何よりも人間関係が良好だった。また人事部からの指示で、残業は一切禁止、研究は頭と紙と鉛筆があれば出来てしまうということで、仕事の持ち帰りも一切禁止され、就業時間以外は仕事から離れて、ストレスのかからない生活を送るように指示された。また、本来独身寮は30歳までしか入れないが、特別に入寮させてもらい、夕飯は確実に確保させてもらった。また欠勤や遅刻の連絡も電話ではなくメールでもOKということにしてもらえた。

研究チームへの配属となり、工作機械（マシニングセンタ）の熱変位や運動精度向上に関する研究に従事した。

就業時間以外は仕事から一切離れて、プライベートではなるべくストレスフリーな環境が出来るよう、最善を尽くしてもらえた。また、仕事で煮詰まったときは、行き先表示を『工場巡回』にして、散歩とリフレッシュと現場での業務の見学と、色々兼ねた息抜きも認めてもらえた。

本当にのどかな社風で、古きよき昭和の会社という感じだった。のどかだが、やるべきことはきっちりやっており、仕事のレベルが決して低くないところも良い点だった。まだ、本格的な障害者雇用を始めて間もないということで、人事の方も戸惑いが多かったように見受けられたが、とにかく職場でベストパフォーマンスを発揮できるよう、尽力してもらえた。

私は給与面では、最高基準のものをいただいていたが、社内で会う人会う人に「うちの会社は給料が安くてごめんな」と謝られていた。あれから10年以上経っているので、現在の給与水準は分からないが、当時は業界内では給与水準は低かったようだ。