心疾患のある方が転職活動や仕事復帰をすることになった時、さまざまな不安を抱えることと思います。例えば、
「無理なく働ける職場は見つかるだろうか?」
「持病がある場合でも採用してくれる企業はあるのだろうか?」
「もし就職できたとしても仕事が続くだろうか?」
といった不安や悩みはありませんか?
「心疾患」といっても、人により症状や重さの度合いもさまざまですが、昨今は医療の進歩もあって、継続的に心疾患治療を受けながらアクティブに活動している方は大勢いらっしゃいます。
しかしながら、仕事に就くとなるとさまざまな不安が押し寄せてくることでしょう。仕事がなかなか決まらず落ち込むこともあるかもしれません。
そんな時は、心疾患の治療を受けながらも実際に働かれている方々の声に耳を傾けてはいかがでしょうか。
このコラムでは、心疾患の治療を受けながら実際に働かれている方からの口コミをもとに、転職活動や仕事復帰に成功するポイントから、就職後に気をつけたいことまでを詳しくまとめています。
障害者雇用の専門家ジョジョさん(社会福祉士、プロコーチ)にもアドバイスをいただきました。
寄せられた沢山の声から、成功例や失敗例、対処方法などをお伝えすることで、就職、転職、復職を考えている方に少しでもお役に立てると幸いです。
「心機能障害で常に疲れやすいです。」
「心房細動のため、ワーファリンを服用していて出血等に細心の注意が必要です。」
「心臓に人工弁がはいっているので、風邪をひいたりしないように気をつけています。」
「ICDを装着しているため、走ったり重いものを持ち上げたりすることは避けたい。」
「拡張型心筋症と診断され、投薬治療で小康を保っていたのですが、数年前に心筋梗塞で倒れ、カテーテル手術を受けて回復しました。しかし、それからずっと狭心症があり、投薬治療を続けています。仕事などあまり長時間に極度の集中力を使うと苦しくなることがあります。」
「先天性大血管転位のため手術を受け、腹部にペースメーカーを挿入しています。瞬間的・持続的に力を出すような作業は避けなければなりません。」
「先天性心疾患。ある程度のことはできるが、体力がないので長く動けない。すぐに疲れる。病気によるものか、怠けているだけか同僚からは理解されにくい。」
「傍からみると障害があるように見えず、理解してもらえない場面が多いです。」
「自分の病状を知っているのが、上司と自部署の人々だけです。自分は利尿剤も服用している為トイレの回数が多いのですが、他部署や役職の方々との打ち合わせなどでは退席しづらいです。」
「障害は秘密にしていたので何の配慮もうけたことはない。自己管理を徹底するのみで、勤務を続けていた。」
「寒いところでの作業は避けるなど気をつけています。」
「冬季はいきなり寒い場所へ出ないように、準備運動等実施している。」
「空調設備が更新されたので快適に仕事ができています。」
「通院後の夕方に仕事をしなくてはならない時もあったが、基本的には通院日に仕事をしなくてよいようにスケジュール調整してもらえる。」
「病院に薬をとりに行く日は必ず休日を入れてもらえます。」
「勤務する曜日を調整してもらえた。月~金の勤務を月~木までにしてもらった。」
「定期的な通院検査の他、ペースメーカーの入れ替え手術がある為、事前に報告をして勤務措置をとってもらっている。」
「3時間以上集中力を使う仕事は続けてせず休憩を入れることにしている。」
「体調が悪い時には早めに休むよう気にかけてくれる。」
「体調をいつも心配してくれ、ちょっとでも様子がおかしければサポートもしてもらえます。」
「負荷の高い作業やストレスでNT-ProBNP値が即悪化する。」
「仕事の内容でストレスを受けたり驚いたりするほか、嫌なことを言われると必ず心不全の症状が出ますので、そういうのを避けながら仕事をしています。」
「肉体的な労働は他の人がしてくれる。」
「超過勤務等について一定の配慮措置がでたため、配置転換等してもらった。」
「通常のデスクワークであれば問題ないが、重い物を移動しなければいけないときは台車を使ったり、他の人にお願いしたりしている。」
「症状を知っているのが上司だけで他部署の方は知らないため、外での仕事が免除されていることを不審がられる。」
「社内での理解が非常に少ない。見た目は健常者に見えるので、障害3級には見えないらしい。」
「狭心症の発作が起きた時に、素早く病院に連れて行ってくれました。その時の対応も文句なしです。」
「みなさんが病気に対して理解してくれていて大変満足しています。」
「心疾患で突然意識を失ってしまうことがあります。疲れがたまると症状が出やすいです。」
「心・肺機能が健常者と比べて低いため、連続する運動や発声を行うと、息切れ、めまい、動悸、不整脈が現れます。」
「病気で急に行けなくなっても大丈夫な所を教えてもらいました。」
「職場見学を十分にしてはたらきやすい職場かどうか時間をかけて判断することが大切です。」
「会社の面接だけでは分からないことが多い。そのために体験実習制度があるので、これを活かして仕事ができるかどうかを判断したほうがよい。」
「できれば職場体験をしたほうが良い。1か月ぐらいすればそこの会社や同僚の性格の判断がくだせると思うし、身体の調子が悪い時に休みがとりやすいか、障害を持つ人に常に温かく接してくれるのかどうかもわかってくる。」
「各人の病状・症状にもよりますが、まず、自分ができる事、できない事をピックアップしてください。」
「自分の体の状態あるいは障害をきちんと把握して面接の時は正直に話し、可能な限り自分の要望を相手に伝え理解して貰う。」
「実際は入ってみないと分からないことが多いのですが、なるべく入社する前に自分の状態や状況などを詳しく話し、理解してもらえるかどうかを見極める必要があります。」
「面接・面談では、自分がピックアップしたできる事、できない事を正確に伝えてこの職場ではどういった業務がメインなのか、例外の業務はあるのか、自分はこういった症状だが、それに関しては特に問題なく遂行できそうな雰囲気なのかなど、不安に思う事はすべて細かく聞き出したほうが良いです。」
「その会社に同じような障害のある方が働いている、もしくは働いていたかを確認しておく事。」
「残業や休出がどの程度あるのかは、必要に応じて確認したほうが良いと思います。また面接場所以外に、どの様な場所で勤務が必要になるのかも確認したほうが良いと思います。」
「障害のある方がどれだけ職場にいるのか、また、いる場合はどのような仕事を行っているかは確認すべきです。 仮に、職場に障害のある人が全くいなかったが採用された、となった場合は、どのような仕事をどこまでできるかということをお互いにきちんと理解しあった上で入社すべきです。」
「それを嫌がられる、または、嫌な顔をするような人がいる職場であれば、先も見えたようなものでしょう。」
「誠意ある回答をしてくれる会社はそれなりに信頼できるだろうし、いい加減な回答しかしてくれない担当がいる会社は信用できないという事になる。」
「障害を理解してもらおうとするなら、できることは自分から進んですること。できないことはハッキリ伝えることです。」
「人事異動が多いので、初見の人と仕事をすることも多く、そのつど自分の病状について説明をする場面も増えます。」
「自分の病状や症状を上司に知らせる。 心臓の負担になる重労働は避ける。」
「職場によっては天井の高さの関係で、冷暖房設備の効きが悪いところがあるのでマイ扇風機を用意するなどで対応する。」
「(出血すると止まりにくい為)危険物に近づかない、打ち身に注意するなどは当然のことながら、食事と薬の管理に注意しています。」
「自分の身は自分で守る。」
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