や障害のある方専門の窓口があり、スタッフに相談することができます。そして、障害者雇用の求人情報も多く扱っています。

参考:厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」

②人材紹介会社(エージェント)

病気や障害を抱えることで働くことに不安を覚えている方の、就職活動を応援する専用の人材紹介会社(エージェント)をご存知でしょうか?

履歴書の書き方や面接の練習、おすすめする企業の紹介やその企業との連絡、事前見学の調整、入社後のケアや相談など、全面的なサポートを行っています。
ハローワークでは公開されていない求人情報も扱っています。また企業との連絡が密なので、ホームページや求人票からは得られない職場環境なども知ることができます。

ひとりで始める就職活動とは違い、専門家のアドバイスやサポート、自分にあった企業の紹介を受けられます。担当者と一緒に不安を取り除きながら就職や転職活動を進めていくことができるので、安心ですね。

しかし、人材紹介会社も一つの企業です。紹介できる企業の得意分野や担当者の性格はさまざま。自分の希望や意見が伝えやすく、理解してもらえる人材紹介会社かどうかをチェックしてみましょう。

メンタルが影響する就職活動。ひとりで抱え込まずに周りに相談しながら、前向きに取り組んでみてください。

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9. 最後に

不眠症を抱えながら働くことは、不安やストレスを感じることも多いでしょう。しかし、自分の状況を正しく把握して、それをきちんと伝えることで、理解を示してくれる会社と出会う可能性は高まります。

うまくいかないことが続く、周りと比較して悲観的になってしまう、そんな日もあるかもしれません。ゆっくりで大丈夫です。無理せず、焦らず、マイペースで進んでいきましょう。

もし思ったような結果が得られなかったとしたら、それはもっと自分に向いている企業があるということです。

このコラムでご紹介したように、不眠症を抱えながらも、満足できる働きを実現している方はたくさんいます。ぜひ、今回ご紹介したポイントを参考に、自分に向いている職場を探してみてください。応援しています。


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▼障害者枠(オープン)や一般枠(クローズ)についてはこちらでもご紹介しています。
障害者枠(オープン)か一般枠(クローズ)か?メリットとデメリットを解説


▼障害者枠(オープン)の求人の探し方はこちらでご紹介しています
ハローワークだけじゃない、障害者雇用枠の求人はここでも!求人サービスを紹介


この記事は投稿いただいた口コミから生まれています。
皆さんの貴重な口コミは多くの方へ届き役立ちます。ぜひ体験したこと、感じたことを教えてください。
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監修者

就労継続A、B型にて支援員として、身体障害、精神障害、知的障害のある方への支援を行う。ソーシャルワーカー。 自身も悩みを抱えギャンブル依存症になった経験から、「悩みから夢まで話せる友達が見つかる東京の居場所”ココトモハウス“と出会い、現在はその管理人として多くの方から信頼を寄せている。生きづらさを抱える人達を社会と繋げて、豊かな社会を作ることがミッション。

保有資格

著者

障害、病気のある方の企業や仕事に関する口コミサイト「アンブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害の特性に配慮した働き方や仕事との向き合い方を提案。理想の職場に出会うための、そしてより働きやすくなるための情報を発信しております。障害や病気があってもぴったりの仕事を。

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